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LTV「ライフタイムバリュー」とは?顧客価値を最大化する活用方法

2021.2.5
読了まで約 3

「LTVを分析し向上させる」「LTVを最大化する」「LTVの高い顧客を確保する」など、ビジネスシーンでは、数多くの場面で登場する「LTV(ライフタイムバリュー)」。

今回は、「LTV(ライフタイムバリュー)」について、意味や分析し向上させるための方法などを解説します。

「LTV(ライフタイムバリュー)」の意味

大辞林によれば、LTV(Life Time Value =ライフタイムバリュー)とは、「長期的に一人の顧客から得られる利益を指標化したもの」とされています。

一般的に「顧客生涯価値」などとも呼ばれ、一人の顧客が将来にわたって企業にもたらすと予測される利益から、現在の価値を分析し割り出します。

LTVというネーミングからは、新しいビジネス用語という印象を持ちますが、実はこの考え方はビジネスの現場では「王道」であり、すでに常識となっている考え方です。

一般的に使われている日本語で「優良顧客」といえば、ピンとくるかもしれません。

簡単にいえば、継続して何度も商品やサービスを購買し売上に貢献するリピーターです。

レッドオーシャンとなった市場では、新規の顧客を開拓するのは非常に厳しいといえるでしょう。

そのため、既存の顧客をどのようにして維持するか、つまり売上に貢献するリピーターを増やすかという視点を持ったマーケティング戦略が必要となるのです。

その戦略は、LTVの出発点といえます。

「LTV(ライフタイムバリュー)」を分析し向上させるには?

ただ、前述のとおり、「リピーターを増やす」との視点で終われば、既存のマーケティング戦略と変わりません。

重要なポイントは、LTVの考え方を分析し活用する方法です。

まず、活用の前提としてLTVの算出方法からみていきましょう。

様々な方法がありますが、シンプルなのは、以下の計算方法です。

「単体の顧客が将来にわたって生み出す利益―コスト」

具体的にあてはめれば以下となります。

(購買単価×購買回数×購買年数)―(新規顧客獲得コスト+顧客維持コスト)

例えば、取引先のA社が自社のサービスを購入する場合、単価は30,000円、期間1年で4回、おおよそ5年が一区切りの購買サイクルとなる情報(データ)があるとします。

(ここでは、シンプルにするため、粗利益率などは度外視します)

A社がもたらしてくれる予想利益は、30,000円×4回×5年=600,000円となります。

次に、新規顧客獲得コストが200,000円、顧客維持コストが40,000円かかるとします。

これらを考慮して、A社の最終的なLTVは以下となります。

600,000円―(200,000円+40,000円)=360,000円(A社のLTV)

ここで、LTVを分析し向上させるためには、利益を上げるか、コストを抑えるかという2つの方法が考えられます。

1.利益を上げる
・購買単価を上げる
・購買回数を増やす
・購買年数を長くする

2.コストを下げる
・新規顧客獲得コストを下げる
・顧客維持コストを下げる

この2つのバランスを調整するのが、LTVの考え方なのです。

例えば、あるマーケティング戦略の実行にかかるコストが、単体の顧客につき50,000円かかるとします。

「顧客維持コストを新たに50,000円かけてもいいかどうか」という判断をする際に、

「どれだけ購買単価が上げられるのか」
「どれだけ購買回数が増えるのか」
「どれだけ購買年数が伸びるのか」

の3つと比較分析すればよいわけです。

購買単価が5,000円アップするだけであれば、顧客維持コストを上げるわけにはいきません。

しかし、例えば、購買年数の期間が5年長くなってLTVが2倍になるのであれば、新たなマーケティング戦略を実施する確率が高くなるでしょう。

このように、マーケティング手法を判断する場合にもLTVの分析が活用できます。

また、これらのLTVを使って顧客を分析・分類し、レベルに応じて必要な異なるアプローチが適宜可能となります。

さらに、営業の現場であれば値引きなどの判断をする際にも、LTVを軸として考えられるでしょう。

様々な場面での判断基準として、LTVを活用できるのです。

「LTV(ライフタイムバリュー)」向上に向けたビジネスモデルへの移行

LTVに注目してマーケティング戦略を練るのはもちろん重要ですが、もはや経営の上ではそこに止まらず、さらに進化し続けています。

というのも、ビジネスモデル自体を見直すという動きが加速しているからです。

ビジネスモデルをサブスクリプションへと移行するのも一つの選択肢でしょう。

そもそも、商品やサービスを購買するという考え方自体、「回数」という考え方がつきまといます。

サブスクリプションモデルの場合、顧客がサービスの価値を感じ続けることができれば、半永続的な関係を構築できる可能性を秘めています。

そして、移行するかどうかの分析・判断の分岐点として、やはりLTVの視点が重要となってくるのです。

LTVの内容を正確に把握するだけでなく、LTVを起点にしたマーケティング戦略、そして新しいビジネスモデルの開発など、進化は続きます。

変化を恐れずに将来を見据えた大胆な改革こそが必要なのかもしれません。

まとめ

◆LTV(Life Time Value =ライフタイムバリュー)とは、「長期的に一人の顧客から得られる利益を指標化したもの」をいう。

◆新たなマーケティング施策を行う判断基準として、LTVを活用する。

◆LTVを起点にした新しいビジネスモデルへの移行も選択肢の一つである。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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