スマートフォンの普及によってインターネットがより身近になり、中高生を含む若年層のユーザーまでもがSNSを利用する時代となりました。
その中でも、最近はテレビCMなどで見かけるようになった「TikTok(ティックトック)」は、比較的若年層の利用が多く、主に動画投稿をメインとしたSNSです。
15秒程度のショートムービーを投稿し、コメント欄などでも交流ができるTikTokですが、近年は広告掲載媒体としても注目されています。
学生たちや若い女性の利用者が多いような…という印象を持ちますが、実際はどうなのでしょうか?
今回はTikTokへの広告掲載方法や、その効果などについて解説します。さらに、若年層向け広告の特徴や注意点についても触れていきます。
TikTokは、若年層を中心に急速に普及しているSNSプラットフォームです。その独特な動画形式と、ユーザー参加型のコンテンツ作成方法が、若者の創造性とエンゲージメントを引き出しています。広告主にとっては、この若年層向け広告の特性を活かし、ブランドメッセージを効果的に伝える絶好の機会となっています。
ただし、若年層向け広告を展開する際には、その世代特有の価値観や行動パターンを十分に理解することが重要です。例えば、若者は従来の広告に対して懐疑的な傾向があるため、より自然で真摯なアプローチが求められます。また、プライバシーへの配慮や、適切な表現の使用にも注意を払う必要があります。
これらのポイントを押さえた上で、TikTokの特徴を活かした若年層向け広告戦略を立てることで、効果的なマーケティングキャンペーンを展開することができるでしょう。
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目次
TikTokとは
TikTokとは、簡単にいうと15秒から1分程度の短い動画を作成・投稿し、コメントなどで交流のできるプラットフォームです。最近ではネット上の広告だけでなく、テレビCMでも見かけるようになりました。
撮影した動画にBGMを付けたり、豊富な加工フィルターやエフェクトを使用することで、誰でも手軽に高クオリティなショートムービーを投稿することができます。
また近年ではBGMとして使われた曲が世間でも流行するなど、利用者の中でも特に中高生〜20代前半の若年層に対する認知はかなりのものだと言えるでしょう。
TikTokは、若年層向け広告の新たな主戦場として注目を集めています。その独特の動画フォーマットと、ユーザー参加型のコンテンツ作成方式は、若者の心を掴むのに効果的です。さらに、TikTokのアルゴリズムは、ユーザーの興味関心に合わせて動画を表示するため、広告主にとっても若年層へのターゲティングが容易になっています。
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TikTokの特徴、実際のユーザー層
前項でも軽く解説しましたが、利用ユーザーは主に15秒から1分程度の動画を作成・加工し投稿しています。若年層向け広告としては非常に効果的なプラットフォームです。
再生速度の調節やBGMを付けられるなど加工方法も豊富で、スマートフォンの操作に慣れている人ならば数分で見栄えの良い動画へと仕上げることができます。
更には小顔・美肌加工など、いわゆる「盛れる」機能も付いているため、若年層の女性への多大な人気にも頷けます。
2020年にはFacebook(フェイスブック)を抜いて、世界で最もダウンロードされたアプリとなり、現在その総ダウンロード数は30億件にまで増加しています。日本では主に中高生を中心として人気が広がっているイメージですが、世界的にも人気が加速しているプラットフォームなのです。特にアメリカではユーザー数が急激に伸びているため、海外展開を視野に入れている企業ならば若年層向け広告として活用できるかもしれません。
ここまでの解説で、日本でのTikTokの利用ユーザーは中高生などの10代が多いのでは?とお考えになるかと思いますが、実際には20代〜40代のユーザーの方が多いのです。また、女性の方が多いのだろう…とも思いがちですが、やや男性ユーザーの利用者の方が多くなっています。
利用者数や男女比から分析すると、日本ではユーザー数が増加することに比例して、「TikTokを利用して有名になりたい」、「広告を利用して収益を得たい」などのビジネス目的での利用者が増えているのではないかと考えられます。このような特徴を持つTikTokは、若年層向け広告媒体として非常に魅力的なプラットフォームだと言えるでしょう。
TikTok広告の種類や費用、導入方法
TikTokは若年層向け広告プラットフォームとして注目を集めています。その人気と影響力から、多くの企業がTikTok広告に興味を持っていますが、実際に広告を出稿する際には、様々な要素を考慮する必要があります。
TikTok広告には4つの主要な種類があり、それぞれ特徴や費用が異なります。「TopView」と「起動画面広告」はアプリ起動時に表示される広告で、高い視認性が特徴です。「ハッシュタグチャレンジ」と「ブランドエフェクト」は、ユーザー参加型の広告形式で、若年層向け広告として効果的です。「インフィード広告」は通常の投稿に紛れて表示される広告で、自然な形で商品やサービスをアピールできます。最後に「運用型広告」は、詳細なターゲティングが可能で、国内外へのリーチができる柔軟な広告形式です。
費用面では、広告の種類や規模によって大きく異なります。例えば、「起動画面広告」は高額ですが、全ユーザーへの露出が見込めます。一方、「運用型広告」は比較的低コストで開始でき、効果を見ながら調整が可能です。
TikTok広告の導入に際しては、自社の目的やターゲット層、予算を考慮し、最適な広告形式を選択することが重要です。また、若年層向け広告として効果を最大化するためには、TikTokの特性を活かした創造的なコンテンツ作りも欠かせません。
広告効果の測定や最適化も重要な要素です。TikTokは詳細な分析ツールを提供しており、これらを活用することで、より効果的な若年層向け広告戦略を立てることができます。
広告は4種類ある
TikTokでは、若年層向け広告として効果的な4種類の広告形態が提供されています。これらの広告は、それぞれ特徴的な表示方法や機能を持ち、企業のマーケティング戦略に応じて選択することができます。
1つ目は「TopView」と「起動画面広告」です。これらはアプリ起動時に表示される広告で、ユーザーの目に留まりやすいという特徴があります。
2つ目は「ハッシュタグチャレンジ」と「ブランドエフェクト」です。これらはTikTokオリジナルの広告メニューで、ユーザー参加型の新しい広告形態として注目を集めています。特に若年層向け広告として効果的で、ブランドの世界観を体験的に提供できます。
3つ目は「インフィード広告」です。これはユーザーの動画投稿欄の「おすすめ」に表示される動画広告です。
最後に4つ目として「運用型広告」があります。これは一般投稿に紛れる形で配信される広告で、国内外へのリーチが可能です。
これらの広告形態を適切に選択・組み合わせることで、若年層に向けた効果的な広告戦略を立てることができます。各広告の特徴や費用、効果については後述しますので、ご確認ください。
アプリ起動時「TopView」、「起動画面広告」
「TopView」はアプリ起動時から最初の動画として配信される最大60秒の動画広告枠、「起動画面広告」とは、TikTokのアプリを起動した際最初に表示される静止画広告のことを指します。ともに1日2社限定です。これらの広告は、若年層向け広告として非常に効果的です。TikTokの利用者の多くが若年層であることから、この層へのリーチを狙う企業にとって魅力的な選択肢となります。また、アプリ起動時に表示されるため、ユーザーの目に留まりやすく、広告の認知度を高めるのに適しています。若年層向け広告戦略を立てる際は、これらのオプションを検討する価値があるでしょう。
TikTokオリジナル広告メニュー「ハッシュタグチャレンジ」、「ブランドエフェクト」
「ハッシュタグチャレンジ」はチャレンジ広告とも呼ばれ、広告掲載側の企業やブランドがお題・テーマとなるハッシュタグを用意し、そのハッシュタグに沿ってユーザーが動画を投稿する、というユーザー参加型の新しい広告形態です。この若年層向け広告は、ブランドとユーザーの双方向のコミュニケーションを促進し、エンゲージメントを高める効果があります。「ブランドエフェクト」は「ハッシュタグチャレンジ」と組み合わせ、2D、3D、ARなど様々なクリエイティブコンテンツによってブランド機能や世界観を"体感的"に提供します。この若年層に人気の広告手法は、ブランドの認知度向上や商品・サービスの魅力的な訴求に効果的です。
「インフィード広告」
インフィード広告とは、ユーザーの動画投稿欄の中の「おすすめ」に表示される動画広告となります。この広告は他の投稿動画と同じように「いいね」や「コメント」を付けられるようになっています。直接ユーザーの反応を確認することができる広告形態のため、その後の改善点などを考える際にも役立つことでしょう。
動画のシェアも可能となっており、こちらもユーザーからの人気が出ることによってより拡散されることがあります。紹介した広告形態の中では最も広告だと気づかれることが少ないため、鬱陶しいと思われにくいという点も大きな特徴と言えます。若年層向け広告として効果的な手法の一つです。
この配信形態は再生課金型となっていて、動画が一定時間以上再生されなければ費用は発生しません。ユーザーがスキップしてしまう可能性もありますが、再生後に興味を持ってもらうことができれば、「起動画面広告」よりも費用対効果が高くなる可能性があります。特に若年層向け広告として、TikTokのインフィード広告は注目を集めています。
「運用型広告」
「運用型広告」は上記の3つの広告と比較して費用が安いのが特徴です。若年層向け広告としても効果的で、最低予算は1日あたり1,000円からとなっています。クリック課金制を採用しているため、広告のクリック数に応じて費用が発生します。TikTokの特性を活かし、若年層にアピールする動画コンテンツを用意することで、効果的な広告運用が可能です。また、詳細なターゲティング設定により、国内外問わず希望する層に広告を届けられるのも大きな利点です。運用型広告は比較的低コストで始められるため、TikTok広告に初めて挑戦する企業にもおすすめの選択肢と言えるでしょう。
それぞれの特徴、効果
まず「起動画面広告」は、TikTok起動時に表示される広告であり、ユーザー全員の目に触れやすいという特徴があります。商品やサービスの認知拡大に非常に効果的で、特に若年層向け広告として有効です。ただし、最終的な成果に繋がるかは予測しづらく、表示だけで費用が発生するデメリットもあります。広告内にリンクを設置でき、自社Webサイトや商品購入URLへの誘導が可能です。
次に「ハッシュタグチャレンジ」は、企業やブランドのお題にユーザーがチャレンジする形式で、ユーザーからの親近感や興味を引き出せます。若年層向け広告としても注目度が高く、ユーザー自身が自然と拡散してくれる点が大きな特徴です。動画がバズれば更なる拡散が期待できます。期間契約型の配信形態で、一定の費用で多くのユーザーにアプローチできますが、他の広告形態と比べて費用は高額です。
「インフィード広告」は、他の投稿動画と同様に「いいね」や「コメント」が付けられる形式です。ユーザーの直接的な反応を確認でき、改善点を把握しやすいのが特徴です。動画のシェアも可能で、人気が出れば更なる拡散が期待できます。広告だと気づかれにくいため、ユーザーにとって自然な形で情報を届けられます。
「運用型広告」は、ユーザーの一般投稿に紛れて表示されるため、インフィード広告同様に違和感なく受け入れられやすいです。認知拡大に効果的で、詳細なターゲティングが可能です。国内外への配信ができ、若年層向け広告としても柔軟に活用できます。クリック課金型のため、興味を持ったユーザーのみがクリックする傾向にあり、最終的な成果につながりやすい特徴があります。ただし、ターゲット外のクリックもあり得るため、運用データの分析が重要です。
広告の種類によって掲載費用も変わる
広告の特徴について、大体理解していただけたかと思います。次に、それぞれの掲載費用について具体的に解説していきます。
「起動画面広告」は1日につき2社のみの配信となっているため、かなりの高額となっています。その総額はインプレッション数(その広告が表示された数)で計算され、現状の単価としては1000回の表示で770円となっており、利用ユーザー数を考えれば少なくとも500万円以上と想定されます。
費用が高額なことや掲載枠を確保するのが困難な点がデメリットと言えますが、効果は絶大でしょう。
「ハッシュタグチャレンジ」はその特徴から期間契約となっています。また、プラン内容によっても価格が異なってきます。
最も低額なベーシックプランのものでも1000万円ほどが相場となっており、2つのハッシュタグを対戦させるバトルハッシュタグチャレンジでは2000万円の費用がかかります。しかし、その分ブランディング効果はかなり大きいと期待できます。
「インフィード広告」も期間契約型の課金となっています。ただし、ハッシュタグチャレンジとは違い1日単位での契約が可能なため、「いいね」や「コメント」が付けられるインフィード広告の特徴から、ユーザーの反応を見ながら広告を掲載できます。
3つのプランがあり、最も安いもので42万円~となっています。
「運用型広告」は上記の3つの広告と比較して費用が安いので、予算が少額でも掲載を検討できるでしょう。TikTokの運営元であるその他のプラットフォームにも広告を掲載でき、詳細なターゲティングも可能となっています。
その他の広告は主に認知拡大が目的となることが多いですが、運用型広告は最終的な購入など、成果に直接つながりやすい掲載形態となっています。
費用については「クリック課金」で30円~、「表示回数での課金」で100円~、「再生回数での課金」では5円~が目安となっていて、少ない予算での掲載が可能です。
実際の導入方法
ここまで、4つの広告の掲載形態を解説してきました。では、実際に掲載するにはどのようにすればいいのでしょうか?
運営会社へ問い合わせをする
TikTokの運営会社ホームページの問い合わせフォームより、広告出稿をしたいと連絡をすることで、詳細情報の提供などのサポートが受けられます。
連絡に従って契約を進めていきましょう。
代理店へ依頼
直接TikTokへ問い合わせるのではなく、広告掲載の代理店へ依頼する方法もあります。
代理店へ任せることで、よりスムーズに掲載をすることができるでしょう。
TikTok運営よりはTikTok広告に対しての知識などは劣るかもしれませんが、代理店というだけあって信頼感がありますよね。
直接TikTok運営と契約、代理店への依頼、どちらも費用はあまり変わらないようです。それぞれの特徴から、掲載したい広告に合った方法を選ぶとよいでしょう。
いずれにしても、導入前には4つの広告の特徴やかかる費用を理解し、掲載する目的を明確にしておきましょう。
TikTok広告のメリット・デメリット
それぞれの広告について、特徴や費用などを解説してきました。ここからは、TikTok広告全体の特徴としてのより詳細なメリット・デメリットを解説していきます。
ターゲティングの精度が高い
TikTokではその利用者数の多さから、膨大なデータを保有しているため、そのデータを活用することでより精度の高いターゲティングをすることが可能となっています。
・性別や年齢、地域、言語などの基本的な情報
・ユーザーの通信環境
・それぞれの興味関心データ
など、これらの情報を組み合わせることで、ターゲットとする特定のユーザー層を絞り込めます。しかし、あまりに詳細に絞り込み過ぎるとかえって表示されることが少なくなるため、掲載する広告内容のターゲットの選定は慎重に行いましょう。
若年層への認知拡大
アプリを利用している年代は10代から50代までと幅広いものの、実際に長時間アプリを起動・利用しているのは比較的若年層のユーザーが多いため、若年層をメインにターゲットにして広告を掲載したい場合、その効果はかなり大きなものとなるでしょう。
デメリットとしては、掲載したい広告の内容が若年層向けのものではない場合、あまり効果は見込めないということです。本当にTikTokへの掲載が効果的なのかしっかりと分析し、その他の広告形態も検討してみましょう。
バズればその他のSNSにまで拡散され、より広く認知される
TikTokの広告は主にショートムービー(15秒~1分程度の短編動画)となっているため、企業が伝えたいメッセージや理念などをより強くユーザーの印象に残すことができます。クオリティの高い動画であれば、バズる(話題になる)ことでユーザーたちが自らその他のSNSへ拡散し、更に認知の拡大を見込めます。また、インフルエンサーの人々を起用することでよりユーザーの興味を引きやすいです。
その一方で高クオリティな広告動画を作成するのには費用がかかりますし、ショートムービーを作るのが難しい、といった場合もあるでしょう。余裕がある場合は、ショートムービー作成を得意とする業者への外注も視野に入れておくとよいでしょう。
TikTok広告を運用する前に抑えておきたいポイント
プライバシーに配慮する
拡散されやすいという特徴から、広告用の動画を撮影する際には背景への映り込みなど、プライバシーに配慮するようにしましょう。また、撮影後にもしっかりとチェックをしておくことが必要です。いくら手軽に動画が撮影できるとはいえ適切でない広告を掲載してしまうと、利用者数の多さや拡散のされやすさも相まって、炎上してしまい企業のイメージダウンや損害へとつながりかねません。
ターゲットを理解した広告内容での動画作成
いくら優れたショートムービーや動画広告を作成できたとしても、ターゲットである実際の利用者の興味関心に繋がらなければその効果も低くなります。
広告を作成する前にターゲットの目線に立って、どのような広告なら興味がでるか、再生したくなるかを理解することも大切です。
広告不具合時の対応や申し込み後のキャンセルはできる?
基本的にTikTok広告は出稿後の広告不具合に対しての対応がありません。期間契約型の広告形態では、途中で取り下げたとしても満額の費用が請求されます。出稿前に不具合や内容の誤りなどがないか、しっかりと確認しておくことが重要です。
また、申し込み後に出稿が割り当てられるとキャンセルも不可能となります。出稿の期限に間に合わなかったとしてもキャンセルをすることはできません。スケジュールに余裕を持って申し込みをするのがよいでしょう。
まとめ
今回は、話題となった後もまだまだアプリダウンロード数が伸び続けているTikTokへの広告掲載に役立つポイントなどを解説してきました。
費用面や動画広告を作成するのが難しい、などといったデメリットもありますが、利用者数の多さからその拡散力、認知拡大への効果は絶大で、特に若年層へのリーチ力は他の掲載媒体を圧倒しているのも事実です。
目的とするターゲットに対してTikTokは有効なのか、その予算に見合った効果が得られそうかなど、事前に情報を集め、慎重に検討しましょう。