前回のコラム(マーケティング担当者が抱える課題をDSPで解決する方法とは)でDSPについて解説をしました。
しかしDSPを簡単に説明しただけでしたので今回はDSP周りについてその仕組みと基本的な用語について解説をしていきます。
DSPの仕組み
DSPはDemand-Side Platformで広告主側の広告配信のプラットフォームです。
これに対をなしているのがSSPでSupply Side Platformと言います。
メディアという位置づけで広告を提供している側のプラットフォームになります。
DSPは出来るだけ安く良い枠に出したいニーズに対して、SSPは出来るだけ枠を高く提供するためのプラットフォームになり、この2つのプラットフォームの思惑は相反している関係性にあります。
この相反するプラットフォームDSPとSSPの取引形態を成立させるためにRTB(Real-Time Bidding:リアルタイムビディング)が存在します。
つまりRTBはDSPとSSPの相反する思想のプラットフォームを取引の中で最適な入札価格に対しリクエスト都度、最適な広告を表示させるために存在するプラットフォームになります。

では具体的にDSPを介してどのように表示されるのか?
1.ユーザーが広告枠のWEBサイトへ来訪
2.WEBサイトに登録されている情報や過去の行動履歴からSSP側に広告表示をしたいとリクエスト
3.各DSPから入札のリクエストがありその結果がSSP側に送信
4.その中で一番高く入札をしたDSP側に対し広告配信のリクエストを送信
5.最後にDSPからサイトから広告配信が行われる
箇条書きだと分かりにくいと思いますが、上記の図のような仕組みでシステマティックに行われています。
もう少し細かく説明すると入札については一番高く入札した広告が表示されるのですが、多くのベンダーではセカンドプライムオークションという制度が導入されています。
これは入札時に2番目に高い価格で表示したリクエストのプラス1円で1番高く入札をしたリクエストが入札するという仕組みです。
また、この間の処理は0.1秒とかなり早い間隔で行われているのです。
また、DSPの広告面の中で実際に配信したいユーザーかどうかを判別する際にはDSPで持っているcookie情報(行動履歴や属性情報)から取得して判別します。
そのためにWEBサイト上で取ったアクションのcookieが情報として蓄積されており、その情報が多ければ多いほどターゲティングの精度は高まるとされています。
DSPで少し新しい使い方(PDMP)
これまでの説明は、あくまでもDSPの各ベンダーが行っている事業の中でWEBの回遊履歴等をデータ化して配信していく手法です。
特にBtoBなどでその精度を問われた際にメディアの保有している属性情報は非常に精度が高く、WEBサイトの回遊情報やコンバージョン情報(資料請求情報や購買情報)などをデータとして持っています。
この情報をDMP上に格納し、セグメントデータとしてDSPの配信に活用することで、配信の精度が高まり広告主の費用対効果も最大化します。
これまではDSPの配信ロジックやアルゴリズムにより、各社差別化を図ってきました。
しかしDMPの出現によって効果測定などで得られたデータをもとに、次のアクションを起こしていくデータ・ドリブン・マーケティングが可能となってきました。
どれだけ正確な情報をメディアや属性データを有している各社と連携できるかが、DSP各社の差別化による大きな要因になっていくと考えられます。
実際に自社のデータだけでは限界がある中でメディアとして弊社のHRDSPは最新の新しい取り組みを形にしたものです。
まとめ
◆DSPにはそれと対をなすSSPという仕組みがあります。
この相対する思想を持つプラットフォームを取引という形で成立させているのがRTBというプラットフォームです。
◆DSP・SSP・RTBの三者間でリクエストがやり取りは、互いに連携しながら処理されています。
また、処理速度は0.1秒と非常に高速にやり取りが行われています。
◆新たな取り組みとしてWEBの行動履歴のみに頼らない属性情報や購買情報や資料請求情報を活かしたDMPとしての取組みがトレンドとなりつつあります。