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SQLとはなにか?データベース言語の基礎知識

2024.9.19
読了まで約 5

SQLやデータベースなど、頻繁に聞く言葉であるものの、意味やその内容が難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。データを扱う人にとって、SQLへの理解は必要不可欠です。SQLは、ビッグデータの分析にも活用されるデータベース言語であるため、ビッグデータを取り入れたデジタルマーケティングとも関連があります。

そこで本記事では、SQLやデータベースの概要を解説するとともに、SQLに対応しているデータベースをご紹介します。SQLやデータベースが一体何なのか良くわからない方は、ぜひ本記事を参考に学習してください。

SQLとはなにか

SQLとは、データベースの操作を行う言語のことです。正確には、SQLによってデータベースの中でもRDB(リレーショナルデータベース)から、検索クエリに基づいた情報を抽出する処理を行います。SQLを使用することで、データベースの中にデータを入れたり、逆に既存のデータを除いたり、書き換えたりすることが可能です。

関連記事:クエリ(query)とはなにか?SEO、IT用語として使われている様々な意味を解説

SQLはISO(国際標準化機構)によって規格が標準化されているため、代表的なデータベースはすべてSQLを用いて操作できます。

正式な発音は「シークェル」ですが、一般的には「エスキューエル」と呼ばれる場合が多いでしょう。

データベースとはなにか

データベースとはデータの集まりのことです。そのため、スマートフォンに入っているアドレス帳やLINEの友だち一覧もデータベースであると言えます。データベースはただデータが集約されているだけではありません。データベースでは、データが表として整理されています。

データベース内のデータは、属性や数字などによって明確にそれぞれが区別されています。そのため、データベース内で検索をかけてデータを探したり、データを中で区別したりすることができるのです。

ちなみに、SQLで扱うRDBは決まった定義の上で関連性のあるデータの集合体のことを言います。定義によって異なる表が作られ、それぞれの表を結びつけることで複雑なデータの処理を可能としています。

言語の違いに関して

そもそも、Webの世界で用いられる言語は大きく分けて2つです。

・ データベース言語
・ プログラミング言語

この2つの言語は、開発においてセットで用いられるため双方の理解をしておくことが望ましいです。ここからは、上記2つの言語について順に解説します。

データベース言語

データベースに入ったデータは、DBMSと呼ばれるデータの検索や更新といった管理をするシステムによって整理・操作されます。この言語ができることは、データベース内からユーザーが探したいデータを探すことのみです。プログラミング言語とデータベース言語を組み合わせることで、データの追加や削除、入れ替えなどが行えます。

プログラミング言語

プログラミング言語とは、人間がコンピューターに命令をする際に用いる言語のことです。このプログラミング言語を用いて、多くのWebサービスやアプリケーションが開発されています。データベース言語がSQLを中心とした数言語のみであるのに対して、プログラミング言語はJavaやPHPを中心に200種類以上あり、それぞれの使われ方も非常に多様です。開発するものの特性や用途に合わせて使用する言語が異なり、様々な使い分けがなされます。

SQLの種類

SQLの中には大きく分けて、下記の3種類があります。

・ データ定義言語
・ データ操作言語
・ データ制御言語

それぞれ、データベース内で利用する言語ですが、利用用途やできることが大きく異なります。
ここからは、それぞれの言語の利用用途やできることについて、順番に解説します。

データ定義言語

データ定義言語とは、オブジェクトの構造やオブジェクトの関係を定義する言語のことです。データベース内のオブジェクトとは、実際に入っている個々のデータや表そのもののことです。データ定義言語は、英語の「Data Definition Language」を略して「DDL」と呼ばれます。

データ定義言語の主な命令文とそれぞれの意味はこちらです。

・ CLEATE:オブジェクトを新たに定義する
・ ALTER:一度定義したオブジェクトの内容を変更する
・ RENAME:オブジェクト名を変更する
・ JOIN:2つ以上のテーブル同士を結合する
・ DROP:オブジェクトを削除する
・ TRUNCATE:データを一括削除する

データ操作言語

データ操作言語とは、その名の通りデータベース内のデータを操作する言語のことです。データ操作言語によって、データベースに対してデータの更新や追加、削除などを行うことが可能です。また、データ操作言語は非常に多くのパターンがあり、細かいデータの指定ができます。

データ操作言語は英語で「Data Manipulation Language」と表記されます。そのため、頭文字を取って「DML」と呼ばれることがあります。

データ操作言語の主な命令文とそれぞれの意味は以下の通りです。

・ SELECT:データベース内からデータを取得する
・ INSERT:データをデータベースに挿入する
・ UPDATE:データを更新する
・ DELETE:データをデータベースから削除する
・ MERGE:INSERT、UPDATE、DELETEを一括で実行する

データ制御言語

データ制御言語とは、データへのアクセスに制限をかける言語のことです。データを扱う上で、データの管理は非常に大切です。特に個人情報を扱う際は細心の注意を払う必要があるでしょう。このデータ制御言語によって、データベースにアクセスできる人を制限します。

また、データ制御言語はデータベースを管理する役割も担っています。データ制御言語は英語で「Data Control Language」と表記されます。そのため、頭文字を取って「DCL」と呼ばれます。

データ制御言語の命令文とそれぞれの意味はこちら。

・ GRANT:ユーザー権限を付与する
・ REVOKE:ユーザー権限を削除する
・ BEGIN:トランザクションを開始する
・ COMMIT:トランザクションを確定する
・ ROLLBACK:トランザクションを取り消す

上記で言うトランザクションとは、複数のSQLの文で構成された命令を1つにまとめてデータベース内に反映させることです。

主要な4種類のSQLデータベース言語

ここまで、SQLの概要について解説しました。ここからは、SQLを使えるデータベースについて解説します。SQLが使えるデータベースの中でも、以下が使用率の非常に高い代表的な4つのデータベースです。

・ MySQL
・ Microsoft SQL
・ PostgreSQL
・ Oracle Database

それぞれSQLを使用できる点については共通しているものの、少しずつ特徴が異なります。

MySQL

MySQLはOracle社が開発し、サポートしているオープンソースのデータベースです。商用ライセンスがあり、無料でも利用可能です。無料で使う場合は、データベース内の内容を公開する必要がありますが、有償の商用ライセンスを購入することによって、ソフトウェアが自由に閲覧されなくなります。また、商用ライセンス保持者は、公式サポートを受けられる点も強みです。

MySQLは高い柔軟性と拡張性があり、非常に多くの場面で利用されています。検索スピードが高速である点から、GoogleやYouTube、Yahoo!といった世界中で利用されているシステムにも使用されているデータベースです。

Microsoft SQL

Microsoft SQLはその名の通り、Microsoft社が開発・サポートしているデータベースです。Excelと互換性のあるデータベースである点が特徴です。多くのデータベースはコマンド入力によって操作する「CUI」が主流である一方で、Microsoft SQLは視覚的に扱える「GUI」を採用しています。そのため、Microsoft SQLでは直観的な操作が可能になっており、非常に使いやすいことが強みです。

また、Windows製品と非常に相性が良いため、Windows Serverを使う際に選択肢の1つとして挙げられます。

PostgreSQL

PostgreSQLは通称「ポスグレ」と呼ばれ、MySQLと同様にオープンソースで無償利用ができるデータベースです。また、すべての機能を利用するには有償ライセンスが必要になっており、その点でもMySQLと使い勝手は同じです。

基本的にはMySQLと扱い方は同じですが、少し扱いが難しくなっており、多くの機能を持ち合わせています。プログラミングの際に、データベースの処理を組み込みやすいため、プログラマーから好まれて使用されています。

Oracle Database

Oracle DatabaseはMySQLと同様にOracle社が開発・サポートを行っているデータベースです。近年Oracle DatabaseからMySQLに乗り換える方が増えてきています。

Oracle Databaseは費用がかかるものの、堅牢なセキュリティ体制や同時複数人編集ができないようにロックする機能によって、多くのWebサービスに使用されています。また、Oracleからのサポートが手厚い点も人気である理由の1つです。

SELECT文の使い方

最後にSQL文の代表格である「SELECT文」の使用例について紹介します。「SELECT文」はデータ操作言語のところで解説した通り、データベース内から特定のデータを探す構文です。

「SELECT文」を使う際の構文は下記の通りです。

SELECT 列名1,列名2,列名3 FROM 表名(どの表から検索するか) WHERE 抽出条件

1つ具体的な利用例を見てみましょう。NAME(名前)、AGE(年齢)、FROM(居住地)を保存するCLIENT表(顧客データ)があるとします。ここから40歳以上の顧客データを抽出する場合は下記のような文を書きます。

SELECT * FROM CLIENT WHERE AGE >= 40
※”*”は「すべて」を意味しています。

上記のSELECT文を用いることで、40歳以上の顧客データをすべて漏れなく抽出できます。

まとめ

本記事では、SQLやデータベースの概要を解説するとともに、SQLが利用できるデータベースを紹介しました。SQLはビッグデータを扱う必要がある現代において、必ず理解しておくべき言語です。

プログラマーもSQLをマスターできれば、開発可能な範囲が増えていくでしょう。特にSQLの中でもデータ操作言語は非常に使用頻度が高い言語です。まずはデータ操作言語の習得から目指してみてはいかがでしょうか。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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