Webサイトやブログなどで特定のページへユーザーを誘導したいとき、テキストリンクを掲載するべきか、バナーを掲載するべきか迷う人もいるでしょう。
特に、バナーについては、テキストと比べて視覚的なインパクトを与えられるため、ユーザーに見てもらいたいページへ誘導するためよく使われます。バナーは、効果的な広告手段として多くのウェブサイトで活用されています。
しかし、バナーを掲載する場合、ターゲットや目的に合わせた、適切なデザインやサイズで作成しなければ、意図した効果が得られないこともあります。本記事では、バナーの意味や種類、メリット・デメリット、バナーを作る際のポイントについて解説します。
「Webサイトにバナーを掲載してみよう」と考えている人は、本記事を参考にして、望む効果の得られるバナーを作ってみてください。バナーの適切な活用方法を理解することで、より効果的なウェブマーケティング戦略を立てることができるでしょう。
目次
バナーとは?
バナーとは、Webサイトやブログなどで掲載される、リンク付きの画像素材のことです。
バナーは、英語のbanner(旗、のぼり)から派生しており、Webサイト上で掲げている「のぼり」のような役割があります。
街中で掲げられているのぼりには、通行人に見てもらいやすいよう目立つ工夫がされています。それと同様に、Webサイト上のバナーもWebページを見ているユーザーの目につきやすいようにデザインされ、バナーをクリックして誘引先のページへ遷移してもらえる効果を狙って作成・掲載されます。
バナーは、テキストリンクと比較して視覚的なインパクトが強く、ユーザーの注目を集めやすいという特徴があります。効果的なバナーデザインは、ユーザーの興味を引き、クリック率を向上させる可能性があります。また、バナーは企業のブランドイメージを伝える役割も果たすため、Webマーケティングにおいて重要な要素の一つとなっています。
関連記事:バナー広告がよくわかる!~サイズ選定から制作手順まで解説~
バナーの種類
バナーには下記の種類があり、Webサイトの目的に応じて使い分けられています。
● サイドバナー
● バナー広告
これらのバナーは、ユーザーの注目を集め、特定のページやサイトへの誘導を促進する重要な役割を果たします。バナーのデザインや配置を工夫することで、効果的なユーザー誘導が可能となります。
それぞれのバナーの特徴について、以下で詳しく解説していきます。バナーの種類を理解することで、自社のWebサイトやブログに最適なバナーを選択し、効果的な運用を行うことができるでしょう。
サイトバナー
サイドバナーとは、Webサイトのサイド(横)の部分に表示させるバナーのことです。特徴は、すべてのページの同じ位置に表示させていることが多いことです。
そのため、サイトバナーは、もっとも誘導したいページやサイトに関するリンク先が設定されます。そして、Webサイトを訪れたユーザーが必ず目にする位置に設置されています。サイトバナーは、ユーザーの注目を集めやすく、効果的なバナー広告の一種として活用されています。
サイトバナーは、Webサイトの構造やデザインと調和しつつ、視覚的なインパクトを与えることができるため、ブランディングや重要な情報の訴求に適しています。また、サイト全体を通じて一貫したメッセージを伝えることができるという利点もあります。
バナー広告
バナー広告とは、商品やサービスを紹介する画像やGIFアニメーションでデザインされているバナーのことです。
クリックすると、その商品やサービスの個別ページへ誘導されるものが多いです。前述のサイドバナーのように、すべてのページに掲載されているわけではなく、関連するページにピンポイントで掲載されているだけの場合もあります。
Webサイトを訪れたユーザーが、サイトのコンテンツを見ていくなかで自然な流れでクリックされることを狙って設置できれば、効果的に誘引したいサイトへユーザーを誘導できます。バナー広告は、ユーザーの興味を引き、クリック率を高めるための重要な要素として機能します。
効果的なバナー広告を作成するためには、ターゲットとなるユーザーの特性や、広告を掲載するWebサイトの雰囲気に合わせたデザインを心がけることが大切です。また、バナーのサイズや配置場所も、ユーザーの目に留まりやすく、かつ自然な形でクリックしてもらえるよう工夫することが重要です。
バナー広告とテキスト広告の違い
バナー広告と同じ効果を狙って設置されるものに「テキスト広告」があります。テキスト広告とは、Webサイトやブログに表示される、テキストのみで構成されている広告のことをいいます。テキスト広告には、一般的には下記の要素が含まれています。
● 広告見出し
● 説明文
● URL
テキスト広告は、「Googleディスプレイネットワーク(GDN)」や「Yahoo!アドディスプレイネットワーク(YDN)」といった広告配信システムで生成できます。
バナー広告もテキスト広告も、設定したリンク先ページへの誘引を目的として掲載します。しかし、バナー広告が画像やアニメーションを使って表現できるのに対し、テキスト広告はテキストでしか表現できないという違いがあります。
視覚的な印象を与えたい場合は、テキスト広告よりもバナー広告のほうが効果的です。一方で「あまり広告っぽくしたくない」「ユーザーに自然な流れでクリックしてもらいたい」という場合は、テキスト広告のほうが適しています。また、バナーは画像ファイルを使用するため、テキスト広告と比べてページの読み込み速度に影響を与える可能性があります。
バナーとテキスト広告のどちらを選択するかは、Webサイトの目的やターゲット層、掲載場所などを考慮して決定することが重要です。効果的な広告戦略を立てるためには、両者の特徴を理解し、適切に使い分けることが求められます。
関連記事:バナー完全ガイド!広告・デザイン・サイズ・制作方法などマルっと解説
よくあるバナーサイズと使用する場所
バナーとは、Webサイトやブログで使用される視覚的な広告素材です。その効果を最大限に引き出すためには、適切なサイズと掲載場所を選択することが重要です。バナーのサイズは、ピクセル(px)単位で表現され、それぞれの用途に応じて様々な大きさが存在します。
一般的によく使用されるバナーサイズには、以下のようなものがあります。
●300×250
●336×280
●728×90
●300×600
●320×100
これらのサイズは、Webサイトのレイアウトや目的に合わせて選択されます。例えば、サイドバーに配置する場合は縦長のバナーが適していますし、記事の途中に挿入する場合は横長のバナーが効果的です。また、モバイル端末向けには専用のサイズが用意されています。
バナーの掲載場所は、ユーザーの目に留まりやすく、かつサイトの閲覧体験を妨げない位置を選ぶことが大切です。適切なサイズと場所を選ぶことで、クリック率の向上やブランド認知度の上昇といった効果が期待できます。
それでは、各サイズのバナーの特徴と一般的な使用場所について、詳しく見ていきましょう。
300×250
300×250サイズのバナーは「レクタングル」と呼ばれる種類のバナーで、最も一般的に使われているバナーです。
掲載場所としては、Webサイトのサイドのカラムや、記事の途中・末尾に掲載されることが多いです。このサイズのバナーは、デスクトップPCでもスマートフォンでも、画面サイズによる見た目の違いが少ないため、多くのウェブサイトで採用されています。
PC画面で見てもスマホ画面で見ても、画面サイズによる見た目の違いがないため、もしどのサイズでバナーを作成しようか迷ったときは、このサイズにすることをおすすめします。300×250のバナーは、様々なデバイスで安定した表示が期待できるため、汎用性が高いと言えるでしょう。
ただし、よく使われるサイズのバナーであるためインパクトは弱いです。そのため、デザインや内容で差別化を図ることが重要になります。
336×280
336×280のバナーも「レクタングル」と呼ばれる種類のバナーですが、300×250サイズよりも少し大きいバナーです。サイトレイアウトによっては、サイドカラムからはみ出してしまうこともあるため、記事の文中に掲載されることが多いです。このサイズのバナーは、視認性が高く、ユーザーの注目を集めやすいという特徴があります。また、バナーのデザインや内容によっては、クリック率の向上につながる可能性もあります。ただし、サイトの全体的なデザインとの調和を考慮しながら、適切な配置を検討することが重要です。
728×90
728×90のバナーは、「ビッグバナー」と呼ばれる種類のバナーです。横長のバナーで、Webサイトのページ上部に掲載されることが多いです。サイズが大きく、Webページを開いてすぐに見てもらいやすいバナーです。このサイズのバナーは、ページのヘッダー部分やコンテンツの上部に配置されることが多く、ユーザーの目に留まりやすい特徴があります。そのため、重要なメッセージや広告を効果的に伝えるのに適しており、クリック率の向上やブランド認知度の向上に貢献します。また、このサイズのバナーは、デスクトップ画面での表示に最適化されているため、PCユーザーをターゲットにした広告キャンペーンに特に効果的です。
300×600
300×600のバナーは、「スカイスクレイパー」と呼ばれる種類のバナーです。サイドバナーに掲載され、縦長でスペースも大きいため視覚的効果が高く、ブランド認知向上のために使われることが多いです。「ハーフページ広告」とも呼ばれています。このサイズのバナーは、Webサイトの右側や左側のカラムに配置されることが一般的で、ユーザーの目を引きやすい特徴があります。バナーのデザインや内容によっては、商品やサービスの詳細な情報を効果的に伝えることができるため、コンバージョン率の向上にも貢献する可能性があります。
320×100
320×100のバナーは「モバイルバナー」と呼ばれる種類のバナーです。その名のとおり、スマートフォンなどのモバイル端末向けのレイアウトでよく使用されます。このサイズのバナーは、モバイル画面に最適化されているため、スマートフォンユーザーの目に留まりやすく、クリック率を高める効果が期待できます。また、モバイルバナーは比較的小さいサイズながら、効果的にメッセージを伝えることができるため、限られたスペースでも強力な広告ツールとなります。バナーのデザインを工夫することで、ユーザーの興味を引き、リンク先への誘導を促進することができます。
バナー広告のメリット・デメリット
バナー広告は、Webサイト訪問者の興味をひきつけ、リンク先ページへの誘導に効果的です。視覚的な要素を活用できるため、ユーザーの注目を集めやすく、商品やサービスの魅力を効果的に伝えることができます。また、バナーのデザインや配置によっては、サイトの雰囲気を損なわずに自然な形で広告を表示することも可能です。
しかし、場合によって掲載に適さないケースもあります。例えば、サイトの内容と関連性の低いバナーを掲載すると、ユーザーエクスペリエンスを損なう可能性があります。また、過度に派手なデザインや頻繁な表示は、ユーザーにストレスを与える可能性があります。
バナー広告のメリット・デメリットを理解した上で、制作・掲載することが大切です。適切に活用することで、効果的なマーケティング施策となり得るでしょう。
メリット
バナー広告には、次のようなメリットがあります。
●視覚的にインパクトがあり印象に残すとともにアピールが可能
●企業のブランディングになる
●ユーザーの興味を引き、クリック率を向上させる可能性がある
バナー広告は画像や動画などの素材が利用できるので、テキストのみで構成されている広告と比べて、視覚的にインパクトのあるアピールができます。そのため、Webサイトを訪れた人が広告に気づきやすく、興味をひきやすくなります。
また、企業や商品のロゴなども掲載できるため、長期間掲載することで認知度が広がれば企業のブランディングにもなります。さらに、効果的なバナーデザインを用いることで、ユーザーの注目を集め、クリック率を向上させる可能性があります。これにより、リンク先ページへのトラフィックを増やし、最終的にコンバージョン率の向上にもつながる可能性があります。
デメリット
バナー広告には次のようなデメリットもあります。
●制作に手間がかかる
●デザイン次第では、効果が出ないことがある
●バナーブラインドネス(バナー無視)の問題がある
バナー広告には、画像や動画の要素が使われますが、それらを加工・編集するためには、それなりの手間がかかります。
画像や動画の編集ソフトを用いてバナーを作るためには、ソフトを扱える技術とセンスが必要ですが、表現したいデザインや効果によっては、完成させるのに多くの調整を入れなければならないこともあります。
また、せっかく手間をかけて作ったバナーでもサイトとの親和性が悪く、あからさまに「広告」という印象が強くなりすぎると、ユーザーにクリックされなくなってしまうので注意が必要です。
さらに、近年では「バナーブラインドネス」と呼ばれる現象も問題となっています。これは、ユーザーがWebサイト上のバナーを無意識的に無視してしまう傾向のことを指します。バナーとは異なる形式や配置を工夫するなど、この問題に対処する方法を考慮する必要があります。
バナーを作る際のポイント
バナーを効果的なものにするためには、バナー作成の際に下記のポイントを押さえて作成することをおすすめします。これらのポイントを意識することで、クリック率の高いバナーを制作できる可能性が高まります。
● ターゲットを整理する
● 複数パターンのデザインを作る
● 目的を整理する
それぞれのポイントについて、順番に解説します。また、これらのポイントを押さえることで、バナーとしての機能を最大限に発揮し、ユーザーの興味を引き付けることができます。バナーの役割は単なる装飾ではなく、ユーザーとのコミュニケーションツールとしても重要です。そのため、これらのポイントを丁寧に検討し、効果的なバナーを作成することが求められます。
ターゲットを整理する
バナーを作り始める前に、まずは「誰にバナーをクリックしてほしいのか」というターゲットを整理することが大切です。効果的なバナーを作成するには、ターゲット層を明確に定義し、その層に適したデザインや文言を選択する必要があります。
なぜなら、バナーのデザインや文言がターゲット層を呼び込むのにふさわしいデザインや雰囲気になっていないと、どんなにきれいなデザインでもターゲットにクリックしてもらえないからです。バナーの効果を最大化するためには、ターゲットの好みや興味に合わせたアプローチが不可欠です。
たとえば、40代女性向けのファンデーションを紹介するバナーに、子供向けのポップな雰囲気のデザインのバナーを作っても、ターゲットにクリックされないでしょう。このように、ターゲットとバナーの内容やデザインのミスマッチは、クリック率の低下につながります。
そのため、バナーのデザインや雰囲気を予めターゲットに合わせて決めておくことが大切です。ターゲットの年齢層、性別、興味関心、ライフスタイルなどを考慮し、それらに適したカラーパレット、フォント、画像スタイルを選択することで、より効果的なバナーを作成できます。
複数パターンのデザインを作る
制作するバナーのデザインは、複数パターン作ることをおすすめします。なぜなら、1つのデザインで必ずしも効果が出るとは限らないからです。たとえば、1パターンしか作成しなかった場合で効果が出なかったときに、すぐに別のパターンのバナーに差し替えができません。
もし、複数パターンのデザインのバナーを作っていれば、訪問ユーザーの反応が良くなかったときに別のパターンのバナーにすぐに差し替えられます。これにより、バナーの効果を最大化することができます。
そのため、はじめから1パターンだけしか作らないのではなく、掲載後の柔軟な対応ができるようにバナーは複数のデザインのものを作っておくと安心です。また、複数のデザインを用意することで、A/Bテストを行うこともできます。A/Bテストとは、2つ以上のバージョンを比較して、どちらがより効果的かを検証する方法です。
バナーのデザインを複数用意する際は、色やレイアウト、キャッチコピーなどを変えてみるとよいでしょう。これにより、ターゲットユーザーにとって最も魅力的で効果的なバナーを見つけ出すことができます。
目的を整理する
最後のポイントとして、「バナー広告が表示されたら、ユーザーにどのように反応してもらいたいのか」という目的を整理して明確にしておくことが大切です。なぜなら、バナーを掲載する目的があいまいだと、期待する効果が得られないからです。
「特定のページのアクセス数を伸ばしたい」「商品・サービスの購入・申込みをしてもらいたい」「ブランディングのために掲載したい」といった目的に応じて、バナーのデザインや構成も変わってきます。
望む反応や行動を促すためには、目的に応じたコンテンツやデザインの工夫が必要です。
そのため、バナー広告を効果的なものにするためにも、目的を整理して、求める反応を的確に引き出せるバナーを作ることが大切です。
例えば、商品の購入を促すバナーであれば、商品の特徴や魅力を簡潔に伝えるデザインが適しています。一方、ブランディングが目的のバナーなら、企業ロゴや特徴的なキャッチコピーを効果的に配置することが重要です。このように、バナーの目的に合わせて適切なデザイン要素を選択し、ユーザーの行動を促すことが求められます。
関連記事:クリエイティブの意味は?バナー広告など効果的な広告運用のポイント
まとめ
バナーは、ユーザーに対して視覚的なインパクトを与えやすい素材です。しかし、目的やターゲットに応じて、適切なサイズやデザインが変わってくるため、慎重に検討する必要があります。
たとえデザインがきれいでも、ユーザーの目をひくバナーであっても、ユーザーに対して魅力的で分かりやすいバナーでなければ、目的に合わせた反応や行動を促すことができません。効果的なバナーを作成するには、ターゲット層の好みや興味を十分に理解し、それに合わせたデザインや文言を選択することが重要です。
これからWebサイトにバナーを掲載してみようと考えている人は、本記事で述べたとおり、事前にターゲットや目的を整理した上で、バナーを制作・掲載することをおすすめします。また、複数のデザインパターンを用意し、A/Bテストを行うことで、より効果的なバナーを見つけることができるでしょう。
最後に、バナーの効果を定期的に測定し、必要に応じて改善を行うことも忘れないでください。このような継続的な努力により、バナーを通じてWebサイトの目標達成に近づくことができるはずです。