近年、安定したインターネット環境の整備とスマートフォンの爆発的な普及に伴い、消費者がSNSに触れる機会は増加し、SNSを利用することが日常的に浸透しています。
SNSは私たちの暮らしの中に当たり前に存在し、日々成長を遂げていますが、「そもそもSNSとはどのようなものなのか」を理解せずに活用している方もまだまだ多いのではないでしょうか。
また、企業やマーケターの間でビジネスの展開にSNSを活用する「SNSマーケティング」も活発におこなわれ、さまざまな職種において多くの注目を集めています。SNSマーケティングは、効果的な顧客獲得や商品PRの手段として重要性を増しています。
本記事では、「SNSとは?」という基本的な部分から、SNSマーケティングやソーシャルメディアとの違いについて詳しくご紹介していきます。また、SNS広告の特徴や活用方法についても解説し、ビジネスにおけるSNSの重要性を探ります。
ソーシャルメディアとSNSの違いを理解することは、効果的なオンラインマーケティング戦略を立てる上で非常に重要です。両者の特性を活かしたアプローチにより、より幅広い層へのリーチが可能となります。
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目次
SNSとは
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、現代のデジタルコミュニケーションの中心的存在です。SNSとは、人々がオンライン上でつながり、情報を共有し、交流するためのプラットフォームを指します。
SNSの特徴は、ユーザー同士のつながりを重視していることです。友人や家族、同じ趣味を持つ人々と簡単につながることができ、リアルタイムでコミュニケーションを取ることが可能です。また、SNSは個人のプロフィールページを持つことができ、自己表現の場としても機能します。
代表的なSNSには、Facebook、Twitter、Instagram、LinkedInなどがあります。これらのプラットフォームは、それぞれ独自の特徴を持ち、ユーザーの目的に応じて使い分けられています。例えば、Facebookは幅広い年齢層に利用され、Instagramは視覚的なコンテンツに特化しています。
SNSの利用は、個人だけでなく企業にとっても重要なツールとなっています。企業はSNSを通じて顧客とのコミュニケーションを図り、ブランドイメージの向上や商品・サービスの宣伝に活用しています。このような企業によるSNS活用は、SNSマーケティングとして注目を集めています。
SNSの普及により、情報の拡散スピードが格段に上がりました。ユーザーは自身の体験や意見を即座に共有でき、それが瞬時に多くの人々に届きます。この特性は、バイラルマーケティングにも活用されています。
一方で、SNSの利用には注意も必要です。個人情報の取り扱いやプライバシーの問題、フェイクニュースの拡散などの課題も存在します。ユーザーは、SNSリテラシーを身につけ、適切な利用を心がけることが重要です。
SNSは、テクノロジーの進化とともに常に変化し続けています。新しい機能の追加や、ユーザーインターフェースの改善など、より使いやすく、より魅力的なプラットフォームを目指して日々進化しています。今後も、SNSは私たちの生活やビジネスに大きな影響を与え続けるでしょう。
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SNSとソーシャルメディアの違い
現代は、インターネットやスマートフォンの爆発的な普及により、ユーザーの情報発信や取得方法は多様化している状況です。場所や時間に制限されることなく、誰でも手軽に情報の発信や収集を実施することが可能です。情報発信や収集に活用が進み、多くの支持を集めるツールにソーシャルメディアが存在します。
多くの方がSNSとソーシャルメディアが同じものだと把握している場合があります。しかし、SNSとソーシャルメディアは異なるもの、SNSはソーシャルメディアの中に存在する一つの種類として捉えることができるのです。
いわゆるソーシャルメディアとは、比較的新しいメディアのあり方であることを理解しておきましょう。一般的にメディアを想像すると、TVや雑誌などを連想する方が多い傾向にあります。ソーシャルメディアはインターネット環境を活用して、人対人の情報のやり取りを基としたメディアのことを指し、「誰もが参加可能である、双方向発信メディア」を表わします。このようなことからソーシャルメディアは、「メディア」の一つであるということが理解できます。代表例として、ブログやYouTubeなどの動画共有サイト、食べログなどの情報共有サイトがあげられます。
前述の通り、SNSは情報伝達を主体とする「メディア」とは異なり、基本的にコミュニケーションの取得を主な目的とした媒体です。このようなことから、SNSはソーシャルメディアの中に存在する一種であり、主に「ユーザー対ユーザー」や、そのユーザーとの関係性に重きが置かれたコミュニケーション要素に特化したソーシャルメディアであるということをしっかりと理解しておきましょう。SNSの代表例はTwitter・Instagram・LINE・Facebookなどが考えられます。
ソーシャルメディアとSNSの違いを理解することは、効果的なデジタルマーケティング戦略を立てる上で重要です。ソーシャルメディアは幅広い概念で、SNSはその一部として位置づけられます。例えば、企業がブログを運営する場合、それはソーシャルメディアの一形態ですが、SNSではありません。一方、InstagramやTwitterでの企業アカウントの運用は、SNSマーケティングの一環となります。
また、ソーシャルメディアとSNSの違いは、ユーザーの利用目的にも表れます。ソーシャルメディアは情報の共有や発信が主な目的であるのに対し、SNSはユーザー間のつながりや交流に重点が置かれています。この特性を理解することで、企業は適切なプラットフォームを選択し、効果的なコンテンツ戦略を立てることができます。
さらに、ソーシャルメディアとSNSの違いは、データの収集や分析の方法にも影響を与えます。SNSでは、ユーザーの行動やインタラクションに関する詳細なデータを得やすく、これらのデータを活用したターゲティング広告や顧客分析が可能です。一方、ブログなどのソーシャルメディアでは、コメントやシェアの数など、異なる種類のデータが重要となります。
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SNSマーケティングとは
近年注目が集まり続けるSNSマーケティングとは、前述の通り「ソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)」をビジネスやサービスの展開に活用することで、企業と顧客層のコミュニケーション取得の活発化を目指すマーケティング手法です。
企業は、SNSという強力なツールを活用し、展開するビジネスやサービス、商品を効果的に発信できることで、より多くのユーザーへの周知のきっかけや、共感を得ることができます。また、提供する商品やサービス、ビジネスへの理解を継続的に促し、企業のブランド力の拡大や、一人でも多くのファンを増やすこと、購買や継続購入などに繋げるといった重要性を持ちます。
SNSマーケティングの特徴として、リアルタイムでの情報発信や双方向のコミュニケーションが可能な点が挙げられます。これにより、企業は顧客の声をダイレクトに聞くことができ、迅速な対応や改善につなげることができます。さらに、SNSの特性を活かしたバイラル効果も期待でき、口コミによる情報拡散も促進されます。
また、SNSマーケティングでは、各プラットフォームの特性を理解し、適切な戦略を立てることが重要です。例えば、Instagramでは視覚的なコンテンツが重要となり、Twitterでは短文で魅力的なメッセージを発信することが求められます。そのため、企業は自社のブランドイメージや目的に合わせて、最適なSNSプラットフォームを選択し、効果的なマーケティング活動を展開することが求められます。
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他のマーケティングとの違い
近年、多くの企業やマーケター間で実施されるマーケティング手法は「ストック型」と「フロー型」の二種類に大きく分けて考えることができます。今回ご説明しているSNSマーケティングは、フロー型に分類されるので覚えておきましょう。
「ストック型」と「フロー型」の特徴を簡単にご説明していきます。
【ストック(蓄積)型マーケティング】
・Web上で投稿するブログ記事や映像に特化したコンテンツなどが該当
・さまざまなコンテンツの蓄積を実施することにより、目標に掲げるビジネスへのアクセス数増加を試みる手法
・効果的に機能させることで継続的な収益獲得に繋がる
【フロー型マーケティング】
・SNS、メールマガジン、Web広告(リスティング・ディスプレイ広告)などが該当
・ストック型マーケティングで目的とするコンテンツの蓄積と異なり、「毎秒・毎日・毎時間」といった細かな単位で「フロー(流れて)」展開されるコンテンツ
・比較的短期間での収益獲得に繋がる
SNSはフロー型マーケティングに分類されるため、毎日欠かさずに実施していく継続的な取り組みが非常に重要な要素を持ちます。ただ単に投稿すれば良いという訳ではなく、継続的な取り組みの中でユーザーにとって有益となる情報をフィルタリングした上での発信と投稿が大切になります。
また、近年はインターネット回線の普及や、スマートフォンの浸透により、インターネット上には無数の情報が溢れかえっています。企業やマーケターは自身が展開するビジネスやサービス、商品を効果的に目的のユーザーに届けることは非常に難しい時代へと変化しているのです。そのため、活用できるマーケティングツールをできるだけ多く使用しアプローチを行うことも重要です。
SNSマーケティングの特徴として、ユーザーとの双方向のコミュニケーションが可能な点が挙げられます。これにより、企業は顧客の声を直接聞くことができ、リアルタイムでフィードバックを得ることができます。また、ソーシャルメディアの特性を活かし、viral marketing(口コミマーケティング)効果も期待できます。
企業やマーケターにおけるマーケティング活動では、SNSの「フロー型マーケティング」だけを実施するのではなく、例えば企業のオウンドメディアやブログのような「ストック型マーケティング」である蓄積型コンテンツを併用してビジネスの運営を行う流れも主流になりつつあります。この統合的なアプローチにより、短期的な効果と長期的な価値の創出を同時に狙うことができます。
SNS利用ユーザーの爆発的な増加
株式会社ICT総研が実施した「2020年度 SNS利用動向に関する調査」によると、2015年末には65.3%だった国内のSNS利用率は、2020年末には80.3%にまで伸びています。また、2022年末には83.3%に達すると見込まれています。このようなソーシャルメディアの急速な普及により、SNSマーケティングの重要性が高まっています。
また、企業でのSNS活用も活発化しています。
株式会社タナベ経営の2021年12月の調査によれば、現在取り組んでいる販促・プロモーション施策についての設問で「SNS(広告を除く)」と回答した企業に対して「活用しているソーシャルメディア」について尋ねたところ、すべての企業が「Facebook」を活用していることが明らかになりました。
以下、「Instagram」が66.94%、「LINE」が50.67%、「YouTube」が50.00%、「Twitter」が32.76%と、企業でのSNS活用が進んでいるのです。これらの数字は、ソーシャルメディアとSNSが企業のマーケティング戦略において不可欠な要素となっていることを示しています。
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SNS検索を実施するユーザーの増加
これまでは一般消費者に見られる代表的な検索行動は、GoogleやYahoo!が提供を行う、検索エンジンを活用しさまざまな情報を収集するといったことが一般的でした。しかし近年では、SNSから一般消費者が必要とする情報を収集する動きが多く見られるように変化しています。総務省発表の令和元年の調査によればSNS利用ユーザーのSNS利用目的には、コミュニケーションの取得目的での利用率が1位ですが、次に「知りたい情報を収集する目的のため」がランクインしています。その割合は、平成30年に比べ6ポイントほどアップしているのです。
この傾向は、ソーシャルメディアとSNSの違いを反映しています。ソーシャルメディアが情報発信や共有を主な目的とするのに対し、SNSはユーザー間のコミュニケーションを重視します。しかし、SNSの進化により、両者の境界線が曖昧になりつつあります。ユーザーはSNSを通じて、リアルタイムの情報や口コミ、トレンドを効率的に収集できるようになりました。
このSNS検索の増加は、SNSマーケティングの重要性をさらに高めています。企業は自社のSNSアカウントを通じて、製品やサービスに関する情報を効果的に発信し、ユーザーの検索ニーズに応えることができます。同時に、ユーザーとの直接的なコミュニケーションを通じて、ブランドイメージの向上や顧客ロイヤリティの構築にも繋がります。
SNS広告とは
現代のビジネス市場には欠かせない存在に「SNS広告」が挙げられます。SNS広告とは、世界的に多くのユーザーが利用する「Twitter・Instagram・LINE・Facebook」などのソーシャルメディアを使用し、そのプラットフォーム内に企業やマーケターが展開するビジネスやサービス、商品の広告を配信することが目的とします。
日々、SNSを使用していると、自身の興味関心に沿った内容の商品やサービスの広告がプラットフォーム内に現れるといった場面を経験したユーザーも多いのではないでしょうか?これらの広告は、ユーザーの行動履歴やプロフィール情報を基に、精密なターゲティングを行うことで表示されています。
以前はSNS広告がここまで注目されることはありませんでしたが、時代の流れと共に企業やマーケターが消費者との接点を構築するための重要なツールであることを再認識し、実際に展開するビジネスやサービスの拡大に効果的に寄与することへの理解が深まりました。また、SNSは日々アップデートが実施されることで、利用ユーザー目線やビジネス目線で見ても年々利便性は向上していくのです。
現在は、「テキスト+バナー」だけの広告表示だけには留まらず、クオリティの高い映像を使用した動画形式のSNS広告や、カタログ形式の広告、アピールしたい商材の写真を複数枚掲載することが可能であるカルーセル機能など、広告出稿の目的に見合ったさまざまな形式を選択し、訴求するSNS広告も増加傾向です。これらの多様な広告フォーマットにより、企業は自社の商品やサービスをより効果的にアピールすることが可能となっています。
消費者の検索結果に連動して広告が表示される、Web広告の代名詞でもある「リスティング広告」と同様に、SNS広告は「運用型広告」に分類され「予算・ターゲット目標・クリエイティブ・配信手法」などの改善を日々実施していくことで、広告効果を最大化させるといった特徴があります。さらに、SNS広告の大きな利点として、リアルタイムでの広告パフォーマンス測定や、柔軟な予算調整が可能であることが挙げられます。
このように、SNS広告はソーシャルメディアの特性を活かした効果的なマーケティングツールとして、今後さらなる進化と普及が期待されています。企業やマーケターは、SNS広告を活用することで、より多くの潜在顧客にリーチし、ブランド認知度の向上や売上の増加を図ることができるのです。
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まとめ
本記事では、「SNSとは?」という基本的な部分から、SNSマーケティングやソーシャルメディアとの違いについて詳しくご紹介してきました。
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、人々のコミュニケーションを促進し、情報共有を容易にする強力なツールです。ソーシャルメディアの一種であるSNSは、企業やマーケターにとって貴重なマーケティングプラットフォームとなっています。
SNSマーケティングは、従来の広告手法とは異なり、双方向のコミュニケーションを可能にし、ターゲット層とのより深い関係構築を実現します。また、SNS広告を活用することで、精密なターゲティングと効果測定が可能となり、マーケティング戦略の最適化に貢献します。
今や多くの企業やマーケターの間で、活発的に活用されるようになったSNSマーケティングですが、「SNS」という大きな括りの中には、SNSをベースにさまざまなマーケティング方法が存在することが把握できました。これらの手法を適切に組み合わせることで、より効果的なマーケティング戦略を構築することができるでしょう。
今後も技術の進化とともに、SNSの機能や活用方法は変化し続けると予想されます。企業やマーケターは、常に最新のトレンドや技術を把握し、自社のマーケティング戦略に柔軟に取り入れていくことが重要です。SNSを効果的に活用することで、ブランド認知度の向上、顧客ロイヤリティの構築、そして最終的には売上の増加につなげることができるのです。