ProFutureマーケティングソリューション|マーケトランク

ProFutureマーケティングソリューションマーケトランクはリードジェネレーションを中心としたソリューションです。HRプロや経営プロを中心としたマーケティング、人事データを活用したDSP、SEOに強いコンテンツマーケティングなどのマーケティングソリューションと情報を提供しています。

ZMOTとは?Googleが提唱する、新たに変わっていく顧客の意思決定

2025.8.22
読了まで約 6

インターネットの普及により、商品・サービスを選ぶための情報収集は店舗などのリアルから検索エンジンやSNSなどオンラインへシフトしました。2011年にGoogleが新たな顧客の意思決定モデルとして、ZMOTを提唱しました。

ZMOTは「Zero Moment of Truth」の略称で、「顧客は店舗に足を運ぶ前に、ネット上の情報で既に購入する商品を決定している」というマーケティング理論です。この概念は、デジタル時代における消費者行動の変化を捉えたものであり、企業のマーケティング戦略に大きな影響を与えています。

ZMOTモデルでは、消費者が商品やサービスに関する情報をオンラインで積極的に探索し、購買決定を行うプロセスに焦点を当てています。これは従来の購買プロセスモデルとは異なり、インターネットやスマートフォンの普及によって可能になった新しい消費者行動を反映しています。

今回は、このZMOTについて、具体的なマーケティング施策とあわせて詳しく紹介します。ZMOTの理解は、現代のデジタルマーケティングにおいて非常に重要であり、効果的な顧客獲得戦略の立案に役立ちます。

関連記事:AIDMAとは!AISASとの違いやフレームワークの概念を徹底解説!

ZMOTとは?

ZMOTは、Zero Moment of Truthの略でズィーモットと呼びます。このZMOTという概念は、2011年にGoogleが提唱した新たな顧客の意思決定モデルです。

そもそもMoment of Truth(以下、MOT)は直訳すると「真実の瞬間」です。顧客が商品を通じて企業と接するわずかな時間を指します。MOTはヨーロッパのスカンジナビア航空の当時のCEOヤン・カールソン氏が会社の再建を目的に顧客サービスを見直した際に提唱しました。

旅客が飛行機に乗る際の乗務員と接する約15秒で、競合他社と異なるブランド体験を提供できれば、明確な差別化が可能とカールソン氏は考えました。顧客と接するその一瞬を企業やブランドにとって最も重要な瞬間と定義されたのが始まりです。

Googleが提唱したZMOTは、顧客が商品を購入する際には事前にインターネットで調べており、店舗に足を運ぶ前に購入するものをすでに決定しているという概念です。テレビCMや雑誌広告等なんらかの刺激(Stimulus)を受け、顧客はインターネットで検索をします。

このインターネットで検索を行う、店舗で商品に触れる前の「ゼロ」地点を最も重要としています。そのため、企業は顧客が店舗を訪問する前の段階で、商品に関する情報をいかに顧客へ届けられるかということが求められるようになりました。

ZMOTの概念は、デジタルマーケティングの重要性を強調し、オンライン上での顧客とのコミュニケーションや情報提供の戦略立案に大きな影響を与えています。企業は、ZMOTを意識したマーケティング戦略を展開することで、顧客の購買意思決定プロセスにおいて競争優位性を獲得することができます。

関連記事:AISAS(アイサス)とDual AISAS(デュアルアイサス)とは?2つの違いを解説

FMOTとSMOT

インターネットが普及する前には、FMOTとSMOTという概念が主流でした。FMOTやSMOTは2004年にP&Gが提唱した顧客の意思決定モデルで、店舗と家と2回の顧客接点があるのが特徴です。これらの概念は、ZMOTが登場する以前の購買行動を理解する上で重要な役割を果たしています。

FMOTは、First Moment of Truthの略でエフモットと呼びます。具体的には、顧客が店舗の棚の前に立った瞬間に商品の購入を決める瞬間を指します。P&Gの調査によるとその瞬間は3~7秒というわずかな時間です。この短い時間で顧客の心を掴むことが、従来のマーケティングにおいて非常に重要視されていました。

一方、SMOTは、Second Moment of Truthの略でエスモットと呼びます。これは、購入した商品を家で使用し、その商品を再び購入するかどうかを決める瞬間を指します。P&Gは店舗で商品の購入を決める瞬間と、家で商品を使用してリピートを決める瞬間の顧客接点が重要と定義しました。

ZMOTが提唱される前は、このFMOTとSMOTの2つの接点に焦点を当てたマーケティング戦略が主流でした。しかし、インターネットの普及により、顧客の購買行動が大きく変化し、ZMOTという新たな概念が生まれることとなりました。ZMOTの登場により、企業は従来のFMOTとSMOTに加えて、オンライン上での顧客接点にも注力する必要が出てきたのです。

関連記事:時代によって変わる購買行動プロセス。初期から最新まで7つをご紹介

ZMOTに基づいたマーケティング

ZMOTに基づいたマーケティングは、顧客が店舗に足を運ぶ前のオンライン上での情報収集段階に焦点を当てます。この段階で効果的なマーケティング施策を展開することが、企業の競争力を高める鍵となります。ZMOTの概念に沿ったマーケティングでは、顧客がインターネット上で商品やサービスについて調査する際に、自社の情報を効果的に提供することが重要です。

特に注目すべきは、SEO(検索エンジン最適化)とSNSでの情報発信です。SEOを活用することで、顧客が関連キーワードで検索した際に自社のウェブサイトが上位に表示されるようになり、ZMOTの段階で顧客にリーチしやすくなります。また、SNSを通じた情報発信は、顧客との直接的なコミュニケーションを可能にし、ブランドの認知度向上や信頼性の構築に貢献します。

ZMOTマーケティングでは、顧客の行動パターンを理解し、オンライン上での情報探索行動に合わせたコンテンツ戦略を立てることが重要です。例えば、商品レビューや使用方法の動画、専門家のアドバイスなど、顧客が求める情報を適切なタイミングで提供することで、購買意思決定プロセスに影響を与えることができます。

さらに、ZMOTの段階でのマーケティング効果を最大化するためには、顧客のデジタルジャーニーを詳細に分析し、各接点でのエンゲージメントを高める工夫が必要です。これには、ウェブサイトの使いやすさの向上、モバイル対応の強化、パーソナライズされたコンテンツの提供などが含まれます。

ZMOTに基づいたマーケティングを成功させるためには、継続的なデータ分析と戦略の最適化が不可欠です。顧客の行動パターンや市場トレンドの変化に柔軟に対応し、常に最新のデジタルマーケティング手法を取り入れることで、ZMOT段階での競争優位性を維持することができます。

①ZMOT段階のマーケティングの重要性

店舗に来る前のZMOT段階で、顧客に対しいかに商品の情報を提供できるかが重要です。Googleが行った調査によると、以下の3つの興味深いデータが明らかになりました。これらのデータは、ZMOTの概念がいかに現代の消費者行動に即しているかを示しています。

  • 80%以上が事前にインターネットで調べる段階で購入を決めたと回答
  • アメリカ人の70%が製品の購入前にインターネット上でレビューをチェック
  • 消費者の79%が買い物をするときにスマートフォンを利用

これらの統計は、ZMOT段階でのマーケティングの重要性を明確に示しています。消費者の大多数が、実際に店舗に足を運ぶ前にオンラインで情報収集を行い、購入の意思決定を行っているのです。

ZMOT段階で特に有効なマーケティング施策は、SEO(検索エンジン最適化)とSNSでの情報発信です。これらの施策を通じて、企業は潜在顧客に対して自社製品やサービスに関する有益な情報を提供し、購買意欲を高めることができます。

ZMOTの概念を理解し、それに基づいたマーケティング戦略を立てることで、企業は競合他社に先んじて顧客の心を掴むことができます。オンライン上での存在感を高め、信頼性のある情報を提供することが、現代のデジタルマーケティングにおいて不可欠となっているのです。

②SEO(検索エンジン最適化)

来店前にインターネットによる情報収集は、検索エンジンがよく利用されています。検索エンジン上で見込み顧客にどれだけアプローチできるかによって、ZMOT段階で競合に優位になれるか変わってきます。SEO対策は、ZMOTにおいて非常に重要な要素となります。

会社名や商品名といった指名キーワードで検索して上位表示されるようSEOを行うことはもちろん、商品カテゴリやその関連する一般キーワードに対し、ノウハウ系のコンテンツで認知を獲得することも有効です。ZMOTの観点から、顧客が購入前に検索する可能性が高いキーワードを想定し、それらに対応したコンテンツを用意することが重要です。

さらに、ZMOTに基づいたSEO戦略では、顧客の疑問や悩みに答える情報を提供することが効果的です。例えば、商品の使用方法や利点、他製品との比較情報などを充実させることで、顧客の意思決定を後押しすることができます。このように、ZMOTを意識したSEO対策を行うことで、顧客の購買行動に大きな影響を与えることが可能となります。

SEOの記事一覧はこちら

③SNSでの情報発信

近年で急速に普及しているTwitter、Facebook、Instagram、LINEなどのSNS上での情報もZMOT段階においては非常に重要です。検索エンジンで得る情報よりも、SNS上でフォローしている友人や有名人から得る情報を顧客は信じやすい傾向にあります。ZMOTの観点から、SNSでの情報発信は顧客の購買意思決定に大きな影響を与えます。

また、SNS上で発信している情報を収集・分析することによって、顕在ニーズのみならず、ブランドイメージやトレンドなども把握でき、ZMOT段階でよりリーチするための有効な施策を打つことが可能になります。特に、インフルエンサーマーケティングやハッシュタグキャンペーンなどのSNS特有の手法を活用することで、ZMOTにおける情報提供の効果を最大化できます。

さらに、SNSの特性を活かした双方向のコミュニケーションを通じて、顧客との関係性を構築し、ブランドロイヤリティを高めることも可能です。これにより、ZMOTにおける顧客の情報探索行動をより効果的に支援し、購買意思決定プロセスに好影響を与えることができます。

関連記事
インフルエンサーとは? 定義・SNS別特徴・マーケ施策を徹底解説【2025完全ガイド】
SNSとは?2025年版の最新一覧:種類・特徴・目的別に徹底比較
現代のマーケティングで重要ポイントとなる「ロイヤリティ」とは? 具体的な戦略・成功事例とともに解説

StimulusとZMOTが共存するSNS

ZMOTを意識したマーケティング活動は、いかにインターネット検索の際に顧客に向けて自社の商品に関する情報と届けるかが重要です。SNSの台頭によって、Stimulus(なんらかの刺激)とZMOTが共存するケースが出てきました。

例えば、SNS上でフォローしている有名人や友人などの投稿を見て刺激を受け、そのままSNSでその商品について検索を行うケースです。SNS内で顧客の意思決定が完結するようになり、SNS内でのマーケティング活動がより重要となっています。

そこで注目されているのがUGCです。UGCはUser Generated Contentの略であり、直訳するユーザーによって作られたコンテンツです。SNSに限らず、レビューサイトの投稿など、ユーザー主体で発信されたコンテンツすべてを指します。

SNS上に投稿された口コミや商品画像が、他の顧客にとって何らかの刺激となり、購入の意思決定に影響を与える可能性が高まります。商品に対して好意的なUGCが増えるほど、ZMOTを踏まえたマーケティング施策も上手く行きやすくなります。

そのため、自社発信のコンテンツだけではなく、顧客発信のコンテンツも重視することが求められています。ZMOTの観点から、企業はSNS上での顧客とのエンゲージメントを高め、ポジティブなUGCを促進する戦略を立てることが重要です。

さらに、ZMOTの概念を活用し、SNS上での情報発信やインフルエンサーマーケティングを通じて、顧客の購買意思決定プロセスに効果的に介入することが可能となります。これにより、ブランドの認知度向上や商品の魅力的な特徴の伝達を効率的に行うことができます。

関連記事:UGCとは?今注目されている理由と具体的な手法を徹底解説

まとめ

  • ZMOTは2011年にGoogleが提唱した概念で、顧客が店舗に足を運ぶ前にインターネットで情報を収集し、購入する商品をすでに決定しているという顧客の意思決定モデルです。
  • インターネット普及前は、P&Gが2004年に提唱したFMOTとSMOTという概念が主流でした。これらは店舗と家の2回の顧客接点を重視するモデルです。
  • ZMOT段階で効果的なマーケティング施策には、SEO(検索エンジン最適化)とSNSでの情報発信があります。これらはZMOT理論に基づいた重要な戦略です。
  • 最近では、SNS上でStimulusとZMOTが共存するケースが増えています。口コミや商品画像が他の顧客の購入意思決定に影響を与えるため、UGC(User Generated Content)の重要性が高まっています。
  • ZMOT理論を理解し、適切なマーケティング戦略を立てることで、競合他社に対して優位性を獲得できる可能性が高まります。
  • インターネットやSNSの発展に伴い、顧客の購買行動は常に変化しています。そのため、ZMOTの概念を踏まえつつ、最新のトレンドや技術にも注目し、柔軟な対応が求められます。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

メルマガ会員登録で最新マーケティング情報やトレンド情報、
セミナーイベント情報をチェック!

メールマガジンのサンプルはこちら

リード獲得などBtoBマーケティングにお困りではありませんか?
マーケティング施策に関するお問い合わせはこちら

アクセスランキング

  • 2025.2.14

    X(Twitter)をブラウザ版で開くには?アプリにはない機能も解説

  • 2024.12.9

    Wayback Machine(ウェイバックマシン)とは?使い方や意味を徹底解説

  • 2024.12.12

    Figma(フィグマ)の使い方!初心者でも分かるWebデザインツール

  • WEBマーケティングカテゴリの
    おすすめ記事

    マーケティングカテゴリの
    おすすめ記事

    SEOカテゴリの
    おすすめ記事

    おすすめ記事

    PAGE TOP
    閉じる
    2024.10.16

    マーケティング担当者必見!資料無料ダウンロード

    図解でわかる!Webマーケティングの仕事内容

    こんな方にオススメ!
    ・社内に詳しい人材がいないため何をしたらよいか分からない…
    ・Webマーケティングのどこから手を付けていいかわからない…

    マーケティングお役⽴ち資料資料ダウンロード