メールマガジンの施策でコンバージョン(CV)を目指すために、開封率の次に改善しなければいけない指標がクリック率です。メールを開封した見込み顧客を離脱させず、遷移先リンク(CTA)をクリック、そして誘導したいページへ遷移させることがポイントです。
本記事では、メルマガのクリック率を向上させるために必要な指標や、効果的な改善のコツを詳しく解説します。クリック率の測定方法から、業界平均の数値、そして具体的な改善策まで、幅広く取り上げていきます。これらの情報を活用することで、より効果的なメールマーケティング戦略を立てることができるでしょう。
目次
そもそもメルマガでクリック率を測定するには?
メルマガのクリック率は、メール内に設置されたURLリンクをクリックした受信者の割合のことを指します。開封率と同様に、クリック率を測定するためにはHTML形式のメールが必要です。テキストメールには開封率やクリック率を測定する機能がありません。
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クリック数を効果的に測定するには、メール配信ツールの活用が非常に有効です。これらのツールは、「受信者ごと」「メールごと」「リンクの設置箇所ごと」に計測用のトラッキングURLを発行し、詳細なデータを収集します。この仕組みにより、誰が、いつ、どのリンクをクリックしたのかを正確に把握することが可能となります。
メール内のリンクをクリックした受信者は、このトラッキングURLを経由して目的のWebページに到達します。この過程で、クリックに関する様々なデータが収集され、分析に利用されます。
メール配信ツール・マーケティングオートメーション(MA)ツールを活用することで、HTMLメールの作成やクリック率などデータ分析が容易に行えます。CMS・MA一体のマーケティングツール「Swich Plus」は直感的な操作で遷移先のLPも簡単に作成できるのでおすすめです。
このように、適切なツールと方法を用いることで、メルマガのクリック率を正確に測定し、効果的なマーケティング戦略の立案に活用することができます。
見るべき2つのクリック率と考え方
メールマガジンのパフォーマンスを評価する上で、クリック率は非常に重要な指標です。しかし、クリック率には2つの異なる種類があり、それぞれ異なる側面を測定します。これらを適切に理解し、活用することで、より効果的なメールマーケティング戦略を立てることができます。
1つ目は配信数に対するクリック率、2つ目は開封数に対するクリック率(反応率またはCTR)です。これら2つの指標は、メールマガジンの効果を異なる角度から評価するのに役立ちます。
配信数に対するクリック率は、メールマガジンキャンペーン全体の成功度を測る指標として使用されます。一方、開封数に対するクリック率(反応率またはCTR)は、メール本文の魅力度や説得力を評価するのに適しています。
これら2つの指標を併用することで、メールマガジンの各要素(件名、本文、CTA等)の効果を個別に分析し、改善点を特定することができます。そのため、メールマーケティングの最適化を目指す上で、両方の指標を注視することが重要です。
クリック率
クリック率は以下の計算式で算出できます。
クリック率(%) = 実際にクリックされた件数 ÷ 配信数 × 100
クリック率は、メルマガ施策全体の効果を俯瞰的に見るのに最適な指標です。この指標を通じて、配信したメールがどれだけ受信者の興味を引き、アクションにつながったかを把握することができます。しかし、見込み顧客の開封とクリックのアクションを含むため、メールの件名か、メール内の本文のどちらが影響しているのか評価しづらい部分があります。そのため、クリック率だけでなく、他の指標と併せて分析することが重要です。
反応率・CTR
反応率・CTRは以下の計算式で算出できます。
反応率・CTR(%) = 実際にクリックされた件数 ÷ 開封数 × 100
反応率・CTRは開封されたメールのうちクリックされた割合を表し、開封率の次に注意しなければならない重要な指標です。この指標は、メールの内容がどれだけ読者の興味を引き、行動を促したかを直接的に示します。開封したメールを読んでもらい、遷移先のWebページをクリックする割合が低ければ、メール内の文章や遷移先リンク(CTA)を改善する必要があります。
具体的には、以下の点に注目して改善を図ることができます。
・メール本文の魅力度
・CTAの配置や表現
・提供する価値の明確さ
・ターゲット層とのマッチング
クリック率はメルマガ全体でクリックされた割合を見る指標であり、反応率・CTRは開封されたメールのうちクリックされた割合を見る指標であることを理解しておきましょう。これらの指標を適切に活用することで、メールマーケティングの効果を最大化することができます。
目安となる平均のクリック率
メルマガ施策を開始した当初は、開封率やクリック率の数値を見ても、その成果を正確に判断することが難しい場合があります。そこで、業界標準の参考値として、Constant Contact社が実施した大規模調査のデータが非常に有用です。
この調査では、2億通を超えるメルマガのデータを分析しています。その結果によると、全業種におけるクリック率の平均値は1.27%となっています。さらに詳細に見ると、業界別のクリック率平均は0.5%から2.9%の範囲に分布しています。
参考までに、同調査における他の重要指標も紹介します。
・開封率の全体平均:29.55%
・バウンス率の全体平均:9.95%
これらの数値は、2022年2月時点のデータに基づいています。
参照:Average industry rates for email as of February 2022
自社のメルマガ施策を評価する際は、まず自社が属する業界の平均クリック率を1つの目安として設定し、そこから段階的に改善を図っていくアプローチが効果的です。ただし、これらの平均値はあくまでも参考値であり、自社の特性や目標に応じて適切な数値目標を設定することが重要です。
また、クリック率の改善を目指す際は、単に数値を上げることだけでなく、メルマガの内容の質や読者にとっての価値も同時に向上させることが大切です。長期的には、読者との信頼関係を構築し、継続的なエンゲージメントを維持することが、安定したクリック率の向上につながります。
クリック率をアップさせる方法は?そのコツ
クリック率を改善するためには、受信者の興味を引き、行動を促す効果的な戦略が必要です。ファーストビューとCTAの最適化は、その中でも特に重要な要素です。
ファーストビューは、メールを開いた瞬間に目に入る部分であり、読者の注目を集める絶好の機会です。ここで強力なメッセージを伝えることで、読者の興味を引き付け、さらに読み進めてもらうことができます。
CTAは、読者に具体的な行動を促す重要な要素です。明確で魅力的なCTAを適切に配置することで、クリック率を大幅に向上させる可能性があります。
これらの要素を効果的に活用するためのコツについて、以下で詳しく解説していきます。適切な戦略を立てることで、メルマガのパフォーマンスを向上させ、より多くの読者を目的のページへと導くことができるでしょう。
ファーストビュー
メールを開封した受信者が最初に目にするファーストビューは、反応率・CTRを改善する上でより大きなインパクトを与えられる部分です。ファーストビューの冒頭の文章は、プリヘッダーにも表示されるため、開封率にも良い影響が出る可能性があります。
冒頭の部分で「このメルマガを読む必要がある」と感じさせることが重要です。メルマガの件名のように、メリット(有益性)や限定感(緊急性)、特別感(独自性)、数値(具体性)を用いた4Uの原則を意識しながら文章を作っていきます。
そして、見出しや画像を上手く使い、メール全体を見やすくしていきましょう。また、ファーストビューには必ず遷移先リンク(CTA)を設置します。読者の興味を引き付け、すぐにアクションを起こせるようにすることが大切です。
効果的なファーストビューを作成するためには、以下の点に注意しましょう。
・簡潔で魅力的な見出しを使用する
・重要な情報を最初に提示する
・スキャンしやすいレイアウトを心がける
・読者にとって価値のある内容を強調する
・モバイルデバイスでの表示を考慮する
これらの要素を組み合わせることで、読者の興味を引き、クリック率の向上につながるファーストビューを作成できます。
CTA
遷移先のリンク(CTA)は、ボタン形式とアンカーテキストの両方を設置するとよりクリックされやすくなります。メール本文のなかで、遷移先のページに関する表記部分に遷移先のリンクを設定します。また、「詳細・申込はこちら」などクリックを促すボタンも一緒に設置します。
また、CTAは1つのメールにつき1つに絞るようにしましょう。複数のリンクが設置されていると遷移先が散らばってしまい、コンバージョンさせたいページへ遷移させることが難しくなります。
CTAの色やデザインも重要な要素です。メールの全体的なデザインと調和しつつ、目立つ色やサイズを選択することで、クリックを促進できます。さらに、CTAの周りに十分な余白を設けることで、ユーザーの注目を集めやすくなります。
CTAの文言も工夫が必要です。「今すぐチェック」「限定オファーを見る」など、行動を促す言葉を使用することで、クリック率を向上させることができます。また、CTAの前後に、クリックすることで得られるメリットや緊急性を強調する文章を配置するのも効果的です。
まとめ
今回はメルマガのクリック率について、見るべき指標や改善するコツについて紹介しました。クリック率はメルマガ全体の効果を見るのに適していますが、クリック自体の改善効果を見るには反応率・CTRが適切です。
そして、メルマガを開封直後に見るファーストビューやCTAを工夫しながら、クリックをしてもらえるように改善していくことが重要です。これらの要素に注目し、継続的に改善を行うことで、メルマガの効果を最大化することができます。
また、業界平均のクリック率を参考にしつつ、自社の目標設定を行い、段階的に改善を進めていくことをおすすめします。クリック率の向上は、最終的にコンバージョン率の改善にもつながるため、メルマガマーケティングの成功には欠かせない要素といえるでしょう。