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SaaS企業に学ぶ、BtoBサイトの事例ページ作成ポイント【後編】

2025.11.10
読了まで約 7

BtoBサイトにおいて、導入事例はウェブサイト訪問者の検討フェーズを問わず有効な、汎用性の高いコンテンツです。SaaS企業など多くのBtoB企業が、導入事例コンテンツを戦略的に活用し、サイトの効果を最大化しています。

本記事では、前編で解説した導入事例の役割とトップページでの作成ポイントを踏まえ、後編として導入事例一覧ページ事例詳細ページにおける具体的な作成ポイントを、SaaS企業の成功事例を交えながら深掘りしていきます。特に、BtoB SaaSの導入を検討している企業にとって、これらのポイントは顧客獲得に直結する重要な要素となります。

SaaS企業に学ぶ、BtoBサイトの事例ページ作成ポイント【前編】

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導入事例の作成ポイント 【事例一覧ページ】

2- ① ファーストビューに導入実績

株式会社WACULが実施した「B2B SaaSサービスを提供する企業における事例紹介ページのCVRを最大化する手法に関する調査」によると、事例一覧ページのファーストビューに導入実績をアピールしているサイトのCVR倍率は、そうでないサイトと比較して有意に高いことが示されています。これは、訪問者が最初の一瞥でサービスの信頼性や普及度を認識できるため、次のアクションへの意欲を高める効果があると考えられます。

導入実績をアピールする方法としては、導入企業数業界シェアといった定量的なアプローチと、大手企業の事例をカルーセルなどで表示するといった定性的なアプローチが効果的です。

例えば、統合業務システム「クラウドERP ZAC」を提供する株式会社オロのサービスサイトでは、事例一覧ページのトップに「750社突破!」という導入企業数とともに、大手企業を中心とした企業ロゴが掲載されています。

https://www.oro.com/zac/casestudy/

また、クラウド型経費精算システム「楽楽精算」を提供する株式会社ラクスのサービスサイトでは、グローバルナビゲーション上の「導入事例」にカーソルを合わせると、大手企業の導入事例がポップアップ表示されるように設計されており、SaaS導入効果を直感的に理解しやすくなっています。

2- ② 業種別などの検索機能を設置

導入事例コンテンツが多数存在するBtoB SaaSサイトでは、訪問者が自社に近い導入ケースを効率的に探せるように、検索機能の設置が不可欠です。検索項目としては、業種、ニーズ、従業員規模などが多くの企業サイトで採用されています。これらに加えて、利用シーン、効果、製品、地域など、多様な切り口での検索機能があると、より詳細なニーズに対応できます。

WACULの調査では、事例一覧ページにおける検索機能の有無がCVRに与える影響も分析されています。業種・ニーズ別検索機能があるサイトは、ないサイトと比較してCVR倍率が高いという結果が出ており、ユーザーの利便性向上とコンバージョン促進の相関が示唆されています。

国内最大級の導入実績を誇るグループウェア「desknet’s NEO」を提供している株式会社ネオジャパンのサイトでは、187件(2021/4/7時点)もの事例コンテンツが掲載されています。この膨大な事例の中から、訪問者が自社に類似した導入ケースを探しやすいように、「業種」「利用規模」「機能別」「目的・効果」「地域別」といった5つの検索項目が用意されています。

https://www.desknets.com/neo/casestudy/

同調査では、事例コンテンツが30件を超えると、訪問者が求める事例を見つけにくくなる傾向があることも指摘されており、特にUI/UXの改善が効果的であることがまとめられています。

タレントマネジメントシステム「カオナビ」を提供する株式会社カオナビのサイトでは、事例一覧ページに「メリット」「条件(従業員規模など)」といった検索項目が設置されています。さらに、タグ検索や新着記事・ランキング表示もあり、BtoB SaaSの導入検討者にとって、情報を見つけやすく、理解を深めやすいUI/UXが実現されています。

2- ③ CTAに導入事例集を設置

ファーストビューで導入実績をアピールし、検索機能でUI/UXの向上を図った上で、事例一覧ページのCTA(Call to Action)として何を設置するかは重要な検討事項です。

多くのSaaS企業では、導入事例集のダウンロードをCTAとして設置しています。前述の株式会社チームスピリットのサイトでは、導入一覧ページのファーストビューに実績とともに「導入事例集ダウンロード」が掲載されています。

しかし、事例一覧ページで既に導入事例が豊富に閲覧できる場合、単に資料としてダウンロードさせるだけでは、訪問者にとってのベネフィットが不明確になりがちです。事例集をダウンロードする具体的なメリットを設計し、提示することが、CTAの効果を最大化する鍵となります。

 

事例集以外のCTAとして、「無料デモ」「資料ダウンロード」「セミナー参加」なども考えられます。自社のマーケティング戦略や、訪問者が次のステップに進むために何が必要かを考慮し、最適なCTAを検討することが推奨されます。

関連記事:福田康隆氏に聞くB2B SaaSの最新トレンドと日本企業を成功に導く道筋

導入事例の作成ポイント 【事例詳細ページ】

3- ① 導入事例を分かりやすく表現。顧客のサービス理解を促進

ビジネスアプリ作成クラウドである「kintone」を提供するサイボウズ株式会社のサイトでは、saas導入事例の詳細ページに導入企業のBefore・Afterをイラストで表示しています。文章のみではイメージしづらい導入効果を視覚的に分かりやすくすることで、サイト訪問者の理解を深めることができます。このsaas導入事例の工夫は、潜在顧客が自社の課題と照らし合わせやすくなるため、効果的です。

https://kintone-sol.cybozu.co.jp/cases/persolcareer.html

また、既出の株式会社ネオジャパンのサイトでは、記事詳細に「特に役立った機能」を表示しています。saas導入事例において、SaaSサービスは多様な機能がありますが、自社にとって必要な機能がなにか判断することはサイト上では困難です。導入企業がどのようなシチュエーションで、どの機能を使ってサービスを活用しているのか、具体的にイメージできることは、saas導入事例の詳細ページでは重要なポイントになります。このように、具体的な機能面に焦点を当てることで、saas導入事例はより実践的な情報となります。

saas導入事例の詳細ページにテキストと画像の静止ではなく、導入企業のインタビュー動画を掲載する方法もあります。クラウドセキュリティ「HENNGE One」を提供するHENNGE株式会社のサイトは、saas導入事例の詳細ページの一部に導入企業インタビュー動画を掲載しています。動画は、言葉だけでは伝わりにくい感情や導入の熱意などを効果的に伝えることができ、saas導入事例の信頼性を高める強力なコンテンツとなります。このようなsaas導入事例の表現は、訪問者のエンゲージメントを高めるでしょう。

https://www.desknets.com/neo/casestudy/10175/

事例詳細ページにテキストと画像の静止ではなく、導入企業のインタビュー動画を掲載する方法もあります。

クラウドセキュリティ「HENNGE One」を提供するHENNGE株式会社のサイトは、導入詳細ページの一部に導入企業インタビュー動画を掲載しています。

https://hennge.com/jp/service/one/case/cityascom.html

3ー② 関連記事や新着記事を掲載し、回遊率を高める

多くのSaaS企業サイトでは、saas導入事例の詳細ページの下部に関連記事を設置し、類似した導入企業の事例を掲載しています。他企業のsaas導入事例へアクセスしやすくなることで、サイト内の回遊率を高めることができます。これは、訪問者が抱える様々な課題に対する解決策を見つけやすくなるため、満足度向上に繋がります。

また、クラウド名刺管理サービス「Sansan」を提供する株式会社Sansanのサイトは、記事詳細ページに関連記事だけではなく、新着記事を掲載しています。これにより、常に最新のsaas導入事例や関連情報に触れる機会を提供し、サイトへの再訪問を促します。

https://jp.sansan.com/case/aidem/

3-③ CTAには無料トライアルと資料請求を設置

WACULの調査では、saas導入事例の詳細ページにおいて企業の導入事例を読んだ後のCTA(Call to Action)に、資料請求があるサイトは、無料トライアルだけのサイトに対してCVR倍率が高いことが分かっています。その理由として、無料トライアルを行うにも、saas導入事例から得た情報だけでは詳細な情報が必要になるため、資料請求も同時に検討されることが多いと考察しています。このsaas導入事例の活用においては、CTAの選択肢を複数用意することが重要です。

介護事業者向けSaaS「カイポケ」を提供する株式会社エス・エム・エスのサイトは、saas導入事例の詳細ページの下部のCTAに無料トライアルと資料請求が並んで設置されています。無料トライアルがあることを認識しつつ、より詳細な資料が欲しい際には資料請求を行うことができるような設計になっています。これは、ユーザーの検討段階に応じた柔軟な対応を可能にし、コンバージョンに繋げやすくするsaas導入事例の設計と言えるでしょう。saas導入事例を読んだ後の次のアクションをスムーズに促すための、効果的なsaas導入事例のCTA配置です。

https://ads.kaipoke.biz/user_voice/happy.html

その他

導入事例コンテンツは、トップページ、事例一覧ページ、事例詳細ページといった主要な箇所に配置することで、それぞれのページで最適な役割を果たします。しかし、これらのページ以外にも、SaaS導入事例を効果的に活用し、リード獲得や顧客理解を深めるための施策が存在します。

4-① 導入企業一覧ページ

SmartHRのサイトでは、SaaS導入事例の一覧ページとは別に、導入企業一覧ページを設けています。このページには、SaaS導入事例として詳細に紹介されている企業以外にも、多くの導入企業のロゴが掲載されており、SaaS導入事例の幅広さと信頼性を一目で示すことができます。特に、SaaS導入を検討している企業にとって、自社と類似した企業がどの程度導入しているのかは重要な判断材料となります。さらに、SaaS導入事例ページに掲載されている企業については、企業ロゴから直接該当のSaaS導入事例ページへ遷移できるよう設計されており、興味を持った企業の導入事例にスムーズにアクセスできるUI/UXは、サイト訪問者の満足度向上に貢献します。これにより、SaaS導入への関心をさらに高めることが期待できます。

https://smarthr.jp/case/list.html

4-② 導入事例とは異なるコンテンツ

SaaS導入事例として直接的な紹介ではないものの、顧客の成功体験や活用方法を伝えることで、SaaS導入のメリットをより深く理解してもらうためのコンテンツも有効です。「Money Forwardクラウド」を提供する株式会社マネーフォワードのサイトでは、「ストーリー」ページにおいて「お客様のストーリー」という形式で、顧客企業の具体的な取り組みやSaaS導入によって達成された成果を紹介しています。これは、単なる導入事例の羅列ではなく、企業の課題解決プロセスや事業成長の軌跡を追うことで、読者の共感を呼び起こし、自社でも同様の成果が得られるのではないかという期待感を醸成します。

https://biz.moneyforward.com/story/

また、Web解析ツール「User Insight」を提供する株式会社ユーザーローカルのサイトには、SaaS導入事例とは別に「活用例」を掲載しています。ここでは、メディアサイト、ECサイト、広告主など、業態別に詳細な活用シーンをそれぞれのページで紹介しています。このように、SaaS導入後の具体的な利用イメージを業種や目的に合わせて提示することで、潜在顧客は自社の状況に当てはめてSaaS導入の効果を具体的に想像しやすくなります。このアプローチは、特に多様な業界で利用されるSaaSにおいて、ターゲット顧客に響く情報を提供するために非常に有効なSaaS導入事例の補完的コンテンツと言えるでしょう。

https://ui.userlocal.jp/document/casestudy/media/

まとめ

SaaS企業の導入事例ページ作成において、事例一覧ページでは、ファーストビューでの導入実績(導入社数や有名企業のロゴなど)のアピールがCVR向上に繋がります。事例コンテンツが30件を超える場合は、業種別や企業規模別などの検索機能を設置し、UI/UXを改善することが重要です。SaaS導入事例の検索性を高めることで、ユーザーは自社に合ったSaaSの活用イメージを掴みやすくなります。

事例詳細ページにおいては、CTA(Call to Action)として無料トライアル資料請求を併記することが、SaaS導入検討段階にあるユーザーの次のアクションを促し、CVRを高める効果が期待できます。SaaS導入事例を読んだ後に、より具体的な情報や体験を求めるユーザーにとって、これらのCTAは有効です。SaaS導入効果を具体的に伝えるために、SaaS導入事例の活用は不可欠です。

さらに、導入事例コンテンツ以外にも、顧客のストーリーや業態別の活用ケースを紹介するコンテンツは、SaaSの多様な利用シーンやSaaS導入による成功体験を多角的に示すことで、潜在顧客の関心を高めることができます。SaaS導入を検討する上で、これらのSaaS導入事例は意思決定の強力な後押しとなるでしょう。SaaS導入を成功させるためのSaaS導入事例の戦略的な活用が、BtoBサイトの成果を最大化する鍵となります。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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