テレビや新聞、雑誌といったオフライン広告は、特定のエリアや層にリーチしやすいという強みがあります。しかし、その効果測定の難しさから、次第に成果が伸び悩むケースも少なくありません。この記事では、Google広告とオフライン広告を効果的に連携させることで、認知度向上と顧客獲得を同時に実現した成功事例を詳しくご紹介します。
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参考:Google社 『オフライン広告とGoogle 広告の連動で認知拡大と売上増を実現』
オンライン広告とオフライン広告の特徴
商品やサービスの認知を目的に出稿される広告は、大きく「オンライン広告」と「オフライン広告」の2つに分けられます。
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オンライン広告とは
オンライン広告とは、インターネット上でウェブサイトやメールなどに表示される広告です。具体的には、検索結果に連動して表示されるリスティング広告(検索連動型広告)、動画サイトで視聴中に表示される動画広告(インストリーム広告、バンパー広告など)、SNSプラットフォーム上で配信されるソーシャルメディア広告、ディスプレイ広告などが挙げられます。
オンライン広告は、年齢、性別、地域、興味関心などの細やかなターゲティング設定が可能です。これにより、広告を届けたいターゲット層を絞り込み、コンバージョンにつながりやすい見込み顧客へ効果的に訴求できます。しかし、ターゲット層によってはインターネットの利用が限定的である場合や、広告の飽和により埋もれてしまう可能性もあり、オンライン広告の効果が限定的になることもあります。
オフライン広告とは
オフライン広告とは、インターネットを介さない広告全般を指します。古くからある媒体としては、テレビCM、ラジオCM、雑誌広告、新聞折込チラシ、ポスティングなどが挙げられます。最近では、駅や商業施設、街頭などに設置されたディスプレイで広告を配信するデジタルサイネージの普及も拡大しており、これはオフライン広告の新しい形と言えるでしょう。タクシー広告を含む交通分野のデジタルサイネージ広告市場は年々拡大傾向にあります。
チラシやダイレクトメール(DM)は、特定のエリアや層に絞って配布することで、低予算かつ効率的に訴求できるメリットがあります。一方、テレビCMや雑誌広告は、不特定多数に幅広くアピールできるため、企業イメージの向上やブランド認知度を高めるのに効果的です。しかし、オフライン広告は、その広告効果を直接的に測定することが難しく、効果が出るまでに一定の期間を要することが多いため、費用対効果の判断が難しいというデメリットがあります。この測定の難しさが、後述する「夢職人」のような企業が新たな施策を検討する要因となります。
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オフラインに次ぐ新たな施策としてGoogle広告を導入した企業
2007年に創業した「夢職人」は、水だけで磨けるという特徴を持つ高級歯ブラシ「MISOKA」を主力商品としていました。創業当初、同社は新聞広告やラジオCMといったオフライン広告を中心にプロモーションを展開し、一定の成果を上げていました。しかし、約2年間のオフライン広告のみでの展開では、次第に広告効果の頭打ちを感じるようになったのです。
この状況を打開するため、夢職人は新たな一手として、オンライン広告の代表格であるGoogle広告の導入を決定しました。Google広告とは、Google検索結果ページや、Googleマップ、そしてGoogleと提携する様々なウェブサイトに表示される広告のことです。この広告モデルの大きな特徴は、ユーザーが商品やサービスを検索した際に広告が表示される点と、広告がクリックされ成果が発生した場合にのみ費用が発生する「成果報酬型」であることです。
Google広告を効果的に活用し、さらなる認知度向上と顧客獲得を目指すにあたり、夢職部は以下の2つの施策を重点的に実施しました。
- オンライン広告とオフライン広告の戦略的な連動: まず、オフライン広告を用いて広範な層への認知度向上を図ります。その後、興味を持ったユーザーがオンラインで情報を検索した際に、Google広告を通じて自社ウェブサイトへ誘導するという流れを構築しました。オフライン広告の出稿エリア選定においては、オンラインでのユーザーの反応を分析データとして活用したり、広告を掲載する時期に合わせて検索されやすいキーワードを幅広く設定したりするなど、両者を連携させることで広告効果の最大化を目指しました。
- リマーケティング機能の積極的な活用: 加えて、一度自社ウェブサイトを訪れたことのあるユーザーに対して、継続的に関連広告を表示させるリマーケティング機能を導入しました。これにより、潜在顧客の関心を維持し、再度ウェブサイトへの訪問を促すことで、購買意欲の向上とコンバージョン獲得につなげる導線を作り上げました。
これらの施策を通じて、夢職部はオフライン広告で獲得した認知をオンラインでの顧客獲得へと効果的に繋げることに成功したのです。
Google広告とオフライン広告の活用で認知向上と顧客獲得を実現
オンラインとオフラインの連動、そしてリマーケティング機能の戦略的な活用は、夢職人社のウェブサイトへの訪問者数をわずか2ヶ月で1,500%という驚異的な増加に導きました。この顕著な成果は、オンラインショップの売上を倍増させ、さらに客単価も同期間で150%向上させるという形で具体的に実証されています。
特筆すべきは、Google広告の効果がオンラインショップだけに留まらなかった点です。オフライン広告で認知を獲得した顧客層が、Google広告を通じてさらに詳細な情報を求め、最終的に直営店へと足を運ぶケースが大幅に増加しました。これにより、オフライン広告の効果測定の課題を克服しつつ、オンライン広告とオフライン広告の相乗効果によって、直営店の売上アップにも大きく貢献したのです。この成功体験から、夢職人社は今後、オンライン広告への投資をさらに強化していく方針を固めています。この成功事例は、オフライン広告の限界を感じている企業にとって、Google広告をはじめとするオンライン広告を組み合わせることの有効性を示す、強力な証拠と言えるでしょう。
まとめ
商品やサービスの認知向上と顧客獲得を目指す上で、オンライン広告とオフライン広告はそれぞれ異なる強みを持っています。オフライン広告は、テレビ、ラジオ、新聞折り込み、デジタルサイネージなど、特定のエリアへの訴求や広範な認知拡大に有効です。一方、オンライン広告、特にGoogle広告のような検索連動型広告は、インターネットを利用するターゲット層に絞って効率的にアプローチし、コンバージョンに繋がりやすい見込み顧客へ訴求できる点が特徴です。
高級歯ブラシ「MISOKA」を主力商品とする「夢職人」は、当初オフライン広告を中心に展開していましたが、広告効果の頭打ちを感じ、新たな施策としてGoogle広告の導入を決定しました。同社は、オフライン広告で広範な認知を獲得した後、Google広告を通じて興味を持ったユーザーを自社サイトへ誘導するという、両者の効果的な連動を実現しました。さらに、一度サイトを訪れたユーザーに再度アプローチできるリマーケティング機能を活用することで、顧客獲得の効率を高めました。
このオフライン広告とGoogle広告の戦略的な組み合わせにより、「夢職人」は自社サイトへの訪問者数を2ヶ月で1,500%増加させるという顕著な成果を上げました。オンラインショップの売上は倍増し、客単価も150%上昇しました。さらに、オンライン広告経由での顧客が実店舗へ足を運ぶケースも増加し、直営店の売上向上にも貢献しました。この成功事例は、オフライン広告とオンライン広告を連携させることの有効性を示しており、特にGoogle広告の活用が、認知向上だけでなく具体的な顧客獲得と売上増加に繋がることを証明しています。

