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cookie規制によってマーケティングがどうなる?マーケティングの今後を解説

2020.5.26
読了まで約 3

個人情報の取り扱いが厳格化されている昨今、cookie規制の波は世界的に活発化しています。
マーケティング業界においては、cookieの技術を活用する現行の仕組みから、cookieに依存しないマーケティング戦略について考えていく必要があるでしょう。

この記事では、cookie規制がマーケティングに与える影響をご説明するとともに、cookie規制によって変わるマーケティング業界の今後について解説します。

 

cookie(クッキー)規制がマーケティングに与える影響

「cookie」(クッキー)とは、ユーザーがWebページにアクセスした際の情報を一時的に保存する仕組みです。
Webページの閲覧履歴からユーザーの興味や趣向を推測できるため、マーケティングにおいて広く活用されてきましたが、現在はcookie規制の動きが世界的に広がっています。
日本も例外ではなく、2020年3月に閣議決定された個人情報保護法の改正により、cookieなどの電子情報を商用利用する際の条件が厳格化されました。

日本ではcookieを個人情報保護法の対象としているわけではありませんが、ユーザーの個人情報と紐づく形で利用した場合は規制の対象となる可能性があります。
一方、EUのGDPR、アメリカのCCPAといった世界的に知られる個人情報保護に関する法律では、ブラウザの識別など直接個人情報と結びつかない情報も規制の対象となっています。

このように、日本のcookie規制はEUやアメリカの規制と比べるとそれほど厳しいものではないと考えられます。
しかし、cookieに依存してきたマーケティング、特に一度アクセスしたユーザーの追跡、特定のユーザーと類似するユーザーの追跡を行ういわゆる「ターゲティング広告」への影響は大きいと考えられます。
ターゲティング広告では、ユーザーの閲覧履歴や行動履歴などのcookie情報が使われています。
現状のターゲティング広告はcookieに依存しているため、規制が進み利用が制限された場合、ターゲティングの精度が落ちることは避けられないでしょう。

また、「サードパーティcookie」という第三者から発行されるcookieを利用してきたプラットフォームへの影響も避けられません。
すでにApple社が提供するSafariなどのブラウザにおいてサードパーティcookieのサポート廃止は進んでいましたが、2020年1月にGoogle社のChromeにおいても2022年を目処にサードパーティcookieのサポートを廃止する旨を発表しています。
世界中で進むcookie規制の波は、マーケティングの在り方を大きく変えつつあるのです。

参考記事:なぜcookie規制が行われるのか?cookieの基本と規制の背景を解説

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

 

cookie規制によってマーケティングはどう変わる?

cookie規制が行われても、データの取得そのものが禁止されているわけではありません。
ただし、Webページの閲覧履歴といった情報は企業のものではなく、ユーザー自身のものです。企業はユーザーに不利益が発生しないよう、より一層注意しなければなりません。

とはいえ、ユーザーはショッピングサイトやSNSなど、cookieによって最適化されたサービスには慣れているのが現状です。
ショップカートに入れた商品やログインID・パスワードが記憶されることで再度選択・入力する手間が省けるため、cookieはユーザーにとっても便利な一面があります。
cookieを使用されたくない場合はプライベートモードに切り替えるなど、ユーザー自身がcookieの利用を選択することも可能です。

よって、cookie規制の流れが今後ますます進んだとしても、ターゲティング広告やサードパーティcookieを利用する企業以外にはそれほど大きな変化はみられないでしょう。
むしろ、cookie規制によって今後はユーザーが求める良質なコンテンツを作ることがより一層有効になってくるため、cookie規制の波はマーケティング業界全体に良い影響が及ぶとも考えられているのです。

 

cookieに依存しないマーケティング業界の今後とは

cookie規制が進むことで、短期的にみればマーケティング業界に収益面でダメージが及ぶ可能性はあります。
しかし長期的に考えれば、cookieへの依存をなくし良質なコンテンツ作りに注力することで、ターゲットユーザーや広告主、ひいてはマーケティング業界全体に良い結果をもたらすことになるでしょう。

また、cookieに替わるツールの構築も進んでいます。
ハートコア株式会社が開発した「ハートコア・ビスケット」もそのひとつで、名前や住所といった個人情報を取得しなくてもユーザーの特定が可能です。
これは、ユーザーの過去の行動履歴をデータ分析し、そのユーザーが特定のサイトにアクセスした際にどのような情報に関心を抱いているのか過去の履歴からAIが予測するというものです。
このようなcookieに依存しない新たなマーケティングツールの構築は、今後ますます広がっていくでしょう。

参考:ハートコア株式会社『使えなくなるクッキーに替わる次世代ソリューション「ハートコアビスケット」』

 

まとめ


◆個人情報の取り扱いが厳格化されている昨今において、cookie規制の動きは世界的に広がっている。

◆マーケティングにおいてcookie規制の影響が大きいのは、ターゲティング広告やサードパーティcookieを利用する企業だと推測される。

◆cookie規制の波は、短期的にみればマーケティング業界に収益ダメージが及ぶ可能性はあるものの、長期的にみればユーザーや広告主、ひいては業界全体に良い影響をもたらすものである。

 

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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