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マーケティングにおけるAI活用〜具体的なツールや導入のポイント

2021.4.16
読了まで約 6

AI(人工知能)の活用が進んでいる分野といえば、すぐに思い浮かぶのはロボットや自動運転車、スマートスピーカーなどでしょう。人間の行動やコミュニケーションを代行する機能への導入が目立つAIですが、近年ではマーケティング分野での活用も進んでいます。

既に多くの企業がマーケティングにAIを活用して成果を上げていますが、これは大企業にしか使えないものなのでしょうか。また自社のビジネスにAIを導入するとすれば、どのようなツールを選べばよいのでしょうか。

今回は、マーケティングでのAI活用事例やそのメリット、ツール導入のポイントについて解説します。

データの爆発が促したAIの導入

人間は多くの情報をもとに次の行動を決め、日々の生活を送っています。人間の場合、この情報があまりに多くなると判断に迷いが生じ、結果として間違った判断をしてしまうことがあります。AI(Artificial Intelligence 人工知能)は、人間とは逆に大量の情報から正しい判断を下すように作られたアルゴリズム(データの処理方法)です。AIが正しい判断を下すためには、AIが処理可能な正しいデータが大量に必要であり、AIの判断精度は与えるデータ量にほぼ比例します。

近年はインターネットやIoT機器の普及によって、大量のデータが容易に収集できるようになりました。ただし、整理されていないデータは無意味な記号や言葉の集合体なので、活用するためには一定のルールに従って分類し、利用できる状態にすることが必要です。

しかし、爆発的に増えていく大量のデータを素早く分類・取捨選択し、ある条件に従って判断を下していくことは、もはや人間には不可能です。ビッグデータとも呼ばれる巨大なデータの塊を正確に、効率よく処理していくデータ処理には、AIの導入が必然であったといえるでしょう。

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AIの機能は大きく4つに分類される

AIの機能はタイプ別に大きく4つに分かれ、それぞれ「実行系AI」「識別系AI」「会話系AI」「予測系AI」と呼ばれています。

●実行系AI
主に人間の代わりにさまざまな業務を実行するAIです。たとえば自動運転車や自律飛行型のドローン、工場のロボットなどに搭載されたAIがこれに含まれます。

●識別系AI
工場での不良品の振り分けなど、大量の情報をもとに自動識別を行うAIとして発達しましたが、近年では人間が見極められない事象の発見にも応用されています。たとえば、CTやMRIのデータから人間の目では判別できない病状を発見する医療診断の分野などです。

●会話系AI
一番身近な会話系AIを搭載した機器は、スマートスピーカーでしょう。GoogleのGoogle Assistant、アマゾンのAlexa、アップルのSiriなどはAIアシスタントと呼ばれますが、これらを日々便利に使っている人も多いと思います。

会話系AIをビジネスに応用した例には、チャットボットがあります。音声ではなくテキストで会話するタイプがほとんどですが、顧客からの質問に対するヘルプデスクなどに応用され、業務の効率向上策として使われています。

●予測系AI
機器に記録されたログから異常値を検出する故障予測などにも使われていますが、もっとも多くマーケティングに活用されているAIの機能が「予測」です。さまざまなビッグデータから顧客の行動を予測したり、商品やサービスの需要を予測したりするなど、幅広くビジネスに活用されています。会話系を始めとする他のAI機能もマーケティングに応用できないわけではありませんが、予測系AIはマーケティングに活用しやすいと覚えておきましょう。

※上記の機能(機能別分類)を、それぞれ人間の業務を代行する「代行型」と人間ができないことをAIが実行する「拡張型」に分けることがあり(役割別分類)、これらを合わせて「AIの8分類」と呼ぶ場合もあります。

AI導入のメリットとは何か

AIの機能のうち、予測に関わるものはマーケティングに活用しやすいと説明しましたが、予測系AIは機械学習(学習データによる精度の自動改善)により、扱うデータが増えれば増えるほど予測の精度を上げることができます。従って、AIを導入することにより一番メリットを享受できるのは、膨大なデータを扱うことの多いデータ分析の業務です。市場の動向予測や顧客のデータ分析による需要予測、ターゲティングなど、予測系AIが後述するMAツールに組み込まれることが多いのはこのような理由からです。

AIをマーケティング分野で活用することにより、人間は本来するべきクリエイティブワークに集中することができます。またマーケティング施策の精度向上によるコスト削減効果なども、AI導入のメリットといえるでしょう。ビジネスにおける各種施策の精度が向上すれば、無駄な広告宣伝費などを使う必要がなく、人間による営業活動も効率化することが可能だからです。

AIを活用したマーケティングツール

AIを活用したBtoB向けのMA(マーケティングオートメーション)ツールにはいくつか種類がありますが、株式会社セールスフォース・ドットコムの「Pardot」は、導入実績も多く性能も信頼できるMAツールです。

Pardot(パードット)は、セールスフォース・ドットコムが提供する代表的なSFA(営業支援システム)ツール「Salesforce」と連携してマーケティング業務を効率化することができます。Pardotは、以下のような特徴を持っています。

●AIを活用しリード顧客をスコアリング
自社ウェブサイトへの訪問履歴やメールの開封状況などから顧客の行動を分析し、リード顧客(確度の高い有力な見込み顧客)をスコアリングします。

●成約のために必要な情報を迅速に提供
これはPardotのMAとしての機能になりますが、AIによるスコアリングの結果から成約に至るための情報と、製品に対する興味の度合いをSFAに伝達します。これにより、営業パーソンがリード顧客を迅速にフォローアップできるようになります。

●ROIを分析
AIによってマーケティングキャンペーンの効果を分析し、ROI(費用対効果)を明確にします。これによりキャンペーンの最適化が可能になり、コスト削減に役立ちます。 また、目標達成への課題や顧客インサイト(購買意欲のスイッチ)の傾向も明示します。

MAツールはSFAツールと連携することにより、その効果を最大限に発揮します。大量のデータを効率的に分析できるAIは、MAツールの精度を高めるのに最適な機能なのです。このほかにも、GoogleやAmazonではAIの8分類ほぼ全ての領域で、なんらかのサービスを実用化し、外部企業にも販売・提供しています。特に予測系・識別系のAIは単機能で使える場合も多いので、SFAとの連携が必要でない場合などにも活用可能です。

マーケティングへのAI活用事例

それでは、実際のビジネスにAIを活用している事例にはどのようなものがあるのでしょうか。AIをマーケティングに導入し、効果を上げている例をいくつか紹介しておきましょう。

●大手広告代理店
ある大手広告代理店では、AIでビッグデータを解析することにより流行キーワードを予測するシステムを独自開発。新たな流行を早期に発見し、広告やマーケティングに活かすためにAIを活用しています。インターネット上にはSNSなどの情報があふれていますが、人の手でこれらを収集、分類、分析することには限界があります。同社はこれにより、競合他社との差別化と迅速な消費者特性の把握に成功しています。

●ホテル
米国を拠点とするあるホテルグループは、中国に新しいホテルを開業する際にAIを使って市場参入調査を行いました。具体的には、現地にある競合ホテルの口コミや評判をAIで収集・分析し、どのような戦略を実施すれば優位性を発揮できるかを開業前に検討したのです。同社はこれにより拠点ではない地域の消費者特性を把握、現地競合ホテルとの差別化に成功しました。

●大手ECサイト
需要に応じて価格を上下させる戦略をダイナミックプライシングといいますが、米国資本のある大手ECサイトは価格情報の収集と分析にAIを用い、効果的なダイナミックプライシングに成功しています。このECサイトでは、他のECサイトにある同じ商品の価格を綿密に収集し、自社ECサイトの商品価格を適時・適切に調整しました。 これにより同社では、売上が前年比127%となりました。

●大手動画配信サービス
映画や動画の配信だけでなくオリジナルの映画製作も行っている同社では、映画のキャスティングにAIを活用しています。ストーリーと離脱率(途中で映画を観なくなってしまうタイミングや確率)、出演者と視聴率の関係をAIに学習させて分析、もっとも視聴者の興味を惹くストーリーと出演者を決定しているのです。

AIマーケティングの将来

このように予測、分析の分野でマーケティングに活用されるAIですが、今後はどのようにビジネスに活かされていくのでしょうか。

一つ目は、広告のコピーやWebデザインといったクリエイティブな部分への活用が進むだろうといわれています。広告であれば、過去のデータをもとに顧客の反応や意識の変化を分析して、もっとも顧客に響くコピーライティングを行うのです。

Webデザインについても、既にサイトの構造に関してはSEO対策としてAIは活用されています。今後はSEO対策だけでなく、全体のデザインやページ全体の色味などについてもAIによるデザインが進んでいくでしょう。このような顧客嗜好への最適化は、最終的に顧客個人個人の好みに合わせたWebの究極的なパーソナライズにまで進化するだろうといわれています。

二つ目は機能の進化です。既に顧客のターゲティングなどにAIは活用されていますが、膨大にデータが集まれば、セグメンテーションだけでなく個人そのものをターゲティングすることも可能です。現在では過去の履歴から営業パーソンが行っているターゲティングも、キャンペーンの内容に応じて自動的にAIが個人を抽出するようになるでしょう。

実際には個人情報の保護などを厳密に行わなければなりませんが、究極のOne to Oneマーケティングは、AIが実現することになりそうです。

まとめ

◆AIとは、大量の情報から正しい判断を下す業務に適したアルゴリズムである。マーケティングを含めたさまざまな分野へのAIの導入は、インターネットの発達やIoTデバイスの普及によるデータの爆発的な増加が引き金となった。

◆現在AIの機能はタイプ別に大きく4つに分かれている。「実行系AI」「識別系AI」「会話系AI」「予測系AI」だが、ビジネスやマーケティングに多く使われるAIは予測系AIである。予測系AIは機械学習で予測の精度が上がっていくので、膨大なデータを扱うことの多い業務に向いている。

◆AIをマーケティング分野で活用することにより、人間は本来するべきクリエイティブワークに集中することができる。またマーケティング施策の精度向上によるコスト削減効果なども、AI導入のメリットである。

◆今後マーケティングにおけるAIは、広告のコピーやWebデザインといったクリエイティブな部分への活用が進むだろうといわれている。これによりさらにパーソナライズ化が進むとも考えられ、究極のOne to OneマーケティングはAIが実現することになるかもしれない。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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