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Web分析のアプローチ方法によって結果は変えられる

2025.12.11
読了まで約 5

企業のwebサイトを制作した後に運用を進めていく中で、その成果を測定する方法といえば、アクセス解析が最もよく知られています。しかし、webサイトの分析方法には、アクセス解析以外にもweb分析という広範な領域において、様々なアプローチ方法が存在します。これらの多様なweb分析手法を駆使し、webサイトを多方面からアプローチしながら解析していくことで、狙った成果、例えばコンバージョン率の向上や顧客満足度の向上といった、より具体的な結果を出すことが可能になります。

そこで今回は、web分析におけるアプローチ方法や、具体的な手法の種類をご紹介します。これらのweb分析手法から多角的に分析を行い、webサイトの成果を最大化していきましょう。

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Web分析とは


Web分析とは、Webサイトを分析することです。
主に自社が制作したWebサイトを分析します。
その分析結果をもとに改善し、改善結果を分析し、さらに改善を加えるといったように継続的に行っていくのが一般的です。

また分析しながら、サイトに訪れるユーザーのニーズを把握し、そのニーズに沿った良質なコンテンツを作成して提供することが、集客や問い合わせなどの成果を出すためには重要になります。

Web分析のアプローチ法

 

web分析と一口に言っても、そのアプローチ方法は多岐にわたります。例えば、一般的なアクセス解析においても、セッション数、ユーザー数、PV数といった基本的な指標を毎日、毎週確認するだけでなく、過去のデータ(先週、先月、昨年など)と比較してどう変化したのか、ユーザーの種別(新規・リピーターなど)や流入元(検索エンジン、SNS、広告など)がこれまでと比較してどう変化したのか、そしてコンバージョンはどのくらい達成できたのかなど、様々な視点からデータを深掘りしてweb分析を行うことが可能です。

こうしたweb分析のアプローチ方法を柔軟に変え、さまざまな角度から実施していくことで、webサイトの成果を大きく左右する要因を発見し、改善につなげることが可能になります。ここでは、特に捉えておくべきweb分析のアプローチの視点を2つご紹介します。

1. 定量分析と定性分析

web分析は、主に定量分析定性分析という二つの大きな柱に分けられます。定量分析とは、数値で表現できるデータ(例: アクセス数、コンバージョン率、離脱率など)を用いた分析です。一方、定性分析とは、数値では表せないユーザーの感情、満足度、利用体験、好感度といった質的な側面を理解するための分析を指します。

webサイトの定量分析の代表例が、アクセス解析です。アクセスしてきたユーザーの数、滞在時間、直帰率など、様々な数値を分析します。一方、定性分析としては、webサイトに訪れたユーザーにアンケートを実施したり、インタビューを行ったりして、webサイトの使い勝手やコンテンツに対する感想を直接聞き取る方法があります。

定量分析定性分析の両方からアプローチすることで、より多角的で深いweb分析が可能になります。例えば、アクセス解析で定量分析を行った結果、ある特定のページで離脱率が非常に高いことが判明したとします。この場合、ページ改善が必要だと判断できますが、定量データのみから推察した改善策をいくら施しても、離脱率に変化が現れないケースも少なくありません。

このような状況で、ユーザーに直接ヒアリングを行い、なぜそのページから離脱してしまうのか、その心理的な背景を調査することで、初めて離脱の真の理由が明確に見えてくることもあります。このように、定量データにばかり頼らず、定性データも臨機応変に活用することで、課題の発見から改善策の立案までが迅速に進み、早期の改善と成果向上といった結果をあげることも可能になります。

2. 自社サイト分析と競合サイト分析

web分析には、自社サイトの現状を把握する分析だけでなく、競合他社のwebサイトを分析する競合サイト分析も含まれます。自社サイトの分析は、一般的に、webサイトに特有のコード(トラッキングコード)をHTMLファイルに埋め込むことで、アクセス状況などを計測し、アクセス解析を行います。

一方で、他社の競合サイトには直接コードを埋め込むことはできません。そのため、競合サイト分析は、専用のweb分析ツールやサービスを利用することで行います。例えば、特定のwebサイトのPV数、流入元、検索キーワードなどを把握できるweb分析ツールは数多く存在します。これらのツールを活用することで、競合サイトがどのような戦略で集客を行っているのか、どのようなコンテンツが評価されているのかなどを分析し、自社サイトの戦略立案に役立てることができます。

web分析の手法

 

web分析には、目的や得たい情報に応じて様々な手法が存在します。ここでは、代表的な手法をいくつかご紹介し、それぞれの特徴と活用方法を解説します。これらの手法を組み合わせることで、より深く、多角的にwebサイトの状況を把握し、具体的な改善策へと繋げることが可能になります。

アクセス解析

Google Analyticsのようなツールを用いて、webサイトへの訪問者数、セッション数、ページビュー数、滞在時間、直帰率といった基本的な指標を計測・分析する手法です。さらに、ユーザー属性(年齢、性別、興味関心)、流入経路(検索エンジン、SNS、広告など)、デバイス別のデータなどをクロス集計することで、どのようなユーザーが、どこから、どのようにサイトを訪れているのかを詳細に把握できます。コンバージョンに至るまでのユーザー行動を分析するアトリビューション分析もこの一種です。
Google Analyticsだけでは把握しきれない、具体的な検索キーワードや共起語の分析には、「ミエルカ」のようなSEO分析ツールの併用が有効です。また、「AIアナリスト」のようなツールは、アクセス解析データと連携し、課題発見から改善提案までを自動化する機能を提供します。「パスカル」のようなツールは、検索上位サイトと自社サイトの比較分析に役立ちます。データ分析の基盤となる最も重要な手法の一つと言えるでしょう。

アイトラッキング・ヒートマップ分析

webサイトを訪れたユーザーが、どこを「見ている」のか(視線)、どこにマウスカーソルを移動させているのか、どこをクリックしているのかを可視化する手法です。ヒートマップは、これらのユーザー行動の熱量を色で表現します。この分析により、ユーザー体験(UX)の観点から、デザインやレイアウトの改善点を発見できます。例えば、コンバージョンに繋がる重要なバナーやボタンがユーザーの視界に入っているか、あるいはクリックされているかなどを、アクセス解析だけでは分からないレベルで確認できます。視認性の問題や、ユーザーの意図しない行動を特定するのに役立ちます。

クリック分析

webサイト上のリンクやボタン、メールマガジン内のURLなどが、どの程度クリックされているかを計測・分析する手法です。クリック率(CTR)などを計測することで、ユーザーがどのコンテンツや機能に興味を持っているのかを推測できます。ヒートマップ分析と組み合わせることで、意図した箇所がクリックされていない、あるいは本来クリックされるべきでない箇所がクリックされているといった「誤クリック」を発見し、UI(ユーザーインターフェース)の改善に繋げることが可能です。

ABテスト

webページのデザイン、コピー、レイアウトなどをAパターンとBパターンの2種類用意し、ランダムにユーザーに表示させることで、どちらのパターンがより高い成果(コンバージョン率、クリック率など)を出すかを比較検証する手法です。効果測定の精度を高め、データに基づいた意思決定を行うための重要な手法です。例えば、Aパターンのボタンの色がよりクリックされやすかった場合、その理由を深掘りすることで、より効果的なデザイン要素を特定できます。

関連記事:ABテストとは? 4つの種類とやり方、仕組みをわかりやすく解説

競合トラフィック分析

競合他社のwebサイトが、どのようなユーザー数、セッション数、ページビュー数、直帰率、平均滞在時間、ユーザー属性を持っているかを分析する手法です。外部ツールを利用することで、競合サイトのトラフィック状況を把握できます。自社サイトと比較することで、市場における自社の立ち位置や、競合が強みとしている部分、あるいは自社が劣っている部分を明確にすることができます。特に、競合サイトが獲得している流入キーワードを調査することは、自社サイトのSEO戦略において新たな発見をもたらすことがあります。

ユーザーテスト

これは定性分析の代表的な手法です。実際にターゲットユーザーに近い人物にwebサイトを利用してもらい、その行動を観察したり、利用中に感じたことや意見をヒアリングしたりします。アクセス解析では見えてこない、ユーザーが抱える疑問、不安、迷いといった心理的な課題を明らかにすることができます。特にUI/UXの改善において、デザインの分かりにくさや操作性の悪さといった、数値だけでは捉えきれない具体的な問題点を特定し、改善に繋げるための貴重なインサイトを提供します。

まとめ

web分析とは、単にwebサイトのアクセス状況を把握するだけでなく、定量分析定性分析自社サイト分析競合サイト分析といった多様なアプローチを組み合わせることで、より深くユーザー行動を理解し、成果につなげるための継続的なプロセスです。アクセス解析ツールを駆使し、ユーザー数やセッション数、PV数といった基本的な指標はもちろん、アトリビューション分析クロス集計など、様々な視点からデータを読み解くことが重要となります。

さらに、アイトラッキングヒートマップ分析クリック分析といった手法を用いることで、ユーザーがサイト上でどこに注目し、どこでつまずいているのかを可視化できます。これらの分析結果は、UI/UX改善の具体的な根拠となり、コンバージョン率の向上に直結します。また、ABテストを実施することで、デザインやコピーのどちらがより効果的かを科学的に検証し、最適なWebサイトを構築することが可能です。

競合サイトの状況を把握する競合トラフィック分析も、自社サイトの強み・弱みを客観的に理解し、改善策を見出す上で不可欠です。これらの多角的なweb分析手法を駆使し、データに基づいた意思決定を行うことで、webサイトの成果を最大化することができるのです。web解析の重要性を理解し、これらの手法を戦略的に活用していきましょう。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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