視聴率という言葉は多くの人が耳にしたことがあるでしょう。しかし、その具体的な測定方法や意味合いについては、疑問を持つ人も少なくないのではないでしょうか。また、近年ではインターネット配信の普及に伴い、従来のテレビ番組とは異なる視聴率の指標も登場しています。本記事では、テレビ番組やインターネット配信における視聴率について、その種類や測定方法、さらにはコア視聴率と関連する年齢層について詳しく解説します。
視聴率は、テレビ局やスポンサー企業にとって非常に重要な指標です。これは、番組の人気度や広告効果を測る上で欠かせない情報となるためです。従来の視聴率は、主に世帯単位で測定されていましたが、現在では個人視聴率やタイムシフト視聴率など、より細分化された指標が使用されるようになりました。
特に注目すべきは「コア視聴率」です。これは主に13歳から49歳までの視聴者層を対象とした個人視聴率を指し、広告主にとって重要なターゲット層の視聴動向を把握するのに役立ちます。コア視聴率は、テレビ局が番組制作やCM枠の販売を行う際の重要な判断材料となっています。
視聴率の測定方法も、技術の進歩とともに変化しています。かつては日記式のアンケートが主流でしたが、現在では「ピープルメーター」と呼ばれる機器を使用し、リアルタイムでより正確なデータを収集することが可能になりました。この測定システムにより、視聴者の属性や視聴時間帯などの詳細な情報を得ることができます。
さらに、インターネット配信の普及により、動画視聴における新たな指標も登場しています。例えば、YouTubeなどの動画プラットフォームでは、再生回数だけでなく平均視聴時間や再生率といった指標が重視されています。これらの指標は、視聴者の興味関心や動画コンテンツの質を評価する上で重要な役割を果たしています。
このように、視聴率は単なる数字ではなく、メディア業界全体に大きな影響を与える重要な指標です。テレビ局やコンテンツ制作者、広告主は、これらの多様な視聴率指標を活用しながら、より効果的な番組制作や広告戦略の立案に取り組んでいるのです。
目次
視聴率とは
視聴率は、テレビ番組やCMがどれだけ多くの人に視聴されたかを示す重要な指標です。一般的には1世帯ごとの数値を指しますが、近年ではインターネット放送の普及に伴い、より詳細な指標が求められるようになってきました。コア視聴率やタイムシフト視聴率など、新しい概念も登場しています。
視聴率には様々な目的があります。例えば、企業がテレビ番組のスポンサーになる際、広告効果を測る尺度として活用できます。また、番組内容による視聴者層の変化を調査したり、視聴者ニーズを把握したりするのにも役立ちます。
高視聴率の番組は話題性が高いとされ、その番組を見た人々の意見を集めることで、番組の問題点や良い点を分析し、今後の番組制作の質向上に活かすことができます。このように、視聴率はマーケティングや企業活動において非常に重要な役割を果たしています。
テレビ局各社は日々、視聴者獲得のために様々な努力を続けています。個人視聴率の導入や、録画に対応したタイムシフト視聴率の測定など、より詳細で正確な視聴データの収集に取り組んでいます。これらのデータは、番組制作やCM戦略の立案に不可欠な情報源となっています。
視聴率は単なる数字ではなく、視聴者の興味や関心を反映する重要な指標であり、テレビ業界全体の動向を左右する大きな影響力を持っているのです。
視聴率とは一般的には1世帯ごとの数値を指す
視聴率とは、一般的に1世帯ごとの数値を指します。これは、テレビ番組やCMがどれだけ多くの家庭で視聴されているかを示す重要な指標です。視聴率調査では、各世帯にピープルメーターと呼ばれる機器を設置し、リアルタイムでの視聴状況を測定します。この調査結果は、放送局やスポンサー企業にとって非常に価値のある情報となります。
視聴率は、通常パーセンテージで表されます。例えば、視聴率10%は、調査対象となる全世帯の10%がその番組を視聴していることを意味します。この数値は、番組の人気度や影響力を測る上で重要な指標となり、広告効果の測定にも活用されます。
近年では、従来の世帯視聴率に加えて、個人視聴率やタイムシフト視聴率など、より詳細な視聴データの収集も行われるようになりました。これは、視聴者の多様化するニーズに対応し、より正確な視聴傾向を把握するためです。
また、コア視聴率という概念も注目されています。これは主に13歳から49歳までの視聴者層に焦点を当てた指標で、広告主にとって特に重要な年齢層の視聴傾向を示します。
視聴率データは、番組制作やマーケティング戦略の立案に大きく影響を与えます。高視聴率を獲得した番組は、より多くの広告収入を得られる可能性が高まり、放送局にとっては重要な経営指標となっています。
視聴率調査のやり方
視聴率調査において、視聴率データを提供している主要な調査機関は現在、ビデオリサーチ社(VR社)のみとなっています。VR社は日本国内における32のテレビ放送エリアで視聴率調査を随時実施しています。その調査方法は、各エリア内でテレビを所有している世帯をランダムに選出し、それらの世帯のテレビ視聴状況から視聴率を算出します。
このランダムに選出された調査対象となる世帯を「標本世帯」と呼びます。視聴率は最小1分から5分単位で計算され、これを番組の放送枠で割り出すと「番組平均視聴率」となります。また、番組平均視聴率の他に、1日における時間区分ごとに割り出した「時間区分の平均視聴率」なども算出されます。
視聴率調査においては、コア視聴率も重要な指標となります。コア視聴率は、主に13歳から49歳までのファミリー層における個人視聴率を指し、広告主にとって特に重要な指標となっています。これは、この年齢層が商品やサービスの購買意欲が高く、優良顧客が多い層とされているためです。
また、視聴率調査では、世帯視聴率だけでなく個人視聴率も測定されます。個人視聴率は、4歳以上の家族一人一人の視聴状況を反映するため、より詳細なデータを提供します。これにより、年齢や性別などの属性ごとの視聴傾向を把握することが可能となり、マーケティングや番組制作に活用されています。
さらに、近年ではタイムシフト視聴率や総合視聴率といった新しい指標も導入されています。これらの指標は、録画視聴やオンデマンド視聴など、多様化する視聴形態に対応するものであり、より正確な視聴状況の把握を可能にしています。
視聴率データ取得方法
主に視聴率データ取得方法として用いられているのが「PM=ピープルメーター」です。PMと呼ばれる視聴者測定ツールを視聴率調査の協力に承諾してくれた世帯に設置しテレビの視聴状況を測定します。
1世帯につき最大8台まで設置し各テレビの視聴状況を個別に測定できます。主に測定機能付きのリモコンをユーザーが操作することで家族の「誰が」「どの時間に」「どの番組を」視聴したかが記録されます。こういった調査方法により1回の調査で「世帯視聴率」及び「個人視聴率」が取得でき、同時にテレビ稼働率のデータも取得できます。
このPMシステムは、コア視聴率の測定にも活用されています。コア視聴率は、13歳から49歳までの視聴者層を対象とした重要な指標です。また、タイムシフト視聴率や総合視聴率の算出にも、PMシステムのデータが利用されています。
さらに、PMシステムは視聴率調査の精度向上に貢献しています。リアルタイムでデータを収集できるため、視聴傾向の即時分析が可能となり、テレビ局やスポンサーにとって貴重な情報源となっています。この正確なデータは、番組制作やマーケティング戦略の立案に大きく役立っているのです。
視聴率1%でも数は多い?
一般的に視聴率が10%未満であることを「視聴率ひと桁台」と表現され視聴率があまりかんばしくないイメージがあります。では「視聴率1%」とはどの程度の人が視聴していると判断されているのでしょうか。
視聴率調査企業大手のビデオリサーチ社(VR社)の解説によりますと、関東地区において個人視聴率の場合1%というと概ね40.5万人が視聴しているとしています。これは、コア視聴率の対象となる13歳から49歳までの視聴者層を含む数字です。
参考:VRDigest+ 「視聴率1%は何人?」 ビデオリサーチが解説 視聴率基本の『キ』
(https://www.videor.co.jp/digestplus/article/80437.html)
しかしながら「40.5万人」という値は関東地区のみに当てはまり、それ以外の地域は地区や特性によって異なるため、また別の算出方法で割り出す必要があります。例えば、関西地区や中部地区では、人口規模や世帯数の違いにより、視聴率1%あたりの視聴者数は異なります。
この値を見ると視聴率1%でもかなりの視聴者数がいることが分かります。テレビ局やスポンサーにとっては、たとえ1%の視聴率でも、マーケティングや広告効果の観点から無視できない数字といえるでしょう。
また、視聴率の測定には、ピープルメーター(PM)というツールが使用されています。PMは各世帯に設置され、誰がどの番組をいつ視聴したかを正確に記録します。これにより、世帯視聴率だけでなく個人視聴率も測定可能となり、より詳細な視聴者分析が可能になっています。
さらに、近年ではタイムシフト視聴率や総合視聴率といった新しい指標も注目されており、視聴形態の多様化に合わせて、視聴率の捉え方も変化しています。1%という数字は、これらの新しい指標を考慮すると、実際にはより多くの視聴者に番組が届いている可能性を示唆しています。
視聴率の役割
視聴率の役割には主に次の3種類が挙げられます。
● 世の中の動向を確認
● ニーズの高い番組の確認
● 広告宣伝効果の確認
それでは、それぞれの特徴を詳しく説明していきます。
視聴率は、テレビ業界において非常に重要な指標です。まず、視聴率を測定することで、コア視聴率を含む様々な視聴者層の傾向を把握することができます。これにより、放送局やスポンサー企業は、視聴者のニーズや興味関心を分析し、より効果的な番組制作やマーケティング戦略を立てることが可能になります。
また、視聴率は広告効果を測る上でも重要な役割を果たします。高視聴率の番組は、多くの視聴者にブランドや商品を露出させることができるため、スポンサー企業にとって魅力的な広告枠となります。さらに、タイムシフト視聴率や総合視聴率などの新しい指標も加わり、より詳細な視聴傾向の分析が可能になっています。
視聴率は、テレビ局の経営判断にも大きな影響を与えます。視聴率が低い番組は予算削減や打ち切りの対象となる可能性が高く、逆に高視聴率を獲得した番組は継続や拡大が検討されます。このように、視聴率は番組の存続や発展を左右する重要な要素となっているのです。
世の中の動向を確認
視聴率を測定することで、現在の人々の関心事や社会のトレンドを把握する重要な役割があります。つまり、視聴率はある種の社会調査としての機能を果たしているのです。テレビや新聞・雑誌などのマスメディアは世論を形成する強力なツールとなります。特に、コア視聴率の対象となる13歳から49歳までの層は、消費行動や社会的影響力が大きいため、この層の視聴傾向を分析することで、世の中の動向をより正確に把握できます。
例えば、ある時事問題を扱った番組の視聴率が急上昇した場合、その問題に対する社会的関心の高まりを示唆しています。また、特定のジャンルの番組(例:料理番組、旅行番組)の視聴率傾向を分析することで、人々の生活様式や価値観の変化を読み取ることができます。
さらに、視聴率データは地域別、年齢層別、性別などで細分化されているため、より詳細な社会動向の分析が可能です。例えば、ある地域で特定の番組の視聴率が高い場合、その地域特有のニーズや課題を反映している可能性があります。
このように、視聴率は単なる番組の人気度を測る指標ではなく、社会のダイナミクスを理解するための貴重なデータソースとして機能しているのです。マーケティング戦略の立案や政策決定など、様々な分野で視聴率データが活用されており、世の中の動向を把握する上で欠かせない指標となっています。
ニーズの高い番組の確認
番組の内容を決める制作者側が、視聴者のニーズを確認するために視聴率が活用されます。コア視聴率を分析することで、13歳から49歳までのファミリー層のニーズを把握し、より魅力的な番組作りに生かすことができます。また、番組のことだけでなくどのシーンがもっとも興味を示しているかなど細かく分析をしています。例えば、タイムシフト視聴率を確認することで、録画して後から視聴されるような人気のあるコンテンツを特定できます。さらに、個人視聴率を年齢層や性別ごとに分析することで、ターゲット層に合わせた番組企画や改善点を見出すことが可能です。このように、視聴率データは番組制作者にとって貴重な指標となり、視聴者のニーズに応える質の高い番組を生み出すための重要な役割を果たしています。
広告宣伝効果の確認
民間放送ではコマーシャルを入れたり、有名人がブランド名の入った衣装などを身に着けたりすることによって広告効果があります。視聴率の数字と比例して、多くの人に広告を見てもらっている点においても番組や放送局にとっても重要な要素です。
テレビ局は視聴率を重視しており、視聴率が低い番組には予算を削ったり打ち切りにしたりします。つまり視聴率はテレビ局にとってとても重要な指標でありシビアになるのが一般的です。
コア視聴率は、広告主にとって特に重要な指標となります。13歳から49歳までのファミリー層の個人視聴率を示すコア視聴率は、購買意欲が高く、行動範囲の広い視聴者層を反映しているためです。そのため、テレビ局はコア層に向けた番組制作やCM枠の設定に注力しています。
また、タイムシフト視聴率も広告効果の測定に活用されています。録画された番組やCMが7日以内にどれだけ再生されたかを示すこの指標は、リアルタイム視聴だけでなく、時間をずらして視聴する人々の傾向も捉えることができます。
さらに、総合視聴率を用いることで、リアルタイムとタイムシフトの両方を含めた、より包括的な広告効果の測定が可能になります。これにより、広告主は自社のCMがどれだけの視聴者に届いたかを正確に把握できるのです。
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コア視聴率とは
コア視聴率とはファミリー層における個人視聴率を表す言葉で概ね13歳から49歳までの個人視聴率を指します。コア視聴率の定義はテレビ各局によって定義は異なりますが、概ね以下の視聴率区分に該当します。
コア視聴率(コア層視聴率区分) | |
T層(Teen-age) | 13~19歳の男女 |
F1層(Female) | 20~34歳の女性 |
F2層(Female) | 35~49歳の女性 |
M1層(Male) | 20~34歳の男性 |
M2層(Male) | 35~49歳の男性 |
これらのコア層は、他の視聴者区分と比較して行動範囲が広く、商品やサービスに対する購買意欲も高いため、優良顧客が多い層として認識されています。そのため、マス広告を出稿するスポンサー(広告主)は特にこの層を重視しています。
テレビ各局は、このコア層に受け入れられる番組やCMを制作することを常に意識しており、視聴者分析やコンテンツ戦略において重要な指標となっています。コア視聴率は、単なる数字以上の意味を持ち、番組の人気度や広告効果を測る上で欠かせない要素となっています。
また、コア視聴率はマーケティング戦略を立てる上でも重要な役割を果たします。広告主は、自社の商品やサービスのターゲット層と合致するコア層を持つ番組に広告を出稿することで、効果的なブランディングやセールスプロモーションを行うことができます。
このように、コア視聴率は単なる視聴者数の指標ではなく、テレビ業界全体のビジネスモデルや広告戦略に大きな影響を与える重要な指標として認識されています。テレビ局、広告主、そしてマーケティング担当者にとって、コア視聴率は常に注目すべき重要な数値となっているのです。
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視聴率の種類
視聴率調査には次の2種類が挙げられます。
● 世帯視聴率
● 個人視聴率
これらの視聴率は、テレビ番組やCMの影響力を測る重要な指標となっています。コア視聴率という概念も存在し、特定の年齢層に焦点を当てた視聴率分析も行われています。
世帯視聴率は、テレビを所有している世帯全体に対して、特定の番組を視聴している割合を示します。一般的に「視聴率」と言及される場合、多くはこの世帯視聴率を指します。調査対象となる世帯は予め決められており、これらの世帯の視聴状況に基づいて視聴率が算出されます。
一方、個人視聴率は世帯内の4歳以上の家族個々人を対象とし、それぞれの家族メンバーがどれくらいの時間テレビを視聴したかを表します。年齢や性別などの属性別に細かく分析できるため、主にマーケティング戦略の立案や広告効果の測定に活用されています。
近年、多様な視聴デバイスやプラットフォームの登場により、視聴者一人ひとりのニーズに応えることがますます重要になっています。そのため、個人視聴率の重要性が高まっており、視聴者の視聴行動をより詳細に把握することが求められています。
また、少子化の影響で家族全員で同じ番組を視聴する機会が減少していることも、個人視聴率の需要が増加している要因の一つです。コア視聴率の概念も、この個人視聴率の延長線上にあり、広告主にとって特に重要な年齢層の視聴傾向を把握するのに役立っています。
これらの視聴率データは、テレビ局や広告主、番組制作者にとって貴重な情報源となり、番組編成やコンテンツ制作、マーケティング戦略の立案に大きく影響を与えています。
世帯視聴率
世帯視聴率は、テレビを所有している世帯に対して、特定の番組やチャンネルを視聴している割合を示す指標です。一般的に「視聴率」と言えば、この世帯視聴率を指すことが多いです。
世帯視聴率の調査対象となる世帯は、統計学的に選定された「標本世帯」と呼ばれる一定数の家庭です。これらの標本世帯が視聴したテレビ番組やチャンネルの情報を基に、全体の視聴率が算出されます。
世帯視聴率の測定には、主に「ピープルメーター」と呼ばれる機器が使用されます。この機器は、テレビの電源のオン・オフやチャンネルの切り替えなどの情報を自動的に記録し、コア視聴率の算出にも活用されます。
世帯視聴率は、テレビ局やスポンサー企業にとって重要な指標となります。高い世帯視聴率を獲得した番組は、多くの視聴者に届いていることを意味し、広告効果も高いと考えられます。そのため、テレビ局は視聴率競争に熱心になり、魅力的な番組作りに励むことになります。
一方で、世帯視聴率には限界もあります。例えば、家族全員でテレビを見ていても、1世帯としてカウントされるため、実際の視聴者数を正確に反映していない可能性があります。また、録画視聴やインターネット配信での視聴など、多様化する視聴形態を十分に捉えきれないという課題もあります。
このような背景から、近年では世帯視聴率だけでなく、個人視聴率やタイムシフト視聴率、総合視聴率など、より詳細で多角的な視聴データの活用が進んでいます。これにより、視聴者のニーズや行動をより正確に把握し、効果的な番組制作や広告戦略の立案に役立てられています。
個人視聴率
個人視聴率は世帯において4歳以上の家族が対象であり、それぞれの家族がどれくらいの間テレビを視聴したかを表します。年齢や性別など細かく対象を設定するため、主にマーケティングにおいて活用されています。コア視聴率の算出にも個人視聴率が用いられ、広告主にとって重要な指標となっています。
現在さまざまな媒体において番組を閲覧できることから、今後はさらに視聴者一人ひとりのニーズを満たすことが求められます。そのため個人視聴率の重要度が上がっていくことでしょう。さらに、少子化の影響もあり、家族そろって同じ番組を見る可能性が減ることも個人視聴率が求められる要因です。
個人視聴率は、テレビ局やスポンサーにとって、ターゲット層の視聴傾向を把握する上で欠かせない指標となっています。例えば、20代女性向けの化粧品CMを放送する際、その年齢層の個人視聴率が高い時間帯や番組を選ぶことで、効果的な広告展開が可能となります。
また、個人視聴率はコンテンツ制作にも大きな影響を与えています。視聴者層ごとの好みや傾向を分析することで、より魅力的な番組作りにつながるのです。このように、個人視聴率はテレビ業界全体のマーケティング戦略において、重要な役割を果たしています。
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他にもある視聴率の種類
「世帯視聴率」「個人視聴率」の他にも、テレビ番組の評価や分析に用いられる様々な視聴率の種類があります。これらの指標は、コア視聴率と同様に、テレビ局やスポンサーにとって重要な情報源となっています。
主な視聴率の種類には以下のようなものがあります。
●タイムシフト視聴率
●総合視聴率
●継続視聴率
●瞬間最高視聴率
●平均視聴率
これらの視聴率は、それぞれ異なる側面からテレビ番組の視聴状況を測定し、番組の人気度や影響力を評価するのに役立ちます。例えば、タイムシフト視聴率は録画視聴の傾向を把握するのに有効で、コア視聴率と組み合わせることで、より詳細な視聴者分析が可能になります。
また、継続視聴率は番組の構成上、前後の番組からどれだけ視聴者を引き継いでいるかを示す指標です。この指標は、番組編成の効果を測定する上で重要な役割を果たします。
テレビ局やスポンサーは、これらの多様な視聴率指標を総合的に分析することで、より効果的な番組制作や広告戦略の立案に活用しています。視聴率データは、マーケティングや広告効果測定において欠かせない要素となっているのです。
タイムシフト視聴率とは
「タイムシフト視聴率」とは、録画されたニュース・テレビ番組及びテレビCMがどのぐらい再生されたかを表す指標のことを言います。テレビ番組やテレビCMが録画されてから、概ね168時間(7日間)以内にどれくらい再生されたかを測定します。この指標は、視聴者の視聴行動の変化に対応するために導入されました。
近年、録画機能付きテレビやレコーダーの普及により、リアルタイム視聴だけでなく、都合の良い時間に録画した番組を視聴するという行動が一般的になっています。タイムシフト視聴率は、こうした視聴形態の変化を反映し、より正確な番組の人気度や影響力を測定するために重要な役割を果たしています。
タイムシフト視聴率の測定には、ピープルメーター(PM)システムが活用されています。このシステムは、視聴者の視聴行動をリアルタイムで記録し、データを収集することができます。収集されたデータは、広告主やテレビ局にとって貴重な情報源となり、効果的な番組制作やマーケティング戦略の立案に役立てられています。
重要な点として、タイムシフト視聴率はあくまで「リアルタイム以外の時間」に視聴された視聴率であるため、通常の視聴率には含まれません。しかし、この指標を従来の視聴率と併せて分析することで、より包括的な視聴動向を把握することが可能となります。
また、タイムシフト視聴率は、コア視聴率との関連性も注目されています。特に、仕事や学業で忙しい13歳から49歳までのコア層にとって、タイムシフト視聴は重要な視聴方法となっているため、この年齢層の視聴行動を理解する上で欠かせない指標となっています。
総合視聴率とは
総合視聴率とは「リアルタイムでの視聴」と「タイムシフトでの視聴」のいずれかで視聴した場合の視聴率となります。つまり、リアルタイムかタイムシフトのどちらか一方で視聴していれば、総合視聴率としては1カウントとなります。この指標は、視聴者の多様な視聴形態を反映しており、テレビ局やスポンサーにとって重要な数値です。
リアルタイムとタイムシフトの両方で視聴していた場合は「リアルタイムでの視聴」にカウントされ、重複率が測定に加味されます。例えば「リアルタイム視聴率が15%」「タイムシフト視聴率が10%」「重複率が1%」だった場合の総合視聴率は以下のようになります。
リアルタイム視聴率15% + タイムシフト視聴率10% - 重複率1% = 24%
■総合視聴率=24%
この計算方法により、総合視聴率は番組の実際の到達度をより正確に示すことができます。また、コア視聴率との関連性も考慮され、特定の年齢層や性別での総合視聴率も分析されることがあります。
総合視聴率は、テレビ番組の評価やマーケティング戦略の立案に欠かせない指標となっており、視聴者の行動パターンの変化に対応した柔軟な分析を可能にしています。さらに、この指標を活用することで、テレビ局は視聴者のニーズに合わせたコンテンツ制作や放送時間の調整を行うことができ、より効果的な番組編成が可能となります。
継続視聴率
テレビ番組の構成上、前後半での視聴率の変動は避けられません。継続視聴率は、番組の前半と後半での視聴率の変化を示す指標です。この指標は、コア視聴率とも密接に関連しています。特に、13歳から49歳までのファミリー層の視聴継続性を把握するのに役立ちます。
継続視聴率が高ければ、番組の内容が視聴者を引き付け続けていることを意味し、低ければ視聴者の興味が途中で失われたことを示唆します。これは番組制作者やスポンサーにとって重要な情報となり、視聴率調査の一環として活用されています。
例えば、ドラマや情報番組などでは、コア層の継続視聴率を高めるために、中盤や終盤に視聴者の興味を引く展開や情報を配置することがあります。これにより、個人視聴率の向上も期待できます。
また、継続視聴率はタイムシフト視聴率にも影響を与えます。番組の後半まで視聴者を引き付けられれば、録画して後で見る可能性も高くなるからです。このように、継続視聴率は総合視聴率を向上させる上でも重要な要素となっています。
視聴率の測定の仕方とは
視聴率の測定の仕方ですが、従来の方法があります。しかし、近年ではそれ以外にさまざまな測定方法を導入してより詳細な視聴率を出しています。
● 従来の方法
● 日記式アンケート
● オンラインメータシステム
● ピープルメーター(PM)システム
従来の方法
1962年から、ビデオリサーチとよばれる調査会社が長らく調査をしてきました。もともと、関東や関西といった人口の多い地域は多めの世帯数、人口の少ない地域は少数の世帯が調査対象です。2021年10月現在において10,700世帯となっています。
しかし、家族揃って1つの番組を見ている割合は以前と比べて少なくなっており、これまでと同じ測定方法が必ず正確だとは限りません。そのため、現在ではさまざまな測定方法が導入されています。主な方法はこのあとに説明していきます。
日記式アンケート
日記式アンケートとは、調査票を使って5分刻みに個人個人に対してアンケートをおこないます。このあと説明する2つの種類とは異なり、人は手作業で測定を行うのが特徴です。視聴率はシステムや機械を使うことが一般的であるのに対して、珍しい計測方法といえます。ただ数値を出すだけでなく、視聴者の具体的な感想を集められるのです。
オンラインメータシステム
対象となる家庭が所有しているテレビに、測定する機械を取り付けるだけで、計測をしている時間にどのような番組を見ているかを調べられます。この方法で世帯視聴率を調べることが一般的です。
ピープルメーター(PM)システム
オンラインメータと比較して、ピープルメーターは個人においての視聴率を出します。リモコンボタンをあらかじめそれぞれの住宅に設置しており、家族一人ひとり異なるボタンがあることから、誰が何時にどの番組を見たのかを調べることが可能です。
動画視聴においての視聴率とは
近年ではインターネットを活用した動画方法が主流となっており、さまざまなサービスにおいて動画配信サービスを提供しています。インターネットにおいては、視聴率や再生数といった数値を指標としています。
動画視聴はテレビと比べて、数値がリアルタイムで明確に出るのが特徴です。そのため、今後番組を制作するうえで、参考にすることが可能です。そのため、テレビの視聴率と比べてPDCAを早く回すことができるのが特徴的です。
● 視聴率
● 再生率
視聴率
動画視聴においての視聴率とは動画が表示された回数に対してその動画が再生された回数の割合を計算したものです。視聴率が低い場合は、動画を表示するページにアクセスしていながら、さまざまな理由で動画を再生していない状態です。
動画を見たいと思うようなタイトルでなかったり、再生をするための操作方法がわかりにくかったりといった要因が考えられます。
再生率
次にテレビではない再生率ですが、動画の長さに対しての再生された割合です。つまり、長い動画に対して再生率が高い場合は、そのぶんだけ視聴者に対して動画の内容を十分に伝えられていることになります。再生回数が多くても視聴者に伝わっていない可能性があり、再生率が重要な指標です。
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YouTubeの平均視聴時間は重要な指標のひとつ
YouTubeの平均視聴時間は非常に重要な指標のひとつとなります。平均視聴時間はユーザーがどのくらいの時間その動画を視聴しているかを示す値であり、平均視聴時間が長ければ長いほど視聴者受けしている人気動画であると判断できます。
概ねYouTubeでは40%以上の平均視聴時間を維持できれば理想とされています。つまりトータル10分の動画であれば約4分以上視聴されれば平均視聴時間は良好と判断できます。
● 平均視聴時間の計算式
● 平均視聴時間が長くなることのメリット
平均視聴時間の計算式
YouTubeの平均視聴時間を割り出すには各ユーザーの再生時間をユーザーの人数で割ってあげます。例えば、ユーザーAが5分視聴、ユーザーBが6分視聴、ユーザーCが7分視聴した場合の平均視聴時間は以下のようになります。
(Aが5分 + Bが6分 + Cが7分)÷ 3人 = 6
■平均視聴時間=6分
平均視聴時間が長くなることのメリット
YouTubeの平均視聴時間が長くなることによりメリットも多くなります。それが以下となります。
● 再生回数が増えやすくなる
● 広告収入が上がりやすくなる
再生回数が増えやすくなる
YouTubeの平均視聴時間が長くなるとアルゴリズムでの評価が良くなり「おすすめ」に表示されやすくなります。おすすめは「ホーム画面」と動画視聴中に表示される「次の動画」の2個所になり、ここに表示されることでユーザーにクリックしてもらえる可能性が高まります。つまりおすすめに表示されることで再生回数が増えやすくなるのです。
広告収入が上がりやすくなる
単純に平均視聴時間が長くなればなるほど、ひとつの動画内に表示される広告の数は増えていきます。こういったことから広告収入の増加につながりやすくなります。
例えば30秒に1回広告が表示される場合、平均視聴率が1分であれば2回しか広告が表示されませんが、2分では倍の4回広告が表示されます。
3分であれば6回となり単純にキャッシュポイントが増えていきます。仮に再生回数が同じであっても、平均視聴時間が長い方が広告収入は上がりやすくなるのです。
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動画媒体において視聴率以外に必要な指標とは
動画媒体において重要なのは、再生率や視聴率だけではありません。テレビと比べて、広告につながるデータなどをより明確な数字で出すことが可能です。次のような指標が重要であるといわれます。
● クリック数
● コンバージョン数
それでは、それぞれの指標において詳しく説明していきます。動画視聴においては、番組を見られている数だけでなく、いかに広告を見られているか、また広告を出している最大の目的である商品販売や会員獲得につながっているかなどを示す指標です。
クリック数
動画媒体には広告が表示されますが、この広告の部分をクリックした回数のデータとして記録されます。動画と広告の内容が連動していると、動画を見たあと、より詳しい情報を確認するために広告をクリックするケースがあります。つまり、動画の内容によってクリック数が変わるのです。
テレビの視聴率は番組を見た人数で判断しますが、動画媒体においてはその動画を見て広告をどれだけの人が見ているかといった、より詳細な数値が出されます。表示回数に対するクリック数の割合をクリック率といいますが、クリック率が高ければ高いほど視聴者のニーズに広告や動画の内容があっていると判断することが可能です。
また閲覧者の多い人気サイトでは動画に「タグ」と呼ばれる検索キーワードを設定しておき視聴回数を増やしたり、広告効果を高めたりすることができます。
コンバージョン数
コンバージョンとは、広告を見るだけでなく広告の商品を購入したり資料請求をしたりするなど、広告主が求めている行動を視聴者がとることをいいます。動画広告において、もっとも重要なのがコンバージョン数の増加、また割合を表すコンバージョン率を上げることです。
クリック数が多くてもコンバージョン率につながらない場合、商品と広告の内容が一致していないか、広告サイトが視聴者にとって使いづらい可能性もあります。つまり、ユーザビリティが低い可能性があるということです。
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まとめ
本記事において、視聴率について詳しく解説をしてきました。視聴率は従来のような世代ごとのリアルタイムな数値ではなく、より詳細にデータがとれるようにさまざまな計測方法が挙げられます。
視聴率はただどの番組をよく見られているのかを測るだけでなく、視聴者が求めていることを把握できることから世の中の動向を理解できます。さらに、それぞれの番組ごとに広告媒体としての価値を確認することなどさまざまな目的が挙げられます。
近年では、動画においての放送がされるようになりました。テレビの視聴率と違い、番組を見た回数だけでなく広告にどれほど効果があるのかなどさまざまなデータがでます。これらのデータを分析して、より視聴者のニーズにあった番組内容や広告内容であることが重要です。