近年、Webサイト構築の現場で「CMS」の導入が一般的になっています。WordPressに代表されるように、多くの企業がCMSを活用してWebサイトを制作・運用しています。しかし、CMSに馴染みのない方にとっては、「従来のWebサイト構築と何が違うのか」「CMSを導入すると、サイトの運用はどのように変わるのか」といった疑問をお持ちかもしれません。
本記事では、CMSでWebサイトを構築する際のメリットを具体的に解説し、さらに構築後の運用における重要なポイントについても詳しく説明します。CMSの導入を検討されている方や、CMSによるWebサイト運用に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。
人事・経営層のキーパーソンへのリーチが課題ですか?
BtoBリード獲得・マーケティングならProFutureにお任せ!
目次
CMSとは
CMSとは、「Contents Management System」の略称であり、「コンテンツ管理システム」と訳されます。これは、Webサイトのテキストや画像といったコンテンツを、効率的に作成、更新、管理するためのシステムです。CMSの最大の特徴は、Webサイトを構成する様々なコンテンツを一元的に管理できる点にあります。
従来、Webサイトは「HTML」や「CSS」といったマークアップ言語を用いてHTMLファイルやCSSファイルを記述し、FTPソフトなどを利用してWebサーバーにアップロードすることで構築されていました。
このような従来のWebサイト構築方法では、たとえWeb制作会社に依頼してサイトを制作したとしても、社内にHTMLファイルなどをイチから作成できる専門知識を持つ人材がいない場合、制作後のコンテンツ更新が困難になるというケースが少なくありませんでした。しかし、CMSを導入することで、HTMLやCSSといった専門知識がない方でも、直感的な操作でWebサイトのコンテンツを更新・運用することが可能になります。
CMSの代表的な例としては、WordPressやMovable Typeなどが挙げられます。かつてはブログの更新ツールといったイメージが強かったCMSですが、現在では多くの企業が、自社のコーポレートサイト、サービスサイト、オウンドメディアなどの本格的なWebサイト運用に活用しています。つまり、CMSは今や、企業のWebサイト構築における主要な手法の一つとなっているのです。
関連記事:CMSとは?利用目的やメリットデメリット・基本機能を初心者向けに分かりやすく解説
CMSの必要性
なぜ、CMSがここまで必要とされ、広く利用されているのでしょうか。その最大の理由は、Webサイトの更新・管理における「手軽さ」と「利便性」にあります。従来のWebサイト制作では、HTMLやCSSといった専門知識が必須であり、コンテンツの変更や追加が発生するたびに、専門業者への依頼や、社内の担当者によるコード編集が必要でした。しかし、CMSを導入することで、これらの専門知識がなくても、直感的な操作でWebサイトのコンテンツを更新・管理することが可能になります。
近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や、働き方改革、そして新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワークの普及といった社会情勢の変化は、Webサイトの活用をより一層加速させました。特に、実店舗での販売が中心だった企業が、ECサイトの開設やデジタルマーケティングへの取り組みを急務とする中で、HTMLやCSSの知識がない状態からWebサイトを構築・運営する必要に迫られるケースが少なくありません。こうした状況において、CMSは、PCの基本操作ができればWebサイトの更新・運営が可能になるという点で、非常に強力な味方となります。
また、CMSはWebサイト運用を外部に委託する際にも、コミュニケーションを円滑にする役割を果たします。専門知識がない場合でも、CMSの管理画面を通じて具体的な指示が出せるため、依頼側と制作側双方の負担を軽減できます。
しかし、CMSは「専門知識がなくても手軽に更新できる」という側面だけでなく、その可能性はさらに広がっています。例えば、Webサイトの機能拡張やデザインのカスタマイズを進めていく上で、HTMLやCSSの知識があると、より高度な表現や、競合他社と差別化できるようなWebサイト構築が可能になります。近年では、プラグインなどを活用することで、高度な機能を追加できるCMSも増えており、単なる更新ツールという枠を超え、企業のWeb戦略の中核を担う存在へと進化しています。
CMSでサイトを構築するメリット
CMSを活用してWebサイトを構築することには、数多くのメリットがあります。これらのメリットを理解することで、自社にとって最適なWebサイト構築方法を選択する一助となるでしょう。
1. ページ・コンテンツ作成・更新が容易
従来のWebサイト制作では、HTMLやCSSといった専門的なマークアップ言語を記述し、HTMLファイルやCSSファイルをサーバーにアップロードするという作業が必要でした。しかし、CMSを導入することで、このプロセスが劇的に簡略化されます。管理画面から直感的な操作で、テキストの編集や画像の挿入、ページの追加・削除などをブラウザ上で行えるため、HTMLやCSSの知識がない担当者でも容易にコンテンツの更新が可能になります。これにより、Webサイトの更新にかかる時間と手間を大幅に削減でき、業務効率の向上に直結します。さらに、作業が簡便になることで、更新業務を特定の担当者に集中させる必要がなくなり、社内での担当者の幅が広がります。結果として、Webサイト制作・運営の外注依存度を減らし、コスト削減にも貢献します。また、更新作業の負担が軽減されることで、Webサイトの企画立案やデータ分析といった、より戦略的なコア業務にリソースを集中させることが可能になります。
2. コンテンツの一元管理
CMSは、Webサイトを構成するテキスト、画像、動画、デザインテンプレート、ページ構成など、あらゆるコンテンツをデータベース上で一元管理できるシステムです。CMSは、これらの情報を必要に応じてデータベースから抽出し、動的にWebページを生成します。この一元管理機能により、コンテンツの整合性を保ちやすくなり、更新や修正が必要になった際も、該当する箇所を一度編集するだけで、サイト全体に反映させることが可能です。これにより、管理の手間が省けるだけでなく、情報漏れや誤記といったヒューマンエラーのリスクも低減されます。
3. Web制作における分業体制の確立
CMSを導入することで、Webサイト制作における各工程を効果的に分業することが容易になります。例えば、Webデザイナーはサイト全体のデザイン設計やビジュアル要素の作成に専念し、ライターはコンテンツの文章作成に注力し、Webサイトの更新担当者は、CMSの管理画面を通じて、デザインやライティングされたコンテンツをWebページに反映させる作業を行います。このように、各担当者が自身の専門領域に集中できるため、コンテンツの質を向上させると同時に、更新作業もスピーディーに進めることができます。また、企業によっては、部署ごとにWebサイトの担当箇所が異なる場合がありますが、CMSであれば、各部署の担当者が自身の担当ページを直接更新・管理することも可能となり、部門間の連携をスムーズにします。
4. テンプレート活用による効率化と統一感の実現
CMSでは、あらかじめ用意されたテンプレートを利用してWebサイトのベースを構築することができます。これにより、ゼロからWebサイトをデザイン・コーディングする必要がなく、既存のデザインや構造をベースに、自社のブランドイメージや目的に合わせてカスタマイズしていくことで、効率的にWebサイトを完成させることが可能です。テンプレートを使用する最大のメリットは、Webサイト全体に統一感のあるデザインやレイアウトを実現できる点にあります。これにより、訪問者にプロフェッショナルで信頼性の高い印象を与えることができます。また、デザインを変更したい場合も、テンプレートを選択し直したり、一部を修正するだけで対応できるため、デザイン変更のコストと時間を大幅に削減できます。
5. SEOに強いWebサイト構築の実現
多くのCMSは、検索エンジン最適化(SEO)に有利な構造を持つように設計されています。具体的には、検索エンジンがコンテンツを理解しやすいように、URL構造の最適化、メタディスクリプションやタイトルタグの設定、alt属性の付与などが容易に行えるようになっています。さらに、SEO対策に特化したプラグインを導入することで、キーワードリサーチの支援、内部リンクの最適化、サイトマップの自動生成といった高度なSEO施策も、専門知識がなくても簡単に行えるようになります。これにより、CMSを利用せずにWebサイトを構築する場合と比較して、検索エンジンでの上位表示を目指しやすくなります。ただし、CMSの種類によってSEO機能の充実度は異なるため、CMS選定時には、SEO対策のしやすさを確認することが重要です。
6. プラグインによる多様な機能拡張
CMSの大きな魅力の一つとして、プラグイン(拡張機能)を活用することで、Webサイトに多様な機能を追加できる点が挙げられます。世界中の開発者によって作成された数多くのプラグインが存在し、それらを導入することで、例えば、お問い合わせフォームの設置、SNS共有ボタンの追加、ECサイト機能の実装、会員機能の追加、多言語対応など、自社のWebサイトに必要な機能を簡単かつ迅速に追加・拡張することができます。これにより、Webサイトの利便性や魅力を高め、ユーザーエクスペリエンスを向上させることが可能になります。
7. 運用コストの削減
CMSの導入は、Webサイトの運用コスト削減に大きく貢献します。従来、Webサイトの制作・構築を外部のWeb制作会社に依頼した場合、その後のコンテンツ更新や修正のたびに、都度、制作会社に依頼する必要があり、その都度、外注費が発生していました。しかし、CMSを導入すれば、自社の担当者が管理画面から直接コンテンツの更新や管理を行えるため、外注費を大幅に削減できます。また、Webサイトの更新・管理のために、専門的なスキルを持つ人材を新たに雇用する必要もなくなります。このように、CMSは、外注費や人件費といった運用コストの削減に繋がる可能性を秘めています。
8. スマートフォン向けサイトの制作が容易
現代では、PCだけでなく、スマートフォンからのWebサイトアクセスが主流となっています。CMSの中には、PC向けサイトと同時に、スマートフォンに最適化されたレスポンシブデザインのサイトを自動的に、あるいは非常に簡単に構築できる機能を持つものがあります。これにより、近年必須となっている「スマホ対応」を迅速かつ効率的に実現できます。従来は、PC向けサイトとは別に、スマートフォン専用サイトを構築する必要があり、手間とコストがかかっていましたが、CMSを活用することで、この負担を大幅に軽減することができます。
Webサイトの構築が可能なCMSの3つのタイプ
Webサイトを構築できるCMSには、その特徴や提供形態によって大きく3つのタイプに分類できます。CMS選定においては、自社の目的やリソース、将来的な拡張性を考慮して、最適なタイプを選択することが重要です。
1. オープンソース型CMS
オープンソース型CMSは、そのプログラムのソースコードが一般に公開されており、誰でも自由に利用、改変、頒布できるCMSです。代表的な例としては、世界中で広く利用されている WordPress が挙げられます。
- 特徴:
-
- 高い拡張性: ソースコードが公開されているため、世界中の開発者によって数多くのテンプレートやプラグインが開発されており、機能追加やカスタマイズの自由度が非常に高いのが特長です。これにより、Webサイトの機能要件を細かく満たすことが可能です。
- コスト: CMS自体は無料で利用できる場合が多く、初期導入コストを抑えられます。ただし、導入、運用、保守には専門知識を持つ人材や外部委託が必要となる場合があり、そのための費用は発生します。
- コミュニティ: 活発なコミュニティが存在するため、情報共有が盛んで、問題解決の糸口を見つけやすい傾向があります。
- 適したケース:
-
- 将来的な機能拡張やデザインの自由度を重視する場合。
- ある程度の専門知識を持つ人材がいる、または外部委託を検討できる企業。
- コストを抑えつつ、柔軟なWebサイト構築を行いたい場合。
- 注意点:
-
- 導入・設置、サーバーの準備、セキュリティ対策などは自社で行う必要があります。
- トラブル発生時の公式サポートは限定的であることが多く、自社での対応や専門業者への依頼が必要です。
- 代表的なオープンソース型CMS:
-
- WordPress: 世界的なシェアを誇り、豊富なテーマやプラグインで多様なWebサイトに対応できます。SEOにも強いとされており、多くの企業や個人に利用されています。
- Drupal: セキュリティ面で優れており、大規模サイトや官公庁、大学などでも採用されています。CMSとしての機能に加え、ウェブアプリケーションフレームワークとしても利用できる汎用性の高さが魅力です。
WordPress
https://ja.wordpress.org/
Drupal(ドルーパル)
http://drupal.jp/
2. クラウド型CMS
クラウド型CMSは、インターネット上のクラウドサーバー上で提供されるSaaS(Software as a Service)形式のCMSです。Webサイトの構築から運用まで、プラットフォーム上で完結させることができます。Jimdo や Wix などが代表的なサービスです。
- 特徴:
-
- 手軽さ: プログラミング知識がなくても、直感的な操作でWebサイトを構築できるものが多く、初心者でも容易に始められます。
- 低コスト: 無料プランから提供されているサービスが多く、初期導入コストや運用コストを大幅に抑えることができます。
- サポート: 提供元によるサポートが受けられる場合が多く、不明点やトラブル発生時の安心感があります。
- 保守・管理: サーバー管理やアップデートなどのインフラ関連の管理は不要です。
- 適したケース:
-
- Webサイト構築の経験が浅い、または専門知識を持つ人材がいない企業。
- 迅速に、かつ低コストでWebサイトを立ち上げたい場合。
- シンプルな機能で十分なWebサイトを運用したい場合。
- 注意点:
-
- オープンソース型CMSと比較すると、カスタマイズの自由度や機能拡張性に限界がある場合があります。
- 提供される機能の範囲を超えるカスタマイズや、特定の機能追加には制約が生じることがあります。
- 代表的なクラウド型CMS:
-
- Wix: ドラッグ&ドロップ操作でデザイン性の高いWebサイトを簡単に作成できることで知られています。無料プランから利用でき、多様なテンプレートが用意されています。
Wix(ウィックス)
https://ja.wix.com/
EC-CUBE
https://www.ec-cube.net/
EC-CUBEはオープンソース型とクラウド型がある、ECサイト専門のCMSです。ECサイトに必要なショッピングカートなどの機能のほか、定期購入やポイント付与機能など、便利な機能が無料版から備わっているため、多く活用されています。カスタマイズ性も高いので、ECサイトを作り込みたいという場合におすすめです。オープンソース型は無料配布されていますので、知識がある場合には初期費用を抑えながら導入することが可能です。クラウド型であれば、セキュリティも安心なので、有料ではありますが、企業としてはこちらを利用するのもいいかもしれません。
またEC-CUBEインテグレートパートナーという制度が設けられており、EC-CUBEの発展に協力している企業がリストで掲載されており、ECサイト構築やデザインを依頼することができます。ECサイトの構築は自社ではむずかしく、外注を考えている場合には、このパートナー企業から見つけてみるのもいいでしょう。
3. パッケージ型CMS
パッケージ型CMSは、ソフトウェアやライセンスを購入して、PCにインストールして利用するタイプのCMSです。企業を対象にサービス展開しているケースが多く、もともと企業向けサイトがしっかりと構築できるように作られているのが特長です。
また、自社でサーバを用意してそこへアップロードする形で設置します。特に認証などセキュリティ面で強固に作られているケースが多いため、企業としては安心して利用できるでしょう。お金をある程度かけてでも、企業としてしっかりとしたサイトを構築したいという場合におすすめです。サポート体制も手厚いことが多いというのも特長です。
●パッケージ型CMSの例
(1)Movable Type(ムーバブル・タイプ)
https://www.sixapart.jp/movabletype/
Movable Typeは日本製のCMSですが、世界でも使われている有名なCMSです。有料版ではパッケージ型とともに、クラウド型の両方を提供しており、さらにさまざまなプランが用意されているので、自社にとって最適な大規模から小規模までさまざまなWebサイトに対応できます。
Movable Typeは、WordPressのように動的ではなく、静的にコンテンツを生成する仕組みがあるため、動的CMSよりも早く表示される、負荷が軽いといった特徴があります。ただ、大規模サイトになると少々表示が遅くなるという声もありますので、大規模サイト運営に向いていると言い切ることはできませんが、よほど多くのページ数やコンテンツ量ではない場合には、早い表示が見込めるので、企業サイトに向いているといえます。
(2)HeartCore (ハートコア)
https://www.heartcore.co.jp/
HeartCoreは、Webサイトの構築とともにデジタルマーケティングに注力したい企業に向いているパッケージ型CMSです。デジタルマーケティングに必要な多数の機能をとりそろえています。例えば、CMS機能ではコンテンツ作成・編集機能はもちろんのこと、SNS連携や顧客管理、自動SEO機能などがあります。
また、ABテストやセグメンテーション、ヒートマップ機能、マーケティング自動化機能も備わっています。イメージとしては、Web制作担当者とマーケターがともに異なる用途で活用できるCMSです。基幹システムや会員管理システムと連携する機能もあるため、企業のマーケティング活動の助けになります。
関連記事:ABテストとは? 4つの種類とやり方、仕組みをわかりやすく解説
CMS運用のポイント
では、CMSでWebサイトを構築し、更新していこうとした場合に、どのように運用していくのか、イメージがつかないこともあるでしょう。そこでCMS運用のポイントを解説していきます。もちろん、ケースバイケースで異なりますので、一般的なことと捉えてください。
●運用ルール・マニュアル策定を行う
Webサイトを構築した後、どのように運用していくかということは、CMSを使わない場合にも決めておく必要があるでしょう。CMSでWebサイトを作る際にも、もちろん運用ルールやマニュアルを策定することをおすすめします。
特にCMSでおすすめする理由は、運用が属人化しにくいためです。誰でも運用できるくらい単純化されていることが多いCMSでは、早期から運用ルールとマニュアルを作成しておき、定型業務としてできるようにしておけば、業務を楽に切り出すことができます。業務効率化につながりますし、万が一、人手不足になっても外注も用意に行えます。
●デザイン・構成のカスタマイズを想定して初期構築する
運用ルールやマニュアルを作成するのと同時に、どのようにデザインを更新していくのかをあらかじめ考えておくことも重要です。コンテンツ更新は簡単に行えても、いざ、デザインを変える必要性が出てきた場合に、「これではデザイン変更はむずかしい」といった状況であれば、困ってしまいます。あらかじめ、デザインも変更しやすいように、将来的にデザイン変更の可能性があることを考えて、デザインを作ることがポイントです。
例えばWordPressの場合には、テンプレートが豊富にありますが、その中でも、デザインが容易に変更できたり、テンプレートを差し替えるだけで変更可能といった便利なものを選んでおくのも一つの方法です。テンプレートはHTMLやCSSだけでなく、PHPという言語で書かれたデザインテンプレートを使用するため、テンプレートの変更にはPHPの知識が必要なシーンもあります。もしデザインにこだわるのであれば、WordPressのデザインカスタマイズに長けた人材を雇うといったことも考えられます。
●スパムやハッキングへの対策を確実に行う
CMSの中でも、オープンソース型CMSは、特にソースコードが公開されている上に、脆弱性も実際に多く見つかっていることがあります。そのため、悪意のある者によるサイバー攻撃やハッキングといった標的にされるリスクは十分にあります。
また、ブログ記事の投稿にコメントをつけられる機能があるのが一般的ですが、そのコメント欄に対して大量にスパムを送り込まれることは多いです。そのため、あらかじめスパム対策を行っておくことは必須といえます。このようなリスクを想定して、確実に対策を初めから行っておくとともに、運用時もそうしたセキュリティリスクは常に念頭に置いて実施していきましょう。
●定期的なバージョン更新を行う
CMSによっては、バージョンアップを定期的が実施されています。セキュリティに関する脆弱性が見つかり、その対策プログラムが出ることもあるため、更新版がリリースされたら、できるだけ早めにバージョンアップしておくことが重要です。
●公開予約機能を活用する
CMSは、自動で公開する機能があります。何月何日の何時に公開するように設定することができるのです。こうした公開予約機能を活用することで、より業務効率化につながります。
●ワークフロー機能を活用する
CMSの中には、ワークフロー機能が備わっていることがあります。ワークフロー機能とは、例えば、企業がブログ記事を公開するときに、コンテンツ作成者が記事を作成した後、上長や各部門の承認を経て、公開予約設定をするといったような一連の流れが定例となっていることもあるでしょう。こうした一連の公開までの流れをサポートする機能がワークフロー機能です。このワークフロー機能を活用することで、業務効率化につながるほか、承認がされないまま公開されてしまうといった事故を防ぐこともできます。
●マーケティング機能を活用する
アクセス解析や新規顧客を創出、問い合わせ数アップなどのマーケティングが有意義に行えるマーケティング機能が備わるCMSもあります。しかしこのマーケティング機能は、いずれ使うだろうと思って、なんとなく導入してしまうと、運用後も使うシーンや方法が分からず、結局、活用に至らないケースも多いものです。はじめから「自社ではこういう風にマーケティングを実施したいから、このマーケティング機能が備わるこのCMSにしよう」といったように、目的意識を持っておくと、運用中も存分に活用できるでしょう。
まとめ
◆CMSとは「Contents Management System」の略称で、「コンテンツ管理システム」と呼ばれるもの。Webサイトのコンテンツを効率的に作成、更新、管理できるシステムで、CMS内のコンテンツを一元的に管理することができるのが特徴。オープンソース型、クラウド型、パッケージ型の3つに分かれる。
◆CMSでサイトを構築するメリットとして、ページ・コンテンツ作成・更新が容易、一元管理ができる、Web制作を分業できる、テンプレート使用のメリットが得られる、SEOに強いWebサイトを作ることができる、プラグインを活用すればWebサイトに多様な機能を追加できる、運用コスト削減につながる、スマートフォン向けサイトの制作が容易などがある。
◆CMS運用のポイントとして、運用ルール・マニュアル策定を行う、デザイン・構成のカスタマイズを想定して初期構築する、スパムやハッキングへの対策を確実に行う、定期的なバージョン更新を行う、公開予約機能を活用する、ワークフロー機能を活用する、マーケティング機能を活用することなどがある。







