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マーケティング戦略の基本「セグメンテーション(市場の細分化)」とは?

2018.9.17
読了まで約 3

マーケティング戦略を練る際、セグメンテーションがその後の成功を大きく左右します。

セグメンテーションとは、いわゆる市場の細分化を意味しますが、どのような切り口で、どのように細分化していくのでしょうか。

消費財市場と生産財市場では細分化の分析に違いはあるのでしょうか。

STP分析の中でも、セグメンテーションの次工程である「ターゲティング」や「ポジショニング」にも影響を与え、さらには最終的に売り上げにまで影響を及ぼす、セグメンテーションについて解説します。

 

セグメンテーションとは

セグメンテーションとは、市場をさまざまなカテゴリに分け、小さくグループ化していく作業を言います。

分けられた小さなグループをセグメントと呼び、どのセグメントに向けて営業をかけていくかを決定するのがターゲティングです。

セグメント内で他社との差別化を図り、優位性のある位置づけを行うのがポジショニングです。

セグメンテーションがなぜマーケティング戦略の基本になるかというと、いくら素晴らしい製品を開発したとしても、明確にセグメント化されていない市場でコンセプトを掲げ、訴求を図っても、顧客の心がつかめず戦略自体が失敗に終わってしまうためです。

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

 

セグメンテーション変数

セグメンテーションを行う際、さまざまな切り口で分けていく必要があります。

その切り口を変数と言い、消費財市場と生産財市場では必要とされる変数にも違いがあります。

【消費財市場】

消費財市場の場合、顧客の対象が個人消費者となるため、個人をそれぞれの属性に分けるための変数を用います。

  • 地理的変数:国、地方、気候、人口密度、文化、政府による規制、都市化の進展度、顧客の行動範囲など。
  • 人口動態変数:性別、年齢、職業、家族構成、所得水準、学歴、宗教、人種、国籍など。
  • 心理的変数:ライフスタイル、価値観、性格、社会的階層、購買動機など。
  • 行動変数:購買活動、使用頻度、求めるベネフィット、購買パターンなど。

 

【生産財市場】

生産財市場の場合、顧客対象が法人や公官庁などの団体となるため、消費財市場の変数に加えてさらに複数の変数で緻密に分けていくことが重要です。

 

  • オペレーティング変数:使用頻度、利用状況など。
  • 購買方法:購買方針、購買基準など。
  • 購買に絡む状況要因:緊急性など。
  • 購買者の特性:決済権の有無など。

消費財市場と同じように人口動態変数を用いますが、このとき生産財市場においては企業規模や業種などで分けていきます。

 

4つのRの法則

セグメンテーションを進める際、陥りがちなのが自社目線になってしまうことです。

常に4つのRの法則を意識しながらセグメンテーションを進めることが大切です。

 

【4つのRの法則】

Rank:優先順位付け。重要度に応じた顧客層のランク付けができているか。

Realistic:有効規模。十分な売上高と利益を確保するだけの規模があるセグメントか。

Reach:到達可能性。そのセグメントにおける顧客へ確実に製品を届けられるか。

Response:測定可能性。そのセグメントにおける顧客層からの反応は分析可能か。

自社が満足するセグメントが発見できたとしても、4つのRの法則に偏りがあれば、売り上げにも影響が出てきてしまうのです。

逆にこれらの条件を満たしているセグメントであれば、よい反応が期待できるセグメントであると考えられます。

 

部門によって別のセグメンテーションを要す場合もある

たとえば商品開発部門のセグメンテーションであれば、過去の購買行動や購買実績など、実際の行動変数を用いて分けることができます。

しかしプロモーション部門になると、訴えかけたい内容を的確に伝えるため、心理的変数や人口動態変数などを用いてセグメント化する必要があります。

このように同じ製品やサービスを開発していても、必ず同じセグメンテーションが必要になるわけではなく、時には別の切り口から分類するセグメンテーションが必要になる場合もあるのです。

 

生産財市場におけるセグメンテーション

生産財市場におけるセグメンテーションの一例をみてみましょう。

たとえばパソコンやソフトウェアなどは4~5年、複合機は5年といった具合に、製品によって法定耐用年数が定められているものがあります。

そのような製品を取り扱っている場合、毎年20~25%の企業が法定耐用年数を超える時期に達しており、製品の買い替えの検討に入ることが推察できるのです。

もしデシル分析を行っているようであれば、分析によって割り出された売り上げ上位企業を1000社だとすると、そのうち200~250社が買い替えの検討に入る可能性があることがわかります。

場合によっては、その200~250社をオペレーティング変数などを用いてさらにセグメント化することで、明確なニーズに対応できる売れる営業を行うことが可能です。

 

【まとめ】

  • セグメンテーションとは、市場をさまざまなカテゴリに分け、小さくグループ化していく作業。
  • セグメンテーションがマーケティング戦略の基本となるのは、明確にセグメント化されていない市場ではコンセプトがぼやけてしまい、戦略自体が失敗に終わってしまうため。
  • セグメンテーション変数は、消費財市場と生産財市場で必要な変数に違いがある。
  • 同じ製品やサービスを開発していても、時には別の切り口から分類する別のセグメンテーションが必要になる場合もある。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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