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潜在顧客の開拓につながる、行動データに基づいたWebマーケティングとは

2021.6.18
読了まで約 6

「マーケティングは大切と言うけど、何から手をつければいいんだろう?」そんな風に感じたことはありませんか。日々、技術が発展しているアドテクノロジー分野では、「行動データ」を活用したデジタルマーケティングが一つの手法として確立しています。
そもそも行動データとは何か?これは、スマートフォンの普及によって収集可能になった個人で言えばGPS位置情報や企業で言えば所在地であるIP情報、あるいは自社Webサイトだけでなくインターネット全体でユーザーがどういった行動を取っているかという回遊情報などが該当します。
ここでは行動データに基づく、世の中の販促マーケティングの実例から重要なポイントを分析し、実践的ノウハウとしてわかりやすくご紹介します!

顧客行動の変化と行動データの普及

ここで言う行動データは基本、オンライン(Web)とオフライン(リアル)に分けられます。近年のインターネット利用率やスマートフォンの普及により、顧客の行動は複雑化しており、購入検討、意思決定に至るまでWebとリアルを行き来する傾向にあります。

IoTの発達やビッグデータ分析により、顧客の行動、購買に至るまでの一連のプロセスが可視化され、より深い顧客理解、アプローチができるようにもなりました。複雑となった顧客行動をデータとして可視化できる事で、より精度が高いマーケティング戦略の設計や、顧客ニーズにあわせて最適な場所、タイミングでコミュニケーションが可能になるのです。

スマートフォンや、SNSが普及する以前はテレビCM等を活用して認知度を拡大し、ブランドイメージを向上する、マスメディアによる広告宣伝・PRが主なものでした。ユーザーは商品をWebで検索し、購入するという流れだったのです。

現在ではスマートフォンやSNSが普及し、購買プロセスはシンプルな流れから友人や知人、あるいは第三者の口コミが介入するなど複雑なものに変化しました。そのため従来のマーケティングでは十分とは言えなくなっています。

そして、行動データの収集が可能な時代となりました。Webの閲覧履歴や購買履歴、スマートフォンから取得するGPS位置情報や、SNSの行動履歴などは、行動データとして収集が可能になりました。この行動データを活用することで、複雑化した購入プロセスに対応する、これまでよりも細かなマーケティング施策を展開できます。

ユーザーの購入プロセスを行動データの分析で探ることは、「認知」、「興味・関心」、「比較・検討」などのフェーズにいる見込み顧客から「リピート」、「ファン化」した優良顧客までの継続的なアプローチで有効です。

関連記事:ファネルを理解することで、実地マーケティングで生かしていく

行動データは、ユーザーの行動履歴や購買データなど、オンライン上のさまざまなデータを集めて分析し、それに適したマーケティングを行っていくデジタルマーケティングに取り組む企業にとって、非常に重要です。

関連記事:時代とともに変化するデジタルマーケティングとその手法

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

行動データとは?

行動データは顧客データの一つです。顧客データとは、企業が保有する顧客属性や顧客行動に関するデータのことを指します。
では具体的に見ていきましょう。

属性データ 性別、年齢、家族構成、家族構成、職業、趣味嗜好など
行動データ Webの閲覧履歴、購買履歴(閲覧回数や滞在時間、購入商品、購入金額)、SNSの行動履歴、GPS(位置情報)など

行動データを可視化、入手ができなかった頃のマーケティングは、「女性、20代、愛知県在住、既婚、子供なし」といった属性のみに頼るような施策を検討、実施するしかありませんでした。
そのため、顧客がどのような検討、比較プロセスを経て購入、意思決定に至るのかも推測の域を出ず、アプローチ方法や顧客接点(タッチポイント)の課題を見つけることは難しかったのです。
行動データを活用できるようになってからは、顧客がいつ、どういったWebの情報を取得し、どんな行動を取ったのか、類似行動パターンの顧客はどの程度いるのか、実施しているアプローチに対してどんな反応をしたのかなど、行動データに基づいて分析や改善施策を実施することができるようになりました。

行動データに基づくマーケティングの重要性

複雑になった顧客行動を可視化できる

かつては、新聞やテレビなどマスメディアでプロモーションをすれば広く認知され、商品やサービスの購入までつなげることが出来ていました。しかし現代ではスマートフォンが普及し、口コミ等第三者の評価を重視、参考にして、いくつか商品やサービスを比較検討し購入するようになりました。このように近年では、購入の意思決定までの顧客行動が複雑化しています。
このように複雑となった顧客行動を可視化するのが、行動データの分析です。
例えば優良顧客の特定や抽出が難しいという課題の場合、行動データを分析、活用して購入までの動線を理解することで、「誰が、何の商品を購入したのか」など知ることができます。顧客の行動を分析する事で、新たな施策を検討、実施する事が可能になります。

適切な施策の検討、実施ができる

顧客行動をデータとして可視化する事で、特定な問題において推測ではなく、データに基づいた適切な施策の実施ができます。
例えば「ある商品を購入した人がリピートするか?」を行動データから分析するとします。すると、2回目以降はワンランク上の別の類似商品を購入していることが判明しました。「質」を重視する顧客が多い事を事実として把握でき、この判明したデータから高品質な商品を増やし、特定の商品を購入した顧客には類似となる、高品質商品をお勧めするという施策を実施できます。
また、ターゲット設定を実際にニーズのある層とは乖離のある間違った層に設定をしてしまい、ターゲットを間違えてしまっているという事も多くあります。
こういったケースでも行動データを分析、活用することで、データに基づいた実際にニーズのある正しいターゲット設定ができるようになります。

正確な分析と施策の実行ができる

行動データを収集することで、正確な分析と施策の実行ができるようになります。
例えば、ECサイトの売り上げが減少しているという課題がある場合、正しく状況を確認する必要があります。
行動データから「ページを往来している」「離脱率が高く出ている」ということが確認できた際、課題としてサイト自体の導線設計に問題があり、改善の必要性があると考えることができます。
また、行動データでユーザー体験、UX(ユーザーが製品を通じて得られる体験)を改善し、さらに行動データを集めることが出来ます。「離脱率が高く出ている」などの原因を考える際、「具体的に顧客はどういった状況なのか」を把握でき、正しい施策の検討実施ができるでしょう。

行動データの収集方法

行動データの収集方法は様々ですがWebサイトに訪問したユーザーのCookie(クッキー)情報を活用する方法は一般的です。

Cookie情報とは、Webサイトの訪問者の訪問回数やIDなどを一時的に保存する仕組みです。ユーザーの識別を目的にIDや閲覧情報などを記録しておくことで「再び訪れたユーザーが別のWebサイトに遷移してもログイン状態を保つ」などの場面で活用される技術です。

Cookie情報は、閲覧したWebサイトが、個人のデバイス(パソコンやスマホ)の中に一時的に保存する情報のことで、正しく利用されればWebサイトの閲覧を快適にしてくれる仕組みです。ただし、中身はユーザーが取った行動を記録する技術で個人情報でもあります。

企業がCookie情報を活用すれば自社Webサイトを訪問したユーザーが、これまでにどのWebサイトを訪問したか、その後どのWebサイトを訪問するかという情報を収集することが可能です。
また、ユーザーのIPアドレスにその情報を紐づければ、特定のユーザーがどんな行動をとっているのか、技術的には現状見ることができます。

しかし近年、個人情報の保護という観点から、Cookie規制の動きが加速しています。
現在は、このCookieを代替する技術の検討がGoogle等でも行われています。

関連記事:個人情報はどう守る?加速するCookie規制とブロックチェーン技術応用の可能性について

その他の行動データとして、SNSでのコンテンツ投稿も挙げられます。そのユーザーがSNS上で、どのような発信やリアクションをしているかという情報を収集することでユーザーの興味関心を知ることができるのです。

また、GPS位置情報はリアルな行動データに該当します。スマートフォンでアプリを利用する際に「位置情報を送信してもよろしいでしょうか?」という許可申請が表示され、「OK」をクリックしたことはありませんか。このような位置情報はアプリを提供している企業側で収集され、行動データとして活用されているのです。

Googleマップが提供するナビ機能をスマホのアプリで使用するとします。するとGoogle側にGPS位置情報が蓄積され、Googleはこの情報をユーザーが目的地に到達するために最も効率良いルートを探すといった機能に活かしているなどの例があります。

現状の行動データ活用

行動データ活用が可能になると多くのメリットがありますが、実際に活用ができている企業は、データサイエンティストなど専門知識担当者が在籍している場合のみです。行動データは、全ての顧客、またその行動が対象となり、そもそもの扱うデータ量が膨大であり、解釈も難しいからです。

行動データを扱うには取得された数字から背景の情報を読み解き、そこから顧客の購買に至るまでなどの行動をイメージできる能力が必要となります。ですが、このような知識を保有するデータサイエンティストを用意することは容易ではありません。その場合は、外部サービスの利用や解析ツールの導入で解決できる事もあるでしょう。

SNSから潜在顧客を見つける

「SNSデータ」からは、どのような人物が、何をつぶやき調べたかが等の情報が取得できます。SNSデータを活用し、潜在顧客を見つける事ができます。

Web行動データを分析、活用したDMで最適なアプローチ

「Web行動データ」とは、ユーザーのWeb閲覧行動を収集したデータのことです。具体的に顧客が閲覧したページのタイトルやアクセスしたURLを取得する事が出来ます。
Web行動データを活用することで、顧客それぞれにあったマーケティング施策の検討、実施から商品改善への手掛かりになります。

購買データから購買層を把握し、効果的な施策の実施

行動データから、どのような人が、いつ、どこで、なにを購入したかという購入データがわかります。この購入データから購買層をより具体的に把握することが出来、次の施策につなげられます。

行動データ活用の注意点

行動データの活用は、デジタルマーケティングに欠かせないものになりました。ですが、ユーザーに最適な情報を提供するのは簡単なことではありません。
行動データからユーザーのニーズを見出し、ある商品をおすすめとして表示しても、そのユーザーにとっては好みではなく、購入まで至らないかもしれません。行動データから読み取れることは推測の域を出ないこともあるでしょう。行動データの蓄積に基づいた施策を行うには、先述のデータサイエンティストのように、数字から背景の情報を読み解き、そこから顧客の購買に至るまでなどの行動をイメージできる能力を持ちながら、マーケティングの将来的な見通しを戦略として立てられるスキルが必要です。

まとめ

行動データの活用が可能になると、より深い顧客理解につなげることが出来ます。そのため、ユーザーの行動履歴や購買データなど、オンライン上のさまざまなデータを集めて分析し、それに適したマーケティングを行っていくデジタルマーケティングに取り組む企業にとって、行動データの分析は欠かせないものになりました。
データの蓄積、分析により、顧客のニーズにあわせた最適なタイミング、最適な内容でコミュニケーション施策のプランニングができるようになります。また、データを施策へ連携させることで全てのマーケティング施策への活用も可能です。
行動データに基づいたマーケティングで、顧客の動向を知りつつ、効率的なブランディングを進めていきましょう。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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