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成功事例から見るオンライン広告を活用した顧客層拡大のポイント

2021.3.22
読了まで約 3

手元のスマートフォンで知りたい情報を検索したり、ECサイトを利用して買い物したりと、顧客との接点を持つオンラインはビジネスの拡大のために欠かせないものとなっています。人々のオンライン上での情報探索行動は非常に複雑で、検索から購入に至る過程は直線的ではありません。オンラインで顧客層を拡大するには、従来の直線的な消費行動モデルに沿った施策では通用しないということです。

この記事では、オンラインでの顧客層拡大に向けたポイントとともに、新たなオンライン広告の活用によって成果をあげた企業をご紹介します。

複雑化する情報探索行動〜オンラインで顧客層を拡大するポイント

オンラインにおける人々の情報探索行動は直線的ではなく、「さぐる」検索と「かためる」検索を行き来する動きをしています。これを「バタフライ・サーキット」といい、人々が購入を決めるタイミングは「瞬発型」や「主観型」、「真面目型」など複数のパターンがあります。

関連記事 パルス消費につながるバタフライ・サーキットとは?

このように人々の情報探索行動が複雑化する現代においては、オンライン上でただ接点を持つだけでは顧客層の拡大につながるとは限りません。オンラインで顧客層を広げていくために、Googleは次の2点を提案しています。

1. 顧客と接点を持つ間口を広げること
2. ユーザーエクスペリエンス(UX)を改善すること

ここからは、間口を広げてオンラインでの新規顧客を拡大したSBIホールディングス、UXの改善でコンバージョン率向上につなげたエムスリーの成功事例をそれぞれご紹介していきます。

SBIホールディングス「インズウェブ」の成功事例

SBIホールディングス株式会社が運営する「インズウェブ」は、一括で保険の見積もり比較ができるサイトです。保険商品を選ぶ際は綿密なリサーチをおこなう人が多いため、関連性の高いキーワードで集客する検索広告が広告配信の大半を占めていました。

しかし、検索広告ではコンバージョンにつながるキーワードは限られていること、競合他社の出稿量の増減で自社の運用にも直接的な影響を受けることが課題となりました。こうした課題を解決しより多くの潜在顧客にリーチするために、同社はYouTube広告の「TrueViewアクション」を採用しました。TrueViewアクションは見込み顧客の獲得とコンバージョンの促進を目的とし、人目を引く「行動を促すフレーズ」や広告の見出しをオーバーレイで表示できます。

検索広告と並行してTrueViewアクションを8週間配信した結果、運用期間の後半になると顧客獲得単価(CPA)が23%低下、コンバージョン率(CVR)は40%向上と大きな効果が実証されました。

インズウェブはこれまで検索広告を主流としていましたが、新たな施策としてTrueViewアクションを並行し間口を広げたことで、新規顧客の開拓に成功しました。既存の施策を見直した多角的なアプローチが功を奏したのです。

エムスリー「薬キャリ」の成功事例

エムスリー株式会社が運営する「薬キャリ」は、薬剤師を対象とした転職プラットフォームです。同社は未登録の薬剤師を見込み顧客として広告運用し、薬キャリの認知拡大には十分な成果を得ることができました。

薬キャリの認知に成功した同社が次に模索したのは、サービスへの登録を促しCVRを上げる施策です。しかし、具体的な転職プランがない検討段階の見込み顧客をサービスの登録まで誘導するのは難しく、まずは心理的な障壁を下げる必要がありました。そこで同社は、検索広告に登録ボタンを表示できる「リードフォーム表示オプション」を使用することにしました。

リードフォーム表示オプションを設定すると広告からワンクリックで登録フォームが立ち上がるため、問い合わせに至るまでのステップを簡素化できます。ウェブサイトへの遷移が省かれたことで見込み顧客が持っていた心理的な障壁は下げられ、ユーザーエクスペリエンスの改善につながりました。

リードフォーム表示オプションによる広告運用の結果、従来の広告運用と比べCPAは17%低下、CVRは14%向上と、大きな効果が実証されました。

今回の施策が成功した要因は、見込み顧客をあらためて分析し課題を見つけ出したことだと考えられます。まだ検討段階で行動に移せていなかった見込み顧客に対する最適なアプローチが、次の行動を引き起こすことにつながったのです。

まとめ

◆オンラインにおける人々の情報探索行動は「さぐる」検索と「かためる」検索を行き来しており、これを「バタフライ・サーキット」という。

◆人々の情報探索行動が複雑化する中でオンラインでの顧客層を広げていくポイントは次のとおり。
1. 顧客と接点を持つ間口を広げること
2. ユーザーエクスペリエンス(UX)を改善すること

◆これまで検索広告を主流としていたインズウェブは、新たな施策としてTrueViewアクションを並行し間口を広げたことで新規顧客の開拓に成功した。

◆薬キャリは見込み顧客をあらためて分析することで問い合わせに至るまでのステップを簡素化、ユーザーエクスペリエンスの改善につなげた。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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