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インバウンドマーケティング、アウトバウンドマーケティングとは?

2019.2.28
読了まで約 3

平成31年1月24日、観光庁は若者の海外体験促進のために、「若者のアウトバウンド推進実行会議」を開催しました。

20代の出国者数は平成9年の452万人に比べ、平成29年では312万人と減少しているからだとか。

「アウトバウンド」・「インバウンド」といえば、このように「観光」において使う言葉と思いがちですが、実は、マーケティング戦略の中でも馴染みのある言葉といえます。

今回は、「インバウンドマーケティング」「アウトバウンドマーケティング」について、言葉の意味やそれぞれのメリット・デメリット、BtoBとの関係についてご説明します。

 

「インバウンドマーケティング」「アウトバウンドマーケティング」とは?

「インバウンドマーケティング」「アウトバウンドマーケティング」の大きな違いは、その主体性です。以下、それぞれの内容をみていきましょう。

●「インバウンドマーケティング」とは、顧客側から情報を求めること!

インバウンドマーケティングの手法は「pull(プル=引き込み)型」と表現されます。

オウンドメディアとしての自社のWebサイトやセミナー開催など発信された情報に対して、顧客側が自ら問い合わせて接点を持ち、顧客側のアクションを起こさせるマーケティング手法といえます。

主体は顧客側なので、「能動的に」自分で情報を選ぶことができ、そのため、次のステップに進む可能性も高いといえます。

●「アウトバウンドマーケティング」とは、売り手側から商品を売り込むこと!

アウトバウンドマーケティングの手法は「push(プッシュ=押し込み)型」と表現されます。

テレビコマーシャルや電車の中吊り広告、ウェブページなどの広告、展示会出展や電話営業、ダイレクトメールなど売り手側からアクションを起こすマーケティング手法といえます。

主体は売り手側なので、顧客からすれば、意図せずに「受動的に」届けられる情報といえるでしょう。

 

「インバウンドマーケティング」「アウトバウンドマーケティング」のメリット・デメリットとは?

どちらのマーケティング手法がよいのでしょうか。項目ごとにみていきます。

●即効性があるのは「アウトバウンドマーケティング」

アクションの主体が異なるため、インバウンドマーケティングでは、企業側の継続的な情報発信に対して顧客側が認知し、興味を持ち自ら探して問い合わせをすることを待たねばなりません。

すぐに効果が出ることは珍しく、一定の期間の継続が必要となります。

しかしアウトバウンドマーケティングでは、売り手側からアプローチをかけられるので、見事に商品やサービスを欲しいと思っていた顧客側にあたれば、ダイレクトに購買へと繋がり即効性が高いといえます。

●認知度は、もちろん「アウトバウンドマーケティング」の方が高い!

アウトバウンドマーケティングにおいて、とくに不特定多数に対して行われるテレビコマーシャルや広告などは、ターゲットを絞らずすべての人に商品やサービスを認知してもらうことができます。

結果的には、興味を持っていない層にまで認知され、全体的な認知度が高くなるといえます。

一方インバウンドマーケティングでは、顧客側から情報を見つけてもらうので、もともと興味を持っている人などが対象となります。全体的な認知度を高めるという観点では、効果が薄いといえるでしょう。

●効果の持続度では「インバウンドマーケティング」が有利

効果の持続という点では、インバウンドマーケティングの方が有利といえます。

というもの、アウトバウンドマーケティングでは、興味の有無に関係なく、広告などで商品やサービスを売り込むので、顧客側は意図せずに情報を受け取ることになります。

もともと意識せずに受け取った情報は、配信が止まれば記憶に残らずに忘れられるでしょう。

一方インバウンドマーケティングでは、即効性はないですが、興味のある人が情報を探し出して認知すれば確実に受け止められ、効果は持続するといえます。

●好感度においては「インバウンドマーケティング」に軍配あり

一方的な押し付けともいえるアウトバウンドマーケティングでは、興味のない人にまで情報が届けられるため、広告の内容によっては「不快」と思われるリスクも孕んでいます。

またツールによって、その危険は大きくなります。とくに電話営業などは、実際に顧客の時間を奪うため、タイミングが合わなければクレームとなる可能性すらあるのです。

逆にインバウンドマーケティングでは、顧客側から望んで情報を取得するため、クレームのリスクは低いといえます。

●コスト面では「インバウンドマーケティング」が利用しやすい!

費用面では、インバウンドマーケティングの方が利用しやすいといえます。

アウトバウンドマーケティングの代表例であるテレビコマーシャルであれば、多額の広告費用がかかります。

一方インバウンドマーケティングでは、オウンドメディアのように自社のWebサイトなどを用いるため、圧倒的にコストを抑えることができるでしょう。

ただインバウンドマーケティングでは、SEO(検索エンジン最適化)などで、多くの見込み顧客に検索される必要があるため、専門的な施策を行える知識とスキルを持つ人材の確保が必要です。

外注となれば、その分のコストがかかるため、注意が必要です。

●反応率でも「インバウンドマーケティング」が有利

インバウンドマーケティングでは、アウトバウンドマーケティングよりも、顧客の関心の高さがうかがえます。

その違いが、情報取得後の反応にも直結し、購入など次のステップへ進みやすいといえます。

 

BtoBではどちらがよい?

結論からいえば、どちらかではなくどちらも行う、つまり、その時々で段階的に合う方法を行って「アウトバウンドマーケティング」「インバウンドマーケティング」双方で補い合う手法をお勧めします。

というのもBtoBの場合、意思決定過程に複数の人が関与し、意思決定までに比較的長期の時間を要するからです。

たとえば意思決定の際には、営業担当者などが意思決定者などの組織の上位者に対して、説明を行うことが予想されます。

商品やサービスなど名称を伝えただけで、アウトバウンドマーケティングであれば、「あのコマーシャルの商品ね」と認知度を高めてくれるのです。

そして実際の商品やサービスの内容、効用などを説明する際には、インバウンドマーケティングの中で、時間をかけて構築された信頼関係と情報がベースとなります。

ですから併用して互いのメリットを活かすマーケティング手法を考えるべきなのです。

 

まとめ

「インバウンドマーケティング」「アウトバウンドマーケティング」それぞれのメリット・デメリットを比較しつつ、自社の商品やサービスに合うマーケティング手法を構築することが重要だといえます。

双方のメリットを複合的に取り入れ、段階に合わせて使い分けるマーケティング手法も選択肢の一つかもしれません。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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