オフラインで企業の人事担当者のリードを獲得するには、外部主催のイベントへの協賛や展示会への出展だけでなく、プライベートセミナーや他社と組んだ共催セミナーなど自社でセミナーを開く方法もあります。
今回は、リード獲得だけなく、マーケティング観点から見た、自社セミナー開催の目的とメリットについてご紹介します。自社セミナーを実施することで、単なる見込み客の数値的獲得に留まらず、より戦略的で多角的な経営課題の解決につながる様々なメリットが期待できます。
具体的には、新規顧客との接点創出から既存顧客との関係強化、さらにはセミナー開催による認知度向上まで、複合的な効果をもたらします。こうした複数の目的を意識してセミナーを企画することが、経営課題の解決と事業成長に直結する重要な施策となるのです。
自社セミナー開催の4つの目的
自社でセミナーを開催する目的としては、リード獲得を含めて以下が考えられます。
- 新規リードの獲得
- 既存顧客のCS向上※カスタマーサクセス(顧客の成功体験づくり)、カスタマーサティスファクション(顧客満足)の両方を含む
- サービス・ソリューション認知度アップ・理解促進
- 顧客との関係構築
目的は1つだけではなく、1と3もあれば、2と3、2と4などのケースも考えられます。新規のリード獲得なのか、既存顧客からのアップセル(売上単価の向上)なのか。
その時のマーケティング課題によって行われるセミナーは異なってきます。また、セミナー企画の質や実施方法も大きく影響するため、開催前の準備が重要です。
関連記事:リードとは?マーケティングにおける意味やリード獲得の具体的なプロセス・施策を解説
セミナー目的別のメリットと注意点
自社開催セミナーの目的別についてメリットと注意点を紹介していきます。
1.新規リード獲得
<ケース>
HR業界に精通した大学教授、大手企業の人事責任者・経験者などを講師として立て、100名定員の会場を手配し、最新のトレンド情報や先進企業の事例を紹介します。集客には外部メディアでメール配信を行います。
<メリット>
自社セミナー開催により、100~数百のリード獲得が行え、即座にアプローチができる。このように自社セミナー開催メリットの最も直接的な成果として、参加者から質の高いリード情報を取得できることが挙げられます。参加者は既にセミナーコンテンツに興味を示しているため、営業部門への引き継ぎ後の案件化率も外部イベント出展と比較して高くなる傾向があります。加えて、自社セミナー開催を通じて、顧客との接点を複数回設定することで、信頼関係の構築を同時に進めることができます。
<注意点>
講師手配や会場手配の費用と工数に加え、規模が大きくなればなるほど集客の工数の負荷が増え、また、企画と会場の規模によって十分な集客ができないリスクが伴う。
2.既存顧客のCS向上
<ケース>
導入企業の事例紹介や、実務に役立つノウハウなどをコンテンツとして立て、10~数十規模の会場を手配(自社セミナールームもあり)、自社のハウスリスト(見込み客情報)へ集客し実施します。
<メリット>
自社オリジナルの事例やノウハウを開示できるため他社との差別化が図れ、また、外部への集客や講師手配の必要がなく、導入企業・会場以外は自社リソースで行え、コストを抑えられます。また、既存顧客からのアップセルが期待できます。
<注意点>
導入企業への協力要請や、ノウハウなどのコンテンツの用意を行う必要があります。
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3.サービス・ソリューション認知度アップ・理解促進
<ケース>
採用管理や勤怠管理などのシステムは、デモ画面を用意し実際のシステムに触れられます。教育研修であれば、体験会やワークショップを開き研修を実際に体験する内容にします。
そのほかのソリューションでも、個別相談会を実施するなど、個社毎にコミュニケーションが図れるよう、1対数名、もしくは、1対10名以下となるような場を設けます。
<メリット>
実際にサービス・ソリューションに触れることで認知と理解を深めることができ、自社セミナー開催による実践的な体験を通じて、かつ、個社毎の課題に合せて適切な提案ができるため、受注までの営業工数の削減が実現できます。また、参加者は自社セミナー開催だからこそ得られる専門的なフィードバックを直接受け取ることができ、導入検討の判断材料が充実します。
<注意点>
個社毎のコミュニケーションが図れるよう、十分な人員を確保する必要があります。規模が大きくなればなるほど、必要な人員が増えます。
4.顧客との関係構築
<概要>
1~3に追加して、セミナー開催後に懇親会を開きます。
<メリット>
自社セミナー開催のメリットとして、解決できていない悩みを持つ顧客同士の交流を促進することで、自社へのエンゲージメント(関係性)の向上が期待できます。また、商談ではなく懇親会という緊張が緩和された中でスムーズなコミュニケーションを図ることができるため、顧客との信頼関係構築が容易になります。さらに、セミナー開催を通じた継続的な接触により、顧客ロイヤルティの向上にも繋がります。
<注意点>
懇親会の経費が追加されます。セミナーと懇親会とあわせて拘束時間が増えるため申込人数に影響がでます。
セミナーの目的を決める重要性
4つの目的について具体的なケースとメリットをご紹介しました。
外部主催のイベントや展示会は、1の新規リード獲得がメインとなりますが、自社セミナーを開催する際には、どういう目的で行うのかを決めることが、そのあとの企画・コンテンツや、セミナー開催の効果に関わってきます。
例えば、新規リード獲得にしても「情報収集段階」か、「比較検討段階」のリードなのかによって企画するコンテンツは異なってきます。営業効率を高めるためにも、ターゲットとなるリードの購買段階を明確にすることが肝要です。
またそのあとの案件化・受注までに見える自社セミナーのメリットも変わってきますので、セミナーを開催する際になぜ開催するのか目的を決めることが非常に重要となります。目的が曖昧なまま進めると、期待する成果につながらないばかりか、講師手配や会場手配などのセミナー開催コストが無駄になる可能性も高まります。マーケティング課題を整理し、明確な目的設定を行った上で、セミナー企画を進めることをおすすめします。
まとめ
◆ 自社セミナー開催のメリットは、①新規リードの獲得 ②既存顧客のCS向上 ③サービス・ソリューション認知度アップ・理解促進 ④顧客との関係構築の4つの目的に基づいています。
◆ 自社セミナー開催では、講師手配や会場設営といった費用をコントロールしながら、明確な目的設定を行うことが重要です。新規リード獲得にしても「情報収集段階」か「比較検討段階」のリードなのかによって、自社セミナー開催の企画内容やコンテンツは大きく異なります。
◆ セミナーを開催する際に、なぜ開催するのか、その目的を明確に決めることが、その後の企画・コンテンツ立案、および自社セミナー開催の効果測定に直結するため、極めて重要となります。

