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ZMOTとは?Googleが提唱する、新たに変わっていく顧客の意思決定

2022.3.1
読了まで約 3

インターネットの普及により、商品・サービスを選ぶための情報収集は店舗などのリアルから検索エンジンやSNSなどオンラインへシフトしました。2011年にGoogleが新たな顧客の意思決定モデルとして、ZMOTを提唱しました。

ZMOTは「顧客は店舗に足を運ぶ前に、ネット上の情報で既に購入する商品を決定している」というマーケティング理論です。今回はZMOTについて、具体的なマーケティング施策とあわせて紹介します。

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ZMOTとは?

ZMOTは、Zero Moment of Truthの略でズィーモットと呼びます。

そもそもMoment of Truth(以下、MOT)は直訳すると「真実の瞬間」です。顧客が商品を通じて企業と接するわずかな時間を指します。MOTはヨーロッパのスカンジナビア航空の当時のCEOヤン・カールソン氏が会社の再建を目的に顧客サービスを見直した際に提唱しました。

旅客が飛行機に乗る際の乗務員と接する約15秒で、競合他社と異なるブランド体験を提供できれば、明確な差別化が可能とカールソン氏は考えました。顧客と接するその一瞬を企業やブランドにとって最も重要な瞬間と定義されたのが始まりです。

Googleが2011年にZMOTを提唱し、顧客が商品を購入する際には事前にインターネットで調べており、店舗に足を運ぶ前に購入するものをすでに決定しているという概念です。テレビCMや雑誌広告等なんらかの刺激(Stimulus)を受け、顧客はインターネットで検索をします。

このインターネットで検索を行う、店舗で商品に触れる前の「ゼロ」地点を最も重要としています。そのため、企業は顧客が店舗を訪問する前の段階で、商品に関する情報をいかに顧客へ届けられるかということが求められるようになりました。

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FMOTとSMOT

インターネットが普及する前には、FMOTとSMOTという概念が主流でした。FMOTやSMOTは2004年にP&Gが提唱した顧客の意思決定モデルで、店舗と家と2回の顧客接点があるのが特徴です。

FMOTは、First Moment of Truthの略でエフモットと呼びます。具体的には、顧客は店舗の棚の前に立った瞬間に商品の購入を決める瞬間を指します。P&Gの調査によるとその瞬間は3~7秒というわずかな時間です。

購入した商品を家で使用し、その商品を再び購入するかどうかを決める瞬間をSMOTと呼びます。SMOTは、Second Moment of Truthの略でエスモットと呼びます。P&Gは店舗で商品の購入を決める瞬間と、家で商品を使用してリピートを決める瞬間の顧客接点が重要と定義しました。

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ZMOTに基づいたマーケティング

①ZMOT段階のマーケティングの重要性

店舗に来る前のZMOT段階で、顧客に対しいかに商品の情報を提供できるか重要ですが、Googleが行った調査によると以下の3つのデータが明らかになりました。

・80%以上が事前にインターネットで調べる段階で購入を決めたと回答
・アメリカ人の70%が製品の購入前にインターネット上でレビューをチェック
・消費者の79%が買い物をするときにスマートフォンを利用

ZMOT段階で有効なマーケティング施策はSEO(検索エンジン最適化)とSNSでの情報発信です。

②SEO(検索エンジン最適化)

来店前にインターネットによる情報収集は、検索エンジンがよく利用されています。検索エンジン上で見込み顧客にどれだけアプローチできるかによって、ZMOT段階で競合に優位になれるか変わってきます。

会社名や商品名といった指名キーワードで検索して上位表示されるようSEOを行うことはもちろん、商品カテゴリやその関連する一般キーワードに対し、ノウハウ系のコンテンツで認知を獲得することも有効です。

関連記事:SEO対策の基本を解説します!やり方や基本的な概念をポイントで説明

③SNSでの情報発信

近年で急速に普及しているTwitter、Facebook、Instagram、LINEなどのSNS上での情報もZMOT段階においては非常に重要です。検索エンジンで得る情報よりも、SNS上でフォローしている友人や有名人から得る情報を顧客は信じやすい傾向にあります。

また、SNS上で発信している情報を収集・分析することによって、顕在ニーズのみならず、ブランドイメージやトレンドなども把握でき、ZMOT段階でよりリーチするための有効な施策を打つことが可能になります。

関連記事:成果につなげるSNSマーケティング戦略の設計方法とは?具体的な運用の流れを解説

StimulusとZMOTが共存するSNS

ZMOTを意識したマーケティング活動は、いかにインターネット検索の際に顧客に向けて自社の商品に関する情報と届けるかが重要です。SNSの台頭によって、Stimulus(なんらかの刺激)とZMOTが共存するケースが出てきました。

例えば、SNS上でフォローしている有名人や友人などの投稿を見て刺激を受け、そのままSNSでその商品について検索を行うケースです。SNS内で顧客の意思決定が完結するようになり、SNS内でのマーケティング活動がより重要となっています。

そこで注目されているのがUGCです。UGCはUser Generated Contentの略であり、直訳するユーザーによって作られたコンテンツです。SNSに限らず、レビューサイトの投稿など、ユーザー主体で発信されたコンテンツすべてを指します。

SNS上に投稿された口コミや商品画像が、他の顧客にとって何らかの刺激となり、購入の意思決定に影響を与える可能性が高まります。商品に対して好意的なUGCが増えるほど、ZMOTを踏まえたマーケティング施策も上手く行きやすくなります。

そのため、自社発信のコンテンツだけではなく、顧客発信のコンテンツも重視することが求められています。

まとめ

・ZMOTは2011年にGoogleが提唱し、顧客が商品を購入する際には事前にインターネットで調べており、店舗に足を運ぶ前に購入するものをすでに決定しているという概念
・インターネットが普及する前には、FMOTとSMOTという概念が主流。FMOTやSMOTは2004年にP&Gが提唱した顧客の意思決定モデルで、店舗と家と2回の顧客接点があるのが特徴
・ZMOT段階で有効なマーケティング施策はSEO(検索エンジン最適化)とSNSでの情報発信の2つ
・最近はSNS上に投稿された口コミや商品画像が、他の顧客にとって何らかの刺激となり、購入の意思決定に影響を与える、StimulusとZMOTが共存するケースが出てきた

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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