株式会社角川アスキー総合研究所は、「スマホでのコンテンツ視聴に占める広告の割合」を調査した。
ユーザーがインターネットを利用する際のデータ転送量の中には、コンテンツそのものの情報量だけでなく広告の情報量も含まれている。この調査は、スマートフォンによる全データ転送量の内、広告の情報量がどの程度を占めるのか調べたものだ。
参照元:「スマホでのコンテンツ視聴に占める広告の比率調査」を実施 主要Webサイトのデータ転送量、平均4割は広告
調査方法
調査に使われたスマホはiPhone 8で、NTTドコモ回線でインターネットに接続された。ブラウザアプリは「Safari」を利用し、対象コンテンツサイトにアクセスした際のデータ転送量を開発者向けの機能「Webインスペクタ」を利用して記録した。
YouTubeについては10分未満の動画をデフォルト設定のまま広告ブロックツールあり/なしで各3回ずつ再生した。
YouTube以外のサイトについては
・トップページにアクセスし、カテゴリーやランキングの一覧を表示
・記事や商品のページを開き、ページ下段までスクロールしてページ全体を表示
・関連リンクなどから他のページを表示
という手順を広告ブロックツールあり/なしでそれぞれ実施した。さらに別の日時でも再度実施し、それらの結果の平均値を集計結果とした。
「広告ブロックツールあり」の場合のデータ転送量と「広告ブロックツールなし」の場合のデータ転送量の内訳が分析され、それぞれの結果の差分が「広告の推計データ転送量」とされた。なお、広告ブロックツールは「280blocker」「AdGuard Pro」の2つが使われた。
スマホでのコンテンツ視聴、その約4割が広告だった
実際に多くのユーザーに利用されている主要なWebサイトにて、データ転送量を調査した結果が下のグラフだ。
出典:「スマホでのコンテンツ視聴に占める広告の比率調査」を実施 主要Webサイトのデータ転送量、平均4割は広告
全体としては、広告が全データ転送量の約4割(今回の調査結果では44.1%)を占めていることがわかった。しかし、サイトのジャンルによって広告の占める割合にはばらつきがあることもわかった。
・ポータルサイト(Yahoo! Japan、goo、livedoorなど)…広告の割合が約半分かそれ以上
・YouTube…広告の割合が約半分 ・ショッピングサイト(Amazon、楽天市場など)…広告の割合が少ない(ただし広告ブロックツールで除外できない広告が掲載されている可能性あり)
・天気予報/災害情報サイト…広告の割合は約6割
広告データのほとんどは画像。ただしデータ転送量全体に占める割合が大きいのは動画。
この調査ではデータ転送量の内訳についても分析された。その結果、多くのコンテンツサイトでは、広告コンテンツと推計されるデータ転送量の多くはJPEGなどの画像データで占められていた。
しかしもちろん例外はあり、YouTubeおよびYahoo ! JAPANでは動画(MP4)広告の割合が多くなっていた。
出典:「スマホでのコンテンツ視聴に占める広告の比率調査」を実施 主要Webサイトのデータ転送量、平均4割は広告
出典:「スマホでのコンテンツ視聴に占める広告の比率調査」を実施 主要Webサイトのデータ転送量、平均4割は広告
出典:「スマホでのコンテンツ視聴に占める広告の比率調査」を実施 主要Webサイトのデータ転送量、平均4割は広告
出典:「スマホでのコンテンツ視聴に占める広告の比率調査」を実施 主要Webサイトのデータ転送量、平均4割は広告
全体としては画像広告が多い結果となっていたが、データ転送量自体で考えると、データ容量の大きい動画広告の占める割合が高いということになるだろう。