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CSRとは?企業における社会的責任と取り組み事例を解説します!

2025.7.15
読了まで約 8

新しい事業を立ち上げたり、ビジネスを展開したりする際に、CSR(企業の社会的責任)という言葉を耳にしたことがある方は多いでしょう。しかし、CSRが具体的に何を指し、どのような活動を行うのかについて、詳しく理解していない場合もあるかもしれません。CSRへの取り組みは、自社の競争力向上にも繋がる可能性があるため、経営層にとって必須の知識といえます。

本記事では、CSRの概要や実施するメリット・デメリットについて詳しく解説します。また、CSRにおける具体的な活動内容や、実際の企業の取り組み事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。CSRへの理解を深め、自社の持続可能な成長と社会貢献の両立を目指す上で、役立つ情報をお届けします。

CSRとは?

CSRとはCorporate Social Responsibilityの略語で、企業の社会的責任のことです。企業には、さまざまなステークホルダーが存在します。経営陣、従業員、投資家、取引先、環境などが挙げられ、これらに対して適切な意思決定を行うことがCSRの概要になります。

しかし、均質化されたCSRというものは存在せず、あくまで企業ごとにCSRは異なります。それは、働いている従業員や経営陣は異なりますし、それらを取り巻く環境も異なるためです。各企業がそれぞれのステークホルダーや課題を見つめ直し、あくまで固有のCSRを作り上げていきます。

CSRという考え方は2000年以降に広まってきており、今では多くの企業が関心を寄せています。なかには、CSRレポートという形で発信を行う企業も存在します。CSR活動を行うことで、取引先からの見られ方が変わったり、それによって取引関係が良質化する可能性があるため、多くの企業が取り組むべきだと言えるでしょう。

企業の社会的責任を果たすことは、単なる義務ではなく、長期的な企業価値の向上にもつながります。CSRへの取り組みは、企業の持続可能性を高め、社会からの信頼を獲得するための重要な戦略となっています。

関連記事:ステークホルダーとは何か簡単に解説。企業にとっての重要性と関係構築のポイント

CSRはなぜ広がった?

CSRという考え方が広まった背景には、企業の不正行為や問題のある活動の増加があります。2000年以降、CSRの概念が急速に普及し始めましたが、その主な要因として、企業の信頼性回復への取り組みが挙げられます。

例えば、食品業界では消費期限の偽造や原産国の虚偽表示など、消費者の信頼を大きく損なう事件が発生しました。このような不正行為は、企業への不信感を高め、消費者からの批判を招きました。そのため、企業は自社の信頼性を回復し、維持するための方策を模索する必要に迫られました。

CSR活動は、この信頼回復のための有効な手段として注目されるようになりました。企業が社会的責任を果たし、倫理的な経営を行っていることを示すことで、ステークホルダーからの信頼を獲得し、企業イメージの向上につながるからです。

さらに、CSR活動は単なる信頼回復だけでなく、企業の競争力向上にも寄与します。CSRに積極的に取り組む企業は、取引先やステークホルダーにとってより魅力的に映り、ビジネスチャンスの拡大にもつながる可能性があります。

このように、企業の不正行為への対応や信頼回復の必要性、そして競争力強化への期待が相まって、CSRの考え方は急速に広まっていったのです。現在では、多くの企業がCSR活動を重要な経営戦略の一つとして位置づけ、積極的に取り組んでいます。

CSRとその他の違い

環境や対外的な活動に関心が高い人であれば、サステナビリティやSDGsという言葉を聞いたことがあるかもしれません。しかし、これらの言葉とCSRの違いが分からないケースもあるでしょう。ここからは、CSRとその他の言葉の違いを紹介します。

CSRは企業の社会的責任を指す概念ですが、サステナビリティやSDGsといった関連する概念とは微妙に異なる点があります。これらの概念は互いに密接に関連していますが、それぞれ独自の特徴や焦点を持っています。企業が社会的責任を果たす上で、これらの概念の違いを理解することは重要です。

CSRは主に企業の自主的な取り組みに焦点を当てていますが、サステナビリティやSDGsはより広範な社会的・環境的目標を掲げています。これらの概念を適切に理解し、企業活動に取り入れることで、より効果的な社会貢献が可能になります。

関連記事:ESGとSDGsとの違いとは?意味や背景、人事として取り組めることを解説

サステナビリティとの違い

サステナビリティとは、社会、環境、経済のバランスに鑑みて、持続可能な社会を目指す考え方のことです。CSRと混同されがちな言葉であり、これらを同様の意味として捉える人も少なくありません。実際に、サステナビリティとCSRは広義で見れば同様です。

企業の場合は「コーポレートサステナビリティ」と表現し、各会社ごとに環境や経済に与える影響を考え、事業に落とし込んでいきます。この取り組みは、長期的な視点で企業価値の向上と社会の持続可能性を両立させることを目指しています。

関連記事:サステナブル(Sustainable)の意味とは?SDGsを踏まえたマーケティング事例を紹介

SDGsとの違い

SDGsとは、国際目標のことです。2015年9月の国連サミットで発表され、2016年〜2030年の期間に、持続可能な開発目標の達成を目指します。「貧困をなくす」「飢餓をなくす」など、合計17個の持続可能な開発目標が掲げられており、Sustainable Development Goalsという言葉の略語でSDGsと表現されています。

CSRは、あくまで企業ごとに取り組むべき活動ですが、SDGsは国際目標という違いがあります。CSRとSDGsでは考え方のスケールは異なるものの、目指すべきものは一緒という捉え方で問題ありません。両者は相互に補完し合う関係にあり、企業のCSR活動がSDGsの達成に貢献することも多くあります。

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CSRは国(地域)によっても異なる

CSR活動やCSRに対する考え方は、国や地域によっても異なります。企業の社会的責任の捉え方や実践方法は、その国の文化、歴史、経済状況、法規制などの影響を受けるため、一様ではありません。例えば、先進国と発展途上国では、CSRに求められる内容や優先順位が異なる場合があります。また、同じ先進国であっても、アメリカとヨーロッパでは、CSRへのアプローチや重視する点に違いが見られます。このような地域による違いを理解することは、グローバルに事業展開する企業にとって特に重要です。各国・地域の特性や要求に応じたCSR戦略を立案し、実行することが求められます。

アメリカのケース

アメリカでは、企業は株主のものであるという考え方が強く根付いています。CSRへの注目は1990年代から始まり、主に環境への配慮、法律の遵守、そしてコミュニティ活動に重点が置かれています。

アメリカの特徴として、多国籍の人材を雇用する傾向が強く、グローバル化も進んでいます。この多様性は、労働者の国籍に起因する問題を引き起こすこともあり、そのため日本以上にCSR活動への関心が高まっています。

企業の社会的責任を果たすことが、長期的な企業価値の向上につながるという認識が広まっており、多くの企業がCSR活動を戦略的に展開しています。このようなアプローチは、ステークホルダーとの良好な関係構築にも寄与しています。

ヨーロッパのケース

ヨーロッパにはEU(ヨーロッパ連合)が存在し、CSRを「未来への投資」と表現します。社会の持続的な発展には企業が必要であると考えているため、企業内のみならず、市民も積極的にCSR活動に関心を持っています。そのため、企業の根幹部分にCSR活動があるという文化が根づいていることが特徴です。ヨーロッパでは、CSRが企業戦略の重要な一部として位置づけられており、多くの企業が環境保護、人権尊重、労働環境の改善などに積極的に取り組んでいます。また、EU各国の政府も、CSRを推進するための法整備や支援策を講じており、官民一体となったCSRの推進が行われています。

サステナビリティレポートの概要

CSRに関することを調べていると、サステナビリティレポートという言葉を目にする人もいるかもしれません。サステナビリティレポートとは、各企業がサステナビリティに関する活動を報告するための書類のことで、「持続可能性報告書」と表現されることがあります。

CSR報告書と異なる点は、CSR報告書は企業視点であるのに対して、サステナビリティレポートは社会視点であることです。どちらも対外的に良い印象を与えられる報告書であるため、CSRやサステナビリティな活動を行っている企業は、必ず作成すると良いでしょう。

サステナビリティレポートでは、企業の環境への取り組みや社会貢献活動、ガバナンスに関する情報などが詳細に記載されています。これにより、投資家や消費者、取引先などのステークホルダーに対して、企業の持続可能性に関する取り組みを透明性高く開示することができます。

CSRを行うメリット

CSR活動を実施することで、企業は様々な利点を得ることができます。主なメリットとしては、企業イメージの向上、従業員満足度の増加、そしてステークホルダーとの良好な関係構築が挙げられます。これらの利点は、長期的な企業価値の向上につながる可能性があります。

企業イメージの改善は、消費者や取引先からの信頼を高め、ブランド価値の向上に寄与します。また、従業員の満足度が高まることで、生産性の向上や優秀な人材の確保・定着にもつながります。さらに、ステークホルダーとの良質な関係構築は、安定した事業運営や新たなビジネスチャンスの創出にも貢献する可能性があります。

これらのメリットは相互に関連しており、CSR活動を通じて企業の持続可能な成長を支える重要な要素となります。

企業のイメージアップ

CSR活動を行うことで、企業のイメージアップにつながります。会社は営利企業であるため、自社の利益を優先するのは当然のことです。しかし、対外的に良い印象を持たれない可能性もはらんでおり、それらを解決するためにCSR活動をするのは大きなメリットになるでしょう。企業が社会的責任を果たし、環境保護や地域貢献などの活動に取り組むことで、消費者や取引先からの信頼が高まり、ブランドイメージの向上につながります。また、CSR活動を通じて、企業の透明性や誠実さを示すことができ、長期的な企業価値の向上にも寄与します。

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従業員の満足度が高まる

CSR活動は、従業員の満足度を高めることにもつながります。従業員は、自社や自分が行っている活動が社会に貢献できているという認識ができれば、一層仕事に対するモチベーションが高まります。

その結果、従業員の生産性が高まることにもつながり、自社の売上を伸ばす動きをしてくれるかもしれません。さらに、CSR活動に参加することで、従業員の社会貢献意識が育成され、チームワークの向上や新たなスキルの習得にもつながる可能性があります。

ステークホルダーとの良質な関係構築

CSR活動を通して、ステークホルダーとの良質な関係構築ができることもメリットです。企業にはさまざまなステークホルダーが存在し、株主や取引先、従業員、環境などが挙げられます。CSR活動を通して、社会により貢献できる企業であることをアピールできれば、取引先からの信頼も厚くなります。また、株主からの信頼も獲得できれば、資金調達をして企業を大きくできる可能性も高められるでしょう。

CSR活動は、企業の社会的責任を果たすだけでなく、ステークホルダーとの関係性を強化する重要な手段となります。例えば、環境保護活動を行うことで、環境意識の高い消費者や投資家からの支持を得ることができます。また、地域社会への貢献活動は、地元住民や行政との良好な関係構築に役立ちます。このように、CSR活動を通じて多様なステークホルダーとの信頼関係を築くことで、企業の持続的な成長と発展につながる可能性が高まります。

CSRのデメリットは?

CSR活動には、多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。CSR活動を実施する際には、これらのデメリットも考慮に入れた上で、慎重に検討する必要があります。主なデメリットとしては、以下の2点が挙げられます。

● コストが上がってしまう
● 人員不足も起きる可能性がある

これらのデメリットは、特に中小企業や新興企業にとって大きな課題となる可能性があります。経営資源が限られている企業にとっては、CSR活動に投資することで、他の重要な事業活動に影響が出る可能性があるためです。

しかしながら、これらのデメリットを理由にCSR活動を完全に避けるのではなく、自社の規模や状況に応じた適切なCSR活動を検討することが重要です。例えば、大規模な投資を必要としない小規模なCSR活動から始めるなど、段階的なアプローチを取ることも一つの方法です。

コストが上がってしまう

CSR活動にリソースを投下することで、当然ながらコストが上がってしまいます。特に、設立当初の企業であれば投資できる資源も限られており、キャッシュフローが悪くなってしまうのは目に見えてしまいます。また、設立当初にCSR活動に投資するよりも、取引先の拡大や販路拡大に投資したほうが、売上が伸びる可能性は高いです。

そのため、CSRは設立当初の企業よりも、安定して投資できる企業のほうが向いていると言えるでしょう。経営資源に余裕がある企業であれば、長期的な視点でCSR活動に取り組むことができ、その結果として企業価値の向上につながる可能性が高くなります。

人員不足も起きる可能性がある

CSR活動を実施するにあたり、専門の部署や担当者を設置する必要が出てくる場合があります。これにより、既存の業務に従事する人員が不足する可能性があります。特に中小企業では、限られた人的リソースの中でCSR活動に人員を割くことが難しく、結果として本業に支障をきたす恐れがあります。また、CSR活動に精通した人材の確保も課題となり、適切な人材がいない場合は効果的なCSR活動の実施が困難になる可能性があります。

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CSRでは具体的に何を行う?

ところで、CSRと一口に言っても、具体的に何を行えば良いのか分からない人も多いかもしれません。CSRは多岐にわたりますが、下記のような内容が考えられます。

● 関連法規を遵守すること
● 地球環境に関するボランティア活動
● 取引先との良質な関係構築
● コンプライアンスの遵守
● 従業員支援と職場環境の整備

CSRはステークホルダーに対して社会的責任を負うことなので、広義で考えれば、ステークホルダーのためになる行動を行うという理解で問題ありません。それぞれの企業ごとに取り組むべき内容は異なるため、自社の状況に鑑みて進めるようにしましょう。

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CSRの事例

昨今、CSRにさまざまな企業が取り組んでいます。ユニクロを例に挙げると、衣類の支給支援や積極的なリサイクル活動、難民雇用などのCSR活動を行っています。他にも、本田技研は環境や安全への取り組みに関するCSR活動を行っていることが特徴です。

それぞれ、自社の特徴に合わせたCSR活動を行っているので、自社が取り組む際の参考にすると良いでしょう。

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まとめ

本記事では、CSRについて解説をしてきました。CSRを行うことで、企業のイメージアップにつながったり、従業員の満足度が高まったりするメリットがあります。一方で、CSR活動に取り組むにはある程度のコストが必要なので、設立したばかりの中小企業では難しいかもしれません。

まずは、自社でも取り組めるCSR活動は何かを考えることから始めてみてはいかがでしょうか。

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監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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