SEO対策で評価を高めるうえでも、robots.txtの適切な運用は大きな鍵となります。robots.txtを適切に使うことで、Webサイト内で優先的に評価してほしいページが評価されるようになるからです。
しかし、robots.txtがSEO対策として有効であることは知っているものの、実際にどのような役割を持っているのか、なぜSEO上で大切なのか詳しく理解していない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、robots.txtの基本的な意味や設定方法、robots.txtに関する注意点まで網羅的に解説します。また、robots.txtの重要性や、SEO対策における具体的な活用方法についても触れていきます。
自社のWebサイトを運用している人や、SEOを強化したWebメディアを運用したいと考えている人はぜひ参考にしてください。さらに、Web開発者やデジタルマーケティング担当者にとっても、robots.txtの正しい理解と活用は必須のスキルとなっています。
この記事を通じて、robots.txtの基本から応用まで、幅広い知識を身につけることができるでしょう。SEO戦略の一環として、robots.txtを効果的に活用し、サイトのパフォーマンス向上につなげていきましょう。
目次
robots.txtとは?
robots.txtは、検索エンジンのクローラーに対して、Webサイト内の特定のコンテンツをクロールするかどうかを指示するためのファイルです。このファイルは、Webサイトのルートディレクトリに配置され、クローラーがサイトにアクセスする際に最初に参照します。
robots.txtの主な役割は、クローラーの動きを制御することです。これにより、Webサイト運営者は、どのページやディレクトリをクロールさせるか、あるいはクロールさせないかを細かく指定できます。例えば、管理画面や非公開ページなど、検索結果に表示させたくないコンテンツへのアクセスを制限することができます。
適切にrobots.txtを設定することで、Webサイト内の重要なコンテンツに対するクロールの頻度が相対的に高まり、SEO評価を受けるまでの期間を短縮できる可能性があります。これは、クローラーのリソースを効率的に使用し、重要なページにより多くの注目を集めることができるためです。
ただし、robots.txtはあくまでもクローラーへの「お願い」であり、必ずしもすべてのクローラーがこの指示に従うわけではありません。また、robots.txtでクロールを制限しても、そのページが完全に非公開になるわけではないことにも注意が必要です。
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robots.txtとnoindexは何が違う?
robots.txtとnoindexは、どちらもウェブサイトのSEO対策において重要な役割を果たしますが、その機能と目的は異なります。
robots.txtは、クローラーに対してウェブサイト内の特定のページやディレクトリへのアクセスを制御するためのファイルです。主にクロールの効率化や、非公開にしたいコンテンツへのアクセス制限に使用されます。
一方、noindexは、HTMLのメタタグまたはHTTPヘッダーで指定され、クローラーにそのページをインデックスしないよう指示します。つまり、クローラーはページを読み取ることはできますが、検索結果には表示されません。
主な違いは以下の通りです。
- 機能の範囲:
- robots.txt:ウェブサイト全体または特定のディレクトリに対して適用
- noindex:個別のページに対して適用
- クローラーの動作:
- robots.txt:指定されたページやディレクトリへのクロールを防ぐ
- noindex:クロールは許可するが、インデックスを防ぐ
- 適用の柔軟性:
- robots.txt:ウェブサイトのルートディレクトリに1つのファイルで管理
- noindex:各ページごとに個別に設定可能
- セキュリティ:
- robots.txt:公開されるため、センシティブな情報の指定は避けるべき
- noindex:HTMLに埋め込まれるため、より安全
- 検索結果への影響:
- robots.txt:クロールされないため、新しいコンテンツは検索結果に表示されない
- noindex:既にインデックスされているページは、時間とともに検索結果から削除される
これらの違いを理解し、適切に使い分けることで、効果的なSEO戦略を立てることができます。
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robots.txtとnoindexを使い分けるタイミング
robots.txtとnoindexは、それぞれ異なる目的で使用されます。robots.txtは、クローラーに対してWebサイト内の特定のコンテンツへのアクセスを制御するために使用します。一方、noindexは、クローラーにコンテンツを読み取らせつつも、検索結果への表示を防ぐために使用します。
具体的な使い分けとしては、以下のようになります。
- robots.txt: Webサイト内の特定のコンテンツに対するクロールを促進したい場合に使用します。例えば、重要なページへのクロールを優先させるために、それ以外のページへのクロールを制限する際に有効です。
- noindex: クロールは許可するものの、検索エンジンのインデックスに登録する必要がないコンテンツに対して実装します。例えば、ユーザー登録ページや管理画面など、一般ユーザーに向けた検索結果に表示する必要のないページに使用します。
このように、robots.txtとnoindexは異なる機能を持つため、Webサイトの目的や各ページの役割に応じて適切に使い分けることが重要です。SEO戦略を立てる際には、これらの違いを理解し、効果的に活用することで、検索エンジンに対して最適な指示を行うことができます。
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robots.txtのSEO効果
robots.txtを適切に使用することで、Webサイト内の重要なコンテンツに対するクロールの頻度が相対的に高まります。これにより、SEO評価を受けるまでの期間を短縮することができます。
具体的には、robots.txtを使用して不要なコンテンツへのクロールを制限することで、重要なコンテンツへのクローラーの注目度が上がります。その結果、優先的に重要なページがクロールされ、インデックスされる可能性が高まります。
Webサイト運用者にとって、重要なコンテンツのSEO効果を早期に発揮させることは非常に重要です。そのため、効率的なインデックス化を促進するために、robots.txtを戦略的に活用することが推奨されます。
ただし、robots.txtの使用には注意が必要です。不適切な設定をすると、重要なページまでクロールされなくなる可能性があります。そのため、robots.txtの設定は慎重に行い、定期的に確認することが大切です。
結論として、robots.txtは適切に使用することで、Webサイト全体のSEO効果を最適化する強力なツールとなります。重要なコンテンツへのクロールを促進し、サイトの検索エンジンでの可視性を向上させる効果が期待できます。
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robots.txtの種類(型)
robots.txtには、主に4つの種類(型)があります。これらの型を適切に組み合わせることで、クローラーの動きを効果的に制御し、SEO対策に活用することができます。robots.txtの4つの基本的な型は以下の通りです。
● User-Agent
● Disallow
● Allow
● Sitemap
これらの型は、それぞれ異なる役割を持っており、Webサイトの運営者が検索エンジンのクローラーに対して特定の指示を与えるために使用されます。各型の詳細については、以降のセクションで詳しく解説していきます。
robots.txtの適切な設定は、Webサイトのクロール効率を向上させ、重要なコンテンツに対するSEO評価を早めることができる重要な要素です。そのため、これらの型の特徴と使い方を正しく理解することが、効果的なSEO戦略を立てる上で非常に重要となります。
User-Agent
User-Agentは、robots.txtファイル内で特定のクローラーの動作を制御するための指示を定義する部分です。Googleが主要な検索エンジンですが、Yahoo!やBingなど他の検索エンジンも存在し、それぞれ独自のクローラーを使用しています。
User-Agentを使用することで、例えばGoogleのクローラーにのみ特定のコンテンツを認識させ、Bingには認識させないといった細かな設定が可能になります。ただし、通常はすべての検索エンジンのクローラーに対して同じ指示を適用することが一般的です。
特定の検索エンジンのクロールを制限することは稀であり、多くの場合、すべてのクローラーに対して統一的な指示を行います。これにより、サイト全体で一貫したクロール方針を維持することができます。
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Disallow
Disallowとは、クローラーのアクセス制限を行うファイルを指定するものです。クロールしてほしくないファイルやディレクトリをDisallowで指定することによって、クロールがブロックされます。
一方で、Disallowが空欄になっている場合は、いずれのファイルやディレクトリに対してもクロールの制限を行わないことになるため、robots.txtを設定する際は必ず確認するようにしましょう。
この設定は、Webサイト内の特定のページやセクションをクローラーから「隠す」ために使用されます。例えば、管理者用のページや一時的なコンテンツなど、検索結果に表示させたくない部分に対して適用することが一般的です。
Allow
Allowは、Disallowとは対照的に、クロールを許可するページを指定するための設定です。Allowの権限はDisallowよりも強く、Disallowで指定したディレクトリ内に、クロールしてほしいページがある場合でも、Allowで指定すれば、そのページのみクロールされるようになります。これにより、特定のページや階層構造を細かく制御することができ、より柔軟なクロール設定が可能となります。
Sitemap
Sitemapは、「sitemap.xml」の所在をクローラーに伝える重要な役割を果たします。「sitemap.xml」とは、クロール対象となるURLのリストをまとめたxmlファイルで、各URLの更新日時やクロールの優先度などの情報を含みます。クローラーはこのsitemap.xmlを参照して、クロールの優先順位を決定します。
適切に記述されたSitemapは、クローラーがsitemap.xmlを効果的に読み取り、効率的なクロールを実現するための鍵となります。そのため、Webサイトの運営者は必ずSitemapを正確に記述し、robots.txtに含めるようにしましょう。これにより、重要なページが適切にクロールされ、インデックスされる可能性が高まります。
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robots.txtはどのように記述する?
robots.txtは、上記の4つの種類を上から順番に記述し、指定していきます。WordPressの場合は、以下の型に沿ってコードを追記する形になるため、まずはこの形の記述方法を抑えておくことを推奨します。
User-agent: *
Disallow: /wp/wp-admin/
Allow: /wp/wp-admin/admin-ajax.php
Disallow: /directory1/
Sitemap: https://sample.jp/sample/sitemap.xml
上記のrobots.textの内容は以下のとおりです。
● すべてのクローラーを対象にして、directory1のページクロールを制御
● admin-ajax-phpを除くwp-admin配下のページクロールを制御
● 「sitemap.xml」は、「sample」ディレクトリの配下にある
この基本的な記述方法を理解したうえで、自身のWebサイトの構造や目的に合わせて適切にカスタマイズしていくことが重要です。例えば、特定のディレクトリやファイルのクロールを制御したい場合は、Disallowの行を追加して指定することができます。また、サイトマップが複数ある場合は、Sitemapの行を複数記述することも可能です。
robots.txtの記述は、Webサイトのルートディレクトリに配置する必要があります。つまり、「https://www.example.com/robots.txt」のようなURLでアクセスできる場所に配置しなければなりません。この配置場所を間違えると、クローラーがrobots.txtを正しく認識できず、意図した通りの制御ができなくなる可能性があるので注意が必要です。
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robots.txtが記述されているかの確認方法は?
robots.txtを記述したものの、適切に記述が行われ、機能しているかが気になってしまう人も多いことでしょう。robots.txtが適切に記述されているかどうかについては、Googleサーチコンソールから確認できます。Googleサーチコンソールから、robots.txtを確認する手順は以下のとおりです。
● robots.txtテスターを開く
● 画面内の大きな記述部分に、robots.txtに記述した内容をペーストする
● クロールが制御されるべきページのディレクトリ名を、下部の入力欄に記載する
● 「テスト」をクリックする
適切にrobots.txtが記述されている場合、Disallowで記述した部分が赤く表示されます。この方法を用いることで、自身のWebサイトのrobots.txtが正しく機能しているかを簡単に確認することができます。定期的にチェックを行うことで、SEO対策の効果を最大限に引き出すことができるでしょう。
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robots.txtに関する2つの注意点
robots.txtを使用する際には、2つの注意点を押さえたうえで使用しましょう。
● インデックスされていれば検索結果には残る
● ユーザーは記事コンテンツを閲覧できる
これらの注意点は、robots.txtの機能を正しく理解し、効果的に活用するために重要です。robots.txtの役割や制限を適切に把握することで、SEO戦略をより精緻に立てることができます。また、セキュリティ面での誤解を避け、適切な対策を講じることにもつながります。
それぞれの注意点について、詳細な説明を以下に記載します。これらの点を十分に理解し、robots.txtの運用に活かしていくことが大切です。
インデックスされていれば検索結果には残る
robots.txtの機能を誤解している人は少なくありません。多くの場合、robots.txtを実装すると検索結果から完全に消えると思い込んでいます。しかし、これは正確ではありません。実際には、robots.txtで指定したページであっても、すでにインデックスされている場合は、引き続き検索結果に表示され続けます。
この現象が起こる理由は、robots.txtの本質的な役割にあります。robots.txtはクロールを制御するためのものであり、既にインデックスされているコンテンツを強制的に削除する機能は持っていません。つまり、robots.txtで指定されても、それ以前の評価は維持され、インデックスも継続されるのです。
したがって、特定のコンテンツを完全に検索結果から除外したい場合は、robots.txtではなく、noindexメタタグを使用することが適切です。noindexメタタグを使用すれば、そのページが検索結果に表示されることを直接的に防ぐことができます。
SEO戦略を立てる際は、robots.txtとnoindexの違いを十分に理解し、目的に応じて適切なツールを選択することが重要です。
ユーザーは記事コンテンツを閲覧できる
robots.txtに関する一般的な誤解の1つに、ユーザーのコンテンツ閲覧をブロックできるという考えがありますが、これは正確ではありません。robots.txtファイルは、クローラーのアクセスを制御するためのものであり、一般ユーザーのアクセスには影響を与えません。
つまり、robots.txtで指定されたページやディレクトリであっても、ユーザーが直接URLを入力したり、リンクをクリックしたりすることで、問題なくそのコンテンツにアクセスすることができます。このため、会員限定コンテンツや有料ページなどを運用する際は、robots.txtだけでなく、適切なアクセス制限やセキュリティ対策を別途実装する必要があります。
例えば、以下のような方法を組み合わせることで、より強固なセキュリティを確保できます。
- ユーザー認証システムの導入
- .htaccessファイルによるアクセス制限
- セッション管理
- SSLによる暗号化通信
これらの対策を適切に実装することで、robots.txtの役割を理解しつつ、重要なコンテンツを適切に保護することができます。
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まとめ
本記事では、robots.txtの概要やSEOにおける効果、種類などを詳しく解説しました。robots.txtを適切に使用することは、SEO戦略において非常に重要な要素であり、Webメディアの成長に欠かせません。
robots.txtを効果的に活用することで、重要なコンテンツを優先的にクロールさせ、評価を受けやすくすることができます。これにより、インデックスの効率が向上し、Webサイトからの集客に大きなプラスの影響をもたらすでしょう。
ただし、robots.txtの使用には注意点もあります。インデックス済みのコンテンツには影響しないこと、ユーザーのアクセスをブロックするものではないことを忘れずに、適切な運用を心がけましょう。
本記事を参考に、robots.txtについて再確認し、自社のWebサイトやメディアに最適な設定を行うことで、SEO効果を最大限に引き出すことができるはずです。効果的なrobots.txt運用を通じて、より多くのユーザーにリーチし、ビジネスの成長につなげていきましょう。