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インパクト抜群!日本全国のおもしろネーミングライツ28選

2026.1.19
読了まで約 13

駅名や歩道橋、公共施設など、日本全国で話題を集める「おもしろいネーミングライツ」の事例が増えています。なぜ企業や自治体はこれほどインパクト重視の命名権契約を結ぶのでしょう?そこで、背景にある認知拡大や地域活性化への狙いについても触れながら解説していきます。

思わず笑ってしまうユニークな名称から、BtoB企業の戦略的な活用事例まで網羅します。ネーミングライツの意外な効果をご確認いただき、自社のマーケティングにも活用してみてください。

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目次

駅舎・電鉄系

駅や鉄道車両のネーミングライツは、通勤・通学客という決まったターゲットに毎日繰り返し接触できるため、単純接触効果(ザイオンス効果)が極めて高い媒体です。 とくに、地方鉄道では「経営再建」というストーリー自体がコンテンツ化しており、単なる看板広告を超えた「応援消費」や「SNSでの拡散」を生み出すマーケティングの成功事例としても注目されています。

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えぇ銚子!! えぇトラックレンタル♡A-TRUCK 仲ノ町駅(銚子電鉄)

千葉県の銚子電気鉄道は、ネーミングライツを「経営危機を逆手に取ったエンタメ」として昇華させた先駆的な存在です。路線の愛称を「犬吠崖っぷちライン」にするなど、弱みをさらけ出すことが逆に信頼や共感につながるというプロセスエコノミーを実践しています。

そんな銚子電鉄の仲ノ町駅の権利を取得したのは、物流用トラックのレンタル事業などを展開する株式会社A-TRUCK。 「えぇ銚子(調子)」というダジャレと、企業名を組み合わせたインパクトのある名称は、マーケティング方面で注目を集めました。

参考リンク:銚電ネーミングライツ 銚子電気鉄道株式会社

ナウル共和国 笠上黒生駅(銚子電鉄)

「日本の中に別の国がある?」と一時的にXでトレンド入りし、多くのメディアでも取り上げられたのが、笠上黒生(かさがみくろはえ)駅です。 Xでの公式アカウント同士の交流をきっかけに、太平洋の島国・ナウル共和国政府観光局が命名権を取得し、ナウル共和国 笠上黒生駅となりました。

一企業の枠を超えた「国×鉄道×SNS」という異色のコラボレーションであり、予算規模が小さくてもアイデアとストーリー性があれば、全国区、あるいは国際的な認知獲得が可能であることを証明しています。

参考リンク:「ナウル共和国」が駅名愛称に 銚子電鉄の笠上黒生駅で命名権取得 - 日本経済新聞

NEW GINGER “BOW WOW” STATION 岩下の新生姜 犬吠駅(銚子電鉄)

犬吠駅の事例として、岩下食品株式会社による「岩下の新生姜」とのコラボレーションも挙げられます(現在は契約終了)。

「犬吠(いぬぼう)」の「犬」から「BOW WOW(バウワウ)」とつなげ、駅2階に特別展示「岩下の新生姜ミュージアム 銚子電鉄犬吠駅分室」を設置。犬吠駅にいながら遠く離れた栃木市の岩下の新生姜ミュージアムの雰囲気を体感できると話題になりました。

参考リンク:銚子電鉄犬吠駅の愛称が「NEW GINGER “BOW WOW” STATION 岩下の新生姜 犬吠駅」に!岩下の新生姜ミュージアムのコラボ展示、もえのあずきさん車内アナウンスが5月26日にスタート&記念セレモニーも。|岩下食品

#マクセル号(平成筑豊鉄道)

福岡県を走る平成筑豊鉄道では、駅名だけでなく車両そのものをメディア化した「#マクセル号」が運行されています。 電機メーカーのマクセル株式会社がスポンサーとなり、車両全体をラッピング広告で包み込んでいます。

特筆すべきは、駅に停車するたびに「動くビルボード」として機能し、沿線住民や利用者に対して長期間にわたり視覚的な刷り込み(インプレッション)を行い続けている点です。 BtoB製造業が地域社会との接点を持ち続けるための、堅実かつ効果的な手法と言えます。

参考リンク:405号車「#マクセル号」 – へいちくネット(平成筑豊鉄道)

伊豆仁田駅:来て楽しい 知って楽しい 食べておいしい(伊豆箱根鉄道駿豆線)

静岡県の伊豆箱根鉄道駿豆線にある伊豆仁田駅の副駅名は、もはや名前というよりも「キャッチコピー」そのものです。 近隣にある「めんたいパーク伊豆」がスポンサーとなっており、施設への誘引を目的としたストレートなメッセージが採用されています。

駅名を「場所を示す記号」から「行動を促すCTA(Call To Action)へと変質させた、アグレッシブな広告戦略です。

参考リンク:伊豆仁田駅  いずにったえき | 伊豆箱根鉄道

JR神田駅モンダミン口、バスロマン口…:アース製薬が駅全体をショールーム化

2023年10月、東京のビジネス街の中心であるJR神田駅が、ある企業の「色」に染まったことで大きな話題となりました。その企業とは、神田に本社を構えるアース製薬株式会社です。JR東日本との5年間にわたるネーミングライツ契約により、駅名標や出口の名称が大胆に変更され、ビジネスパーソンや利用客を驚かせました。

参考リンク:JR神田駅の駅名標「JR神田駅(アース製薬本社前)」に | アース製薬株式会社のプレスリリース

山手線の駅では初のネーミングライツ展開として注目

この施策の最大の特徴は、公共性の高いJR山手線の駅において、駅名標から発車メロディに至るまで徹底した「ジャック」が行われた点にあります。駅名標には「JR神田駅(アース製薬本社前)」という表記が追加され、山手線の発車メロディは「お口クチュクチュ」でおなじみ、モンダミンのCMソングに変更され、聴覚を通じたブランド刷り込みを実現しています。

とくに注目を集めたのが、4つの改札出口すべてに主力商品名が冠されたことです。単に企業名を付けるのではなく、誰もが知る商品名を出口名に採用することで、利用者の記憶に強く残る仕掛けとなっています。

改札出口 ネーミングライツ名称 商品カテゴリ
北口 モンダミン口 洗口液
東口 サラテクト口 虫よけ剤
南口 アースジェット口 殺虫剤
西口 バスロマン口 入浴剤

駅構内には、これらの名称が記載された案内表示だけでなく、各商品に関連した暖簾(のれん)やメッセージ広告も掲出され、駅全体がアース製薬のショールームのような様相を呈しています。

実施の背景とマーケティング効果

この大胆なネーミングライツの背景には、神田がアース製薬の本拠地であるという「地縁」があります。しかし、単なる地元貢献にとどまらず、マーケティングの観点からも非常に計算された戦略が見て取れます。

第一に、SNSでの拡散効果です。「神田駅がアース製薬に占拠された」「待ち合わせはモンダミン口で」などの投稿がSNSで相次ぎ、大きな広告効果を生んだと推測されます。マーケターの視点で見れば、公共空間という「オフライン」の媒体を起点に、デジタル上でのバズりを生み出した好例と言えるでしょう。

第二に、長期的なブランディング効果です。契約期間は2028年までの5年間となっており、一過性のキャンペーンではなく、駅利用者に対して長期的に接触し続けることで、ブランドの親近感と第一想起(マインドシェア、トップオブマインド)を強固にする狙いがあります。日々の通勤で利用するビジネスパーソンに対し、ユーモアを交えて自社商品を刷り込む手法は、LTV(顧客生涯価値)を高めるためのファン作りとしても非常に参考になる事例です。

関連記事:ドミナント戦略とは? メリットとデメリット、マーケティングにおける意味や成功事例

歩道橋

歩道橋のネーミングライツは、スタジアムや文化ホールなどの大型公共施設と比較して、年間数十万円程度から契約可能という圧倒的なコストパフォーマンスが最大の魅力です。通勤や通学という生活動線上で毎日視界に入るため、先ほども挙げた「ザイオンス効果」による認知向上が期待できます。

とくにBtoB企業においては、地域社会への貢献姿勢を示すことで企業の信頼性を高め、回り回って決裁権者への安心感醸成や、採用マーケティングにおける優位性確保につながるケースも少なくありません。

そこで、一度見たら忘れられないインパクトを持つ歩道橋の事例をご紹介します。

くーるまっかいとりー♪ザ・ビークルズ歩道橋(愛知県豊橋市)

愛知県豊橋市にある「向山大池歩道橋」は、地元の中古車買取販売会社であるThe Vehicles 株式会社が命名権を取得し、このユニークな名称になりました。この事例の特筆すべき点は、公共施設の名称に音符記号(♪)を取り入れた遊び心にあります。

「車買取(くるまかいとり)」という業態を「くーるまっかいとりー」とリズミカルに表現することで、堅苦しい企業のイメージを払拭しています。

BtoBマーケティングにおいても、顧客との心理的距離を縮めるための「親しみやすさ」の演出は、リード獲得後の商談化率を高める潤滑油となり得ます。地域住民に愛される名称は、そのまま企業の好感度へと直結するのです。

参考リンク
歩道橋ネーミングライツ。 | the vehicles
愛知県のネーミングライツ導入施設一覧 - 愛知県

ごまたまご歩道橋(愛知県名古屋市)

名古屋市東区古出来にある歩道橋は、近隣に本社を置く中部飼料株式会社によって「ごまたまご歩道橋」と命名されました。「ごまたまご」とは同社の主力商品である鶏卵のブランド名です。

通常、企業は社名を認知させようとしますが、この事例ではあえて社名ではなく具体的なプロダクト名を前面に押し出す戦略をとっています。これは、一般消費者への認知を広げることで、結果として取引先である流通業者や小売店に対する認知効果も狙ったものと推測できます。

自社の強みを端的に表すキラーコンテンツを冠にする手法は、SaaSやITツールなどの無形商材を扱う企業にとっても、サービス名の認知拡大を図る上で参考になるでしょう。

参考リンク:https://www.city.nagoya.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/010/460/251201_pa-tona-itiran.pdf

グラウンド・スタジアムなど

スポーツ施設や運動公園のネーミングライツは、地域住民との接点が多く、メディア露出も期待できるため、多くの企業が導入しています。ここでは、単なる企業名の掲出にとどまらず、独自のメッセージ性やインパクトで話題をさらったユニークな事例をご紹介します。

田中浩康スタジアム(千葉県柏市)

東京ヤクルトスワローズや横浜DeNAベイスターズなどで活躍した元プロ野球選手であり、現在は指導者として活動する田中浩康氏が、自身の出身地である千葉県柏市の「大津ケ丘中央公園スポーツ広場野球場」の命名権を取得した事例です(2026年現在は契約終了)。企業ではなく個人が公共施設のネーミングライツパートナーになるという極めて珍しいケースとして注目を集めました。

この事例は、地域貢献の新しい形を示すとともに、セルフブランディングの観点からも非常に興味深い取り組みと言えます。

なお、マーケトランク編集部のXアカウントにて、当スタジアムの事例についてポストしたところ、田中氏ご本人から引用リポストをしていただきました。

炭焼きさわやか菊川グラウンド(静岡県菊川市)

静岡県民のソウルフードとして絶大な人気を誇る「げんこつハンバーグの炭焼きレストランさわやか」。その運営会社が菊川運動公園多目的広場の命名権を取得しました。

地域住民に愛されるブランド名がそのまま施設名となることで、企業の地域密着姿勢をより強固にするブランディング効果を発揮しています。

参考リンク:菊川市/ネーミングライツ

こざかなくんスポーツパークびんご(広島県尾道市)

広島県尾道市にある「広島県立びんご運動公園」は、地元の食品加工会社である株式会社カタオカが命名権を取得し、「こざかなくんスポーツパークびんご」となりました。「こざかなくん」は同社の主力商品に関連したキャラクターであり、施設名を通じて商品ブランドの認知拡大と親しみやすさの醸成を狙った戦略的なネーミングです。

なお、各施設には以下の愛称がつけられています。

  • ダッシュこざかなくん陸上競技場
  • ぶんちゃんしまなみ球場
  • スマッシュこざかなくんテニスコート
  • シュートこざかなくん球技場
  • チャレンジこざかなくんアリーナ
  • スイミーこざかなくんプール
  • ザリガニくんオートキャンプ場

参考リンク:施設ガイド | こざかなくんスポーツパークびんご

感謝と挑戦のTYK体育館(岐阜県多治見市)

多治見市総合体育館の愛称として採用されたこの名称は、セラミックスメーカーである東京窯業株式会社(本社が東京、本部が多治見市)が命名しました。特筆すべきは、社名だけでなく企業の経営理念やスローガンの一部を施設名に組み込んでいる点です。

BtoB企業にとって、一般消費者への知名度向上は課題となりがちですが、このように企業姿勢を明確に示すネーミングは、採用ブランディングや地域社会からの信頼獲得において、長期的なLTV向上への寄与が期待できます。

参考リンク:感謝と挑戦のTYK体育館(多治見市総合体育館)

ウカルちゃんアリーナ(滋賀県大津市)

滋賀県立体育館のネーミングライツとして、学習塾を展開する株式会社成基(せいき)が命名した事例です。同社オリジナルのうさぎのキャラクター「ウカルちゃん」を冠したこの名称は、スポーツの試合での「勝利(受かる)」と、受験の「合格(受かる)」を掛け合わせた、非常に縁起の良いネーミングとして話題になりました。

ターゲット層である学生やその保護者に対し、ポジティブなイメージを強力に植え付けることに成功したマーケティング事例です。

なお、老朽化のため、同アリーナは2026年3月末をもって閉館します。 これに代わる新しい施設として、2022年にはびわこ文化公園都市内に「滋賀ダイハツアリーナ」がオープンしており、機能の移転が進められています。

参考リンク:滋賀県立体育館

nepiaアイスアリーナ(北海道苫小牧市)

「氷都(ひょうと)」として知られる北海道苫小牧市のシンボルで、かつて「白鳥王子アイスアリーナ」として親しまれた施設は、2023年から「nepiaアイスアリーナ」へと生まれ変わりました。

命名権は2015年から継続して王子グループのネピアが保有していますが、2024年4月に現在の名称へ刷新されました。 企業名の「王子」よりも身近な「nepia」ブランドを前面に出すことで、子供から高齢者まで、あらゆる世代が親しみを感じられる「優しく開かれた施設」というイメージを打ち出しています。

参考リンク:スポーツ協賛|企業情報|【森のnepia】王子ネピア

ザ・野菜 粕川総合グランド(群馬県前橋市)

前橋市の粕川総合グランドは、地元企業の有限会社高橋農園が命名権を取得しました。「ザ・野菜」という直球かつインパクトのある自社野菜のシリーズ名をそのまま施設に名付けることで、一度聞いたら忘れられない強力な認知効果を生み出しています。

これらの事例からわかるように、ネーミングライツは単なる広告枠の購入ではありません。企業(あるいは個人)が「誰に」「何を」伝えたいかを明確にし、施設の特性と掛け合わせることで、費用対効果の高いブランディングツールとなり得るのです。

公園・公共施設

公園や公共施設のネーミングライツは、スタジアムなどの大型施設に比べて契約料が比較的安価に設定されるケースが多く、地域密着型のマーケティング施策として非常に有効です。

ここでは、単なる「企業名の掲出」にとどまらず、施設の特性や地域の文脈を巧みに取り入れ、企業のブランディングやCSR(企業の社会的責任)活動として高い効果を発揮しているユニークな事例を紹介します。

モゥーっとギューっとうしちゃんファーム仙台港多賀城緑地公園(宮城県多賀城市)

宮城県多賀城市にある県立都市公園「仙台港多賀城地区緩衝緑地」は、地元の畜産企業である有限会社うしちゃんファームが命名権を取得しました。

一度聞いたら忘れられない「モゥーっとギューっと」という擬音語を取り入れた名称は、堅苦しい公共施設のイメージを払拭し、親しみやすさを醸成することに成功しています。企業名をただ冠するだけでなく、思わず口に出したくなるフレーズを付加することで、地域住民への認知度を一気に高めた好例です。

参考リンク:https://www.city.sendai.jp/koen-kikaku/documents/sendaisi_koen_manegement_housin.pdf

どらやきドラマチックパーク米子(鳥取県米子市)

鳥取県米子市の東山運動公園は、地元企業の丸京製菓株式会社が命名権を取得し、「どらやきドラマチックパーク米子(通称:どらドラパーク米子)」と名付けられました。

同社サイトでは「どら焼き製造日本一(自社調査)」と明記しており、米子市も「どらやきのまち」として地域おこしを行っています。この事例の優れた点は、単なる一企業の宣伝にとどまらず、「地域の名産品」と「公共施設」をリンクさせ、地域全体のブランディングに貢献している点です。スポーツのドラマチックな展開と、甘いどらやきを掛け合わせたネーミングセンスが光ります。

参考リンク:どらやきドラマチックパーク米子 | 菓子庵 丸京 (丸京製菓株式会社) - どら焼き(どらやき)生産量 日本No.1 世界No.1

ペコちゃん公園はだの(神奈川県秦野市)

神奈川県秦野市のカルチャーパーク内にある「中央こども公園」は、株式会社不二家との契約により「ペコちゃん公園はだの」となりました。

秦野市内に不二家の菓子工場があるという縁から実現したもので、特筆すべきは企業名(不二家)ではなく、国民的キャラクターである「ペコちゃん」を前面に押し出した点です。ターゲットである「子供連れのファミリー層」に対して、企業名よりもキャラクター名の方が圧倒的に親和性が高く、施設の利用促進に直結するマーケティング視点を持った名称と言えます。

参考リンク:https://www.fujiya-peko.co.jp/company/ir/pdf/report_2018_firsthalf.pdf

ドゥ アメニティ 新横浜駅前 トイレ診断士の厠堂(神奈川県横浜市)

新横浜駅北口にある公衆トイレのネーミングライツです。スポンサーはトイレの総合メンテナンスを行う株式会社アメニティ。「トイレ診断士」という専門職の名称と、古風な「厠堂(かわやどう)」という言葉を組み合わせたインパクト抜群の名称です。

この事例はBtoBマーケターにとって非常に参考になるモデルケースです。なぜなら、命名権の対価として金銭を支払うのではなく、自社のサービス(トイレの清掃・維持管理・修繕などの役務)を提供するというスキームを採用しているからです。自社の技術力を多くの人が利用する公共トイレで実証・展示する、いわば「実益を兼ねたショールーム」として機能させています。

参考リンク
「ドゥ アメニティ 新横浜駅前 トイレ診断士の厠堂」 株式会社アメニティとのネーミングライツ契約を更新!!! 横浜市

西川緑道公園トイレ Hare・ル~ノ Produced by KAJINON Inc.(岡山県岡山市)

岡山市中心部を流れる西川緑道公園のトイレは、地元の電気工事会社、カジノン株式会社がネーミングライツパートナーとなり、「Hare・ル~ノ」と名付けられました。「晴れの国おかやま」を連想させる明るい響きです。

小規模なトイレ単体のネーミングライツですが、外壁へのデジタルサイネージ設置や外装の改修、周辺の樹木整備などを行い、暗いイメージになりがちな公衆トイレを明るい見た目して「情報発信基地」へとアップデートしています。予算規模が限られる中小企業であっても、アイデア次第で地域貢献と自社PRを両立できることを示しています。

参考リンク
西川緑道公園トイレ Hare・ル~ノ Produced by KAJINON Inc. | 岡山市
岡山市 公園トイレのネーミングライツ制度について

その他エンタメ系

ネーミングライツの活用は、スタジアムや公共施設といった「建物」だけにとどまりません。映画のタイトルやライブハウスなど、エンターテインメントの領域でも話題性や認知拡大を狙ったユニークな事例が登場しています。ここでは、従来の広告枠の概念を超えた、クリエイティブな命名権活用事例を紹介します。

『秘密結社鷹の爪 THE MOVIE II 〜私を愛した黒烏龍茶〜』

2008年に公開されたアニメ映画『秘密結社鷹の爪 THE MOVIE II』では、映画のサブタイトルそのものをネーミングライツとして販売するという異例の試みに注目が集まりました。

この権利を購入したのはサントリー株式会社(現:サントリー食品インターナショナル株式会社)です。同社の主力商品である「黒烏龍茶」の商品名がサブタイトルに組み込まれ、映画本編内でも商品が重要なアイテムとして登場するなど、徹底したプロダクトプレイスメント(劇中に自然な形で商品を登場させること)が展開されました。

単にロゴを露出するだけでなく、コンテンツの世界観にブランドを融合させるこの手法は、視聴者に強いインパクトを残し、広告色の強さを逆手に取ったエンターテインメントとして昇華させた好例です。

新宿バティオス with 年収並みの命名権を買っちゃったから小説が売れないと困る藤崎翔

東京都新宿区にあるお笑いライブハウス「新宿バティオス」では、2020年に個人がネーミングライツを取得し、そのあまりにも長すぎる名称がお笑い界隈で話題となりました。

命名権を取得したのは、元お笑い芸人でミステリー小説家の藤崎翔氏です。コロナ禍で苦境に立たされた劇場を支援したいという想いから、自身の「年収並み」の金額を投じて命名権を購入。その結果、劇場名は期間限定で「新宿バティオスwith年収並みの命名権を買っちゃったから小説が売れないと困る藤崎翔」(略称:新宿バティオスwith藤崎翔)となりました。

藤崎氏本人のnoteによると、ネーミングライツによる見返りはほとんどないとのことでしたが、コロナ禍で経営危機に陥ったお笑いライブ劇場を救うために、売れっ子芸人たちへ寄付を呼びかけるなどの切実なメッセージを発信しています。

参考リンク:売れてる芸人さんへ、売れてない小説家からの一生のお願いです。|藤崎翔

ネーミングライツのBtoB事例

「ネーミングライツは一般消費者向けのBtoC企業がやるもの」というイメージをお持ちではないでしょうか。しかしここまでお伝えしてきたように、BtoB企業こそネーミングライツを戦略的に活用すべきという流れが加速しています。

普段、製品やサービスが表に出にくいBtoB企業にとって、地域のランドマークに社名を冠することは、知名度向上だけでなく、取引先への信頼感醸成や採用ブランディングにおいて計り知れない効果を発揮します。ここでは、BtoBマーケターが参考にすべき特徴的な事例を解説します。

四国化成MEGLIOスタジアム(丸亀競技場、元Pikaraスタジアム、香川県丸亀市)

香川県丸亀市に本社を置く化学品・建材メーカー、四国化成ホールディングスによる事例です。以前は「Pikaraスタジアム」の名称でしたが、2026年1月から名称が四国化成MEGLIOスタジアムに変更されました。

「MEGLIO(メグリオ)」は同社の新しいブランド名であり、イタリア語で「より良い」を意味します。企業名と主力ブランド名をセットで施設名にすることで、地域住民や施設利用者に対し、企業ブランドと製品ブランドの双方を同時に刷り込む高度な戦略です。地元での採用活動において、「あのスタジアムの会社」と説明できることは、強力な武器となります。

参考リンク:香川県立丸亀競技場ネーミングライツ取得に関するお知らせ |ニュース - 四国化成建材

ニッパツ三ツ沢球技場(神奈川県横浜市)

自動車部品や精密ばねの大手メーカーである日本発条株式会社(ニッパツ)は、横浜FCなどのホームスタジアムのネーミングライツを2008年から保持し、BtoB製造業でありながら、サポーターの間では「ニッパツ」の愛称が完全に定着しています。これにより、「堅実な製造業」というイメージに「スポーツ支援による親しみやすさ」を付加することに成功しており、横浜エリアでの存在感は圧倒的です。

参考リンク:ニッパツ三ツ沢球技場 | スタジアム | 横浜F・マリノス 公式サイト

ヨドコウ桜スタジアム(大阪府大阪市東住吉区)

鋼板メーカーの株式会社ヨドコウ(旧・淀川製鋼所)による事例です。元の名称は長居球技場といい、2010年から2018年までは「キンチョウスタジアム」でしたが、2021年からは「ヨドコウ桜スタジアム」になりました。

「ヨド物置」で知られる同社の本業は鋼板製造というBtoBビジネスが主軸で、京セラドーム大阪やさいたまスーパーアリーナなどの屋根工事も手がけています。セレッソ大阪のホームスタジアムとして、メディア露出による宣伝効果はもちろんですが、自社製品(鋼板や建材)がスタジアム建設や改修に使われていることをPRするショールーム的な役割も果たしています。

参考リンク:ヨドコウ桜スタジアム

クラサススタジアム大分(大分県大分市)

2025年1月、大分スポーツ公園内の施設が「クラサス」を冠した名称に一新されました。これは、株式会社レゾナック・ホールディングスの石油化学事業(大分コンビナート)が分社化され、「クラサスケミカル株式会社」として独立したタイミングに合わせたものです。社名変更や新会社設立のタイミングでネーミングライツを活用することで、新社名の認知を一気に拡大させる、「認知獲得のショートカット」として機能させた好例です。

なお、大分スポーツ公園総合競技場のネーミングライツは、九州石油ドーム、大分銀行ドーム、昭和電工ドーム大分、レゾナックドーム大分、と移り変わっています。

参考リンク:公園の歴史(沿革)|公園情報|大分スポーツ公園

正和工業にじいろホール(埼玉県春日部市)

埼玉県春日部市の建設・設備リノベーション企業、正和工業株式会社による事例です。対象施設は、コンサートや式典などで地域住民が日常的に利用する「春日部市民文化会館」です。

最大のポイントは、社名だけでなく「にじいろ」という言葉を添えた点にあります。単に社名を売るだけでなく、「多様性を理解、尊重し合い、誰もが輝ける場所になってほしい」といった企業の姿勢(ソフト面)を名称に込めることで、建設業の硬いイメージを払拭し、地域社会に寄り添うブランディングを行っています。

同社の地域密着姿勢を象徴するのが、春日部市を舞台にした国民的人気アニメ『クレヨンしんちゃん』との関わりです。正和工業は同作とコラボレーションした特設サイトでキャラクターを大々的に起用し、「未来の笑顔研究所」というプロジェクトについて発信をしています。

参考リンク:【プレスリリース】春日部市民文化会館の愛称が「正和工業にじいろホール」に決定|ニュース&トピックス|正和工業株式会社

Sansan藍場浜演舞場(徳島県徳島市)

名刺管理サービスなどを提供するSansan株式会社は、徳島市の「阿波おどり」において、メイン会場の一つである藍場浜演舞場のネーミングライツを取得しています。

2010年に徳島県神山町にサテライトオフィス「神山ラボ」を開設した縁から始まったこの取り組みは、ITツール提供企業が伝統芸能という「リアルな場」を支援する意外性で大きな話題を呼びました。

同社のミッションである「出会いからイノベーションを生み出す」という考え方を、多くの人々が交流する祭りの場を通じて体現。お盆期間のみ現れる期間限定の名称ながら、地域貢献と企業理念の浸透を両立させた、メッセージ性の強いマーケティング事例です。

参考リンク:徳島市で開催される「2025 阿波おどり」に協賛、 「Sansan藍場浜演舞場」を設置〜出会いと熱狂を生む伝統文化を支援〜 | Sansan株式会社

まとめ

今回ご紹介したように、ネーミングライツの対象はスタジアムやホールにとどまらず、駅舎や歩道橋、さらにはトイレにまで広がっています。一見奇抜に思える「おもしろネーミング」ですが、その背景には、インパクトで認知拡大を狙う企業と、運営資金を確保したい施設側のWin-Winの関係が存在します。単なる広告枠を超え、地域に話題と笑顔をもたらすコミュニケーションツールとして、今後もユニークな事例は増えていくことでしょう。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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