在宅勤務の浸透により、企業が実施するウェビナーはオフラインの会場開催から、PC画面を通じて気軽に視聴できるオンライン形式が主流となりました。オンラインセミナー、すなわちウェビナーは、場所を選ばずに全国どこからでも参加・開催できる利便性があります。
しかし、対面での密なコミュニケーションが難しいオンライン形式では、参加率や満足度を維持・向上させるためには、戦略的な工夫が不可欠です。本記事では、ウェビナーのポイントを4つの側面から解説し、成功に導くための具体的な実践方法をご紹介します。
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目次
参加率を高めるためのポイント
ウェビナーの成功は、まず参加者に「参加したい」と思ってもらうことから始まります。出席率を最大化するための、申込段階から開催直前までのポイントに焦点を当てて解説します。
① 申込ページでの工夫
申込ページは、参加者の最初の接点であり、参加意欲を左右する重要な要素です。
- 質問機会の提供: 申込フォームに「事前質問」欄を設けることで、参加者は抱える疑問の解消を期待し、参加へのモチベーションを高めます。主催者側も、参加者がどのような点に関心を持っているかを事前に把握でき、より的確な回答の準備が可能となります。
- 参加URL発行の簡便化: ウェビナー参加URLの発行プロセスは、参加者の手間を最小限に抑えることが肝心です。ウェビナーツールへの再登録を求めるような手順は避け、申込完了メールに直接URLを記載するのが理想的です。ただし、競合他社の参加リスクを考慮する場合や、参加者リストの確認が必要な場合は、後日改めてURLを送付する形式も有効です。
② 申込完了メールの重要性
申込完了メールは、参加者の不安を解消し、ウェビナーへの期待感を醸成する役割を担います。
- 安心感の提供: 申込が正常に完了したことを確認できるメールは、参加者の安心につながります。ウェビナーへの歓迎の意を示し、前向きな気持ちで当日を迎えられるように促しましょう。
- 自動送信の活用: SFAやCRMツールのフォーム機能、またはウェビナーツールに備わっているメール送信機能を活用し、自動送信を設定することで、担当者の手間を削減し、迅速な通知を実現できます。
- 参加URLの同封: 申込完了メールに当日の参加URLを記載することで、参加者がURLを見失うリスクを減らし、参加意欲の低下を防ぎます。競合対策や参加資格の制限がある場合は、別途案内の旨を明記し、対応します。
③ リマインダーメールの戦略的活用
ウェビナー開催直前にリマインダーメールを送ることは、参加忘れを防ぐために非常に効果的です。
- 送信タイミング: 開催日の前日と当日の2回、特に当日は午前中や開催1時間前といった、参加者がメールをチェックしやすいタイミングで送信しましょう。
- 記載内容: ウェビナータイトル、日時、概要、参加URL、問い合わせ先などを網羅し、参加者がスムーズにウェビナーに参加できる情報を提供します。
- 社内連携: メールアドレスの間違い、迷惑メールフィルター、通信障害など、様々な要因でメールが届かないケースも想定されます。社内でウェビナー情報を共有し、問い合わせがあった際に迅速に対応できる体制を整えておくことも、重要です。
これらを実践することで、申込から参加までのプロセスにおける離脱を防ぎ、出席率の向上に大きく貢献します。
出席率を高める方法
ウェビナーの参加者に満足してもらうためには、まずはウェビナーに参加してもらうことが重要となります。出席率を高めるための、具体的なポイントを3つ紹介します。
① 魅力的な申込ページの設定
ウェビナーへの参加意欲は、申込ページで大きく左右されます。参加者が「このウェビナーに参加したい!」と思えるような申込ページ作りが重要です。
- 事前質問の受付: 申込フォームで事前に質問を受け付けることで、参加者は知りたい情報への期待感から参加への意欲が高まります。主催者側も、参加者がどのような点に関心を持っているかを把握でき、事前の回答準備やコンテンツの調整に役立ちます。これは、ウェビナーのエンゲージメントを高めるための第一歩となります。
- スムーズな参加URLの発行: ウェビナーの申込完了後、参加URLの発行プロセスは、参加者の手間を最小限に抑えることが肝心です。ウェビナーツールへの再登録などを求められると、参加者のハードルが上がり、参加意欲の低下につながりかねません。
- 申込完了メールへのURL記載: 申込完了メールに直接参加URLを記載するのが最もスムーズです。しかし、競合他社が参加するリスクを考慮する場合は、参加者リストを確認した上で、別途参加URLを送付する形式も検討しましょう。この場合、案内時期を明確に伝えることが重要です。
② 丁寧な申込完了メール
ウェビナーの申込があった際には、必ず申込完了メールを送信しましょう。
- 不安の払拭と歓迎の意思表示: 申込完了メールは、参加者へ「無事に申込が完了した」という安心感を与え、ウェビナーへの参加を歓迎する気持ちを伝える重要な役割を担います。これにより、参加者の前向きな気持ちを維持することができます。
- 自動送信の活用: SFAやCRMツールのフォーム機能にメール送信設定があれば、申込完了と同時に自動でメールが送信されるため、手間もかからず便利です。ウェビナーツール自体にメール機能が備わっている場合も活用を検討しましょう。
- 参加URLの記載について: 申込完了メールに当日の参加URLを記載することをおすすめします。URLを確認する機会が別になると、見落としや参加意欲の低下につながるリスクがあるためです。ただし、競合他社の参加を避けたい場合や、参加資格に制限がある場合は、別途案内する旨を記載し、慎重に対応してください。
③ 効果的なリマインドメールの送信
ウェビナー開催日前に、参加者の記憶を呼び覚まし、リマインダーとして機能するリマインドメールは非常に有効です。
- 送信タイミング: 一般的には、ウェビナー開催日の前日と当日の2回送信するのが効果的です。開催日当日は、メールチェックを行う午前中や、開催1時間前などのタイミングが適しています。
- 記載内容: リマインドメールには、ウェビナータイトル、開催日時、概要、参加URL、問い合わせ先といった必須情報を記載し、ウェビナーの存在を再認識してもらいます。
- メール不達への対応: 登録されたメールアドレスの間違い、迷惑メールフォルダへの振り分けなど、様々な理由でメールが届かないケースも想定されます。そのため、社内でウェビナーの情報を共有し、問い合わせがあった際にスムーズに対応できる体制を整えておくことが重要です。これにより、参加機会の損失を防ぐことができます。
インタラクティブなコミュニケーションを実現する方法
ウェビナーでは、対面のような臨場感ある双方向のコミュニケーションが難しく、登壇者が一方的に話して終わってしまうケースも少なくありません。参加者の満足度を格段に高めるためには、インタラクティブなウェビナーを実現することが極めて重要です。ここでは、参加者とのエンゲージメントを深めるための具体的な方法を解説します。
① Q&Aセッションを効果的に設ける
ウェビナーの進行中に、参加者からの質問に答えるQ&Aの時間を設けることは、参加者の満足度向上に直結します。参加者が疑問点を解消できるだけでなく、登壇者側も参加者の関心や理解度を把握する貴重な機会となります。ウェビナーのポイントとしても、このQ&Aは非常に有効です。
質問を受け付ける方法は、主に以下の3つが考えられます。
- 申込時に事前質問を受け付ける:
申込フォームの段階で質問を募集することで、参加者は知りたい情報への期待感から参加意欲が高まります。主催者側は、事前に質問内容を把握し、回答の準備を練ることができるため、当日の進行がスムーズになります。 - ウェビナー開催中に挙手を促す:
Zoomウェビナーなどのツールには、挙手機能が備わっています。参加者が挙手した際に、マイクをオンにして直接質問してもらい、登壇者がその場で回答する方法です。少人数のワークショップ形式や、活発な意見交換を促したい場合に有効で、ライブ感のあるコミュニケーションが生まれます。ただし、参加者数が多かったり、顔出し・音声出しなしの形式では、この方法でのQ&Aは期待しにくいでしょう。 - ウェビナーのQ&A機能を利用する:
Zoomウェビナーなどが提供するQ&A機能では、参加者がテキストで質問を入力できます。登壇者は、入力された質問に対して「ライブで回答する」か、または「テキストで回答する」かを選択できます。この機能は、多くの参加者からの質問を効率的に管理し、回答漏れを防ぐのに役立ちます。
② 即席アンケート(リアルタイム投票)を活用する
ウェビナーの機能として、リアルタイムでアンケートを実施できる「投票」機能(Zoomの投票機能などが該当)があります。活用することで、参加者のリアルタイムな反応を掴むことができます。
例えば、ウェビナーの冒頭で簡単なアンケートを実施することで、参加者がどのような課題を抱えているのか、どのような情報に関心があるのかを素早く把握できます。これは、参加者のニーズに合わせたコンテンツ提供のヒントになるだけでなく、アイスブレイクとしても機能するため、プログラムに組み込んでおくことをおすすめします。
関連記事:ウェビナーの形式、リアルタイム配信と録画配信のやり方は?Zoomを例に解説
アンケートを確実に回答してもらう方法
ウェビナーを成功に導くためには、参加者の満足度を把握し、今後の改善に活かすことが不可欠です。そのためには、ウェビナー終了後に実施するアンケートを確実に回答してもらうことが重要となります。
ウェビナー終了直後にアンケートを実施する
ウェビナーが終了してから時間が経過するほど、参加者の記憶は薄れていき、アンケートへの回答意欲も低下します。そのため、ウェビナー終了直後にアンケートへの協力を依頼することが、率直な感想や詳細なフィードバックを収集するための最も効果的な方法です。
多くのウェビナーツールには、アンケート機能が標準装備されています。例えば、ZOOMウェビナーでは、事前にアンケートを設定しておけば、参加者がウェビナー画面を退出すると同時に、自動的にアンケート画面へ遷移させることが可能です。この機能を活用するために、ウェビナーの開催前や終了直前に、参加者へアンケートの存在と回答方法を丁寧に伝え、回答を促しましょう。ウェビナー ポイントとして、このタイミングでの実施は非常に有効です。
アンケート特典をつける
アンケートの回答率をさらに高めるためには、回答者に対する特典を用意することも非常に効果的です。特典は参加者のモチベーションを大きく向上させます。
具体的には、ウェビナーで発表した資料や、ウェビナーのテーマに関連するお役立ち資料などを特典として提供することが挙げられます。これらは比較的容易に準備できるため、多くのウェビナーで採用されています。
さらに、より強力なインセンティブとして、普段は提供していない無料トライアルや、1か月無料サービスといった特別な特典を用意することも検討しましょう。このような魅力的な特典は、参加者がアンケートに時間と労力を割くことへの動機付けとなり、結果として回答率の向上に大きく貢献します。ウェビナーの満足度を正確に測るために、これらの工夫を凝らしたアンケート実施は欠かせません。
開催後、商談につながるセールスへのリードトス
ウェビナーで得られた成果を最大限に活用し、商談へとつなげるためには、開催後の迅速かつ的確なフォローアップが不可欠です。ウェビナーのポイントを理解した上で、参加者へのスムーズなアプローチを計画することが重要となります。
① 担当セールスとの連携
ウェビナーの成果を最大化する鍵は、開催後のインサイドセールスやフィールドセールスとの密な連携にあります。ウェビナー開催当日に、参加者リストとアンケート結果を迅速に集計し、担当のセールスチームへ速やかに情報共有を行いましょう。これにより、参加者の関心やニーズを正確に把握した上で、次のアクションにつなげることができます。
さらに、開催日の翌日には参加者へ具体的なアプローチができるよう、セールス担当者と事前に連携しておくことが重要です。必要であれば、セールス担当者のスケジュールを事前に確保しておくことで、参加者の熱が冷めないうちに迅速なコンタクトを実現できます。これらを押さえることで、機会損失を防ぐことができます。
② 参加者へのメール
ウェビナー終了後、参加者全員には感謝の意を伝えるお礼メールを、そしてアンケートに回答してくれた参加者には、約束した特典をウェビナー開催日当日に送付することが望ましいです。メールの本文には、録画したウェビナーのアーカイブ動画のURLを掲載し、参加者が後から内容を見返せるように案内します。
ウェビナー ポイントとして、アーカイブ動画の存在を伝えることで、参加者は再度内容を確認したり、社内で共有したりすることが可能になります。これにより、ウェビナーへの満足度が高まり、その後の商談化の際に社内での承認プロセス(稟議など)がスムーズに進むことが期待できます。
まとめ
ウェビナーを成功に導くためには、参加者のエンゲージメントを高めることが不可欠です。出席率向上には、申込時の質問募集、申込完了メール、そして開催前日のリマインドメールといった情報伝達の工夫が重要となります。インタラクティブなコミュニケーションを実現するには、Q&Aセッションの設置や、リアルタイムでのアンケート機能の活用が効果的です。
さらに、ウェビナーの成果を測定し、次のアクションにつなげるためには、アンケートの回答率を高めることが鍵となります。ウェビナー終了直後のアンケート実施と、特典の提供は、率直な意見収集に役立ちます。最終的に、ウェビナー開催後は、参加者リストやアンケート結果を速やかにセールス部門と共有し、商談へのスムーズなリードトスを実現することが、ウェビナーのポイントです。
これらのウェビナー ポイントを実践することで、参加者の満足度向上だけでなく、ビジネス成果にもつながる効果的なウェビナー運営が可能となります。

