「LPってよく聞くけど、ホームページと何が違うの?」「本当に成果につながるの?」
そう感じたことはありませんか。
LP(ランディングページ)は、商品購入や資料請求など、特定のコンバージョンを促すためのWebページです。目的に応じて設計されたLPは、マーケティングにおいて重要な役割を果たします。
ただし、やみくもに作っても成果は期待できません。構成や導線、改善のポイントを押さえなければ、かえってユーザーを逃してしまうこともあります。
この記事では目次として、LPの基本から活用シーン、制作・改善の手順までを解説します。これからLPを導入したい方も、すでに運用中の方も、成果につながるLPの考え方を体系的に理解できる内容です。
目次
そもそもLPとは?意味と役割をわかりやすく解説
まずは、LP(Landing Page:エルピー)の意味と役割をあらためて整理しましょう。
LPの2つの意味
LPには、実は2つの異なる意味があります。
1つは、Googleアナリティクス(GA4)などで使われる広義のLP。もう1つは、マーケティング実務における狭義のLPです。
広義では、広告や検索結果のリンクをクリックして最初に表示されるページ全般を指し、SEO記事や企業サイトも含まれます。GA4では「入口ページ」としてこの定義が使われるのが一般的です。
関連記事:Google Analytics(グーグルアナリティクス)とは?設定や使い方を解説
一方、マーケティングの現場で言うLPは、資料請求・問い合わせ・購入・登録など、特定のアクションを促すことを目的に設計されたページを意味します。
このLPは、情報を見せるだけでなく、ユーザーの行動を一点に誘導する構造を持ち、選択肢を絞ることで迷いを排除します。目的達成に特化した、極めて意図的なWebページと言えるでしょう。
LPの役割り
LPの役割は、単なる情報提供ではありません。
「売りたい」「申し込ませたい」「行動を起こしてほしい」といった明確な目的、すなわちコンバージョンを達成するために設計されるべきページです。理解や認知の促進ではなく、訪問者に具体的なアクションを取らせることが最優先となります。
たとえば、広告から流入したユーザーの着地点としてLPを設ける場合、興味や関心を受け止め、スムーズに資料請求や購入へつなげる構成が求められます。
そのためLPでは、迷いや離脱を防ぐ設計が徹底されています。ナビゲーションや外部リンクが最小限に抑えられているのは、行動を一点に集中させるためです。
言い換えれば、LPはWeb施策の終着点であり、売上に直結する営業装置です。情報を届けるだけでなく、意図した行動を確実に引き出すこと。それがLPの本質的な役割です。
▼LPについては、こちらの記事でも解説しています。
ランディング ページ(LP)って何?LPの種類や目的を説明します
LPへの流入経路
LPで重要なのは、ユーザーがどんな心理状態でLPにたどり着いたのかを読み解くことです。
同じLPでも、流入経路が異なれば適切な訴求は変わります。流入元に応じて、構成やメッセージを調整する必要があります。
LPの主な流入経路は、大きくプッシュ型とプル型に分けられます。
分類 | 主なチャネル | ユーザーの心理状態 | 備考 |
プッシュ型(外から呼び込む) | 広告 | 顕在層または準顕在層 | 潜在ニーズを掘り起こす。広告費がかかる |
プル型(自ら来る) | SEO対策、SNS投稿、オウンドメディア、メール、紹介など | 興味関心が高い、情報収集中 | 行動確度が比較的高いが流入数は限定的 |
忘れてはならないのが、「なぜ今、このユーザーがLPに訪れたのか?」という視点です。
たとえば、広告経由で流入したユーザーは、今まさに課題を抱え、早急に解決策を求めている可能性があります。一方、オウンドメディアからの流入は、比較・検討段階で即決に至らないケースが多いでしょう。
重要なのは、ユーザーの心理状態と来訪タイミングを読み解き、それに応じた導線を設計することです。
この視点を欠くと、せっかくの流入もコンバージョンにつながらず、大きな機会損失を招く結果となります。
LPとホームページの違い
「LPとホームページの違いが分かりにくい」と感じたことはないでしょうか。
実際、この2つは設計思想も目的も大きく異なります。
ホームページは企業の顔として、会社概要、事業紹介、採用情報など多岐にわたる情報を網羅的に掲載し、訪問者が自由に回遊できる構造が特徴です。ナビゲーションも充実しており、複数ページを行き来することを前提とした設計になっています。
一方、LPは売ることに特化した営業コンテンツです。
1ページで完結し、訪問者を迷わせず、申し込みや資料請求などの特定行動へと導く構成になっています。ナビゲーションは排除され、ストーリーに沿ってユーザーをゴールに誘導する設計です。
このように、両者には明確な違いがあります。以下に代表的な項目を整理します。
視点 | ホームページ | LP(ランディングページ) |
目的 | 企業情報の網羅的提供 | 特定のCV(申込・DLなど) |
設計 | 多階層・回遊前提 | 1ページ完結 |
ナビゲーション | 豊富・複数ページ遷移が前提 | 基本的に排除 CTA集中 |
流入経路 | 自然検索・指名検索 | 広告・メルマガ・記事導線など意図的導入 |
成功指標 | 滞在時間/直帰率/ページ遷移 | CVR |
マーケティング的意味 | 信頼の土台・企業の顔 | 営業力の可視化/即効性のある武器 |
重要なのは、どちらが優れているかではなく、目的やフェーズに応じて使い分けることです。
認知拡大やブランディングにはホームページが適しており、見込み客に行動を促す段階ではLPが効果を発揮します。
マーケティング全体を俯瞰し、両者を補完し合う設計にすることで、それぞれの強みを生かし、成果を最大化できます。
▼LPとホームページやその他Webページとの違いについては、こちらの記事でも解説しています。
LPとは?ホームページやトップページとの違い
LPのメリット
ここでは、LPのメリットを整理します。
高いコンバージョンに期待できる
LPの強みは、ユーザーに決断を促す構造に特化している点にあります。
通常のホームページは情報提供が主目的のため、ユーザーが多くの情報に触れて迷いやすく、行動につながらないことがあります。
一方、LPはユーザーに行動を起こさせることに焦点があり、代表的な例がナビゲーションメニューの排除です。他ページに遷移させず、その場で行動を促すために構成が緻密に設計されています。
視線の流れや理解の段階を意識し、要素の配置や説明の順序にも工夫が凝らされています。
広告・SNS・メール施策と連携できる
LPは、広告・SNS投稿・メールマガジンなどの集客チャネルの着地点として高い効果を発揮します。
特に重要なのが、広告や投稿メッセージと、LP冒頭の見出し・訴求内容との一貫性です。流入元とLPでのメッセージが一致していれば、ユーザーに違和感なく受け入れられ、自然にコンバージョンへと導けます。
この構造が機能すれば、LPの改善だけで広告全体のROASが向上することもあります。実際、広告はそのままでも、LPの訴求や構成を見直すだけで成果が大きく改善した例は多数あります。
また、LPはABテストに適しており、構成順やCTA文言、ファーストビューなどを細かく検証することで、限られた予算でも効果の最大化が可能です。仮説検証を繰り返せる点は、LPならではの強みです。
このようにLPは、流入コストに対する収益を最大化するうえで、集客施策全体のROIを左右する重要な起点です。
関連記事
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・CTA(コールトゥアクション)とは? 基礎知識とポイント
迅速に作成・改善できる
LPは1ページ完結型で、ナビゲーションや階層構造を持たないため、スピード感のある運用を実施できます。
改善サイクルを素早く回せる点で、他のWebページと比べてPDCAの効率が高い形式と言えるでしょう。
たとえば、CTAボタンの色や文言、要素の順序を変えるだけでも、コンバージョン率が大きく変わることがあります。
少ない工数で成果に直結する点は、LPならではのメリットです。
Webマーケティングの費用対効果を最大化する
どれほど質の高い記事や動画を用意しても、LPの完成度が低ければ成果にはつながりません。
流入施策とLPの品質は常にセットで考えるべきです。
設計の整ったLPがあれば、流入が少なくても高確率でコンバージョンに導くことが可能です。見込み客を確実に取り込める構造ならば、全体の成果は大きく向上します。
この視点は、限られた予算で成果を求められる中小企業にとって特に重要です。LPを最適化すれば、少ないアクセスからでも効率よく成果を回収できるためです。
LPのデメリット
LPは売上に直結する武器である一方で、すべての状況に万能というわけではありません。
特に中長期的なマーケティング施策や柔軟な拡張性を求める局面では、不向きな側面が露呈することもあります。
ここでは、LPのデメリットを見ていきましょう。
柔軟性がない
LPは、特定のターゲット・アクション・文脈に合わせて設計されるため、使い回しがしにくいという特性があります。
たとえば、特定の製品に特化したLPを別製品に転用するのは避けるべきです。また、リスティング広告とSNS広告のように異なるチャネルで同じLPを使うと、ユーザーの心理や期待値が合わず、コンバージョンが下がることもあります。
このように、LPは目的ごとに最適化される反面、汎用性に欠けます。複数のターゲットや訴求軸に対応するには、それぞれに個別のLPが必要となり、自然と量産体制が求められます。
その結果、「広告A用」「キャンペーンB用」などのLPが増え、管理や改善が煩雑になるという課題が発生します。
こうした事態を防ぐには、制作段階から構成の再利用やテンプレート化を視野に入れ、運用コストを抑える仕組みを整えておくことが重要です。
SEOに弱い
LPは構造上、検索エンジンとの相性があまり良くありません。
1ページ完結で内容が圧縮され、画像やイメージなどの装飾重視のデザインになりやすく、テキスト量も少なめ。さらに外部リンクもほとんどないため、検索エンジンからの評価を得にくい傾向があります。
その結果、自然検索からの流入は期待しづらく、広告やメルマガ、SNSといった外部施策に依存する形になります。
そのため、オウンドメディアや記事コンテンツなど、検索流入が見込める資産と連携した導線設計が欠かせません。
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どんなときにLPを使う?活用シーン
以下に5つの代表的な活用シーンを紹介します。
活用シーン | 概要 |
広告施策の刈り取り時 | 顕在層を確実にCVへつなげる導線として活用 |
キャンペーン・期間限定オファー訴求時 | 限定性・緊急性を伝えて行動を促す |
新サービス・新事業の立ち上げ時 | 認知獲得と初期リード獲得に効果的 |
セミナー・イベント集客時 | 申込情報を1ページで完結し、離脱を防ぐ |
Web完結型の契約・購入を促進したいとき | 営業を介さずに成約へ導く構成が求められる |
刈り取り型の広告施策を展開するとき
リスティング広告やSNS広告などの顕在層を対象にした施策では、LPは必須の存在です。
なぜなら、広告からの流入ユーザーは、明確な課題を抱えていたり、すでに情報収集を始めていたりと、行動に至る可能性が高いためです。
こうしたユーザーに対して、ホームページのような情報が分散したページを見せてしまうと、かえって迷いを生んでしまいます。
重要なのは、広告文のメッセージとLPのファーストビュー、訴求軸が完全に一致していること。流入からコンバージョンまでを1本の線でつなげる設計です。
「HRプロ」なら、検索エンジンやSNSではなかなか接点を持てない経営層・人事層に対して、的確なターゲティング広告を展開できます。LPと組み合わせることで、成果に直結する刈り取り型の施策が実現可能です。
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キャンペーンや期間限定オファーを訴求するとき
セール、新商品の発表、期間限定の特典など、今だけの価値を伝えたいときにもLPは効果を発揮します。
一時的に強く訴求したい内容を、1ページに凝縮して届けられる点がLPの大きな強みです。
通常のWebサイトでは、ユーザーが情報を探す導線が複雑で、途中で離脱されてしまうこともあります。一方、LPであれば期間限定性や緊急性をしっかり伝え、行動を後押しする構成を簡潔に設計できます。
一点集中で伝える、今すぐ申し込ませる、この2つが重要な場面では、LPがもっとも力を発揮するタイミングです。
新サービス・新事業の立ち上げをするとき
まだ認知度の低い新サービスや、新たに立ち上げた事業を広めたいときには、広告+LPの組み合わせが効果的です。
SEOは成果が出るまでに時間がかかる方法であり、SNS投稿も拡散やフォロワー数の課題がつきまといます。だからこそ、スタートダッシュでリードを獲得するには、広告流入とLPによるコンバージョン誘導が最短ルートになります。
このフェーズではとにかく数を確保することが求められるため、初期投資としてLPを活用する意味は大きいです。
まずは広告とLPで一定数のリード基盤を整え、その後にコンテンツやナーチャリング施策へと展開するとよいでしょう。
セミナー・イベント・ウェビナーの集客をするとき
BtoBにおけるセミナーやウェビナーの集客にも、LPは有効です。
とくに既存リードに対してメルマガなどでイベント案内を送る場合、申し込みページとして専用LPを用意することで、離脱を防ぎつつ申し込みを促すことができます。
イベント概要、日時、参加メリット、登壇者紹介、FAQなどを1枚に整理したLPを作れば、検討から申し込みまでの意思決定プロセスを1ページ内で完結させることが可能です。
さらに、参加者情報を取得することで、イベント後のナーチャリング施策へもスムーズにつなげられます。
▼ウェビナーについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ウェビナー(Webinar)とは?メリット、おすすめツールを紹介
Webだけで契約や購入を完結させたいとき
営業を介さず、Web上だけでサービスの契約や商材の購入を完結させたいときは、LPは必須になります。
たとえば、10万円未満のSaaSやサブスク商品、オンライン講座などがこれに該当します。
このとき求められるのは、LP上で不安・比較・納得をすべて処理できる構成です。ユーザーがその場で意思決定できるよう、FAQや導入事例、料金プラン、特典などを丁寧に配置し、コンバージョンへの背中を押す仕掛けが必要になります。
LPの構成要素とページ設計の基本
ユーザーがLPに訪れたとき、どのような心理変化を経て最終的に行動へ至るのか。それを正しく理解することが、成果を生むLP設計の出発点です。
LPにおけるユーザー心理の流れは、一般に次の4段階に整理されます。
● 共感(感情)→ 理屈(論理)→ 証拠(実績)→ 行動(CV)
つまり、「自分の課題だ」と感じる →「このサービスが解決してくれる」と納得する →「実績があるから信頼できる」と確信する →「申し込もう」と行動する、というステップです。
この流れに沿って、LPには以下のような構成要素が必要になります。
パート | 目的 | 内容の要点 | 注意点 |
① ファーストビュー | 離脱を防ぎ、関心を引く | キャッチコピー ・サブキャッチ ・CTAボタン ・実績・無料などの安心情報 |
訪問者の大半がここで離脱。瞬時に「自分ごと化」させる |
② 共感・課題提起 | 悩みに気づかせる | ・典型的な悩み ・放置による悪化 ・共感しやすいストーリー |
商品紹介から入ると失敗する |
③ 解決策の提示 | 解決への期待を持たせる | ・サービス概要 ・効果の根拠・成果ベースで紹介 |
製品スペックではなく、ユーザーの変化を伝える |
④ 実績・信頼 | 信用してもらう | ・導入数・受賞歴など ・事例紹介・レビューや口コミ |
数字は関係性重視で見せる |
⑤ FAQ・不安解消 | 迷いを取り除く | ・料金・期間 ・効果などの質問と回答・再度のCTA設置 |
売り手目線の回答は逆効果 |
⑥ CTA(行動促進) | 今すぐ申し込ませる | ・目立つボタン ・背中を押すひと言・申込導線 |
中盤・終盤にも複数設置する |
⑦ 保証・追伸(任意) | 最後のひと押し | ・返金保証 ・期間・数量の限定 ・メリットの再整理 |
迷っている人への後押しになる |
順番を間違えたり、構成要素が抜けていたりすると、いくらデザインが洗練されていてもコンバージョンにはつながりません。LPの本質は、言葉と構造による説得力の演出にあるのです。
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成果が出るLPデザインとは?成功の4原則
成果につながるLPには、共通する以下4つの成功原則があります。
一枚完結:他ページに遷移させない設計
LPは、1ページ内で「疑問→納得→確信→行動」というユーザーの意思決定を完結させる構造が基本です。
そのため、他ページへのリンク(例:会社概要、詳細ページ、関連ブログなど)は極力排除しましょう。
たとえば「もっと詳しくはこちら」と外部リンクを設けてしまうと、ユーザーは本来の目的を見失い、離脱の原因になります。あくまで、コンバージョンという1点に集中させるために、LPは閉じた構造で設計されるべきです。
一目的集中:CVを1つに絞る
1枚のLPで複数の目的を達成しようとすると、かえってどれも中途半端になります。
たとえば、資料請求、無料相談、メルマガ登録などのCTAが同時に設定されていると、ユーザーはどれを選べばいいか分からず、結果として何も行動しないという事態が起こります。
LPはあくまで「1ページ=1アクション」が原則です。
目的を絞り、CTAを統一することで、コンバージョン率の最大化が可能になります。
一訴求徹底:強みをぶらさず貫く
LPの中で伝えるべきメッセージは、「このサービスがなぜ選ばれるのか」という一点に尽きます。
途中で別の強みを挿入したり、あれもこれもと訴求軸を増やすと、メッセージがぼやけてユーザーの記憶にも残りません。
具体的には、「導入が簡単で成果も出る」など、異なるベネフィットを混在させると、逆にどちらの印象も弱まってしまいます。
ひとつの強みに絞って、それを最初から最後まで一貫して伝えきるようにしましょう。
もし「自社の強みが分からない」「伝え方に悩む」という場合は、USP(Unique Selling Proposition)を再定義するところから始めましょう。
▼USPについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
自社独自の売り「USP」を作るときに必要なことを解説
一ペルソナ設計:1つのターゲットに絞る
LPは幅広い人に向けたページではなく、たった1人の理想的なユーザーに語りかける設計が基本です。
たとえば、経営層向けと現場担当者向けでは、課題感も導線の設計もまったく異なります。
複数ペルソナを想定したままLPを作ると、訴求軸が曖昧になり、誰にも刺さらない構成になってしまうでしょう。
理想的なLPは、「あっ、これは自分のことだ」と感じさせる自分ごと化を冒頭で実現し、そのまま最後まで読ませる流れをつくっています。
誰に向けて書くのかを徹底的に絞り込むことが、コンバージョンを生む最大のポイントです。
▼ペルソナについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ペルソナとは?必要な理由と作り方のコツ
LPを作成する手順
以下では、成果につながるLPをつくるための6つの基本ステップを解説します。
ステップ | 概要 |
目的の明確化 | 誰に何をしてほしいか、コンバージョンとチャネル、KPIを決める |
ペルソナと訴求軸の設定 | 理想顧客の課題とベネフィットを明確化する |
ワイヤーフレーム設計 | ペルソナ視点で論理的なストーリー構成を作成する |
コピーとテキスト設計 | 変化を描く表現と心理的ハードルを下げるCTA文言を設計する |
デザインとビジュアル設計 | 読ませる構造、視覚的要素、目立つCTAで導線を強化する |
公開と改善 | データ分析で改善点を洗い出し、ABテストなどで継続的に最適化を行う |
▼LPの作り方や過程、費用対効果などについてこちらの記事でも詳しく解説しています。
LP(ランディングページ)を作る意味は?費用対効果を高める方法を解説!
目的の明確化
LP制作の出発点は「誰に、何をしてほしいのか」を言語化することです。
このとき重要なのは、コンバージョンを1つに絞り込むこと。そしてそのコンバージョンを、どのチャネル経由で達成するのかまで決めておくことです。
たとえば、人事担当者に資料請求してもらうことが目的であれば、コンバージョンは資料請求、チャネルはリスティング広告などと決まります。
また、KPI(コンバージョン率、顧客獲得単価、滞在時間など)を明確にしておくことで、LP改善の指針がブレません。
関連記事:KPIの意味とは?初心者にもわかる徹底解説と設定事例
ペルソナと訴求軸を明確にする
先にもお伝えしましたが、ターゲットをたった1人の理想顧客に絞ることがLPでは重要です。
そのペルソナが、今どんな悩みや課題を抱えていて、どんな未来を手に入れたいのかを、具体的に言語化してください。
さらに、自社サービスがその人にとってどんな価値を提供できるのかを、ベネフィットとして定義します。
ワイヤーフレームの設計
次に行うのが、ページ構成の骨組みづくりです。
先述の「構成要素(ファーストビュー、課題、解決策、実績など)」をペルソナ視点のストーリーとして並べていきましょう。
ここでのポイントは、論理的な違和感がないこと。
「なぜその順番なのか」「なぜここでこの話を出すのか」を常に自問しながら設計することで、ユーザーの思考と流れが噛み合った、納得感のある構造に仕上がります。
完成したワイヤーフレームは、後工程のコピーライティングやデザインの土台になります。
▼ワイヤーフレームについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ワイヤーフレームって何?Web制作で欠かせないツールをご紹介!
コピーライティングとテキスト設計
次に、キャッチコピーや各セクションの見出し・本文を設計していきます。
このとき大切なのは、使ったあとの変化を描くことです。
たとえば、セキュリティ機能を搭載ではなく、社内での情報漏洩リスクに悩まなくて済むようになると伝える方が、ユーザーの関心に刺さります。
CTAボタンの文言も重要です。「無料で試す」「たった3分で完了」など、心理的ハードルを下げる工夫をしましょう。
▼コピーライティングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
コピーライティングとは? 人の心を動かすコピーライティングの書き方を徹底解説
デザインとビジュアル設計
デザインにおいて重要なのは、読ませる構造になっているかです。
見た目の洗練度はそれほど重要ではありません。
たとえば、以下のような工夫をしましょう。
● セクションの切れ目に余白を設け、スクロールを促す
● 実績や導入事例は、数値・写真・ロゴで視覚的に伝える
● CTAボタンは視線を集める色、文言、サイズで設計する
公開と分析改善
LPは作って終わりではありません。
むしろ、公開後にデータをもとに改善していくPDCAこそが、成果につながる最大のポイントです。
具体的には、CTAのクリック率やフォームの離脱率などをチェックし、改善ポイントを特定します。ABテストを回して、見出しや構成の変更を試すことも有効です。
初回で完璧なLPを作る必要はありません。
数字を見ながら少しずつ改善するという前提で運用していくことが、最も確実に成果を高めるアプローチです。
LP改善のポイント|CV率を上げる最適化の考え方
ここでは、成果を最大化するための4つのポイントを解説します。
ファーストビューが勝負
ユーザーの離脱は、LPを開いた最初の数秒で決まります。
ニールセンの調査では、Webページ訪問から10〜20秒以内に有益な情報が得られないと、離脱率が急激に上がると報告されています。しかし、LPの場合はさらに厳しく、「3秒以内に刺さるかどうか」が勝負と言っても過言ではありません。
とくにBtoB領域では、まず資料請求だけでもしておこうというユーザー心理があるため、ファーストビュー完結型のLPが効果的です。
実際にWACULの調査によれば、ファーストビューにCTAを中央配置した場合、コンバージョン率が1.32倍に向上したとのこと。さらに、ページ全体の中でファーストビュー完結型を採用したLPでは、コンバージョン率が1.64倍になると報告されています。
ユーザーの不安を消す信頼要素を入れる
CTAボタンを押す手前で止まるユーザーの多くは、不安を解消しきれていません。
その不安とは、料金に関する疑問や自社に合っているかどうかの迷い、サポート面の不透明さなどです。
これらの不安は、事例紹介・導入実績・顧客の声・第三者評価などで払拭できます。
さらにFAQを設けて、よくある質問に対する回答をあらかじめ用意し、心理的ハードルを一つずつ下げるようにしましょう。
数字やロゴを使って「どれだけの企業が導入しているか」を視覚的に示せば、信頼の醸成にもつながります。
フォームの最適化に取り組む
意外と見落とされがちなのが、フォームの設計です。
LP自体がよくできていても、フォームが長すぎたり煩雑だったりすると、離脱につながります。
コンバージョン率を改善するには、最小限の入力項目に絞り込むことが鉄則です。
とくに初回接点では、会社名・氏名・メールアドレス程度に留め、詳細情報はナーチャリングの中で取得するのが合理的です。
フォーム設計の良し悪しが、LP全体の成果を左右するといっても過言ではありません。
▼初回接点で重要となるエントリーフォームについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
エントリーフォーム最適化とは? CVRを高める工夫を解説
改善ポイントは数値で把握
改善に取り組む際、もっとも避けるべきは感覚で判断してしまうことです。
どの箇所で離脱しているのか、どのCTAがクリックされていないのか、どこまで読まれているのか。
これらは、すべてツールで可視化できます。
具体的には以下のような分析手法を活用します。
● ABテスト:見出しや構成、CTAの違いで成果を比較する
● ヒートマップ:クリック箇所・離脱ポイント・熟読範囲を可視化する
● アクセス解析:滞在時間・直帰率・CV地点の把握
このように数値で判断することで、改善の優先度と効果を見極めながら、LPのPDCAを着実に回していくことができます。
▼ヒートマップについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ヒートマップの機能や種類を紹介。用途ごとに必要な機能や種類とは
まとめ:LPを制作して集客効果を最大化しよう
LPは、単なる1ページのWebコンテンツではありません。
目的を絞り、明確なペルソナと訴求軸で設計されたLPは、Webマーケティング全体の成果を左右する重要な資産です。
「広告を出しているが成果が出ない」「集客はできているのにCVに結びつかない」といった課題がある場合、LPの設計を見直すべきタイミングかもしれません。
LPは、広告・SEO・SNS・メール・ウェビナーなど、あらゆるチャネルの受け皿です。裏を返せば、LPが機能していなければ、どれだけ流入を増やしても成果にはつながりません。
自社の強みを伝え、ユーザーの不安を解消し、自然な流れでCVへ導く。そんなLPは、事業成長を加速させるエンジンとなります。
人事や経営層へのアプローチを強化したい場合は、「HRプロ」への広告出稿も有効です。特定セグメントへの訴求と、LPのコンバージョン最適化を組み合わせることで、リードの質と量を同時に高められます。
▼人事や経営層へのアプローチならHRプロへの広告出稿をご検討ください
https://www.profuture.co.jp/mk/solution/248
▼広告やLPに依存しないためにはHRプロのマーケティング支援へ
https://www.profuture.co.jp/mk/solution/3040