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アトリビューション分析とは?分析方法と実戦での活用方法について

2025.12.11
読了まで約 5

アトリビューション分析は、顧客がコンバージョンに至るまでに接触した、あらゆるタッチポイントの貢献度を正しく評価するための強力な手法です。近年、デジタルマーケティングの複雑化に伴い、間接コンバージョンも横断的に計測・分析できるアトリビューション分析への注目はますます高まっています。この記事では、アトリビューション分析の基本的な概念から、具体的な分析方法、そして実戦における活用方法までを詳しくご紹介します。効果的な測定方法を理解し、マーケティング投資の最適化に繋げましょう。

関連記事:CV改善を目指すアトリビューションの意味は?分析する方法や代表的なモデル

■アトリビューション分析とは?

アトリビューション分析とは、Web広告の効果測定において、コンバージョンに至るまでの顧客の経路(カスタマージャーニー)における各タッチポイントの貢献度を評価する手法です。特に、直接的なコンバージョンだけでなく、間接的なコンバージョン(ビュースルーなど)も考慮に入れることで、より精緻な広告効果の把握が可能となります。

以前は最後にクリックされた広告しか評価できなかった

アドネットワークが普及する以前は、広告効果の測定は主に「ラストクリック」モデルに依存していました。これは、コンバージョンに直接つながった最後のクリックのみを評価対象とする方法です。そのため、たとえ複数の広告に顧客が接触していたとしても、実際にクリックされた広告だけが評価され、それ以前の広告接触の貢献度は無視されていました。顧客は、最初に関心を持った広告や、情報収集のために参照した広告などを経て、最終的にコンバージョンに至ることが多いため、この評価方法では、広告キャンペーン全体の最適化が困難でした。

間接コンバージョンが評価できるようになっても重複が発生していた

アドネットワークの登場により、ビュースルーコンバージョン(広告を直接クリックしなかったものの、その後コンバージョンに至ったケース)の計測が可能となり、間接コンバージョンの評価が進みました。しかし、この段階では、コンバージョン計測が各メディア(広告配信プラットフォーム)ごとに個別に行われることが一般的でした。その結果、同じ顧客が複数のメディアで広告に接触し、コンバージョンに至った場合に、コンバージョンが重複してカウントされてしまうという課題が発生していました。

3PASにより複数メディアのコンバージョンが評価可能になった

メディア間のコンバージョン重複の問題は、広告の第三者配信(3PAS: Third Party Ad Serving)の普及によって解決されました。3PASは、広告配信を外部の第三者プラットフォームが一元管理する仕組みです。これにより、直接コンバージョンに至るまでの、すべての間接コンバージョンを、重複なく正確に計測することが可能になりました。アトリビューション分析は、このように3PASによって正確に計測されたコンバージョンデータを基に、各タッチポイントの貢献度を評価するための分析手法として、近年その重要性が高まっています。

アトリビューションモデルの種類

アトリビューション分析を実践するには、コンバージョンに至るまでの各顧客接点(タッチポイント)の貢献度をどのように評価するかを定義する「アトリビューションモデル」を設定する必要があります。これらのモデルは、顧客の購買行動における各チャネルの役割を理解し、マーケティング予算の最適な配分を決定するための重要な基盤となります。

アトリビューションモデルには、様々な種類が存在します。代表的なものとして、以下のようなモデルが挙げられます。

  • 成果配分モデル(Position-Based Models): 比較的シンプルで理解しやすく、多くのマーケターに利用されています。コンバージョン経路上のタッチポイントに、あらかじめ定められたルールに基づいて貢献度を配分するモデル群です。
  • ベイジアン・ネットワークモデル(Bayesian Network Models): 確率論に基づき、変数間の複雑な依存関係をモデル化します。
  • マルコフ連鎖モデル(Markov Chain Models): 状態遷移の確率を基に、ある状態から次の状態へ移行する過程を分析します。
  • ボルツマンウェイトモデル(Boltzmann Weight Models): 熱力学のボルツマン分布を応用したモデルで、タッチポイントの重要度を重み付けします。

ここでは、特に初心者でも導入しやすく、多くの企業で活用されている成果配分モデルに焦点を当てて解説します。成果配分モデルは、コンバージョンに至るまでの顧客のタッチポイントに、分析の目的やビジネスの特性に応じて、異なる重み付けを行うものです。

成果配分モデルには、主に以下の5つの種類があります。これらのモデルを理解し、自社のマーケティング戦略に合致するモデルを選択することが、精度の高いアトリビューション分析の第一歩となります。

1.終点モデル

終点モデルは、コンバージョンに最も近い、つまり最後のタッチポイントに100%の貢献度を割り振るモデルです。これは、アドネットワークが普及する以前の、最後のクリックにのみ広告効果を紐づける考え方に近いものです。販売サイクルが短く、顧客の検討段階が限定的なキャンペーン、例えば期間限定のセールやイベント告知などに適しています。このモデルの測定方法はシンプルですが、コンバージョンに至るまでの他の重要なタッチポイントの貢献を見落としてしまう可能性があります。

2.始点モデル

始点モデルは、顧客が最初に接触したタッチポイントに100%の貢献度を割り振るモデルです。ブランド認知向上を目的としたキャンペーンや、長期的な顧客関係構築を目指す場合に有効です。顧客がブランドを初めて知ったきっかけを重視することで、認知度向上施策の効果を測定できます。

3.線形モデル

線形モデルは、コンバージョンに至るまでのすべてのタッチポイントに均等な貢献度を割り振るモデルです。これは、顧客の購買ジャーニー全体を通じて、全てのチャネルが同等に重要であると仮定するものです。比較的シンプルで理解しやすく、マーケティング初心者でも扱いやすい測定方法と言えます。販売サイクルが長く、顧客との継続的なエンゲージメントが重要な場合に適しています。

4.減衰モデル

減衰モデルは、タッチポイントが発生した日がコンバージョン日に近いほど高い貢献度を割り当て、古いタッチポイントほど貢献度を低くするモデルです。これは、コンバージョンにより近い行動が、より直接的な影響を与えると考えるアプローチです。終点モデルと同様に、販売サイクルが比較的短く、直近の施策の影響を重視したいキャンペーンに適しています。

5.接点ベースモデル

接点ベースモデルは、始点と終点のタッチポイントの貢献度を高く設定し、その間のタッチポイントの貢献度を低くするモデルです。このモデルは、顧客がブランドを認知する最初のきっかけ(始点)と、最終的に購入を決定する最後のきっかけ(終点)の両方を重視します。ブランド認知の醸成と、直接的なコンバージョン獲得の両方の効果をバランス良く評価したい場合に有効な測定方法となります。

アトリビューション分析のBtoBでの活用方法

アトリビューション分析の考え方は、BtoBマーケティングにおいて特に有効です。なぜなら、BtoBビジネスでは、顧客との関係構築に時間を要し、いくつものタッチポイントや複雑な経路を考慮しながら販売戦略を構築することが一般的だからです。

BtoB企業では、マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入しているケースが多く見られます。MAツールは、以下のような多岐にわたるリードナーチャリング施策の効果測定に活用できます。

  • 展示会やセミナーへの参加
  • ブログ記事、動画コンテンツ、プレスリリースの閲覧
  • SNSやメールマガジンでの情報接触
  • テレビ・新聞などのオフライン広告
  • 営業担当者からの直接的なアプローチ

アトリビューション分析をBtoBで活用する際の主要な方法の一つは、このMAツールと連携させることです。MAツールで収集された顧客の行動データと、アトリビューション分析によって可視化された広告やコンテンツの貢献度を照らし合わせることで、より精緻な分析が可能になります。アトリビューション分析単体では、コンバージョンに至ったリードが、最終的にどれだけ商談や成約に繋がったかまでは分析できません。しかし、MAツールと連携させることで、実際のビジネス成果(商談数、受注額など)を参照しながら、Web広告の配信戦略やコンテンツマーケティングの施策を最適化していくことができます。アトリビューション分析を導入することにより、BtoB企業は、より包括的かつ効果的なマーケティング戦略を立案し、ROI(投資対効果)の最大化を目指すことが可能になります。

まとめ

アトリビューション分析とは、顧客がコンバージョンに至るまでのすべてのタッチポイントにおける広告の貢献度を評価する測定方法です。
◆ 以前は最後のタッチポイントしか評価できませんでしたが、アドネットワークや3PASの登場により、間接コンバージョンも重複なく計測できるようになり、マーケティングにおける広告効果測定の精度が向上しました。
◆ アトリビューションモデルには複数の種類がありますが、特に「成果配分モデル」は初心者でも理解しやすく、終点モデル、始点モデル、線形モデル、減衰モデル、接点ベースモデルといった考え方があります。
◆ BtoBにおいては、マーケティングオートメーション(MA)と連携させることで、実際のビジネス成果を参照しながらWeb広告の配信を最適化し、より総合的かつ効果的なマーケティング戦略を立案することが可能です。この測定方法を理解し活用することが、現代のデータドリブンなマーケティング活動において不可欠となっています。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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