近年、「マーケティング」という言葉はビジネスシーンで広く使われるようになりました。特に、コロナ禍を経て需要が拡大したEC(電子商取引)においては、より戦略的なアプローチのためにWebマーケティングの知識が不可欠となっています。このような状況下で、マーケティングに関する知識を深めることは非常に有効です。さらに、学習の成果として資格を取得することは、信頼性を高め、専門知識を活かしてアドバイスや指導を行う立場でのビジネス展開にも繋がるでしょう。
そこで本記事では、マーケティング分野で注目されている主要な資格を6つご紹介します。これらの資格は、基礎的な知識から実践的なスキルまで、幅広いレベルに対応しており、ご自身のキャリアやビジネスに役立てることが可能です。ぜひ、ご自身の目的に合った資格を見つけて、マーケティングスキルをさらに向上させてください。
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目次
1. マーケティング・ビジネス実務検定
マーケティングの基礎から応用まで、幅広い知識を体系的に習得したい場合に最適な資格が、「マーケティング・ビジネス実務検定」です。この検定は、国際実務マーケティング協会が主催し、2005年1月に創設されました。特定の業種や業界に限定されず、ビジネス全般で共通して活用できるマーケティング知識の習得を目指せる点が大きな特徴です。
C級、B級、A級の3つの等級に分かれており、それぞれ試験範囲と求められるレベルが異なります。
- C級: マーケティング・オペレーションの基礎レベルに相当し、定型業務を遂行できる能力を測ります。
- B級: マーケティング・オペレーションの応用レベルであり、業務を円滑に運営できる能力が求められます。
- A級: マーケティング戦略の立案や意思決定、マネジメント、判断業務など、より高度な専門知識と実践力を評価するレベルです。
試験範囲には、単なるマーケティング理論だけでなく、計数管理(マーケティングにおける売上、費用、収益といった損益計算に関する数値分析)や、マーケティング関連法務(独占禁止法、不正競争防止法、景品表示法、個人情報保護法、特許法など、アドバンスト版テキストに掲載されている法規類)も含まれます。
実務経験がない方でも挑戦しやすく、マーケティングの基本的な学習から始めたい方にとって、最初のステップとして非常に適した資格と言えるでしょう。この資格を通じて、ビジネスの現場で即戦力となるマーケティングの土台を築くことができます。
2. ネットマーケティング検定
ネットマーケティング検定は、ビジネス能力・技能に関する多様な資格試験を提供するサーティファイが主催する検定です。ネットマーケティングとは、企業がインターネットをマーケティングツールとして活用するあらゆる活動を指し、現代のビジネスにおいて不可欠な要素となっています。この検定は、こうしたネットマーケティングに対応できる人材の育成を目的としています。マーケティングの視点から、体系的かつ網羅的に学習できる本格的な検定です。
企業のWeb担当者に求められる「ファシリテート能力」、「Webに関する専門知識や技術」、「ネットマーケティング戦略の理解」、「経営戦略と連動したWebブランディング能力」などが認定基準として掲げられています。この検定に合格することで、これらの重要な知識やスキルを習得したことを客観的に証明できます。
ネットマーケティング検定は、基本的な内容から応用的な内容まで幅広くカバーしているため、初心者の方がネットマーケティングの基礎を体系的に学びたい場合だけでなく、既に知識をお持ちの方がこれまでの学習内容を整理し、総括したい場合にも非常に有用な資格と言えるでしょう。Webサイトの運用やデジタル広告の最適化といった実務に直結する知識を効果的に習得できます。
3. Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)
https://support.google.com/analytics/answer/3424288?hl=ja
Googleが提供する強力なウェブサイト分析ツールである「Googleアナリティクス」の習熟度を公式に認定する資格が、Googleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)です。この資格は、マーケティング 資格の中でも、データに基づいた戦略立案に不可欠なスキルを証明するものとして注目されています。
GAIQは、Googleアナリティクスの無料トレーニングプログラム「Analytics Academy」を通じて学習し、認定試験に合格することで取得できます。学習内容は、Googleアナリティクスの基礎的な使い方から、より高度なデータ分析、レポート作成、そしてマーケティング施策への活用方法まで幅広くカバーしています。
「Googleアナリティクス初級者向けコース」と「Googleアナリティクス上級者向けコース」の2つのコースが用意されており、これらのコースを修了した後に試験に臨みます。試験に合格すると、認定証が発行され、自身のGoogleアナリティクスの実務レベルでの能力を客観的に証明することができます。これは、就職活動や転職活動において、履歴書や職務経歴書に記載できる強力なアピールポイントとなるでしょう。また、現在の業務においても、より精度の高いデータ分析を行い、的確な改善提案を行うための知識と自信に繋がります。
ただし、GAIQには合格後12ヶ月という有効期間が設定されています。常に最新のツール知識を維持し、資格を継続したい場合は、有効期限が切れる前に再受験を行う必要があります。この有効期間の存在は、資格取得後も継続的な学習意欲を促す側面もあります。
4. Google広告認定資格
https://support.google.com/google-ads/answer/9702955?hl=ja
Google広告認定資格は、Google広告に関する基礎から応用レベルの知識とスキルを証明できる、Googleが公式に認定する資格です。この資格を取得することで、オンライン広告のエキスパートとしてGoogleに認められたことを明確にアピールできます。
資格取得のためには、Googleが提供するオンライントレーニングプログラムを修了し、各分野の認定試験に合格する必要があります。Google広告認定資格は、以下の主要なサービス分野ごとに提供されています。
- Google広告の検索広告認定資格: キーワード選定、広告文作成、入札戦略など、検索ネットワーク上での効果的な広告運用スキルを証明します。
- Google広告のディスプレイ広告認定資格: バナー広告や動画広告など、ディスプレイネットワークを活用したブランド認知度向上やコンバージョン獲得のための知識を証明します。
- Google広告の動画広告認定資格: YouTubeなどのプラットフォームでの動画広告キャンペーンの計画、作成、測定に関するスキルを証明します。
- ショッピング広告認定資格: ECサイトの商品リスト広告(PLA)を効果的に管理・運用するための専門知識を証明します。
これらのGoogle広告認定資格はいずれも有効期間が1年間と定められています。認定資格を継続して保持するためには、有効期限が切れる前に各サービス分野の理解度テストに再度合格する必要があります。
資格を取得したことは、就職や転職活動において、Google広告に関する実践的なスキルを持つ人材であることを示す強力なアピールポイントとなります。また、クライアントや社内外の関係者に対して、オンライン広告運用における専門知識と信頼性を提示する際にも非常に有効です。特に、近年重要性が増しているリスティング広告やディスプレイ広告などのデジタル広告運用において、その価値は高まっています。
5. Webアナリスト検定
https://www.jwa-org.jp/webanalyst/
Webアナリスト検定は、一般社団法人日本Web協会(JWA)が主催する検定です。Webアナリストとは、Webサイトのアクセス解析のデータ、市場動向、トレンド等、さまざまなマーケティング情報を分析し、企業の業績向上に導いていく役割を果たすことのできる人材のこと、と定義されています。この検定では、Webアナリストとして活躍するために不可欠なデータ分析能力や、そこから戦略を立案するスキルを習得することができます。
検定の学習内容は、Webサイトのアクセスログデータの基本的な見方から、それをビジネス目標に結びつけるための分析手法、そして効果的な改善策の提案まで、実践的なスキルに焦点を当てています。講座を5時間受講し、オンラインテストに合格することで取得できます。実務レベルの知識を身につけることができるため、就職や転職はもちろん、新たにWeb担当者になったという場合など、マーケティング 資格として自身のスキルを証明したい方にもおすすめです。
6. ウェブ解析士
https://www.waca.associates/jp/study/wac/
一般社団法人ウェブ解析士協会が主催する「ウェブ解析士」は、Webマーケティングの成功に不可欠な「ウェブ解析」に関する知識とスキルを体系的に習得できる資格です。この資格を取得することで、データに基づいた客観的な分析能力を養い、より効果的なWeb戦略の立案・実行が可能になります。
ウェブ解析士には、以下の3つのレベルが設定されており、自身のスキルレベルやキャリア目標に合わせて段階的に学習を進めることができます。
- ウェブ解析士: Webサイトのアクセスログデータなどを理解し、基本的な分析レポートを作成できるレベルを目指します。Webマーケティングの基礎知識を網羅的に学習し、実務で活用できるレポート作成能力を習得します。
- 上級ウェブ解析士: より高度なKPI設定、戦略立案、そしてデータに基づいた具体的な改善提案やコンサルティングスキルを習得します。ビジネス目標達成のための戦略立案能力を強化します。
- ウェブ解析士マスター: ウェブ解析士の育成や企業研修の講師として活躍するために必要な、教育・指導スキルを習得します。指導者としての能力を磨き、後進の育成に貢献できるようになります。
いずれのレベルも、単なる知識の習得に留まらず、実践で即戦力となるスキルを身につけることを目的としています。そのため、Web担当者としてのキャリアアップや、Webマーケティングの専門性を高めたい方にとって、非常に価値のある資格と言えるでしょう。マーケティング 資格の中でも、データ分析に特化したスキルを証明したい場合に最適です。
関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説
まとめ
コロナ禍を経てEC市場が拡大し、Webマーケティングの戦略的な重要性が増しています。このような状況下で、マーケティング 資格の取得は、自身のスキルを証明し、ビジネスで信頼を得るための絶好の機会と言えるでしょう。
本記事では、数あるマーケティング関連資格の中から、特に注目すべき6つの資格をご紹介しました。
- マーケティング・ビジネス実務検定: マーケティングの基礎から応用、戦略レベルまで段階的に学べる、汎用性の高い資格です。
- ネットマーケティング検定: インターネットを活用したマーケティング全般を体系的に学習し、Web担当者として必要な知識・スキルを習得できます。
- Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ): Googleアナリティクスの公式認定資格であり、無料で取得可能。ウェブサイトのアクセス解析能力を証明できます。ただし、有効期間は12ヶ月です。
- Google広告認定資格: Google広告の運用に関する専門知識を証明する資格で、検索広告、ディスプレイ広告、動画広告、ショッピング広告など、分野ごとに認定されます。こちらも有効期間は1年間です。
- Webアナリスト検定: Webサイトのアクセス解析データを分析し、企業の業績向上に貢献できるWebアナリストとしての知識・スキルを習得します。
- ウェブ解析士: Webマーケティングの根幹となるウェブ解析の知識・スキルを体系的に習得できる資格で、「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」の3段階があります。
これらの資格は、それぞれ学習できる内容やレベル、そして有効期間が異なります。ご自身のキャリアプランや学習目的に合わせて、最適な資格を選び、マーケティングスキルをさらに磨き、ビジネスの成功に繋げてください。

