こんにちは、JADE伊東です。2025年4月の検索順位変動まとめをお届けします。
3月13日から27日までのGoogleコアアップデートについては、弊社でも詳細レポートを公開しております。記事末にリンクを貼っておきますので、こちらの記事と合わせてぜひご覧ください。
では、スタート!
グラフの見方:
横軸は日付を示しています(直近6ヶ月推移)。縦軸は変動率(Fluctuation Score:前週に対しての計測クエリ全体の順位変化率)、またはビジビリティスコア(Visibility Score:順位に対してスコア付けをして、サイト単位での検索エンジンにおける”見つけられさ”を点数化したもの)を示しています。
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目次
コアアップデート全体動向
グラフの中で色付き帯表示になっているところが、各コアアップデートの期間を示したものです。2025年3月のコアアップデートによる順位変動の幅は過去1年間の同アップデートの中で最も変動幅が小さいと言えるレベルのものでした。
また、大体いつもコア終了後に大きな順位変動が発生しがちですが、弊社観測データを見る限りはそれもないように思われます。今回はここ最近の長々と続くロールアウト(編注:展開・提供)と異なり、スパッと標準的な期間(約2週間)で収束しました。
ウェブサイト運営者やSEO会社にとってコアアップデートは一大イベントですが、Googleの検索エンジニアたちにとっては、OKRの一つに過ぎないという話もあります。検索を改善するOKR達成のためのタスクをクオーター(編注:四半期)の最後に粛々とこなしたということなのかもしれません(邪推)。
業界別
業界別にも見てみましょう。弊社独自分類で32カテゴリの業界をモニタリングしていますが、直近のコアアップデートの期間のグラフの波形はどのジャンルもほぼ同様の動きをしていました。特定のジャンルが目立って変動したということはなさそうです。
そういった中でも、変動が比較的あった業界をみてみますとトップ5は以下となります。
● Weather
● Adult
● Manga and Anime
● Health
● Vehicles
前回のコアアップデートでの変動トップ5は、「Weather」「Adult」「Manga and Anime」「Finance」「Consumer Electronics」でした。
アダルトやマンガ・アニメ系は定番で、ファイナンスや健康は変動の上下こそあれYMYL(編注:Your Money Your Lifeの略)ということで定番上位、自動車と消費者家電が今回は入れ替わりとなりました。
AI Overview:全体
さて、コアアップデートそのものではなく、コア前から動きがあったものですがAI Overview(編注:AIによる概要表示)の検索結果への表示が大幅に伸長しています(下図緑のグラフ)。それと呼応するように、強調スニペット(編注:検索キーワードの答えとなる情報を、検索結果の最上部に表示する仕組み・枠のこと)が減少していますね。
ただ、その増減はバランスが取れておりませんので、「強調スニペットは出ていないけど、AI Overviewは出ている」が大幅に増えてきているように見えます。また「AI Overviewと強調スニペットの同時表示」も散見されます。こうなるとSERPはちょっとカオスの様相です。
先日、私がXにポストした同時出現パターンはこちら。
[バッテリー 膨張 捨て方] AIOと強調スニペットで解決方法が異なる pic.twitter.com/jJvvV84BaL
— 伊東 周晃 (Noriaki Ito) (@noriaky) April 28, 2025
どっちのアドバイスを採用したらいいんだ…!
関連リンク:オウンドメディア運用・SEO担当者必見!「AIO」の行方と最新AIO対策の戦略とは?
AI Overview:業界別
業界別にも見てみましょう。意外なのは、YMYL系である健康カテゴリでのAIO表示率が抜きんでて高いことですね。YMYLの一方の主要ジャンルであるお金関連(Finance)に比べても多いです。
ハルシネーション(編注:AIが誤った回答を生成すること)や偽情報の批判を避ける面でもYMYLは慎重にアプローチするのかと思いきや、この現象だけを見ると攻めているように思えます。自信でしょうか…?
定点:ソーシャルプラットフォーム系
さて、定点観測系です。ソーシャルプラットフォーム間でのビジビリティ推移では、先月の「検索順位変動まとめ」記事で触れたGoogleでのYouTubeのややダウントレンドは解消され、再び上昇傾向になっています。
関連リンク:SNSとは?2025年版の最新一覧:種類・特徴・目的別に徹底比較
ブログプラットフォーム系
ブログプラットフォームにおいては、最大手系2プラットフォームの伸長が継続的に続いていますね。この1年傾向が変わっていません。
一方、直近でBingではビジビリティが落ちているように見受けられます(トラフィック影響はグラフの激しさほどではないと思いますが)。
関連リンク:オウンドメディアとは?意味や運用する目的、ホームページとの違い、具体的な成功事例を解説
FAQ
国内最大手のFAQがGoogleでは継続伸長中です。Bingはちょっと落ちていますね。
辞書系
こちらは先月の記事でもお伝えしましたが、辞書系では、GoogleにおいてWikipediaが継続伸長です。Bingでは落ち気味。
トピック:大手サイトのまとめディレクトリのみ落ち
家電などを扱う某大手サイトでは、まとめ記事のディレクトリのみがキレイな形でビジビリティが激減しておりました。本体サービス部分は、順位下落がありませんでしたので、Googleがうまく検出してデモート(編注:下げる・落とす)しました。
誤爆がどうかは議論が分かれるところですが、目視で該当ディレクトリのコンテンツを見た限りは本業との関連が低いが、世の中的には人気の話題に乗っかる形でのアフィリエイト記事が散見されました。自社サービスとの関連づけも何とかしておりましたが、ちょっと苦しいかも、と思える関連性の薄さでした。外形的にチェックできる技術要因での落ち度はなかったので、コンテンツが引き金になった可能性があるかな……と推察しています。
つらいのは、おそらく本サイト部分でうまく取れていないターゲット検索クエリをこちらのディレクトリでコンテンツを用意して取っていたようなのですが、今回の落ちで取れなくなった点ですね。ページ単位じゃなくて、ディレクトリ単位で対処されたことで、本業キーワードが巻き添えを食らったように見えます。
定期ウォッチ:ユニバーサル検索動向
動画の自然検索枠の継続ビジビリティ上昇あり。
定期ウォッチ:寄生サイト
今回のコアアップデートで弊社観測の寄生サイト(編注:大手サイトのサブドメインやサブディレクトリを間借りしたサイト)の大幅な減少は見られませんでした(コアとは関係なく、本対処は行われています)。
以上、4月の変動まとめでした!
外部リンク:JADE K.K.2025年3月 Google コアアップデートについて – 株式会社JADE
JADE X:https://x.com/_jade_kk
データ作成:株式会社JADE Senior Consultant 篠原誠
文責:株式会社JADE 代表取締役 伊東周晃
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