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新たな購買モデル「バタフライ・サーキット」の5つのパターンを解説

2020.7.23
読了まで約 3

Googleが提唱する新しい購買モデル「バタフライ・サーキット」は、消費者の性格や環境、業種などのさまざまな要素によって不規則に変化するものです。

バタフライ・サーキットには、「全方位型」「主観型」「慎重型」「真面目型」「瞬発型」の5つのパターンがあります。Googleは、車や不動産、生命保険などの業種によって、この5つのパターンが含まれる割合はそれぞれ異なることを明らかにしています。

この記事では、新たな購買モデル「バタフライ・サーキット」に見られる5つのパターンと、各業種に含まれるパターンの割合について解説していきます。

 

バタフライ・サーキットの5つのパターンとは

バタフライ・サーキットとは、消費者の不規則な情報探索行動の構造をいいます。

情報探索行動は、「さぐる」検索と「かためる」検索の2種類に分類できます。


◆情報探索をかき立てる8つの動機

【さぐる】
「気晴らしさせて」「学ばせて」「みんなの教えて」「にんまりさせて」

【かためる】
「納得させて」「解決させて」「心づもりさせて」「答え合わせさせて」

バタフライ・サーキット上にある情報探索行動の方向性や割合はさまざまで、大きく以下の5つのパターンに分けることができます。

・全方位型
全方位型は、商品やサービスの購入を思い立ってから実際に購入するまでの間、積極的に検索し情報を満遍なく手に入れようとするパターンです。また、「さぐる」と「かためる」に含まれる動機がどちらもバランスよく現れるタイプでもあります。

たとえば、購入する商品やサービスをある程度絞って「かためる」行動をしていても、SNSなどで興味をひく商材に出会うと突発的に購入したくなるのが全方位型の典型的なパターンです。購買目的の情報探索行動としては、自然にとられがちなタイプです。

 ・主観型
主観型も全方位型と同様に、商品やサービスの購入を思い立ってから実際の購入に至るまで、積極的な情報探索行動を行います。全方位型との違いは「さぐる」モードの割合であり、主観型は全方位型よりも「気晴らしさせて」や「学ばせて」の割合が大きく、「みんなの教えて」や「にんまりさせて」の割合は小さいのが特徴です。

また、主観型はスマートフォンを使った情報探索行動をとる人が多いのも特徴で、日頃からスマートフォンでよく検索する人は主観型に当てはまるケースが多いようです。気晴らしの検索で商品の購入を決めてから、その商品の情報を調べ始めるのが主観型に多いタイプです。さらに、周りの意見や口コミはさほど気にならず、自分が良いと思ったものを購入する傾向があります。

 ・慎重型
慎重型は、商品やサービスの購入を検討している間は網羅的な情報探索行動をし、実際の購入はオンラインではなくオフラインで行うのが典型的なパターンです。オンラインの情報だけで購入決定はせずに、家族や友人、店舗のスタッフなど、周りの人や詳しい人の意見を聞いてから購入に至るケースが多いという特徴があります。

また、慎重型は情報探索行動をかき立てる動機の中では「学ばせて」や「解決させて」の割合が大きく、購買行動を慎重に行います。自分の買い物ではなく家族や友人の買い物を代わりに行うなど、主観的な購買行動が起こりにくいときに、慎重型のバタフライ・サーキットとなるケースが多いようです。

 ・真面目型
真面目型は慎重型とは逆のパターンであり、周りの意見や雑誌などオフラインの情報から購買意欲が刺激されます。情報探索行動の動機では「学ばせて」や「解決させて」、「心づもりさせて」の割合が多く、客観的な意見や情報を知りたいのが特徴です。また、購入前にその商品やサービスの情報をしっかりと掴んでおきたいという気持ちもあります。

 ・瞬発型
瞬発型は、商品やサービスの購入を思い立ってから実際に購入するまでのスピードが早く、瞬発的な購買行動をとるパターンです。スマートフォンで情報探索行動をする中で、「これだ!」と思ったものがあればすぐに購入に移るため、発見から購入までの期間は短いのが特徴です。

一方で、情報探索行動の動機では「心づもりさせて」や「答え合わせさせて」の割合が多く、瞬発的な購入決定は本当に正しかったのか気にする傾向もあるようです。

 

5つのパターンは各業種にどのような割合で含まれているのか

Googleは、車、不動産、スキンケア、旅行、生命保険の5つの業種におけるバタフライ・サーキットのパターンを調査し、以下のようにまとめました。

・車:旧来型の情報探索行動が多めであり、その次に「主観型」や「真面目型」が多い
・不動産:「全方位型」や「真面目型」が多い一方、「主観型」は見られない
・スキンケア:「全方位型」が多い一方、「主観型」は見られない
・旅行:「全方位型」や「主観型」が多く、情報探索行動自体が旅行体験となっている
・生命保険:「全方位型」と「真面目型」が多い一方、「主観型」は見られない

このように、業種によってバタフライ・サーキットのパターンは大きく異なります。各業種に含まれるパターンの割合を調査することは、今後のマーケティング施策のヒントになるかもしれません。

 

まとめ

◆バタフライ・サーキットは、消費者の性格や環境、業種などのさまざまな要素によって不規則に変化する。

◆バタフライ・サーキットには、「全方位型」「主観型」「慎重型」「真面目型」「瞬発型」の5つのパターンがある。

◆バタフライ・サーキットは業種によってパターンの割合が大きく異なるため、各業種に含まれる割合を調査することはマーケティング施策のヒントになるだろう。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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