VRIO分析とは、企業が持っている「人材」「物資」「資金」「情報」の4つのリソースをもとに、その企業の強みと弱みを分析するためのフレームワークのことです。また、VRIOとは、以下の4つの要素の略称のことです。
・ 経済的価値（Value）：保有する経営資源が、売上を左右するものであるか
・ 希少性（Rarity）：保有する経営資源が、市場において希少性があるものであるか
・ 模倣可能性（Imitability）：競合が自社内の経営資源を簡単に模倣できるかどうか
・ 組織（Organization）：経営資源を活用するための、必要な組織や仕組みが存在しているかどうか
VRIO分析では、上記4つの分析を行うことで、企業が競合優位性の維持や向上に必要なものを洗い出します。VRIO分析は、非常に時間がかかってしまううえに、繰り返し分析を行なって、常に自社状況のモニタリングを行うことが大切です。手間がかかるものの、適切にVRIO分析を行うことで、自社の強みと弱みを正確に理解し、競合優位性が明らかになるので、経営指針を明確なものにできるでしょう。
VRIO分析の方法
VRIO分析を行う場合、まずはVRIO分析を行う目的を明確にすることが大切です。なぜなら、目的に応じてどの程度の深い分析を行うべきかが、決まってくるからです。目的の明確化ができたら、分析範囲を決定しましょう。ここで言う分析範囲とは、分析の対象者のことです。社内全体の分析を行うのか、事業部単位で分析を行うのかといった分析の対象を決めることが大切です。
分析範囲が決定したら、バリューチェーンの把握を行います。バリューチェーンとは、消費者のもとに商品やサービスが届くまでに、付加される価値のことです。バリューチェーンには、製造や運搬、販売などはもちろんのこと、それらに付随する人事やPRなども含まれます。
バリューチェーンの把握まで完了したら、VRIO分析における4要素に対して評価を行いましょう。VRIO分析における4つの要素を満たした部門が、企業における強みとみなされます。VRIO分析の結果を基に、経営の方向性を考えることで、企業の強みを伸ばしつつ、弱みを補強することが可能になります。
VRIO分析における注意点
VRIO分析を行う際の注意点は、必ず「V→R→I→O」の順で評価を行うことです。なぜなら、企業の価値はこの順で重要となり、弱みが見受けられる場合にはこの順番で改善を図る必要があるからです。この順に分析を行い、弱みがあると思われる場合も、この順番で対策を練ることで、自社の競合優位性をより強いものにできます。
参考記事
・バリューチェーンとは？分析方法や構成要素・活用事例をご紹介
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