展示会出展では、ブース全体のデザインから個々のコンテンツまで、様々な要素を準備する必要があります。しかし、それらが素晴らしい内容やデザインであっても、スタッフの役割や来場者への接客の導線が適切でなければ、十分な効果を得ることは困難です。本記事では、初めての展示会出展を成功に導くために、ブースを最大限に活用するオペレーション設計について解説します。
展示会出展の成功には、事前の綿密な計画が不可欠です。ブースデザイン、展示物、プレゼンテーション資料、パンフレット、ノベルティなど、多岐にわたる準備が必要となります。これらの要素を効果的に組み合わせ、来場者の興味を引き、商談につなげるためには、戦略的なオペレーション設計が重要です。
展示会出展におけるオペレーション設計では、以下の点に注意が必要です。
・スタッフの配置と役割分担
・来場者の動線設計
・効果的な商品説明や商談の進め方
・名刺や顧客情報の管理方法
・フォローアップ計画
これらの要素を適切に組み合わせることで、展示会出展の効果を最大化し、投資対効果(ROI)を高めることができます。次のセクションでは、これらの要素について詳しく解説していきます。
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目次
必要人員の算出と役割分担
展示会出展の成功には、適切な人員配置と役割分担が不可欠です。まず、目標とする名刺獲得数や商談獲得数に基づいて、ブース内での接客時間やノベルティの配布数を設定します。これらの数値から、必要な人員を算出し、スタッフの全体的なスケジュールを把握しておくことが重要です。
展示会出展において、主に3つの重要な役割があります。
●ブース内デモ案内: 製品やサービスのデモンストレーションを行い、パネルの説明を通じて商談獲得を目指します。この役割には、インサイドセールスなど、商材について詳しい説明ができる社員が適しています。
●ブース外呼び込み: 通路を歩く来場者に対して、ノベルティやパンフレットを配布しながらブース内への誘導を行います。この役割は、コンパニオンや協力スタッフが担当することが多いです。
●ブース運営: ノベルティやパンフレットの補充、名刺やヒアリングシートの回収など、全体的な運営を担当します。マーケティング部門など、展示会の準備や統括を担当する社員が適しています。
これらの役割に応じて、各スタッフのシフトを組むことが重要です。展示会は通常3〜4日間続き、1日中立ち続ける必要があるため、足の疲労が蓄積します。そのため、昼休憩以外にも短い休憩を適宜設けることで、スタッフのパフォーマンスを維持することができます。
また、展示会出展の成功には、各役割間の連携も重要です。例えば、呼び込みスタッフがブースに誘導した来場者を、スムーズにデモ案内スタッフに引き継ぐことで、効果的な商談につなげることができます。このような連携を円滑に行うためには、事前のミーティングや情報共有が欠かせません。
展示会出展の準備段階で、これらの人員配置と役割分担を十分に検討し、効果的なブース運営を実現することで、より多くの商談機会を創出し、展示会出展の成果を最大化することができるでしょう。
①ブース内デモ案内
ブース内のデモの実演やパネルの説明に集中し、商談獲得をする役割です。この重要な任務は、インサイドセールスなど商材説明が可能な社員が担当します。展示会出展において、ブース内デモ案内は来場者との直接的なコミュニケーションの機会であり、製品やサービスの魅力を効果的に伝える絶好のチャンスです。デモンストレーションを通じて、来場者の興味を引き出し、製品やサービスの特長を分かりやすく説明することが求められます。また、来場者からの質問に適切に回答し、展示会出展の目的である商談獲得につなげることが重要です。ブース内デモ案内担当者は、製品知識はもちろん、コミュニケーションスキルや顧客ニーズの把握能力も求められる、展示会出展成功の鍵を握る重要な役割といえるでしょう。
②ブース外呼び込み
展示会出展において、ブース外での呼び込みは重要な役割を果たします。通路からノベルティ・パンフレットを配布し、ブース内へ来場者を呼び込む役割を担います。この役割は主にコンパニオンや協力スタッフが行います。効果的な呼び込みのためには、来場者の興味を引く魅力的なノベルティや分かりやすいパンフレットを用意することが大切です。また、展示会出展の成功には、スタッフの接客スキルも重要です。来場者に対して、製品やサービスの特徴を簡潔に説明できるよう、事前に十分なトレーニングを行うことをおすすめします。さらに、ブース外での呼び込みでは、来場者の動線を考慮し、効果的な立ち位置を選ぶことも重要です。展示会場の構造や人の流れを事前に把握し、最も多くの来場者にアプローチできる場所を選定しましょう。
③ブース運営
ブース運営は展示会出展の成功に不可欠な役割です。ノベルティやパンフレットの補充、名刺やヒアリングシートの回収など、ブースの円滑な運営を担当します。マーケティング部門や展示会の準備・統括を行う社員が適任です。展示会出展の全体的な進行状況を把握し、必要に応じて他のスタッフをサポートすることも重要です。
また、ブース運営担当者は来場者の動向や反応を観察し、展示会出展の効果を測定するデータ収集も行います。例えば、配布したノベルティの数や、獲得した名刺の枚数、実施したデモンストレーションの回数などを記録します。これらのデータは、展示会後の評価や次回の展示会出展戦略の立案に活用できます。
さらに、ブース運営担当者は他の出展企業のブースや展示会全体の雰囲気も把握し、自社の展示会出展戦略に反映させることが求められます。競合他社の動向や来場者の関心を集めている展示物などをチェックし、自社のブース運営に活かすことで、より効果的な展示会出展が可能となります。
呼び込みからブースへの誘導
展示会出展での成功の鍵は、効果的な呼び込みとスムーズなブースへの誘導にあります。来場者の注目を集め、興味を引き出し、最終的にブースへ導くことが重要です。
まず、ブースの前を通る来場者に対して、魅力的な声かけを行います。この際、製品やサービスの簡潔な紹介と、対象顧客かどうかを判断するための質問を組み合わせることが効果的です。ノベルティを活用し、名刺と交換することで、初期のコンタクトを確立します。
対象顧客と判断された場合、製品やサービスの強みを説明しながら、デモやパネル展示の案内を行います。この過程で、さらに詳細な質問を2~3つ行い、顧客の適合性を確認します。
ブース内への誘導後は、デモ案内スタッフへのスムーズな引き継ぎが crucial です。呼び込みスタッフは、来場者の簡単な紹介と共に、デモやパネル説明の依頼を行います。この連携により、来場者は安心して説明を受けることができ、展示会出展の効果を最大化することができます。
また、ブース内外の人の流れを考慮し、スタッフの最適な立ち位置を決定することも重要です。会場の入り口からのブースの位置や、通路からブース内への動線を分析し、効率的な配置を行うことで、より多くの来場者とのコンタクトが可能となります。
これらの戦略を適切に実行することで、展示会出展の成功につながる効果的な呼び込みとブースへの誘導を実現できます。
①呼び込み
ブースの前を通る来場者に声をかけ、ノベルティと引き換えに名刺を獲得します。この際に声かけは、製品・サービス紹介と対象顧客かどうかを判断する質問です。ノベルティを渡しながら来場者に足を止めてもらい、製品・サービスを一言で紹介し、即座に質問をします。
展示会出展の成功には、効果的な呼び込みが不可欠です。来場者の注目を集めるため、明るく親しみやすい態度で接し、簡潔かつ魅力的な製品説明を心がけましょう。また、ブースの特徴や展示内容に応じた呼び込み方法を工夫することで、より多くの潜在顧客を引き付けることができます。
来場者の回答が対象顧客ではなかったら、バーコードリーダーで名刺データを取ります。対象顧客の場合、製品・サービスに関する強みを説明しながら、デモやパネルでの案内を提案しながらブースへ誘導します。この際に、さらに対象顧客かどうかを判断する質問を2~3つしても良いでしょう。展示会出展の機会を最大限に活かすため、効率的な顧客スクリーニングと適切な誘導が重要です。
②デモ・パネル説明
ブース内へ誘導したら、来場者をデモ案内スタッフに案内します。この際に、呼び込みスタッフはブース案内スタッフへ、来場者の簡単な紹介とデモ・パネル説明の依頼をします。このコミュニケーションがあれば、来場者も安心してデモ・パネル説明を受けられるでしょう。
デモ・パネル説明時にはスタッフが来場者と名刺交換をします。名刺交換したスタッフが展示会後のフォローを行うことで、その後がつながりやすくなります。そして、ヒアリングシートを使いながら、デモやパネルの説明を行います。展示会出展の成果を最大化するため、製品やサービスの特徴を簡潔に伝えつつ、来場者のニーズや課題を丁寧にヒアリングします。
説明後は、展示会出展の目的に沿って、商談の提案を行いクロージングをします。この際、展示会特別プランや限定オファーなどを用意しておくと、その場での成約率を高めることができます。また、展示会出展後のフォローアップを見据えて、来場者の興味関心や検討状況を的確に把握しておくことが重要です。
③立ち位置
全体の会場図を見ながら、会場の入り口からのブース位置を確認し、人の流れを予測し読み込みスタッフの立ち位置を決めます。また、通路からブース、ブース内の導線を意識し、デモ案内スタッフの立ち位置を決めます。展示会出展の成功には、適切な立ち位置の設定が重要です。
展示会出展において、ブースの配置と人員の立ち位置は来場者の動線に大きく影響します。まず、会場全体の地図を確認し、自社ブースの位置を把握しましょう。特に、主要な入口からの距離や人の流れを考慮することが大切です。これにより、効果的な呼び込みスタッフの配置が可能になります。
次に、ブース内の立ち位置を決定します。展示会出展の目的に応じて、デモ案内スタッフやプレゼンテーションを行うスタッフの位置を最適化します。来場者がスムーズにブース内を移動できるよう、十分なスペースを確保しつつ、各展示物やデモンストレーションエリアへの誘導がしやすい配置を心がけましょう。
また、展示会出展の際は、スタッフの役割に応じて立ち位置をローテーションすることも検討してください。長時間同じ場所に立ち続けると疲労が蓄積するため、定期的に位置を交代することで、スタッフのパフォーマンスを維持できます。これにより、展示会全体を通じて高い効果を発揮することができるでしょう。
展示会中の名刺管理/商談管理
展示会出展での成果を最大化するためには、展示会中の効率的な名刺管理と商談管理が不可欠です。来場者との貴重な接点を無駄にしないよう、スピーディかつスムーズなフォローアップを実現するシステムを構築しましょう。
展示会出展の際は、まずバーコードリーダーを活用した名刺情報の電子化を推奨します。多くの展示会では主催者がバーコードリーダーを用意しているため、積極的に利用しましょう。これにより、その日のうちに獲得した名刺情報をデータとして取得でき、熱量の高くない来場者に対しても迅速なお礼メールや商談提案が可能となります。
ブース内でのデモンストレーションやパネル説明時に獲得した名刺には、事前に準備した名刺スキャナーを使用します。その日のうちに名刺をスキャンしてデータ化することで、商談管理と連動させたスムーズなアポイント調整が可能になります。
展示会出展時の商談管理においては、ヒアリングシートの情報を集計し、優先順位をつけて商談日程の調整を行います。ヒアリングシートの設問項目は、優先順位付けが容易になるよう事前に設計しておくことが重要です。また、セールス担当者の予定をあらかじめ確保しておき、展示会終了後すぐに商談日程を埋められるよう準備しておくことで、商談機会を逃さず成約率の向上につながります。
これらの名刺管理と商談管理のプロセスを効率化することで、展示会出展後の営業活動をより効果的に進められます。適切な管理システムを構築し、展示会での接点を最大限に活用しましょう。
①名刺管理
展示会出展において、効率的な名刺管理は非常に重要です。ブース前を通る来場者の名刺獲得には、バーコードリーダーの活用が便利です。多くの展示会でバーコードリーダーが用意されているため、積極的に活用しましょう。その日に獲得した名刺情報はその日のうちにデータで取得が可能です。これにより、熱量が高くなく名刺情報の獲得だけに終わった対象顧客に対しても、お礼メールとともに商談提案が可能となります。
ブース内のデモ・パネル説明で獲得した名刺には、あらかじめ名刺スキャナーを用意しておくことをおすすめします。その日の獲得した名刺をスキャナーで読み込み、データ化しておくことで、商談管理とともにスムーズにアポイント調整日の連絡ができます。展示会出展の成功には、こうした効率的な名刺管理が欠かせません。
また、展示会出展後のフォローアップを円滑に行うためには、名刺データの整理と分類も重要です。獲得した名刺情報を、業種や興味のある製品・サービス、商談の可能性などでカテゴリ分けすることで、より効果的なフォローアップが可能となります。このような戦略的な名刺管理により、展示会出展の投資対効果を最大化することができるでしょう。
②商談管理
また、ヒアリングシートの情報も集計し、商談日の調整を行います。この際に、ヒアリングシートでの優先順位付けを図れるように設問項目を設定しておきます。また、商談日程に関しても、セールスの予定をあらかじめ確保しておき、展示会から近い日程でスムーズに商談日を埋めるようにしておくと良いでしょう。展示会出展後の商談管理は、展示会出展の成果を最大化するために非常に重要です。展示会出展中に獲得した見込み顧客の情報を整理し、優先度の高い顧客から順に商談を進めていくことが効果的です。また、展示会出展時の商談内容や顧客の反応を詳細に記録し、フォローアップに活用することで、展示会出展の効果を高めることができます。さらに、展示会出展後の商談状況を定期的に確認し、必要に応じて戦略の見直しを行うことも、展示会出展の成果を最大化するポイントとなります。
対象顧客かどうか判断するヒアリング設計
展示会出展の成功には、来場者への効果的なヒアリングが不可欠です。呼び込みやデモ・パネル説明の際に使用するヒアリングシートは、対象顧客を見極める重要なツールとなります。限られた時間内で製品・サービスの紹介とヒアリングを同時に行うため、事前の綿密な準備が必要です。
呼び込み時は数秒から数十秒という短時間での口頭ヒアリングが中心となります。一方、デモ・パネル説明では数分から数十分の時間をかけ、ヒアリングシートを活用しながら詳細な情報収集を行います。これらの場面に応じたヒアリング項目を事前に設計し、回答に対する分岐点や対応方法を明確にしておくことが重要です。
展示会出展においては、以下のようなヒアリング設計のポイントを押さえることが効果的です。
●簡潔な質問設計: 短時間で的確な情報を得られるよう、質問は簡潔かつ具体的に設計します。
●優先順位付け: 最も重要な情報を得るための質問を優先的に配置します。
●分岐フロー: 回答に応じて次の質問や対応が変わるよう、分岐フローを準備します。
●スコアリング: 回答内容に応じてスコアを付け、商談の優先度を判断できるようにします。
展示会中は、このヒアリング設計を基に多くの商談・名刺を獲得しながら、同時に改善を重ねて精度を高めていきます。効果的なヒアリング設計は、展示会出展の成果を最大化し、質の高いリード獲得につながります。
また、展示会後のフォローアップを見据え、ヒアリングで得た情報を適切に記録・管理することも重要です。これにより、展示会出展の効果を長期的に最大化し、継続的な営業活動につなげることができます。
まとめ
展示会出展を成功に導くためには、適切なオペレーション設計が不可欠です。以下に重要なポイントをまとめます:
展示会に必要な役割は①ブース内デモ案内 ②ブース外呼び込み ③ブース運営の3つです。各役割に適した人員を配置し、効果的な展示会出展を実現しましょう。
呼び込み係はブースの前を通る来場者に声をかけ、ノベルティと引き換えに名刺を獲得します。ノベルティを渡しながら来場者に足を止めてもらい、製品・サービスを一言で紹介し、即座に質問をします。この際、展示会出展の目的を念頭に置き、効率的な呼び込みを心がけましょう。
デモ・パネル説明ではヒアリングシートを使いながら、デモやパネルの説明を行い、その後の商談の提案を行いクロージングします。展示会出展の成果を最大化するため、説明内容や商談提案のタイミングを事前に十分検討しておくことが重要です。
対象顧客であるかどうかヒアリング項目を事前に設計しておきます。質問の回答に対しての分岐点を設定し、それぞれの対応方法を明確にします。これにより、効率的な展示会出展が可能となり、質の高い見込み客の獲得につながります。
展示会出展後のフォローアップも忘れずに行いましょう。獲得した名刺情報やヒアリング結果を基に、適切なタイミングで連絡を取り、商談につなげていくことが成功への鍵となります。
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