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マーケティング戦略の要「ポジショニング」の定義と事例について解説します!

2026.3.31
読了まで約 4

ポジショニングマーケティングの基本であり、企業が成功を収めるために不可欠な戦略のひとつです。事業を展開する際、自社製品やサービスを市場でどのような位置付けにするかは、その後の収益性や顧客獲得に大きく影響します。今回は、ポジショニングの定義とその実践的な事例についてご紹介していきます。

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ポジショニングとは?

ポジショニング(positioning)とは、一般的な意味では「自分の位置を定めること」です。マーケティングの世界では、「全体や他社との関係で自社の位置を定めること。競合製品との差別化を行い、顧客に対し自社製品を位置づけること」を指します。

ポジショニングの核となる考え方は、他社製品との違いを明確にし、「この製品は○○だから買いたい」「こんなサービス他にはない」と顧客に思わせることです。つまり、市場において自社製品がどのような立場にあるのか、競合企業とはどう異なるのかを顧客の心に刻み込む戦略的活動といえます。

ポジショニングを綿密に行うことにより、以下のようなメリットが生まれます:

  • ライバルとの価格競争になりにくく、ブランド価値による差別化が可能になる
  • ターゲットが明確なため、マーケティング効率がよく、限られたリソースを効果的に活用できる
  • スペシャリストとしてのイメージがつき、顧客からの信頼と認知度が向上する

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ポジショニングはSTP分析の最終工程

ポジショニングは、アメリカの経営学者、フィリップ・コトラーが提唱するマーケティング戦略の基礎的なフレームワークです。企業が新製品の内容、価格、ターゲットを決める上での枠組みを決めることです。

STP分析は、次の3つのステップで構成されています。

  • S:Segmentation(セグメンテーション) 市場細分化・市場全体をある一定の指標をもとに、共通ニーズをもつ顧客層に分類すること
  • T:Targeting(ターゲティング) ターゲットとする市場を決定し、どのニーズに対して事業展開するかを選択すること
  • P:Positioning(ポジショニング) セグメントの中で自社の立ち位置を明確に定め、競合他社との差別化を実現すること

セグメンテーションではさまざまな顧客のニーズを把握してグループに分類し、ターゲティングではどのニーズに対しターゲットを定めるかを決定します。そして、STP分析の最終ステップであるポジショニングで、自社の立ち位置をしっかり定めることが極めて重要です。このプロセスを通じて、マーケティング戦略を最も効果的に進めることができるのです。

ポジショニングの6つの基準とは

コトラーは、優れたポジショニングを導くために以下の6つの基準がポイントであると説いています。以下の中から自社製品に適した方法を選択して決めていきますが、一つないし複数のこともあります。

基準1:特定の製品属性に基づいたポジショニング
「自社製品の特性は何か?」「勝負できるポイントは何か?」という問いから出発します。たとえば「低価格」で勝負するのか、「品質や高級感」を売りにするのか、「耐久性」や「デザイン性」などがあげられます。自社製品が競合製品と比べて優位性を持つ属性を明確にすることが重要です。

基準2:製品が提供するベネフィットに基づいたポジショニング
「顧客はその製品に対しどのような期待をしているか」「顧客が期待するニーズを満たすことができるか」を考えることが必要です。ベネフィットとは「利益」や「恩恵」であり、製品を通じて顧客にもたらされる価値のことです。「自社IT部門が自由にカスタマイズできるPC」のように、製品そのものの特性よりも、その製品を使用することで顧客がどのような利益や効果を得られるのかに焦点を当てたアプローチです。

基準3:製品が使用される機会によるポジショニング
「自社製品はいつどんなシーンで使用されているか」「期待される使用シーンを実現するには何が必要か」という観点から設定します。生活のどの場面、どのシーン、またどの人が製品を使用するのかを具体的に観察し、ポジショニングに活かします。日中か夜間か、会社の外か内か、大勢での利用か少数での利用か、性別や年代による違いなども重要な要素です。「出張の際に持ち運びしやすいPC」や「オフィスの休憩室用のお菓子」といった具体例では、使用される機会や場面が明確に定義されています。

基準4:競合製品との関係性を活用したポジショニング
自社製品と競合製品との関係性から、他社と比較して何ができるのかを示します。競合製品との対立関係を明確にし、「私たちなら○○ができる」といった内容を広告やプロモーションなどで打ち出す方法です。この方法により、消費者の認識の中で自社製品と競合製品の違いを際立たせることができます。

基準5:競合製品と距離をおいたポジショニング
競合製品にはない自社製品の特性を前面に出すことで、顧客に明確な違いを認識してもらうアプローチです。ERPの大手Oracleは、競合のSAPとの大きな違いを、同社のクラウドサービスOracle Cloudを基盤として、新しいクラウドサービスのERPをいち早く導入することで示しました。この場合、既存競合企業との競争軸そのものを変えることで、新たなポジションを確立したのです。

基準6:製品の種類別のポジショニング
同じ製品でもその用途や種類によってポジショニングすることが効果的なことがあります。
有名な例では、料理に使われていた重曹をゴミ箱や冷蔵庫の脱臭剤としてポジショニングした会社があります。
現在重曹は掃除用品としてすっかり定着しています。
自社製品の種類をあらためて見なおすことで、別の種類に分類しポジショニングすることができるかもしれません。

ポジショニングの事例をご紹介!

ここでは、ポジショニングの6つの基準を実際にどのように活用し、市場で成功を収めている企業の具体例をご紹介します。これらの事例を参考にすることで、自社製品に最適なポジショニング戦略の構築に役立つでしょう。

1. TOTOハイドロテクト

TOTOは衛生陶器・住宅設備機器の一大メーカーです。TOTO「ハイドロテクト」は、水をまったく弾かない「超親水性」と、汚れや臭いが付きにくくなる「光触媒」の技術が商品に付加されている技術ブランドです。TOTOは「HYDROTECT」のロゴを商品に表示させることで「汚れが落ちやすく水滴が付かない」ことをアピールし、この新技術により市場での地位を確保し続けています。

2. ギャバン

ブルーとシルバーのパッケーは多くの飲食店のテーブルにみかけますが、現在では一般家庭にも普及しているコショウの「GABAN」。創業者は、他会社の香辛料が家庭用としてすでに浸透していたため外食産業をメインに展開しようと考えました。当時のコショウの多くは小麦粉など混ざり物が含まれており、品質重視で「混ざりものがない本物のコショウ」として業務用に特化して販売を始めます。まず創業者は札幌ラーメン横町を一軒ずつまわり、1缶ずつ販売しました。また競合他社との味の違いを説明するためレストランのシェフを直接訪れ、缶を開けて香りを確かめてもらい、簡単な料理を作るなどその品質を納得してもらえるよう手を尽くしました。創業者の地道な努力と、ブラックペッパーとベストマッチな札幌ラーメンのブームと相まって、GABANは広く認知されるようになったのです。これまで重視されていなかった「コショウの品質」というポジショニングに加え、地道な営業活動、製品の提案や商品に関するサポートといった付帯価値も「業務用コショウといえばGABAN」となる大きな要素になりました。

まとめ

ポジショニングとは、顧客に自社製品を意識づけるため、他社との差別化を行い自社の立ち位置を明確にすることです。競争が激化する市場において、自社製品の独自性を確立することで、単なる価格競争に陥ることなく、ブランド価値を向上させることができます。

ポジショニングはSTP分析の最終ステップであり、セグメンテーションとターゲティングで絞り込んだ市場における自社の位置づけを決定する重要なプロセスです。そのため、マーケティング戦略全体を有効に進めるためには、このプロセスが不可欠です。

コトラーが提唱する6つの基準から、自社製品の特性やベネフィット、使用場面、競合との関係性などを総合的に検討し、自社に適したポジショニング戦略を構築することが成功の鍵となります。TOTOやギャバンといった他社の成功事例を参考にしながら、自社製品の強みを最大限に活かしたポジショニングを作成することで、市場における確固たる地位を獲得することができるでしょう。

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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