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マーケティングにおけるDMの役割とは? その効果と実施のためのポイント

2021.12.14
読了まで約 11

VUCAやBtoB、3CやSTP、CS、ESなどなど、マーケティングやそれを取り巻くビジネス環境では横文字や造語が氾濫していて、実際の業務に携わっている担当者であってもそのすべてを把握し説明できるか?といわれたら自信がないという人の方が多いのではないだろうか。

特にアルファベットを並べただけの略称や造語は種類が多く、同じ略称が別の言葉を意味することも少なくないので、前後の文脈から何を意味しているのかを正確に読み取ることは難しい。

なかでも「DM」は比較的古くから使われている略語であり、日本にマーケティングの概念が浸透し始めた当初から、ある時は「ダイレクトマーケティング」の略称として、ある時は「ダイレクトメール」の略称として用いられてきた。

これまで、実際のビジネスにおいては概念的な意味でのダイレクトマーケティングより、実施する頻度がとても高いダイレクトメールの略称として使われることが多かったのだが、近年ではSNSの普及によって「ダイレクトメッセージ」をもDMと表現するようになったのでさらにややこしいことになっている。

そこで本稿では「ダイレクトメール」としてのDMを、周辺の概念や手法とともに整理し、正しい意味で理解できるよう解説していくこととする。

さらに、ダイレクトメールとしてのDMのメリットとデメリットを明確にし、効果的に実施するためのポイントについても紹介したい。

DMの意味を整理する

ダイレクトマーケティングとしてのDM

ダイレクトマーケティングの意味を再確認する

ダイレクトマーケティングとは、その名の通り企業が直接(ダイレクトに)顧客に働き掛けるマーケティング手法のことだ。
これまで企業は、情報発信の手段として主にテレビ・ラジオや新聞といったマス媒体を通じて行うマスマーケティングを行ってきた。
マスマーケティングとは何かについて理解するうえで一番分かりやすい例がテレビコマーシャルだろう。テレビコマーシャルでは、企業側が発信したい情報を「一方的に」(もちろんある程度のコアターゲットを想定した上で)、「不特定多数」の視聴者に向かって流すことができる。
マスマーケティングの特徴はこの「一方的に」「不特定多数に」という2点にあり、逆にダイレクトマーケティングの特徴は「双方向」「細かいターゲット設定」ということになる。

近年は、インターネットやソーシャルメディアに代表される情報伝達種段の多様化に伴い、企業は自社のターゲット層と直接コミュニケーションを取ることが可能となった。
これを背景に企業は、マスマーケティングよりもさらに細かい顧客のセグメント化を行い、詳細なターゲットを設定したうえで、訴えたいターゲットだけに情報を発信し、それに対するターゲットの反応(レスポンス)をみながらニーズや嗜好を探り、その測定結果にあわせてマーケティングを行うという、顧客と一対一のコミュニケーションをするようになった。
これがダイレクトマーケティングである。

ダイレクトマーケティングの特徴とは

歴史的に見ると、「ダイレクトマーケティング」という言葉は、1961年にダイレクトマーケティングの創始者といわれるLester Wunderman(レスター・ワンダーマン)使い始めたといわれている。
その後、1981年にアメリカのDMA(ダイレクト・メディア・アソシエーション、現在はデータ・アンド・メディア・アソシエーション)によって、ダイレクトマーケティングは、「一つまたは複数の広告メディアを使って、測定可能な反応あるいは取引をどんな場所でも達成することのできる双方向のマーケティングシステム」であると定義されている。

この定義から導き出されるダイレクトマーケティングの特徴は、以下の4つに集約される。

1.一つまたは複数のメディアを使えること
2.顧客の反応を測定できること
3.どんな場所でも実施できること
4.双方向であること

こうした特徴から、費用対効果が高い、安定した収入につながるなど多くのメリットがあるため、20世紀後半からダイレクトマーケティングを採用する企業が増加してきているのだ。

そしてダイレクトマーケティングの手法のひとつとして使われてきたのがダイレクトメールとしてのDMである(以下、DMはダイレクトメールの略称として記述する)。

DMは高度成長期の後半からバブル期を中心として「数多く打てば当たる」とばかりに乱発されたこともあるため、「過去の手法」という文脈で語られることも多いが、実際にはDMは昔の手法で今は通用しない、というわけではなく、実は昔より現在の方がDMのレスポンス率は上がっていて、これをダイレクトマーケティングの柱としている企業も増加しているのだ。

関連記事:ダイレクトマーケティングとは?メリット、デメリットと活用事例

ダイレクトメッセージとダイレクトメール

本稿ではダイレクトメールについて取り上げるわけだが、ダイレクトメッセージという一見、似たような言葉と手法との対比でもその意味するところを明らかにしておきたい。

インターネットが普及してデジタル中心の社会となり、さまざまな事象がSNSで代替されることになって久しい。「ダイレクトメッセージ」もSNSが当たり前の社会となってから生まれてきたダイレクトマーケティングの手法のひとつだ。

考え方によっては、SNSマーケティングというものを定義し、その手法のひとつにダイレクトメッセージを加えるという見方もある。

SNSマーケティングとは、TwitterやInstagram、FacebookなどのSNSを活用したマーケティングの総称であり、アカウントを通してユーザーと直接コミュニケーションをとれるため顧客との距離が近く、ファン化しやすいというメリットがあるため、導入する企業は多い。ファン化が進み優良顧客に育成できれば、リピーターにもなりやすいので恒常的な収益が見込めるのだ。

また、情報収集という面においても、いわゆる企業アンケートなどの一方通行な方法では得られない、顧客の生の声を聞けることもメリットとなる。この時威力を発揮するのがダイレクトメッセージなのだ。

ダイレクトメッセージを使えば、TwitterやInstagramなどのプラットフォームを通じて、他のユーザーには知られることなく、ターゲットと直接、非公開の会話をすることができることが特徴だ。

関連記事:SNS(ソーシャルネットワークサービス)の基礎知識と現代のSNSマーケティングがもたらす効果をご紹介

ダイレクトメッセージを使うメリットは以下に集約できる。

・ターゲットとのやり取りを周囲に知られることがない
ダイレクトメッセージではターゲットと直接メッセージのやりとりができる。

ある程度、個人的な内容の会話もできるため、ターゲットを絞ったメッセージを発信することが可能となる。

また企業の公式アカウントであれば、お問い合わせの機能を兼ねることもでき、顧客からのPull型マーケティングにも対応できる。

さらには、ほとんどのSNSには一対一のやりとりだけでなく、グループでやりとりできるグループダイレクトメッセージ機能も備わっているため、例えば採用戦略に用いるなら内定者との座談会やグループ面談などに活用することも可能だ。

・リアルな本音を引き出せる
また、最近では口コミ分析などといったソーシャルリスニングツールも充実してきている。

これらを活用して顧客の声を分析すれば、企業アンケートよりも本音に近い感想や意見を引き出すことができ、よりリアルな顧客ニーズを引き出して自社製品の改善や新たな企画作りに活かすことができるのだ。

ダイレクトメールとしてのDM

ダイレクトメールの定義

日常的に送られてくる「ダイレクトメール」は、誰もが一度は目にしたことがあるだろうし、当然送る側になった経験のある人も多いに違いない。

では、そもそもDMとはどのようなものだろうか。

一般的にダイレクトメールとは、企業や商店などから家庭や職場宛てに直接(ダイレクトに)送られてくる、営業や宣伝を目的とした製品やサービス、キャンペーンなどに関する広告のことであり、マスメディアなどを介さないダイレクトマーケティングの手法のひとつだ。

大きく分けて、自社でストックした、あるいは専門の名簿業者などから入手した顧客情報を元に、住所を特定して個人の住所宛に届けるDMと、宛先を特定せず、店舗周辺の地域や特売日の前日など、あるセグメントに該当する全体に届けるという2つのDMがある。

前者の場合は既存顧客やリピーターへのアプローチに用いられることが多く、後者は主に新規顧客の獲得に用いるなど、目的によって使い分けることができ、用途やターゲットを自在に設定できるという特性がある。

DMの特徴とは

では、DMは他のメディアとはどこが異なるのだろうか。

デジタル技術が社会に浸透していく中で、アナログメディアであるDMは過去のものと思われがちだが、実際にはDMを活用している企業は多く、その特徴は改めて注目すべきものである。

現代でも通用するDMの特徴としては以下のようなものがある

1. 写真やイラスト、POPな書体など表現の幅が広い
まずDMの特徴としてあげられるのは、印刷物であるため写真やイラスト、さまざまな書体を使った表現が自由にできることである。メールマガジンなどのデジタルメディアでは、書体は限られているし、あまり派手な色を使ったりすればかえって悪い印象を与えることにもなりかねない。
その点DMならば、例えば高級車の試乗会への招待状に金箔を使ったり、手書き風の書体で親近感を醸成したりすることが可能である。

2. 実体験を提供できる
1.とも関連するが、DMは実際に送ることができるため、顧客の手元に実体験を届けられることに大きな特徴がある。
例えばデジタルメディアでは化粧品の精細な画像を提供することは可能だが、その肌触りや質感、ましてや香りを体感させることはできない。
その点、DMによってその化粧品のサンプルを手元に届けることでユーザーに実際のモノに触れさせることで、口コミにはない貴重な実体験を提供することができる。
もちろん、WEB上でのDMを実施してから希望者にサンプルやカタログ、クーポンなどを送付するというワンクッション置いた手法も可能だ。

3. 顧客と特別な関係を築ける
DMを繰り返すことで顧客のリピート率を上げたり、製品やサービスへの親密度を向上させられるのも特徴の一つだ。
顧客データを解析してそのニーズや嗜好を把握すれば、例えば高級車やブランド品を好む層をターゲットにして高級感のある招待状で試乗会や試着イベントへの参加を促したり、四季折々に手書き風書体で封書を送り、高齢層へサプリメントのリピートを促す、といった手法はすでに定着しているといえるだろう。

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DMのメリット・デメリット

マーケティングを左右するDMの役割

ここまで見てきた通り、ダイレクトマーケティングの一環として重要な役割を担っているDMだが、その効果は日本ダイレクトメール協会が実施している「DMメディア実態調査(2020年)」(首都圏在住の20 代~ 50 代の男女 199 名に毎日日記式で「受取DMの全件モニター」を実施、自分宛1,233 通、自分以外の家族宛 815 通、無宛名 310 通、合計 2,358 通のDMが対象)によって知ることができる。

出典:
https://www.jdma.or.jp/data/research.php
https://www.jdma.or.jp/upload/research/20-2020-000016.pdf

この調査によると、今回調査した期間での受取DMは1週間で6.7通であり、本人宛のDM(1,233通)については74.0%という高い閲読率となっている。
また、DMを受け取った後の行動として、「話題にした」「インターネットで調べた」「来店した」「実際に購入した」といった行動をとった比率は本人宛受取DM総数に対して16.3%であるが、これを年齢層別に見ると、男性20代では21.8%、女性30代が26.2%とアップし、若年層に対して比較的高い訴求力があることが伺える。

こうした行動喚起効果が期待できるDMだが、もちろんデメリットもあるし、これを押さえておくことが重要となるので、以下にメリットとデメリットを整理しておこう。

DMのメリット

DMを実施するメリットは以下の4点に集約されるだろう。

1.多彩な表現で個性をアピールしやすい
まずメリットとして上げられるのはDMの特徴である写真やイラスト、さまざまな書体などを駆使して製品やサービスの個性をアピールし、差別化を図れることだ。
紙質や折り方などを工夫すれば、高級なインビテーションカードや冊子、簡易カタログにするなど、その体裁やデザインにバリエーションをつけることで、製品やサービスのイメージが伝わりやすく、開封率も向上させることができる。

2.盛り込む情報量をコントロールできる
表現だけでなく、ハガキや封書をいった体裁を選択することで盛り込む情報量をコントロールできることもメリットだ。
例えばリピーターにはハガキで割引、特典のクーポンだけを送り、新規顧客には自社情報はもちろん、カタログや活用事例などの豊富な内容を冊子にして送付する、といった調整が可能だ。

3.効果測定が活かせる
一般的に言ってDMは何回か、何種類かを実施した方がメリットは大きい。複数回実施することで、種類別、回数別にどの企画の反応率が高かったか? どの顧客の購入率やリピート率が高かったか?等を測定、分析し、マーケティングに活かすことができるからだ。
逆にいえば、結果を分析して、得られたデータを活かすことがDMを使ったマーケティングには欠かせない施策といえるだろう。

4.デジタルに縁がない層にアプローチできる
DMなら、あまりデジタルに触れない高齢者などの層にもアプローチできるのがもう一つのメリットだ。こうした層にはインターネットを活用したSNSやオウンドメディアなどのマーケティングは届きようがないからだ。
また、最近は特殊詐欺への対応が強化されているため、電話番号名簿を入手してのテレマーケティングも留守番電話対応であったり、そもそも電話に出ないことも多かったりして有効な手段とはなり得ない。しかし、DMであればそういった層にも顧客の住所に送付しているのでリーチできる場合が多く、開封率も高いのだ。

DMのデメリット

一方デメリットとしては以下のような点が考えられる。しかし、対応策もあるのでそれも併記しておく。

1.時間と労力、コストがかかる
従来、DMの実施には準備段階で苦労することが多いと考えられてきた。
そもそも企画内容や原稿の作成、デザインはもちろん、そこに至るターゲットのセグメント化、顧客リストの作成等、発送以前の段階で多くの費用や時間を費やさなければならないためだ。
しかし、最近では、DMを代行するサービスやツールが開発されていて、リスト会社などが持っているリストの精度も上がってきている。このため、コスト面の折り合えさえつけば、これらのサービスを活用して時間と労力を削減できるだろう。また、文章やデザインについてもプロに代行させれば品質が高いものを得ることが可能だ。

2.開封されない場合もある
前述のツールやサービスの活用によって、ターゲットのセグメント化や性格付けの精度が上がっているため、現在は昔ほどひどくなくなっていはいるが、ターゲットの手元に届いても開封されず、そのまま処分されてしまうというケースがあることも事実だ。
これに対処するには、中長期的視野に立って調査と分析を行い、PDCAを根気よく回して顧客に必要な情報やニーズを適格に捉えながら、開封してもらうための工夫を探っていくしかない。

図:DM(ダイレクトメール)のメリットとデメリット

DMをマーケティングに活用するには?

DM施策を成功に導く3つのポイント

ここまで、DMのメリット、デメリットを紹介してきたが、ここからはDMをマーケティング活動に活用するための方策を考えていこう。

まず、DMを実施する際に押さえておきたい3つポイントを紹介しよう。

図:DM施策を成功に導く3つのポイント

ポイント1.ターゲットとタイミングの明確化
DM施策においてもっとも重要なのが誰にどのような目的で送るかという、ターゲット(目的・目標)であり、そのターゲットに向けてどのタイミングでアプローチするのが最も効果的であるのかを決定して明確にしておくことだ。
目的と目標は数値として掲げ、タイミングは短期、中期、長期に区分するなど、関係する誰もが共通の認識を持てるようにすることが重要となる。
例えば「年度末の1ヶ月前をタイミングとしてロイヤリティの高いリピート顧客1000名に対して期末セールのDMを送り、期間中200人に来店してもらう」などの具体的な設定が考えられる。

ポイント2.質の高いクリエイティブと魅力ある特典
DMには伝えられる情報量が多いという特徴があることはすでに述べた通りだが、その特徴を最大限に活かすためには、デザインはもちろん、コピーライティングや印刷技術などのクリエイティブの水準を高くしておく必要がある。
また、割引や優待といった特典を用意して開封率と行動喚起を促すこともあわせて考えたい。
なぜなら、特典の内容によって求められるクリエイティブの質も変わってくるからだ。
例えば、安価な割引特典ならPOPな感じで気軽に来店を促し、高級車の試乗会なら高品質でリッチなイメージのインビテーションカードでセレブ感を演出するなどだ。
そのため、コスト面を考慮して安易に内製化するのではなく、こだわりをもったアートディレクターや社外の専門家に依頼するなどして、質の高いDMを作成する方が良い結果に繋がりやすく、結局は費用対効果を高めることができるといえる。

ポイント3.地道な効果測定の実施
以上の2つのポイントで企画を十分に検討してからDMを実施した上で、開封率や来店数など具体的なレスポンスをカウントしながら効果測定を行い、PDCAを回していくことで次の施策の効果向上へとつなげていくことも重要なポイントだ。
こうした活動は地道に実施し続けることが肝要だが、最近では効果測定のためのツールや手法が開発されているのでそれらを活用してもよいだろう。

ワンランク上のDM施策とは?

DMを実施する際の基本となる3つのポイントを紹介したが、できれば実施しておきたいワンランク上の工夫も紹介しよう。

それは
1. DM施策の社内共有
2. 潜在ターゲットへのアプローチ
3. 副次的効果の見極め
の3点だ。

1.DM施策の社内共有
DMを実施する際、ほとんどの場合、企画営業や業務推進などの営業支援部門やマーケティング部門が中心となって企画運営していくことが多い。もちろん経営トップの判断を仰ぐという意味では全社的な取り組みとなることも多いが、果たしてそのターゲット(目的・目標)や実施のタイミングなどが全社員に情報共有されているだろうか?

「え、そんなDM打ってたの?知らなかった」という社員がいるようではDM施策の効果は期待できない。

いつ、なんのためにDMを実施するのかについての情報は全社員と共有することが大切だ。なぜなら、全員の行動ひとつひとつがすべてビジネスにつながっていくからだ。

自社のWEBページへの誘導が目的なら、WEBページ担当者もそれを知っておく必要があるのは当然として、それを見る全社員も何のためにWEBページが更新されているのかを知っておくことはモチベーションの向上にもつながる。

また、具体的な目標を提示すれば、全社員が同じ方向にエネルギーを向けることになり、一丸となって目標の達成に向かうことができるのだ。

2.潜在ターゲットへのアプローチ
既存の顧客リストからターゲットを洗い出し、それに該当する人を抽出してDMを送ればレスポンス率は間違いなく高くなる。これは当然の結果であり、もちろん良い方法なのだが、その先の広がりは期待できない。

もう少しターゲットを広げて、常に「顧客になりそうな人」を探しながらDMを実施することで潜在ターゲットの掘り起こしが可能となる。

自社で新たなリストを作成することが難しければ、DMを代行する会社などに相談するのも良いだろう。

宛名なしのDMならば、ポスティング会社に依頼すれば、エリアなど細かい設定をした上でポスティングしてもらうということも可能だ。

3.副次的効果の見極め
DMはビジネス上の施策として行うからには、利益に結びつけなければならないため、どうしても費用に対しどの程度の効果が上がっているのかに目が行きがちだ。

これはもちろん間違いではないが、費用のことばかりに囚われず、「本当に良いDMを作って届けよう」という視点も重要だ。

クリエイティブの項でも触れたが、費用を気にするあまりデザインやコピーを内製化して陳腐なDMを送ってしまったらイメージの低下につながりかねないからだ。

開封率や来店数など測定できる効果の他にも、社名や製品名を印象づけたり、新たなサービスを覚えてもらったりなどの副次的効果もあることを考慮してPDCAサイクルを回していきたい。

どんなDMがあるのか、形状と用途

形状別の特徴と用途例

DMを実施する際に必要な前準備が整ったとして、以下では実際にどのような形態があるのかについてそれぞれの特徴や盛り込むべき内容を見ていこう。

・はがきタイプ
DMといえば、誰もがまず最初に思い浮かべるのがはがきタイプであろう。

宛名を特定して送られてくる郵送用はもちろん、はがきサイズの印刷物として、宛名なしで広範囲に配布されるものも多い。大手企業から個人の店舗に至るまで、比較的簡単に導入することができ、かつ多様な用途に利用できるのがこのはがきタイプである。
また、デザインや印刷にかかるコストを度外視すれば1枚63円という安価で日本中どこへでも送ることができるのも特徴だ。

官製はがきに代表される定形はがきサイズだけではなく、定形外の大きさも利用することができ、往復はがきや中面にも印刷できる圧着ハガキなどさまざまな種類があり、目的や用途に応じて使い分けることができる。
さらに、開封の必要がないため、封筒より情報を伝えやすいのも特徴だ。
新製品や新店舗の紹介、特売日などのキャンペーン、イベントやセミナーの告知など幅広い用途に利用できる形状といえる。

・レタータイプ
封筒を使うレタータイプのDMも多い。
中にチラシや冊子、挨拶文などを入れることができ、盛り込める情報量が多いのが特徴だ。
ただし、はがきなどと比べて郵送費がかかるため、コストが割高になりがちであること、開封されずにそのまま捨てられる可能性も高いことなどを考慮する必要がある。

そのため、既存顧客に向けた案内や、すでにニーズが高いことがわかっているユーザーに向けた告知など、ある程度の開封率が見込める場合に有効なタイプだといえる。

・FAX
番号情報さえ入手できれば、FAXも有効なDMのひとつだ。
郵送費が発生するはがきタイプやレタータイプなどよりもコストがかからず、封入などの手間が省けるというメリットがある。

反面、送付するデータはほとんどの場合モノクロなので、デザイン性は最初から度外視する必要があり、読まずに捨てられてしまう可能性も高い。また、最近ではFAXのない家庭も多く、一般コンシューマー向けに実施するにはターゲットの精査と選定が必要不可欠となる。
特にBtoBにおける定期的な受発注やアンケート送受信など、モノクロで十分情報が伝達できる内容なら費用対効果の面では優れているといえる。

・電子メール
最近では電子メールがDMの主流となっているといってもいいだろう。
電子メールでのDMが普及している理由は、その「多量さ」と「即時性」「低コスト」という3つのメリットにある。

つまり、宛先さえ入手できればコストを気にせず多くのターゲットに向けてDMを送信できること、送信すればすぐ手元に届くのでタイムリーな情報提供ができること、郵送費や通信費がかからず、デザインも凝ったものは必要ないため低コストで実施できること、の3つだ。
反面、情報セキュリティーの面から迷惑メールと判断される可能性があることも考慮しておきたい。

電子メールにはさまざまな内容を盛り込むことが可能だが、特にWEBサイトへの直リンクやEコマースへの誘導などインターネット上でのビジネスに適しているといえる。
近年はDMメールに特化したサービスもあり、質も向上しているので、ノウハウを持った外部スタッフに委託するという選択肢も有効だろう。

まとめ

・本稿ではDMの定義や用途、ダイレクトメールとしてのDMの種類やメリット、デメリットなどを紹介してきた。しかしDMはあくまでダイレクトマーケティングの手法のひとつであり、WEBマーケティングやその他のマーケティング、営業手法でないと訴求できないターゲットや製品、サービスやテクノロジーも数多い。

・重要なことは自社の製品やサービスの訴求したい内容や顧客にあった施策を行うことあり、そのなかでベストな選択がDMであると判断した場合に実施することだ。

・DMを実施する際にはターゲットとなる顧客リストの選定、その顧客リストにあったクリエイティブ、また反応率をアップするためのさまざまな工夫(魅力ある特典など)が必要となるため、ハードルが高く感じられるかも知れない。

・そのためDMを実施する際には自社だけで運用することにこだわらず、専門業者のノウハウを活かすという選択肢があるということも視野に入れておくと良いだろう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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