本記事では、事業の全体像を一枚のシートで可視化する強力なフレームワーク「ビジネスモデルキャンバス」について、その基本概念から掘り下げていきます。次に9つの構成要素の詳しい読み解き方、初心者でも簡単な作成ステップ、そしてすぐに使える無料テンプレートまで網羅的に解説。この記事を読めば、誰でもビジネスモデルキャンバスを正しく理解し、自社の事業分析や新規事業の立案に活用できるようになります。
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目次
ビジネスモデルキャンバスを一言でいうと
この章では、ビジネスモデルキャンバスというフレームワークの基本的な概念から、それがビジネスにもたらす具体的な利点までを、初めての方にも分かりやすく解説していきます。
事業の全体像を一枚のシートで把握するフレームワーク
ビジネスモデルキャンバスとは、事業がどのように利益を生み出すかの仕組み(ビジネスモデル)を、一枚のシートに可視化するための共通言語です。 スイスの経営学者であるアレックス・オスターワルダー氏らによって提唱されたこのフレームワークは、事業を「顧客セグメント」や「価値提案」といった9つの要素に分解し、それぞれの関係性を直感的に理解できるよう設計されています。 これにより、新規事業の立案や既存事業の分析・改善を行う際に、複雑に絡み合う要素を整理し、チーム全体で事業の全体像を俯瞰的に捉えることが可能になります。
ビジネスモデルキャンバスの3つの利点
ビジネスモデルキャンバスを活用することで、単に事業計画を整理できるだけでなく、マーケティング活動をはじめとするビジネスの様々な局面でメリットが生まれます。ここでは、特に重要となる3つの利点をご紹介します。
| 利点 | 詳細 |
|---|---|
| 1. チーム内の共通認識を醸成できる | 一枚の図でビジネスの全体像を共有できるため、部署や役職が異なるメンバー間でも、事業に対する認識のズレを防ぎ、スムーズな意思疎通を促進します。 これにより、一貫性のある戦略実行や、建設的な議論の活性化が期待できます。 |
| 2. 事業の強み・弱みや改善点が明確になる | 9つの要素を一つずつ埋めていく過程で、自社のビジネスモデルの強みや弱み、そして新たなビジネスチャンスや潜在的なリスクが浮き彫りになります。 特に競合他社のビジネスモデルを同じキャンバス上で分析することで、自社の優位性や差別化のポイントを客観的に発見できます。 |
| 3. 顧客視点でのビジネス構築が容易になる | 「顧客は誰か」「何を提供するのか」という顧客視点の要素から検討を始めることで、自然と顧客ニーズに基づいた事業を考案できます。 顧客への提供価値がビジネスの中心にあることを常に意識できるため、より顧客満足度の高いサービスやプロダクト開発に繋がります。 |
9つの要素を理解しよう ビジネスモデルキャンバスの読み方
この章では、ビジネスモデルキャンバスを構成する9つの要素がそれぞれ何を意味し、どのようにビジネスの全体像を描き出すのかを解説していきます。各要素の関係性を理解することで、自社のビジネスモデルを多角的に分析し、改善点を発見する手助けとなります。
顧客は誰か(顧客セグメント)
顧客セグメントは、自社が価値を提供する最も重要な顧客は誰かを定義する要素です。すべてのビジネスは顧客がいてこそ成り立つため、この要素はビジネスモデルの土台となります。ターゲットとする顧客層を、ニーズ、行動、属性などに基づいて具体的に分類します。例えば、個人消費者向けのマス市場、特定のニーズを持つニッチ市場、あるいは複数の異なる特性を持つセグメント化された市場などが考えられます。
何を提供するのか(価値提案)
価値提案は、顧客が抱える課題を解決し、ニーズを満たすための製品やサービスが持つ独自の価値を明確にするブロックです。 なぜ顧客は競合他社ではなく自社を選ぶのか、その理由を具体的に記述します。 提供する価値には、「新しさ」「性能」「カスタマイズ」「価格の安さ」「デザイン性」「利便性」など、さまざまな種類があります。
どう届けるのか(チャネル)
チャネルは、自社の価値提案を顧客セグメントに届け、コミュニケーションを図るための接点を指します。 顧客が製品やサービスを認知し、評価、購入、利用、そしてアフターサービスを受けるまでの一連のフェーズで、どのような経路を設けるかを検討します。 具体的には、自社ウェブサイトやSNSといったオンラインチャネル、営業担当者や実店舗などのオフラインチャネルがあります。
関係性をどう築くか(顧客との関係)
顧客との関係は、ターゲットとする顧客セグメントと、どのような関係性を構築し、維持していくかを定義する要素です。 関係性の種類は、営業担当者による手厚い「人的な支援」から、顧客自身で問題を解決する「セルフサービス」、あるいはユーザー同士が交流する「コミュニティ」の構築まで多岐にわたります。どのような関係性を築くかが、顧客満足度やLTV(顧客生涯価値)に大きく影響します。
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収益はどこからか(収益の流れ)
収益の流れは、それぞれの顧客セグメントから、どのような方法でお金を生み出すかを示すブロックです。 顧客が何に対して、どのように対価を支払うのかを明確にします。 代表的な収益モデルには、製品を販売する「物品販売」、サービス利用料を得る「利用料」、月額や年額で定額を支払ってもらう「サブスクリプション」、知的財産権の使用を許可する「ライセンス料」などがあります。
必要なものは何か(主要なリソース)
主要なリソース(経営資源)は、ビジネスモデルを機能させるために不可欠な資産のことです。 これらがなければ、価値提案を生み出し、顧客に届けることはできません。リソースは大きく4つに分類されます。工場や設備などの「物理的資産」、ブランドや特許などの「知的資産」、従業員などの「人的資産」、そして運転資金や融資枠などの「財務的資産」です。
何を行うのか(主要な活動)
主要な活動は、価値提案を創造・提供するために、企業が必ず行わなければならない最も重要な業務を指します。 この活動は、ビジネスモデルの根幹をなす部分です。例えば、製造業であれば「製品開発」や「生産活動」、コンサルティング業であれば「課題解決」、プラットフォーム事業であれば「プラットフォームの開発・維持」などがこれにあたります。
誰と組むのか(主要なパートナー)
主要なパートナーは、自社だけでは不足するリソースを補い、ビジネスを円滑に進めるための協力者を明確にする要素です。 すべてを自社で行うのではなく、外部の力を活用することで、リスクの軽減やリソースの獲得、事業の拡大を目指します。パートナーには、部品などを供給する「サプライヤー」、共同で事業を行う「協業相手」、業務の一部を委託する「アウトソーシング先」などが含まれます。
費用は何にかかるか(コスト構造)
コスト構造は、ビジネスモデルを運営する上で発生するすべての費用を記述するブロックです。 価値提案の創出、顧客との関係維持、収益の獲得まで、これまでの各要素を実行するために必要なコストを洗い出します。コストは、売上に関わらず発生する「固定費(人件費や家賃など)」と、売上に比例して増減する「変動費(原材料費や仕入費など)」に大別して整理することが重要です。
初心者でも簡単 ビジネスモデルキャンバスの作り方
この章では、ビジネスモデルキャンバスを実際に作成するための、シンプルで分かりやすい3つのステップを解説していきます。フレームワークと聞くと難しく感じるかもしれませんが、手順に沿って進めることで、誰でも事業の設計図を描き出すことが可能です。特に、自社のBtoB事業やSaaSプロダクトの現状把握、そして今後の戦略立案に、必ず役立つはずです。
ステップ1 テーマを決める
最初に、どの事業や製品、サービスについて分析するのかという「テーマ」を明確に定義します。テーマが曖昧なままでは、以降のステップで記述する内容に一貫性がなくなり、精度の低いキャンバスになってしまいます。例えば、「自社の主力SaaS製品の現行ビジネスモデル」や「来期にローンチ予定の新規ITコンサルティングサービス」のように、具体的かつ明確なテーマを設定しましょう。この最初のステップが、議論の方向性を定め、実用的なビジネスモデルキャンバスを完成させるための土台となります。
ステップ2 9つの要素を埋めていく
テーマが決まったら、9つのブロックに分かれたキャンバスの各要素を埋めていきます。どこから手をつけても構いませんが、一般的には顧客から考え始め、自社の内部へと進めていくとスムーズです。 顧客視点から思考をスタートさせ、提供価値との結びつきを最初に固めることで、顧客ニーズに基づいた一貫性のあるモデルを構築しやすくなります。
最初は完璧を目指さず、付箋などを使ってアイデアをどんどん書き出していくのがおすすめです。以下の表は、推奨される思考の順番と、各要素で考えるべきポイントをまとめたものです。
| 順番 | 要素 | 考えることの例 |
|---|---|---|
| 1 | 顧客セグメント (CS) | 自社の製品やサービスは、どのような課題を持つ、どの企業・部署・担当者のためのものか? |
| 2 | 価値提案 (VP) | その顧客に対して、どのような価値(課題解決、業務効率化、コスト削減など)を提供するのか? |
| 3 | チャネル (CH) | その価値をどのように顧客に届け、認知してもらうか?(Webサイト、広告、営業担当者、パートナー企業など) |
| 4 | 顧客との関係 (CR) | 顧客とどのように良好な関係を築き、継続してもらうか?(カスタマーサポート、定期的なフォローアップ、コミュニティなど) |
| 5 | 収益の流れ (RS) | どのような方法で、どこから収益を得るのか?(月額利用料、初期導入費用、コンサルティング料など) |
| 6 | 主要な活動 (KA) | その価値を提供するために、自社が必ず行わなければならない活動は何か?(ソフトウェア開発、マーケティング、顧客サポートなど) |
| 7 | 主要なリソース (KR) | 活動を行うために必要な、自社の重要な資産は何か?(優秀なエンジニア、独自の技術、ブランド、顧客データなど) |
| 8 | 主要なパートナー (KP) | 自社だけでは提供できない価値を補うために、誰と協力するか?(販売代理店、技術提携先、インフラ提供企業など) |
| 9 | コスト構造 (CS) | ビジネスモデルを運用するために、どのような費用が発生するか?(人件費、サーバー費用、広告宣伝費など) |
ステップ3 ストーリーとして繋がっているか確認する
9つの要素をすべて埋めたら、それらが単なる情報の断片ではなく、一貫性のある「物語」として成立しているかを確認します。 キャンバス全体を俯瞰し、各要素が論理的に繋がっているかを検証することで、ビジネスモデルの弱点や矛盾点、そして改善のヒントが見えてきます。
例えば、次のような問いかけを通じて、ストーリーの繋がりをチェックしてみましょう。
- 「顧客セグメント」は、本当に「価値提案」に魅力を感じ、対価を支払ってくれるだろうか?
- 「価値提案」を「チャネル」を通じて届け、「顧客との関係」を築くという流れは現実的か?
- 「主要な活動」や「主要なリソース」は、「価値提案」を実現するために十分か?
- 「収益の流れ」は、「コスト構造」を上回り、持続的な利益を生み出せる構造になっているか?
この検証プロセスを通じて、チーム内での認識を統一し、より強固で実現可能性の高いビジネスモデルへと磨き上げていくことができます。
具体例で見るビジネスモデルキャンバス
この章では、具体的な企業のビジネスモデルをビジネスモデルキャンバスに当てはめて解説します。フレームワークの理論だけでなく、実際のビジネスがどのように構築されているかを理解することで、自社のビジネスモデルを構築・分析する際の解像度を高めていきましょう。
身近な例 コンビニエンスストアのビジネスモデル
まずは、私たちの生活に深く根付いているコンビニエンスストアのビジネスモデルを見ていきましょう。ここでは業界最大手のセブン-イレブンを例に解説します。一見シンプルな小売業に見えますが、その裏には緻密に計算されたビジネスモデルが存在します。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 顧客セグメント (CS) |
近隣住民、通勤・通学者、ドライバーなど、店舗の立地に合わせて多様な顧客層をターゲットとしています。 |
| 価値提案 (VP) |
24時間365日営業という利便性、独自開発の弁当・惣菜やプライベートブランド商品、公共料金の支払いやATM、マルチコピー機などの多彩なサービスを提供しています。「近くて便利」という究極の利便性を提供することがビジネスモデルの中核です。 |
| チャネル (CH) |
全国に広がる膨大な数の実店舗網が主要なチャネルです。近年では、宅配サービス「7NOW」のようなオンラインチャネルも強化しています。 |
| 顧客との関係 (CR) |
セールやキャンペーンの実施、ポイントカードや公式アプリを通じたクーポン配信などにより、顧客との継続的な関係を構築し、再来店を促進しています。 |
| 収益の流れ (RS) |
商品の販売による売上が中心ですが、フランチャイズ加盟店からのロイヤリティ収入や、ATM・各種サービス利用時の手数料も重要な収益源となっています。 |
| 主要なリソース (KR) |
全国をカバーする店舗網、高度なPOSシステムと緻密な物流網、商品開発力、そして長年培ってきた高いブランド力が主要なリソースです。 |
| 主要な活動 (KA) |
商品の仕入れ・販売、データに基づいた需要予測と発注、新商品の開発、店舗運営の効率化、データ分析を駆使したマーケティング活動などが挙げられます。 |
| 主要なパートナー (KP) |
各種商品のメーカー、弁当や惣菜を製造するベンダー、商品を各店舗へ配送する物流会社、そして全国のフランチャイズオーナーが不可欠なパートナーです。 |
| コスト構造 (CS) |
商品の仕入れ原価、店舗スタッフの人件費、店舗の賃料や水道光熱費、システム開発・維持費、そして全国の店舗へ商品を届けるための物流コストが主な費用です。 |
コンビニエンスストアの事例からは、複数の顧客セグメントに対し、多様な価値提案を、強力な店舗網と物流網を駆使して提供し、商品販売以外にも複数の収益源を確保していることがわかります。BtoBビジネスにおいても、主要顧客だけでなく、その周辺にいるステークホルダーに提供できる価値がないか検討するヒントになります。
IT企業の例 Googleのビジネスモデル
次に、現代のデジタル社会を支える巨大IT企業、Googleのビジネスモデルを分析します。特に、検索エンジンと広告事業に焦点を当てて見ていきましょう。一見、無料で利用できるサービスが多いですが、その裏側には強力な収益モデルが隠されています。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 顧客セグメント (CS) |
大きく3つのセグメントに分けられます。無料で情報を探したい「検索ユーザー」、自社の商品やサービスを宣伝したい「広告主」、そして広告を掲載して収益を得たい「ウェブサイト運営者やコンテンツ制作者」です。 |
| 価値提案 (VP) |
検索ユーザーには「世界中の情報への瞬時かつ無料のアクセス」を、広告主には「検索キーワードと連動した、費用対効果の高い広告プラットフォーム」を提供しています。 |
| チャネル (CH) |
Google検索のウェブサイトやアプリ、YouTube、Gmailなどの自社サービス、そしてAndroid OSを搭載したスマートフォンなどが顧客との接点となります。 |
| 顧客との関係 (CR) |
ほとんどのサービスが自動化されており、ユーザーはセルフサービスで利用します。広告主向けにはオンラインヘルプやサポートフォーラムなどの支援体制も用意されています。 |
| 収益の流れ (RS) |
広告主が支払う広告費(クリック課金型の検索広告など)が収益の大部分を占めています。その他、Google Cloudなどの法人向けクラウドサービスの利用料も収益源です。 |
| 主要なリソース (KR) |
世界最高峰の検索アルゴリズム、世界中に配置された巨大なデータセンター、検索行動などから得られる膨大なユーザーデータ、そして「Google」という強力なブランドがリソースです。 |
| 主要な活動 (KA) |
検索エンジンの継続的な開発・改善、広告プラットフォームの運営・最適化、AIや自動運転といった新規サービスの開発が主要な活動です。 |
| 主要なパートナー (KP) |
広告配信先となるウェブサイト運営者(Google AdSenseパートナー)、Android OSを搭載するスマートフォンメーカー、YouTubeに動画を投稿するコンテンツクリエイターなどが重要なパートナーです。 |
| コスト構造 (CS) |
世界中のデータセンターの維持・運営費、優秀な人材を確保するための人件費、そして新たな技術を生み出すための研究開発費が主なコストです。 |
Googleのビジネスモデルは、無料サービスで膨大な数のユーザーを集め、そのユーザー基盤とデータを活用して広告主に価値を提供することで収益を上げる、典型的な「マルチサイドプラットフォーム」です。 自社サービスでリードは取れているものの商談化率に課題を抱えるBtoBマーケターにとって、リードの量や質と、マネタイズポイントのバランスを考える上で非常に参考になる事例です。
ビジネスモデルキャンバスに関するよくある質問
この章では、ビジネスモデルキャンバスを作成したり活用したりする上で、多くの方が疑問に思う点について解説していきます。特に、類似のフレームワークとの違いや、作成後の具体的な活用方法など、実践的な内容に焦点を当てて説明します。
リーンキャンバスとの違いは何ですか
ビジネスモデルキャンバスとリーンキャンバスは、どちらもビジネスモデルを1枚のシートで可視化する優れたフレームワークですが、その目的と焦点に違いがあります。 ビジネスモデルキャンバスは新規事業と既存事業の双方に利用できる汎用性の高いフレームワークであるのに対し、リーンキャンバスは特に不確実性の高いスタートアップや新規事業の仮説検証を迅速に行うことに特化しています。
両者の主な違いを以下の表にまとめました。
| 項目 | ビジネスモデルキャンバス | リーンキャンバス |
|---|---|---|
| 主な目的 | ビジネスモデルの構造化、全体像の把握、関係者との認識共有 | ビジネスアイデアの仮説検証、課題と解決策のマッチング |
| 主な対象 | 新規事業、既存事業、NPOなど | スタートアップ、不確実性の高い新規事業 |
| 特徴的な要素 | 主要なパートナー、主要な活動、主要なリソース | 課題、ソリューション、主要指標、圧倒的な優位性 |
| 視点 | ビジネス全体の構造を俯瞰する視点 | 顧客の「課題」と自社の「解決策」を中心とした視点 |
どちらが優れているということではなく、事業のフェーズや目的に応じて使い分けることが重要です。例えば、既存事業の改善点を洗い出す場合はビジネスモデルキャンバスが、まだ市場にない革新的なSaaSプロダクトのアイデアを検証する段階ではリーンキャンバスが適しているでしょう。
一人で作成しても良いですか
結論から言うと、ビジネスモデルキャンバスを一人で作成すること自体は可能ですが、複数人、特に異なる部署のメンバーと共同で作成することが強く推奨されます。
一人で作成する場合、スピーディにアイデアを形にできるという手軽さがあります。しかし、個人の知識や視点には限界があり、無意識の思い込みや偏りが反映されてしまうリスクも伴います。 一方、マーケター、営業、開発者、カスタマーサポートなど、様々な立場のメンバーが集まって作成することで、以下のようなメリットが期待できます。
- 多角的な視点: 普段接している顧客や業務内容が異なるため、自分では気づかなかった顧客のニーズや課題、事業のリスクなどを発見できます。
- 認識の統一: キャンバスを作成する過程で議論を交わすことにより、事業の全体像や目指すべき方向性について、チームや組織全体で共通認識を持つことができます。
- 当事者意識の醸成: 作成プロセスに関わることで、各メンバーがプロジェクトに対する当事者意識を持ち、その後の具体的なアクションへと繋がりやすくなります。
まずは一人でたたき台を作成し、それを基にチームで議論を深めていくという進め方も効果的です。
完成後の活用方法を教えてください
ビジネスモデルキャンバスは、作成して終わりではありません。完成したキャンバスは、事業を成功に導くための羅針盤として、様々な場面で活用することができます。
- 事業計画のプレゼンテーション資料として
1枚のシートでビジネスの全体像を視覚的に伝えられるため、経営層や投資家、提携先候補など、ステークホルダーへの説明資料として非常に有効です。 複雑な事業内容も直感的に理解してもらいやすくなります。 - マーケティング戦略の立案・見直し
「顧客セグメント」と「価値提案」の関係性を見直すことで、ターゲット顧客に響くメッセージやコンテンツの訴求軸を最適化できます。「チャネル」の項目は、効果的な集客施策やプロモーション活動を検討する際の土台となります。 - チーム内の共通認識の醸成
プロジェクトの目的や各要素の関連性が可視化されることで、チームメンバー全員が同じ地図を持って事業に取り組むことができます。 新しいメンバーが加わった際のオンボーディング資料としても役立ちます。 - 競合分析
競合他社のビジネスモデルをキャンバスに当てはめて分析することで、自社の強みや弱み、差別化のポイントが明確になります。 これにより、自社が狙うべき市場の隙間(ニッチ)を発見するきっかけにもなります。 - 事業改善のサイクルを回す
市場環境や顧客ニーズは常に変化します。定期的にキャンバスを見直し、現状と合わなくなった部分を更新していくことで、ビジネスモデルを継続的に改善し、変化に強い事業を維持することができます。
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まとめ
本記事では、ビジネスモデルキャンバスの基本概念から9つの構成要素、具体的な作成ステップまでを網羅的に解説しました。このフレームワークが有効なのは、事業の全体像を一枚のシートで俯瞰し、各要素の繋がりを物語として確認できる点にあります。これにより、ビジネスの強みや課題が明確になり、関係者との共通認識を円滑に形成できます。ぜひ無料テンプレートを活用し、ご自身のビジネスの解像度を高める第一歩としてお役立てください。




