Web広告をクリックしたら、縦長の1ページだけのサイトに遭遇した経験はありませんか?これは「ランディングページ」(Landing Page)、略して「LP」と呼ばれる特殊なWebページです。LPは、コンバージョン(成果)の向上を主な目的として設計されています。
本記事では、LPの特徴を深く掘り下げるとともに、ホームページやトップページとの違いを詳しく解説します。これらの違いを理解することで、効果的なWebマーケティング戦略の立案に役立つでしょう。
LPは、ユーザーの行動を特定の目標(商品購入、資料請求、問い合わせなど)に導くように最適化されています。そのため、通常のWebサイトとは異なる独特の構造や特徴を持っています。例えば、余分な情報や他ページへのリンクを極力排除し、ユーザーの注目を逸らさないよう工夫されています。
一方、ホームページは企業や個人の全体的な情報を提供する場であり、トップページはそのホームページの入り口としての役割を果たします。これらは、LPとは異なる目的と構造を持っているのです。
以降のセクションでは、LPの詳細な定義や特徴、そしてホームページやトップページとの具体的な違いについて、さらに詳しく解説していきます。
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目次
LPとは?
LPはランディングページの略で、検索エンジンやWeb広告などを経由して、ユーザーが最初に到達したWebページを指します。広義と狭義の2つのLPがあります。広義のLPは、ホームページに到達したユーザーが最初に見たページのことです。また、Googleアナリティクスのランディングページは、このLPについて言及しています。
一方、狭義のLPは、ユーザーのアクションを誘導することを目的にした商品・サービスの紹介ページのことを指します。マーケティング領域では、一般的にこちらのLPのことを指していることが多いでしょう。ランディングページとは、コンバージョン率の向上を最重要目標としたWebページです。
コンバージョン(CV)を最も重要なゴールとしており、コンバージョンは商品・サービスの購入や、資料請求、問合せなど売上向上につながる具体的なアクションです。
そのため、LPは商品・サービス以外の情報を掲載しないで余計な情報を排除し、他ページへのURLリンクも少なくし、コンバージョン率を上げています。狭義のLPはシンプルな長い1枚のページ構成が特徴的で、ユーザーの注目を集中させやすい設計となっています。
以下では狭義のLPに関して詳しく紹介しています。
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ホームページとの違い
LPもホームページもWebページですが、その目的と構成に大きな違いがあります。ランディングページ(LP)は、特定の商品やサービスの売上向上を主な目的としており、コンバージョンに特化した作りになっています。一方、ホームページは幅広い情報発信を目的としています。
LPは通常、1つの長いページで構成され、ユーザーの離脱を防ぐために必要な情報を順序良く配置しています。商品やサービスの説明、使用者の実例紹介、キャンペーン情報などが、ユーザーの興味を引き付けるように構成されています。
また、LPは特定のターゲットユーザーを想定し、そのペルソナに合わせて細かく設計されています。年齢、性別、年収、趣味嗜好、家族構成などの詳細な設定に基づき、ユーザーのニーズを的確に捉えた内容やデザインが採用されています。
対照的に、ホームページは複数のページとリンクで構成されており、様々な情報へのアクセスを提供します。企業情報、製品ラインナップ、最新ニュースなど、幅広い内容を含んでいることが一般的です。ホームページは、多様なステークホルダーに向けて情報を発信する役割を担っています。
このように、LPとホームページはそれぞれ異なる役割と特徴を持っており、マーケティング戦略において補完的に活用されることが多いです。効果的なオンラインプレゼンスを構築するためには、両者の特性を理解し、適切に使い分けることが重要です。
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LPの目的とサイト構成
上述のとおり、LPは商品・サービスの売上向上を目的に、コンバージョンに徹底した作りになっています。資料請求や問合せなどの特定のアクションにつながるように、商品・サービスの説明→使用者の実例紹介→キャンペーン情報といった内容で構成されます。
ユーザーの離脱を防ぐために、この流れで1ページにすると、自然と長くなってきます。さらに、コンバージョンさせるために、ターゲットとするユーザーをある程度絞っており、そのターゲットのペルソナを具体的に設計しています。
年齢や性別、年収や趣味嗜好、家族構成など詳細に設定し、ユーザーのニーズを的確にとらえLPに反映しています。全体のレイアウトや申込フォームへ誘導するボタンも、ターゲットユーザーの印象に残るようにデザインされています。
ランディングページとは、このように特定の目的に特化した構成を持つウェブページです。LPの主な特徴として、シンプルで分かりやすい情報提示、魅力的な見出しやキャッチコピー、説得力のある文章、そして効果的な視覚要素(画像や動画)の活用が挙げられます。これらの要素を組み合わせることで、ユーザーの興味を引き、行動を促すことができるのです。
ホームページの目的とサイト構成
ホームページは、想定するターゲットに対して情報発信をすることが主な目的です。ランディングページとは異なり、達成したいゴールによってサイトの種類や構成は多岐にわたります。
例えば、自社のステークホルダーに企業情報や最新動向を伝えることを目的に作成されるコーポレートページがあります。また、自社運営のメディアを通じて情報発信をしながら採用活動を行うオウンドメディアリクルーティングなども、ホームページの一形態として挙げられます。
ホームページは通常、複数のページとリンクで構成されており、トップページから別ページへ遷移しやすいような導線設計とデザインがされています。これにより、ユーザーが必要とする情報に効率的にアクセスできるようになっています。
また、ホームページは企業や商品・サービスの全体像を伝える役割も担っており、ブランディングや信頼性の構築にも寄与します。そのため、デザインや構成には一貫性を持たせ、ユーザーに良好な印象を与えることが重要です。
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トップページとの違い
トップページはランディングページ(LP)と似たような言葉ですが、まったく異なる役割を持っています。トップページは、ホームページの顔となる重要な役割を担っており、いわば雑誌の見出しのような位置づけです。
ホームページに訪れるユーザーはすでに企業や商品・サービスのことを知っており、具体的な情報を求めていることが想定されます。そのため、トップページには企業や商品・サービスを詳しく紹介し、関連情報ページのリンクをグローバルナビゲーション(グロナビ)に表示します。
ユーザーが知りたい情報へアクセスしやすいように、トップページはさまざまな情報への入口となるようにデザインされています。また、ホームページにアクセスした瞬間に、ユーザーが閲覧するかどうかを決めるのがトップページであり、直帰率にも影響します。
一方、LPは特定の商品やサービスに焦点を当て、コンバージョンを目的としたページです。トップページが幅広い情報を提供するのに対し、LPは絞り込まれた情報を効果的に伝えることを重視しています。このように、トップページとLPは異なる目的と構造を持っており、それぞれの役割に応じて最適化されています。
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LPのメリット・デメリット
ランディングページ(LP)はURLリンクが少ない、縦に長い1ページのサイトです。それゆえ、メリットとデメリットがそれぞれあります。LPの特徴を理解し、効果的に活用することが重要です。ランディングページは、ユーザーの行動を促すために設計されているため、コンバージョン率の向上が期待できます。一方で、SEOの観点からは課題があり、直帰率が高くなる傾向があります。また、デザインや制作にかかるコストも考慮する必要があります。LPの活用を検討する際は、これらのメリットとデメリットを十分に把握し、自社の目的や戦略に合わせて適切に判断することが大切です。
メリット
ランディングページ(LP)には、以下のようなメリットがあります。これらの特徴を活かすことで、効果的なマーケティング施策を展開することができます。LPは、ユーザーの行動を促すための重要なツールとして、多くの企業で活用されています。以下に、LPの主なメリットを詳しく説明します。
①コンバージョンの向上
ランディングページ(LP)は、ユーザーの興味を引き出し、行動を促すために最適化されています。余計な情報を省き、必要な情報だけに絞り込むことで、ユーザーの注目を集中させます。また、ターゲットユーザーの印象に残るデザインや、効果的な訴求文を用いることで、資料請求や問い合わせなどのコンバージョンへの誘導を強化します。さらに、LPはユーザーの行動パターンを考慮した構成になっているため、コンバージョン率の向上が期待できます。このように、LPはコンバージョンを最大化するための重要なツールとして機能するのです。
②離脱を抑制
ランディングページ(LP)はユーザーが別のページへ離脱しないように、URLリンクの設置を最小限に抑えています。これにより、ユーザーは申込フォームまで到達しやすくなります。また、LPは一般的に縦長の1ページ構成となっているため、ユーザーは自然とスクロールしながら商品やサービスの情報を閲覧することができます。このような特徴により、LPはユーザーの興味を持続させ、最終的なコンバージョンへと導く効果的なツールとなっています。
③最適な順番で伝える
ランディングページは商品・サービスの情報をすべて1ページに集約しているため、ユーザーは縦にスクロールしながら読み進めていくだけで、商品・サービスの全容を理解することができます。また、ユーザーの興味喚起を促すのに最適な順番で情報を伝えることができるのも大きなメリットです。例えば、商品の特徴、使用者の声、価格情報、申し込み方法など、ユーザーの購買意欲を段階的に高めていくような構成にすることが可能です。このように、ランディングページではユーザーの心理に沿った効果的な情報提供が実現できます。
④効果改善が簡単
ランディングページ(LP)がシンプルな1ページ構成であるため、効果の把握や改善を簡単に行えます。ユーザーが興味を持つコンテンツや、逆に離脱してしまうコンテンツを容易に特定できるため、コンテンツの入れ替えや修正などの改善がしやすくなります。また、ABテストを実施することで、より効果的なデザインや文言を見つけ出すことができます。このように、LPは継続的な改善と最適化が可能であり、コンバージョン率の向上につながります。
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デメリット
ランディングページ(LP)には、コンバージョン向上を目的とした設計ゆえのデメリットがいくつか存在します。まず、LPは直帰率が高くなりやすい傾向があります。これは、ユーザーが求める情報と合致しない場合や、縦に長いページ構成のため途中で離脱してしまうケースが多いためです。次に、SEO面での弱さが挙げられます。LPは特徴的なデザインや最小限の商品・サービス情報に特化しているため、検索エンジンでの評価が低くなりがちです。さらに、LPの制作にはコストがかかります。特徴的なデザインや、ターゲットに応じた複数のLPを用意する場合、それぞれに制作費用が発生します。これらのデメリットを踏まえつつ、LPの効果を最大化するためには、ユーザーニーズを的確に捉えたコンテンツ設計と、継続的な改善が不可欠です。
①高い直帰率
ランディングページ(LP)は資料請求や問合せなどのコンバージョンを目的としているため、直帰率が高くなる傾向があります。ユーザーがLPに到達した後、目的のアクションを取らずにすぐにサイトを離れてしまうケースが多いのです。また、LPは縦に長い特性を持つため、途中で離脱してしまうユーザーも多く見られます。このような高い直帰率は、LPの効果測定において注意すべき指標の一つとなります。LPの設計時には、ユーザーの興味を引き付け、最後まで読んでもらえるような工夫が必要となります。
②SEOに弱い
ユーザーの興味喚起を促すことを主目的としているため、SEO対策には弱点があります。LPは特徴的なデザインを重視し、最小限の商品・サービス情報を掲載する傾向にあります。また、主に広告からの流入を想定しているため、自然検索からのアクセスを得るための工夫が不足しがちです。そのため、検索エンジン上では評価されにくく、SEOの観点からは弱いページになる傾向があります。ただし、LPの目的に応じて適切なキーワード配置や構造化データの実装など、SEO対策を行うことで、この弱点を補うことも可能です。
③コストの発生
特徴的なデザインであるために、制作コストもその分発生してしまいます。また、同じ商品・サービスでも、ターゲットによって異なるLPを用意しようとすると、そのページ分のコストが必要となります。さらに、効果的なランディングページを作成するには、専門的な知識やスキルが求められるため、外部の制作会社に依頼する場合も多く、その際にも追加のコストが発生します。ただし、コストをかけて質の高いLPを制作することで、コンバージョン率の向上につながり、最終的には投資対効果(ROI)の改善が期待できます。
まとめ
ホームページやトップページの違いとあわせて、ランディングページ(LP)について解説しました。LPは効果の検証と改善がしやすく、コンバージョンの向上が期待できます。商品・サービスの売上向上を実現するために積極的に活用していきましょう。また、LPは特定のターゲットに向けて最適化されているため、ユーザーのニーズに合わせた情報提供が可能です。ただし、SEOに弱い面もあるため、全体的なマーケティング戦略の中でLPの位置づけを適切に考慮することが重要です。CMSとマーケティングオートメーション(MA)の一体型ツール「Switch Plus」では、テンプレートを使って簡単にLPを作成することもできます。効果的なLPの活用で、ビジネスの成長を加速させましょう。