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ABテストとは? 4つの種類とやり方、仕組みをわかりやすく解説

2023.7.11
読了まで約 7

マーケティングの現場ではしばしば「ABテスト」という言葉を見聞きします。ABテストとは2つのものを比較して検証するもので、インターネットマーケティングで多く行われる手法の1つです。

この記事では、「ABテスト」の基礎知識や行う理由、リスクをわかりやすく解説します。

ABテストとは何か?

ABテストとは複数のものを比較するテストです。「AパターンとBパターンではどちらがよいか」を比べるため、ABテストと呼ばれていると考えるとわかりやすいでしょう。

インターネットマーケティングでよく行われる手法で、サイトや広告のアクセス数や成約率などのデータを比較し、成果が出ているほうを採用します。

より正確なデータを収集するため、比較対象以外の条件、たとえば期間や広告を配信する頻度などをできる限り違わないようにしておくことが望ましいです。また、比較するデザインや文言は、大幅には異ならないもので実施します。

メルマガの成果を上げるためにも、ABテストを実施することがあります。

関連記事:メールでのABテストはどうやってやる?検証のポイント

ABテストを行う理由

ABテストを実施する理由としては、次のものが挙げられます。

ホームページの精度を上げて収益をアップさせる
● コストをかけずに成果をアップさせられる可能性がある
● 成果が出るパターンがわかってくる

それぞれの理由について見ていきましょう。

ホームページの精度を上げて収益をアップさせる

最初に作ったホームページや広告、ランディングページ(LP)は仮説の塊といえます。実際に運用してみないことには、成果はわからないものです。メインビジュアルのリニューアル、見出しや文章の内容の改善、掲載されている画像変更によって、成果が今よりも上がるかもしれません。

ABテストを行ってそれらの要素を一つひとつ改善していけば、よりホームページの精度が向上し、問い合わせや注文が増え、収益がアップする可能性があります。

コストをかけずに成果をアップさせられる可能性がある

ホームページやLPの成果が上がっていないからといって、まるごと作り直すのはコストと手間がかかります。しかも、リニューアルしたからといって必ずしも結果が出るとは限りません。

前述のとおり、サイトに含まれる要素を少し変えるだけでも成果が上がるケースはあります。ABテストを行えばコストをかけてまでリニューアルしなくても、収益アップにつながる可能性があり、ホームページやサイトの運営効率を上げることも可能です。

成果が出るパターンがわかってくる

ABテストを行って結果を検証すれば知見が貯まってきます。「メインビジュアルはこのデザインがいい」「コンテンツでこんな訴求をすれば成約率が上がる」「このバナーを使えば広告でアクセスが集められる」といったことがわかってくるでしょう。

こうしたノウハウは会社の財産であり、今後のマーケティング施策にも大いに応用できます。

ABテストのメリット

ABテストのメリットとしては、次の点が挙げられます。

● 複数のパターンを同時並行で検証できる
● 低コストかつ短期間で実施できる

それぞれのメリットを説明します。

複数のパターンを同時並行で検証できる

ABテストという名前ですが、必ずしも2つを比較検証するのではありません。3つ以上のパターンを同時並行で検証することもあります。

まとめて比較検証することで、短時間でより効果の高い施策が判明します。また、パターンの設定によっては、どのパターンのどの部分を改善するとさらによくなるかなども分析可能です。

低コストかつ短期間で実施できる

前述のように、一般的なABテストでは、大幅に違うデザイン・文言のものを比較検証しません。

そのため、検証結果によって改善作業が必要だと判明しても、元からあるものを少し変更するだけで済みます。低コストかつ短期間で効果的に改善できるのも、ABテストのメリットです。

ABテストを行う際の注意点

メリットの多いABテストですが、実施する前には次の点に注意が必要です。

● テストは同じタイミング、同じ時期に1つの要素に絞り込んで行う
● 一定以上のサンプル数を確保する
● テストは2週間以上行う
● 必ずしも良い結果が出るわけではないと理解しておく

それぞれの注意点について説明します。

テストは同じタイミング、同じ時期に1つの要素に絞り込んで行う

ABテストは、複数パターンを同時検証することが大切です。テストの時期がずれると、ユーザーの流入経路やモチベーションが変化し、妥当性の高い検証結果が得られません。

また、比較する要素も1つのみに限定することが望ましいでしょう。2つ以上の要素を同時に比較すると、どの要素が結果に対して影響を及ぼしているのか把握できません。

一定以上のサンプル数を確保する

ABテストから信頼性の高い結果を得るためにも、ユーザー数やコンバージョン(CV)数はある程度多くなくてはいけません。たとえばWebサイトの検証であれば、妥当性の高い検証結果を得るためにも、2,000以上のCV数が必要とされています。

ただし、元々の閲覧数などによっても適切なサンプル数は異なる点に注意しましょう。また、メルマガの検証などのようにユーザー数が限られている場合も、必要なサンプル数は異なります。

テストは2週間以上行う

Webページの改善目的のABテストでは、2週間以上続けてテストするのが理想的とされています。

ただし、閲覧数やCV数が少ないWebサイトでは、2週間程度では十分なサンプル数を獲得できません。反対にアクセスの多いWebサイトでは2週間未満の短期間でも、十分すぎるサンプル数を獲得できることがあります。

また、メルマガ配信の効果検証においても、適切なテスト期間は異なります。必要なサンプル数やユーザー数などに応じて、適切なテスト期間を定めましょう。

必ずしも良い結果が出るわけではないと理解しておく

ABテストでは新しいものが必ずしも良い結果を出すとは限りません。ホームページの要素を変更したがために成約率が下がってしまった、新しい広告を入稿したがためにアクセス数が少なくなってしまったというケースもしばしばあります。ABテストを行ったことで成果が下がるリスクがあることも念頭に置いておきましょう。

とはいえ、ホームページやLPをまるごとリニューアルしたり、まったく新しい広告を配信したりといった場合でも同じことがいえます。それよりはリスクが低くコストもかからないので、まずはABテストを実施して細かい改善を積み重ねていきましょう。

なお、ABテストは変更点によって結果が左右されやすく、必ずしも期待した結果が得られるとは限りません。好ましくない結果や目的とはずれる結果、一見、参考にならないような結果が出ることもあります。

これらの結果は、現状の問題解決には活かせないかもしれません。しかし、ABテストを実施していくことで 最適解に近づけるのは事実です。参考にならない結果も適切に蓄積し、継続的にABテストを実施していきましょう。

ABテスト4つの種類

Webページの改善に用いるABテストは、大きく次の4種類に分けられます。

1. 同一URLの要素・見た目を切り替えるテスト
2. 複数ページテスト
3. リダイレクトテスト
4. 多変量テスト

分析したい内容によって適切なテストを選ぶことが大切です。
ABテストのツールはGoogleオプティマイズ(2023/9/30終了)などが挙げられます。Microsoft「Clarity」などのヒートマップツールを組み合わせて活用することで効率的な改善が可能です。

なお、メルマガ配信の検証については、異なるタイプのABテストを用います。
ここからは、各種類の特徴や流れを説明します。

関連記事:メールでのABテストはどうやってやる?検証のポイント
関連記事:Microsoft「Clarity」とは!無料で使えるヒートマップツールを解説!

1.同一URLの要素・見た目を切り替えるテスト

URLを変えずに特定の要素や見た目だけを変える手法があります。Webページの検証に用いるABテストのなかでも一般的な手法で、ソースコードの書き換えが不要なため、テストの準備が容易である点がメリットです。

なお、同一URLでもユーザーによって異なるWebページにアクセスできるようにするには、JavaScriptの技術を用います。JavaScriptを使って比較検討するパターンごとにスクリプトとして登録すると、ユーザーのデバイスやブラウザの種類によって、異なる要素・見た目のWebページにアクセスできるようになります。

2.複数ページテスト

複数ページテストとは、比較検討したい要素が複数のWebページにわたるときに利用するABテストです。複数ページテストでは、ページごとのパターンだけでなく、リンク先も比較対象にします。

ページ内での導線も比較できるため、CVにつながる効果的な構造を割り出すことも可能です。なお、特定の導線以外は移動できないように制御しておくことで、よりシンプルに比較でき、検証結果がわかりやすくなります。

3.リダイレクトテスト

リダイレクトテストとは、テスト対象のWebページに訪れたユーザーを別のURLにリダイレクトして実施するABテストです。たとえば、申し込みのフローなど、途中からユーザーが入ってくることのないWebページで用いられることがあります。

ただし、リダイレクト先の別ページを用意する必要があるため、手間がかかる点に注意が必要です。

関連記事:リダイレクトとは?種類や設定方法、必要なタイミングを解説

4.多変量テスト

多変量テストとは、同じページ内にある複数の異なる要素を切り替えて組み合わせ、数多くのパターンを比較するテストです。パターンごとの成果を分析することで、より効果的なパターンや、効果の大きい要素を把握できるようになります。

一般的なABテストよりは複雑になりますが、比較検討したい要素が複数あるときには一度で検証が済むため便利な手法です。

ABテストの基本的な進め方4ステップ

ABテストは、基本的には次の流れで進めていきます。

1. ABテストの目的を明確化する
2. 実際のデータに基づいた仮説を立てる
3. データ計測環境を整えテストを実施する
4. 結果を分析し改善策を実行しPDCAを回す

ステップごとに見ていきましょう。

1.ABテストの目的を明確化する

まずはABテストの目的を明確化します。複数の課題や変更点を検証したいときは、改善インパクトの大きい箇所からABテストを実施するように計画を立てます。

2.実際のデータに基づいた仮説を立てる

テストごとに仮説を立てます。たとえば、「ボタンを赤に変えるほうが、クリック率が上昇する」のように改善点から予想される仮説を書き出します。

なお、仮説を立てる際は、バナーのクリック率やページの離脱率など、実際のデータを活用してください。データを活用することで、仮説が妥当だと判断される可能性が高まり、より精度の高い検証を実施できます。

3.データ計測環境を整えテストを実施する

検証する指標が正しく計測できるよう、データ計測環境を整えたうえでABテストを実施します。

JavaScriptやCookieなどを用いて自力でテストを構築できますが、手間がかかるだけでなく、サンプル数が多いと対応が難しくなるため、後述するABテストツールなどを用い効率的に実施しましょう。

4.結果を分析し改善策を実行しPDCAを回す

結果と仮説を照らし合わせて、分析・検証します。具体的な改善策を導き出し、実行していきましょう。また、一度の改善で終わるのではなく、改善・検証のPCDAサイクルを回し続けることが大切です。

関連記事:PDCAサイクルの具体例を徹底解説します!成功・失敗の要因を説明!

ABテストが行われるシーンと方法

ABテストは主に以下のようなシーンで行われます。それぞれの方法について紹介しましょう。

●ホームページ
文章や掲載されている画像の内容、デザインの色使いやリンクボタンの位置などによってホームページのパフォーマンスは異なります。ホームページの一部分を変更してABテストを行い、結果データを比較します。
たとえば、トップページのメインビジュアルを変更するだけでも、成約率が変わる可能性があります。メインビジュアルのみを変更してABテストを行うことで、違いが明らかになります。
サイトで特に顕著に違いが出やすいのはリンクボタンです。「お問い合わせはこちら」「購入する」といったボタンの位置や色、文言などは成約率を大きく左右します。
このようにサイトの要素を変更してABテストを実践し改善を繰り返すことで、成果が上がるホームページに成長していくのです。

●インターネット広告
リスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告などでもABテストがよく行われます。広告の役割はサイトに人を集めること。広告文やバナーのクリエイティブによってアクセス数が大きく異なります。
インターネット広告のABテストでは、異なるクリエイティブの広告を2つ用意して一定期間同時に配信し、クリック率(広告が表示された回数のうちクリックされてサイトにアクセスがあった割合)などを検証します。

●LP(ランディングページ)
LP(ランディングページ)とは広告を踏んだ後に到達するサイトのことを指します。広告でアクセスを集め、LPで見込み客に商品やサービスの魅力を伝えて成約させるという流れです。
LPに関しても文章の内容や画像、リンクボタンの位置といった要素が非常に重要であり、ホームページと同様に一部の要素を変更してABテストを行います。また、LPに関しては特に内容が成約率を大きく左右します。2つの内容が異なるLPを用意してサイトごと比較するというABテストも行われます。

関連記事:LPとは?ホームページやトップページとの違い

ABテストツールおすすめ3選

ABテストは、ツールを活用すると効率的に進められます。おすすめのABテストツールを紹介します。

1.SiTest

SiTestは、ABテストだけでなく、ヒートマップの解析や入力フォーム最適化なども利用できるツールです。多様な手法でサイトの解析・改善をしたいときに活用してみましょう。有料ツールですが、無料トライアルがあり、使い心地を確かめてから導入できます。

SiTest

2.Juicer

Juicerは、ビジュアルエディターを活用して直感的にABテストを実施できるツールです。基本プランは無料で利用できます。ただし、多変量テストには対応していないため、比較要素が複数あるときには不向きです。

Juicer

3.Optimizely

Optimizelyは、複数のページに渡ってABテストができるツールです。テスト設計に利用できる言語もJavaScriptやCSSなどのメジャーなものが多く、利用しやすい点も特徴です。複数の視点から結果を測定したいときに活用してみましょう。

Optimizely

ABテストを活用し効果的な分析をしよう

ABテストとは、異なる複数のものを比較して、成果が出ているほうを採用するインターネットマーケティングで多く行われる手法のことです。ホームページや広告、メルマガなどに対してABテストを実施することで、より成果が得られる内容や方法を選択できます。

ABテストにより収益アップにつなげられる可能性もあり、知見も増えます。ただし、ABテストを実施する際に一時的に成果が下がるリスクがある点に注意しましょう。

よくあるご質問

ABテストの実施期間はどのくらい?

Webサイトの改善目的でABテストを実施するときは、2~4週間が一般的です。しかし、PV数が少ないページを検証するときは4週間では十分とはいえず、PV数が多いときは2週間未満でも有意な検証結果が出ることもあるため、臨機応変に調整しましょう。ただし、メルマガ配信のABテストについては、この限りではありません。

ABテストの比率とは?

ABテストの比率とは、「ABテストの対象者÷全ユーザー数」で計算される数値のことです。メルマガの改善目的でABテストを実施するときなど、あらかじめユーザー数が分かっている場合は、ABテストの比率を決めて実施します。ABテストの比率は1~20%が一般的です。ユーザー数が多いときは比率が少なく、反対にユーザー数が少ないときは比率が多くなります。

ABテストの有意差はどのくらい?

ABテストの有意差は0.05未満が一般的です。なお、有意差とは、テストの結果によって生じた差が誤差かどうかを判断する基準のことです。有意差0.05未満は、結果が誤差である可能性が5%未満であることを意味します。有意差が小さければ小さいほどテスト結果の信頼性は高まりますが、結果を得るためのサンプル数が多くなり、検証時間もコストもかかる点に注意しましょう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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