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視聴率とは?種類や測定方法、コア視聴率と関係する年齢層は

2024.7.5
読了まで約 9

視聴率といった言葉はほとんど誰もが知っているでしょう。しかし、厳密にどのような測定をしているのか疑問に感じる人も多いのではないでしょうか。また、近年ではインターネット放送が一般化していますが、視聴率など指標の内容はテレビ番組とは同じではありません。この記事ではテレビ番組やインターネット放送においての視聴率に関して解説します。

視聴率とは

視聴率は1世帯ごとの数値を指すことが一般的でしたが、最近ではインターネットを使った動画配信が普及してきたこともあって、テレビ以外の媒体での番組露出も増えてきました。そうなると、テレビ局はより視聴者に近い立場に立って情報を提供する必要が出てきます。

さらに、録画に対応したタイムシフト視聴率の導入、個人視聴率が活用されたりなどこれまで以上に詳細な指標が使われています。視聴率にはさまざまな目的があります。たとえば、テレビ番組のスポンサーに企業がなるとき、広告の効果を計る尺度として活用できるほか、番組の内容によって視聴者層が変わるかどうかを調べることも可能です。

また、視聴率の高い番組はそれだけ話題性が高いということになりますから、その番組を観た人たちの意見を集めることで、番組の問題点を指摘する、逆に良い点を挙げるなどして、今後放映する番組の質を向上させることにも役立ちます。

このように、視聴率はマーケティングや企業活動においても重要な役割を果たしており、テレビ各局では日々視聴者獲得のための努力を続けているのです。

● 視聴率とは一般的には1世帯ごとの数値を指す
● 視聴率調査は主に2種類ある
● 視聴率1%でも数は多い?
● 視聴率の役割

視聴率とは一般的には1世帯ごとの数値を指す

視聴率とは以下「視聴率の種類」の項目で説明する「世帯視聴率」及び「個人視聴率」のことを指します。ニュース・テレビ番組やテレビCMが放送されている時間にどのぐらいの「世帯」及び「個人」にリアルタイムで放送が視聴されたか「視聴量の大きさ」を表す指標となります。つまり「どのくらい見られたか」を表す指標であり、放送内容の質の高さ低さや番組としての価値の有り無しを評価した値ではありません。

視聴率調査のやり方

現状では視聴率調査で視聴率データを提供している調査機関は主にビデオリサーチ社(VR社)のみとなり、日本国内における32のテレビ放送エリアの視聴率調査を随時実施しています。その調査方法は日本全国各エリア内において、テレビを所有している世帯をランダムに選び出しその世帯のテレビ視聴状況から視聴率を割り出します。

このランダムに選出された調査対象となる世帯を「標本世帯」といいます。視聴率は最小1分から5分単位で計算しこれを番組の放送枠で割り出すと「番組平均視聴率」となります。また番組平均視聴率の他に、1日における時間区分ごとに割り出した「時間区分の平均視聴率」なども割り出されます。

視聴率データ取得方法

主に視聴率データ取得方法として用いられているのが「PM=ピープルメーター」です。PMと呼ばれる視聴者測定ツールを視聴率調査の協力に承諾してくれた世帯に設置しテレビの視聴状況を測定します。

1世帯につき最大8台まで設置し各テレビの視聴状況を個別に測定できます。主に測定機能付きのリモコンをユーザーが操作することで家族の「誰が」「どの時間に」「どの番組を」視聴したかが記録されます。こういった調査方法により1回の調査で「世帯視聴率」及び「個人視聴率」が取得でき、同時にテレビ稼働率のデータも取得できます。

視聴率1%でも数は多い?

一般的に視聴率が10%未満であることを「視聴率ひと桁台」と表現され視聴率があまりかんばしくないイメージがあります。では「視聴率1%」とはどの程度の人が視聴していると判断されているのでしょうか。

視聴率調査企業大手のビデオリサーチ社(VR社)の解説によりますと、関東地区において個人視聴率の場合1%というと概ね40.5万人が視聴しているとしています。

参考:VRDigest+ 「視聴率1%は何人?」 ビデオリサーチが解説 視聴率基本の『キ』
https://www.videor.co.jp/digestplus/article/80437.html

しかしながら「40.5万人」という値は関東地区のみに当てはまり、それ以外の地域は地区や特性によって異なるため、また別の算出方法で割り出す必要があります。この値を見ると視聴率1%でもかなりの視聴者数がいることが分かります。

視聴率の役割

視聴率の役割には主に次の3種類が挙げられます。

● 世の中の動向を確認
● ニーズの高い番組の確認
● 広告宣伝効果の確認

それでは、それぞれの特徴を詳しく説明していきます。

世の中の動向を確認

視聴率を図ることにより、今人々がどのようなことに関心を持っているのかといった世の中の動向を確認する役割があります。つまり、視聴率が社会調査的な役割をするのです。テレビや新聞・雑誌などのマスメディアは世論を形成するための有力なツールとなります。

ニーズの高い番組の確認

番組の内容を決める制作者側が、視聴者のニーズを確認するために活用されます。また、番組のことだけでなくどのシーンがもっとも興味を示しているかなど細かく分析をしています。

広告宣伝効果の確認

民間放送ではコマーシャルを入れたり、有名人がブランド名の入った衣装などを身に着けたりすることによって広告効果があります。視聴率の数字と比例して、多くの人に広告を見てもらっている点においても番組や放送局にとっても重要な要素です。

テレビ局は視聴率を重視しており、視聴率が低い番組には予算を削ったり打ち切りにしたりします。つまり視聴率はテレビ局にとってとても重要な指標でありシビアになるのが一般的です。

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コア視聴率とは

コア視聴率とはファミリー層における個人視聴率を表す言葉で概ね13歳から49歳までの個人視聴率を指します。コア視聴率の定義はテレビ各局によって定義は異なりますが、概ね以下の視聴率区分に該当します。

コア視聴率(コア層視聴率区分)
T層(Teen-age) 13~19歳の男女
F1層(Female) 20~34歳の女性
F2層(Female) 35~49歳の女性
M1層(Male) 20~34歳の男性
M2層(Male) 35~49歳の男性

上記のコア層は他の視聴者区分よりも行動範囲が広く商品やサービスの購買意欲も高いため、優良顧客が多い層としてマス広告を出稿するスポンサー(広告主)は特に重視しています。そういった背景から、テレビ各局はいかに上記コア層に受け入れられる番組やCMを制作できるかを常に意識しているのです。

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視聴率の種類

視聴率調査には次の2種類が挙げられます。

● 世帯視聴率
● 個人視聴率

世帯視聴率

世帯視聴率はテレビを所有している世帯に対して、番組を視聴している割合を出すことです。一般的に視聴率というとこの世帯視聴率が対象です。対象となる世帯は決まっており、対象となっている世帯が見た番組によって視聴率が決まります。

個人視聴率

個人視聴率は世帯において4歳以上の家族が対象であり、それぞれの家族がどれくらいの間テレビを視聴したかを表します。年齢や性別など細かく対象を設定するため、主にマーケティングにおいて活用されています。

現在さまざまな媒体において番組を閲覧できることから、今後はさらに視聴者一人ひとりのニーズを満たすことが求められます。そのため個人視聴率の重要度が上がっていくことでしょう。さらに、少子化の影響もあり、家族そろって同じ番組を見る可能性が減ることも個人視聴率が求められる要因です。

関連記事:媒体って何?今さら聞けない意味や種類を解説します!

他にもある視聴率の種類

「世帯視聴率」「個人視聴率」の他にも以下の視聴率があります。

● タイムシフト視聴率とは
● 総合視聴率とは

タイムシフト視聴率とは

「タイムシフト視聴率」とは、録画されたニュース・テレビ番組及びテレビCMがどのぐらい再生されたかを表す指標のことを言います。テレビ番組やテレビCMが録画されてから、概ね168時間(7日間)以内にどれくらい再生されたかを測定します。

タイムシフト視聴率はあくまで「リアルタイム以外の時間」に視聴された視聴率であるため、通常の視聴率には含まれません。

総合視聴率とは

総合視聴率とは「リアルタイムでの視聴」と「タイムシフトでの視聴」のいずれかで視聴した場合の視聴率となります。つまり、リアルタイムかタイムシフトのどちらか一方で視聴していれば、総合視聴率としては1カウントとなります。

リアルタイムとタイムシフトの両方で視聴していた場合は「リアルタイムでの視聴」にカウントされ、重複率が測定に加味されます。例えば「リアルタイム視聴率が15%」「タイムシフト視聴率が10%」「重複率が1%」だった場合の総合視聴率は以下のようになります。

リアルタイム視聴率15% + タイムシフト視聴率10% – 重複率1% = 24%
■総合視聴率=24%

継続視聴率

テレビ番組の構成上、前後編などの編成となっている番組やニュースなどでも週が跨った番組でも市長が継続された世帯の割合となります。

視聴率の測定の仕方とは

視聴率の測定の仕方ですが、従来の方法があります。しかし、近年ではそれ以外にさまざまな測定方法を導入してより詳細な視聴率を出しています。

● 従来の方法
● 日記式アンケート
● オンラインメータシステム
● ピープルメーター(PM)システム

従来の方法

1962年から、ビデオリサーチとよばれる調査会社が長らく調査をしてきました。もともと、関東や関西といった人口の多い地域は多めの世帯数、人口の少ない地域は少数の世帯が調査対象です。2021年10月現在において10,700世帯となっています。

しかし、家族揃って1つの番組を見ている割合は以前と比べて少なくなっており、これまでと同じ測定方法が必ず正確だとは限りません。そのため、現在ではさまざまな測定方法が導入されています。主な方法はこのあとに説明していきます。

日記式アンケート

日記式アンケートとは、調査票を使って5分刻みに個人個人に対してアンケートをおこないます。このあと説明する2つの種類とは異なり、人は手作業で測定を行うのが特徴です。視聴率はシステムや機械を使うことが一般的であるのに対して、珍しい計測方法といえます。ただ数値を出すだけでなく、視聴者の具体的な感想を集められるのです。

オンラインメータシステム

対象となる家庭が所有しているテレビに、測定する機械を取り付けるだけで、計測をしている時間にどのような番組を見ているかを調べられます。この方法で世帯視聴率を調べることが一般的です。

ピープルメーター(PM)システム

オンラインメータと比較して、ピープルメーターは個人においての視聴率を出します。リモコンボタンをあらかじめそれぞれの住宅に設置しており、家族一人ひとり異なるボタンがあることから、誰が何時にどの番組を見たのかを調べることが可能です。

動画視聴においての視聴率とは

近年ではインターネットを活用した動画方法が主流となっており、さまざまなサービスにおいて動画配信サービスを提供しています。インターネットにおいては、視聴率や再生数といった数値を指標としています。

動画視聴はテレビと比べて、数値がリアルタイムで明確に出るのが特徴です。そのため、今後番組を制作するうえで、参考にすることが可能です。そのため、テレビの視聴率と比べてPDCAを早く回すことができるのが特徴的です。

● 視聴率
● 再生率

視聴率

動画視聴においての視聴率とは動画が表示された回数に対してその動画が再生された回数の割合を計算したものです。視聴率が低い場合は、動画を表示するページにアクセスしていながら、さまざまな理由で動画を再生していない状態です。

動画を見たいと思うようなタイトルでなかったり、再生をするための操作方法がわかりにくかったりといった要因が考えられます。

再生率

次にテレビではない再生率ですが、動画の長さに対しての再生された割合です。つまり、長い動画に対して再生率が高い場合は、そのぶんだけ視聴者に対して動画の内容を十分に伝えられていることになります。再生回数が多くても視聴者に伝わっていない可能性があり、再生率が重要な指標です。

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YouTubeの平均視聴時間は重要な指標のひとつ

YouTubeの平均視聴時間は非常に重要な指標のひとつとなります。平均視聴時間はユーザーがどのくらいの時間その動画を視聴しているかを示す値であり、平均視聴時間が長ければ長いほど視聴者受けしている人気動画であると判断できます。

概ねYouTubeでは40%以上の平均視聴時間を維持できれば理想とされています。つまりトータル10分の動画であれば約4分以上視聴されれば平均視聴時間は良好と判断できます。

● 平均視聴時間の計算式
● 平均視聴時間が長くなることのメリット

平均視聴時間の計算式

YouTubeの平均視聴時間を割り出すには各ユーザーの再生時間をユーザーの人数で割ってあげます。例えば、ユーザーAが5分視聴、ユーザーBが6分視聴、ユーザーCが7分視聴した場合の平均視聴時間は以下のようになります。

(Aが5分 + Bが6分 + Cが7分)÷ 3人 = 6
■平均視聴時間=6分

平均視聴時間が長くなることのメリット

YouTubeの平均視聴時間が長くなることによりメリットも多くなります。それが以下となります。

● 再生回数が増えやすくなる
● 広告収入が上がりやすくなる

再生回数が増えやすくなる

YouTubeの平均視聴時間が長くなるとアルゴリズムでの評価が良くなり「おすすめ」に表示されやすくなります。おすすめは「ホーム画面」と動画視聴中に表示される「次の動画」の2個所になり、ここに表示されることでユーザーにクリックしてもらえる可能性が高まります。つまりおすすめに表示されることで再生回数が増えやすくなるのです。

広告収入が上がりやすくなる

単純に平均視聴時間が長くなればなるほど、ひとつの動画内に表示される広告の数は増えていきます。こういったことから広告収入の増加につながりやすくなります。

例えば30秒に1回広告が表示される場合、平均視聴率が1分であれば2回しか広告が表示されませんが、2分では倍の4回広告が表示されます。

3分であれば6回となり単純にキャッシュポイントが増えていきます。仮に再生回数が同じであっても、平均視聴時間が長い方が広告収入は上がりやすくなるのです。

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動画媒体において視聴率以外に必要な指標とは

動画媒体において重要なのは、再生率や視聴率だけではありません。テレビと比べて、広告につながるデータなどをより明確な数字で出すことが可能です。次のような指標が重要であるといわれます。

● クリック数
● コンバージョン数

それでは、それぞれの指標において詳しく説明していきます。動画視聴においては、番組を見られている数だけでなく、いかに広告を見られているか、また広告を出している最大の目的である商品販売や会員獲得につながっているかなどを示す指標です。

クリック数

動画媒体には広告が表示されますが、この広告の部分をクリックした回数のデータとして記録されます。動画と広告の内容が連動していると、動画を見たあと、より詳しい情報を確認するために広告をクリックするケースがあります。つまり、動画の内容によってクリック数が変わるのです。

テレビの視聴率は番組を見た人数で判断しますが、動画媒体においてはその動画を見て広告をどれだけの人が見ているかといった、より詳細な数値が出されます。表示回数に対するクリック数の割合をクリック率といいますが、クリック率が高ければ高いほど視聴者のニーズに広告や動画の内容があっていると判断することが可能です。

また閲覧者の多い人気サイトでは動画に「タグ」と呼ばれる検索キーワードを設定しておき視聴回数を増やしたり、広告効果を高めたりすることができます。

コンバージョン数

コンバージョンとは、広告を見るだけでなく広告の商品を購入したり資料請求をしたりするなど、広告主が求めている行動を視聴者がとることをいいます。動画広告において、もっとも重要なのがコンバージョン数の増加、また割合を表すコンバージョン率を上げることです。

クリック数が多くてもコンバージョン率につながらない場合、商品と広告の内容が一致していないか、広告サイトが視聴者にとって使いづらい可能性もあります。つまり、ユーザビリティが低い可能性があるということです。

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まとめ

本記事において、視聴率について詳しく解説をしてきました。視聴率は従来のような世代ごとのリアルタイムな数値ではなく、より詳細にデータがとれるようにさまざまな計測方法が挙げられます。

視聴率はただどの番組をよく見られているのかを測るだけでなく、視聴者が求めていることを把握できることから世の中の動向を理解できます。さらに、それぞれの番組ごとに広告媒体としての価値を確認することなどさまざまな目的が挙げられます。

近年では、動画においての放送がされるようになりました。テレビの視聴率と違い、番組を見た回数だけでなく広告にどれほど効果があるのかなどさまざまなデータがでます。これらのデータを分析して、より視聴者のニーズにあった番組内容や広告内容であることが重要です。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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