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弱者の戦略と強者の戦略「ランチェスター戦略」とは?活用方法をご紹介

2020.7.17
読了まで約 3

強者には強者の、弱者には弱者の戦い方があります。 弱者が強者の真似をしても勝てません。
逆もしかりです。
自分に合ったビジネス戦略を立てる上で役立つのが「ランチェスター戦略」です。
いったいどんな戦略なのか?どのようにビジネスに役立つのか?について解説します。

 

ランチェスター戦略が生まれた背景

まずはランチェスター戦略がどのようなものなのか?その歴史も交えてご紹介します。

●もともと戦争に勝つための考え方だった
ランチェスター戦略の歴史は古く、第一次世界大戦の頃にさかのぼります。
イギリスで戦闘機の開発に従事していたエンジニアのF・W・ランチェスター氏は、どのようにすれば有利に空中戦を展開できるのかを研究していました。
その結果、「兵力」と「武器」の性能が「戦闘力」となって相手にダメージを与えることがわかったのです。

兵士の数が多い軍は伝統的な一騎打ちや接近戦、局地戦が有利となります。 この場合、「戦闘力」は「武器効率×兵力数」という式で表されます。
例えば、A国とB国がそれぞれ武器効率1の武器を持っていたとしましょう。
A国の兵士が100人いれば「戦闘力」は「1×100=100」。
B国の兵士が200人いれば「戦闘力」は「1×200=200」。 B国が勝つのは明らかです。

しかし、実際の戦いはそれほどシンプルではありません。
A国の兵士が奇襲攻撃を仕掛けたら?
B国の兵隊を分断させて崖っぷちに追い込んで戦ったら?
みな鉄砲などの強力な兵器を持っていたとしたら?
A国は勝てる見込みが出てきます。

このように、武器効率が高い兵器を使う遠隔戦や広範囲に攻撃を与える広域戦においての「戦闘力」は、「武器効率×兵力数の2乗」という式で表されます。
例えば、A国の兵士100人が奇襲攻撃をしたとしましょう。
「戦闘力」は「1×100²」ですので10,000となります。 一騎打ちでは叶わなかった200人の兵士を擁するB国に対して勝つことができるのです。

●戦後、ビジネスにランチェスター戦略が応用されるように
第二次世界大戦後、このランチェスターの法則がビジネスにも応用されるようになりました。 日本では経営コンサルタントの田岡信夫氏がランチェスター戦略を応用したビジネス戦略を提唱しました。

ビジネスも本質的には戦争と同じで、兵力(従業員数)と武器(商品力、営業力、生産性など)によって勝敗が決まります。
ビジネス戦略も様々。
弱者はどう戦えば勝てるのか、強者はどのような戦略を立てるべきかなどは、ランチェスター戦略を活用すれば自ずとわかってくるのです。

 

強者の戦略と弱者の戦略


ランチェスター戦略は「強者の戦略(第二法則)」と「弱者の戦略(第一法則)」に大きく分けられます。
それぞれどのようなものなのか、具体例を挙げながら見ていきましょう。

●強者の戦略(第二法則)
強者とは、前述の例でいえば兵士が多いB国のことです。
ビジネスにおいては企業規模や生産力が高い大企業、市場のシェアを独占しているような企業を指します。
強者が強いのは昔ながらの一騎打ちや接近戦、局地戦といった戦い方です。
人海戦術でどんどん商品やサービスを生み出し、営業を展開することで、弱者を圧倒することができます。 そうして大きな市場を独占すれば、弱者は入り込む余地がありません。

海外の工場で着々と商品を生産し、世界中に営業展開をするのも、兵力があるからこそできる戦略です。
強者はいかに人的リソースを投入しつづけ、市場のシェアを守っていくかが鍵となります。
そして最先端の分野にヒト・モノ・カネを投入することで、さらに成長を遂げることが可能です。

●弱者の戦略(第一法則)
一方、弱者とは兵士が少ないA国のことを指します。
ビジネスに当てはめると企業規模が小さい中小零細企業や個人事業主などが挙げられるでしょう。
人的リソースが強者である大企業と比較すると圧倒的に足りていませんので、同じ市場で真っ向から一騎打ちや接近戦を行っても勝てません。
情報力や技術力、品質、営業力など、数に依らない武器を持ち、広域戦や遠隔戦を仕掛ける必要があります。

大企業が進出していない地域に営業を展開する、ニッチな市場・新しい市場で戦う、独自の技術やサービスという効率が高い武器を使うといった戦略をとることで、「戦闘力」が2乗となり、大企業に勝てるチャンスが出てきます。

重要なのは大企業と同じ土俵、同じ武器では戦わないことです。
限られた市場でシェアを奪えば、中小企業でも大企業に勝てるチャンスは大いにあります。

●強者には強者の、弱者には弱者の戦い方がある
強者、弱者それぞれに合った戦い方があります。
正しい戦略をとれば、強者は強者のまま君臨できるでしょう。
逆に、弱者であっても強者に打ち勝つことは十分可能です。

まずは市場において自社がどちらにあたるのかを考えましょう。
競合は兵士が多い強者なのか、特殊な武器を持っている弱者なのかを見極めて、ランチェスター戦略をもとにして勝てる方法を見出す必要があります。

 

まとめ


◆ランチェスター戦略は第一次世界大戦に生まれ、戦後にビジネスに応用され始めた


◆「強者の戦略(第二法則)」と「弱者の戦略(第一法則)」に大分される


◆強者の戦略(第二法則)は人海戦術を活かした一騎打ちや接近戦、局地戦という戦い方


◆弱者の戦略(第一法則)は数に依らない武器(技術力や品質など)を持ち、広域戦や遠隔戦を展開する

 

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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