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注目を集めるカスタマーエクスペリエンス(CX)の意味とは?向上のための施策

2022.5.12
読了まで約 6

インターネットやスマートフォンの爆発的な普及により、顧客ユーザーの消費行動の変化や、ビジネス市場の変化により新規顧客の開拓が難しさを増しています。
そのようなことから、カスタマーエクスペリエンスへの注目が高まり続けているのです。
本記事では、「カスタマーエクスペリエンスとは?」という部分から、基礎知識や重要性のほか、メリットや向上に必要な取り組みについてご紹介していきます。

カスタマーエクスペリエンスとは

はじめに、「カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience)」がどのようなものなのかをご紹介していきます。カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience)とは、日本語に訳すと、「顧客体験」や「顧客体験価値」を意味します。簡単にご説明すると、一般消費者である顧客ユーザーが、企業やブランドと接触を開始します。その一連の取引内で発生する接触点の始まりから、最終的な終着点までに発生した各過程(顧客ライフサイクル)での、顧客ユーザーが得る体験や価値、さまざまなメリットなどを表わす用語です。
カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience)は、「CX」と表記されることもあるので覚えておきましょう。

近年、インターネット環境の整備や、スマートフォンやタブレットの爆発的な普及により、顧客ユーザーの消費行動や購買行動の多様化が見受けられます。また、時代の流れと共にビジネス市場が日々、目まぐるしいスピードで変化することで、新規顧客の開拓や安定したリピーターを確保することが以前よりも難しくなり、企業やマーケターは頭を抱える問題でもあります。このようなことから、今や多くの企業やマーケターの間で、デジタルマーケティングの領域を中心に注目が高まっている状況です。

企業やマーケターがカスタマーエクスペリエンスの向上を試みるのであれば、顧客ユーザーが興味を引き付け、知りたいと思う価値ある情報を、最適なタイミングで発信することが重要でしょう。ビジネスやサービスを提供する上で、常に顧客ユーザー目線に立ち、One to Oneで良好なコミュニケーションを実施していくことが非常に大切なのです。

関連記事:カスタマーエクスペリエンスとは?その意味と導入について徹底解説

カスタマーエクスペリエンスが注目される理由

前述の通り、一般消費者である顧客ユーザーが、企業やブランドと接触を開始します。その一連の取引内で発生する接触点の始まりから、最終的な終着点までに発生した各過程(顧客ライフサイクル)での、顧客ユーザーが得る体験や価値、さまざまなメリットなどをカスタマーエクスペリエンスと言います。

【カスタマーエクスペリエンスの一例】
・カフェでおいしいコーヒーという商品の他に、心地のよい接客スタイル、店内の雰囲気やBGM、雰囲気のよい店内でゆったりしたひとときを過ごす。といった価値ある時間の提供

モノだけではなく、心が豊かになるような「感情」を生み出す満足度を指すのが特徴です。

関連記事:スターバックスやリッツ・カールトンが盛況な理由/CXでリピーター獲得のビジネス戦略

カスタマーエクスペリエンスが注目を集める背景に存在するものとは?

ここからは、カスタマーエクスペリエンスが注目を集める背景に存在するものをご説明していきます。
近年は、インターネット環境の整備やスマートフォンの爆発的な普及によるデジタル化が影響していると考えられます。急速な顧客ユーザーのデジタル化は、ビジネス市場に大きな影響をさまざまな面でもたらしているのです。また、一般消費者の購買行動は年々複雑化し、企業と顧客ユーザーの接点には多様化が見られます。
購買行動モデルが確立したところから今まで、購買行動モデルの時代は、大きく4つに分けられます。

・マスメディア時代
・インターネット時代
・SNS時代
・コンテンツマーケティング時代

マスメディア時代は、企業からの広告を不特定対数の人が一方的に受け取る形の広告でした。インターネットの普及、スマートフォンの普及とともに、SNSの利用者が急激に増え、近年では消費者が求めているサービスや商品についての情報をコンテンツとして提供し、見込み顧客のニーズの育成、購買へと繋げるマーケティング手法「コンテンツマーケティング」時代の購買行動モデルが登場しています。

関連記事:時代によって変わる購買行動プロセス。初期から最新まで7つをご紹介

【企業と顧客ユーザーの関係性の変化】
・「検索エンジン」や「SNSツールの使用」が活発化することで、顧客ユーザーの購買や検索に対する行動に大きな変化が発生する。顧客ユーザーは企業の情報発信を待つというような「受け身の体制」ではなく、欲しい情報を積極的に自ら獲得するように変化した

・デジタル化の影響により、企業が顧客ユーザーと接点を持った時点には、すでに商品やサービスの選定や比較が完了している状況であり、インターネット環境を利用して購買まで完結してしまっているような場合がある

・企業が運用するオウンドメディアやSNSツールを活用して、顧客ユーザー自身がサービスや商品情報を積極的に発信することで、企業と直接的にやり取りがおこなえ、コミュニケーションの取得が活発化される

企業は従来よりも競合他社との差別化を図ることが求められるようになり、カスタマーエクスペリエンスが差別化に重要なものとなったのです。

カスタマーエクスペリエンスを向上させることで発生するメリット

類似するようなサービスや商品を提供するような場合である、競合他社と差別化を図るためには、カスタマーエクスペリエンスの向上を実行し成長させていく必要があるのです。カスタマーエクスペリエンスを向上させることで発生するメリットを、マーケティングを実施する視点から具体的にご紹介していきます。

顧客ユーザーのクチコミにより、潜在顧客の増加が期待できる

カスタマーエクスペリエンスを向上させることで発生するメリットに、顧客ユーザーのクチコミによる紹介客である潜在顧客が増加する可能性が高まります。

企業が提供する商品やサービスを手にし、体験したことをきっかけに、好印象を感じた顧客ユーザーは、「この企業、ブランドが提供する商品の良さを他の人と共有したい」または、「非常に手寧であり、心のこもった接客を多くの人に知ってもらいたい」といったプラスの感情を抱き、その感情を基に行動を起こそうとする場合があります。クチコミからの認知の拡散やSNSツールを使用し情報のシェアによりプラスの情報が拡散されるといわれるものです。

企業やマーケターが自社製品の良さを伝えるよりも、顧客ユーザーから発信されるポジティブな情報は、企業から発信されるプロモーション以上に信憑性があり、より多くの潜在顧客層にプラスな影響を与えることでしょう。

ブランディングに効果を発揮する

カスタマーエクスペリエンスを向上させることで、ブランディングに効果を発揮するといったメリットも生まれます。短期間ではなく、長期的に継続してカスタマーエクスペリエンスの向上に取り組むことにより、企業が提供する商品やサービスに対して、多くの顧客ユーザーから気に入られ、愛着を獲得することができます。地道に取り組むことにより、一定数の顧客ユーザーがファン層に成長するのです。

ファンとなった顧客ユーザーが増加していくことでブランドや企業の認知度は上昇し、好印象が継続して構築され、結果として競合他社との差別化に繋がり、既存顧客ユーザー層の売上伸長や、新規顧客の獲得に効果を発揮します。

リピーターの獲得

企業やブランドのファンとなった顧客ユーザーが、「私が商品を購入することでブランドに貢献できている」「このサービスは私たちが支えている」といった満足感を抱くまでに成長すると、長い期間で商品やサービスから離れることがなくリピーターとして企業やブランドに寄り添ってくれる可能性が高まります。

企業を運営していく上で売上に対して波が無く、安定した収益を継続的に獲得していくためには、リピーターの獲得と存在が非常に重要となります。効果的なカスタマーエクスペリエンスは、「今後もこのブランドの商品を購入し続けたい」という期待値の上昇に繋がり、顧客ユーザーがファンに成長していくことに大きく貢献します。一人でも多くのファンを獲得していくことで、わざわざ費用をかけてまで広告を出稿したりせずに、自然と商品を購入してくれるリピーターを確実に獲得することに繋がるのです。

カスタマーエクスペリエンスを向上させるためには?

カスタマーエクスペリエンスを向上させるためには、顧客ユーザーのニーズをしっかりと調査をおこない、各フェーズで施策を実行する必要があります。
ここからは、カスタマーエクスペリエンスを向上させる具体的な方法をご紹介していきます。

顧客ユーザーの重要なデータを把握し管理する

近年のデジタル化に伴い企業やマーケターは、顧客ユーザーに関する多くのデータを収集し蓄積することが可能となりました。潜在顧客、見込み顧客、既存顧客、それぞれのユーザーから収集した貴重な情報には、カスタマーエクスペリエンス向上に直結する顧客ニーズが豊富に詰まっているのです。

顧客ユーザー個々の属性や行動履歴、購買行動、購入履歴などといった顧客ユーザーに関するさまざまなデータを適切に把握し、継続的に管理することでカスタマーエクスペリエンスを向上させることが可能となります。

収集データの分析と、カスタマージャーニーマップを作成する

顧客ユーザーのニーズを効果的にマーケティングに活かしていくためには、収集した顧客ユーザーのデータを徹底的に分析し、行動履歴をしっかりと把握します。このような場合に役立つフレームワークとして、「カスタマージャーニーマップ」が存在します。

カスタマージャーニーマップとは、対象とする顧客ユーザーの思考や感情を含め、そのユーザーがとるであろう行動パターンを時系列で可視化したものです。
カスタマージャーニーマップは、顧客ユーザーと企業との間で発生する接点において、最も適切なタイミングを逃すことなく、適切なカスタマーエクスペリエンスを提供するために重要な役割を果たします。発生する各接点で顧客ユーザーにどのような体験をしてもらうのか、しっかりと定義することが大切になります。

カスタマージャーニーマップのテンプレートについては、本サイトの下記ページから無料でダウンロードできますので、ぜひご利用ください。1ページ目が見本となっており、2ページ目はサンプルになっています。パワーポイント(PPTX)形式ですので、パソコンでサンプルテキストを編集することもできますし、テキスト部分を消して印刷し、手書きで書き込むこともできます。

関連記事:カスタマージャーニーマップとは!マップの正しい作り方を解説!

価値観、指針を企業内で共有する

カスタマーエクスペリエンスを向上させるには、関わるすべてのスタッフが同じ価値観を持ち、同じ方向を向いて方針や目的に理解を深め、組織全体で運営していくといった環境を作ることが非常に大切です。簡単そうでありますが、企業を運営していく上で難しい問題でもあり、未だに実践できていないといった企業もまだまだ多いのではないでしょうか。

例えば、「いつ、どのような瞬間に、どのような価値を顧客ユーザーに体験してもらうのか?」また、「そのプランを実行するために取り組むことは何なのか?」といったような具体的な行動の方針や、価値観、目的などを明確化し企業内全体で共有を行いましょう。

達成した成果に対して評価を実施し、改善を繰り返し実行する

カスタマーエクスペリエンスは成果が見えにくい特徴があります。そのため、現在の状況把握や、正確な評価を実施することが難しく、早期改善に繋がりにくいという問題があります。発生するユーザーとの各接触点で目標、KPIを設定し、各フェーズでの効果を見極めることをお勧めします。KPIで良く用いられるものは、平均ページビュー数、顧客獲得率、コンバージョン(CV)率などが設定される傾向があります。

まとめ

本記事では、「カスタマーエクスペリエンスとは?」という部分から、基礎知識や重要性のほか、メリットや向上に必要な取り組みについてご紹介してきました。
カスタマーエクスペリエンスの取り組みによって、顧客ユーザーのリピーター化や顧客満足度の向上、そして企業やブランドを更に成長へ繋げる核となる、新規顧客の獲得とブランドイメージ向上を目指してみてはいかがでしょうか?

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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