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メタバース(Metaverse)とは、一体何なのだろうか?

2021.12.28
読了まで約 6

近年、インターネット環境の整備により、オンライン環境を利用したさまざまなサービスやビジネスの展開が急激に増加を遂げています。今や、私たちの暮らしにオンライン環境は必要不可欠な存在となり、娯楽時間やビジネスシーンなど多岐にわたり活用の領域に広がりが見受けられます。

オンライン市場の新たな顔として、世界的に注目を集めているプロダクトが「メタバース」です。現代のあらゆる最先端技術が活用されて生み出されたメタバースの「仮想空間」は、今後のオンライン市場に大きな確変をもたらす可能性があるのです。また、世界でも名立たる企業がメタバース産業への参入を実施しており、その期待値や注目度の高さも伺うことができます。では、世界的に注目の集まる「メタバース」とは一体どのようなものなのでしょうか?

本記事では、「メタバースとは?」という基本部分から、その特徴や支持される理由について詳しくご紹介していきます。

関連記事:メタバースとは?関連用語集、ビジネス利用の成功事例、やり方も解説!

「Metaverse(メタバース)」とは

「Metaverse(メタバース)」とは、「変化・変成・超越・一段と高いレベル」といった意味合いを持つ「Meta」と「宇宙・銀河系」と意味合いを持つ「Universe」が合わさり造語として生み出された言葉です。

現在、メタバースは、「仮想空間」を意味することが多く、近年はプロダクトとして多くの人々に注目されています。漠然に仮想空間といっても、しっくりこないという方も多いのではないでしょうか?メタバースが意味する仮想空間とは、「VR(バーチャル・リアリティ)」が作り出す、仮想空間や仮想現実です。実物や現物ではないが、機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザーの五感である、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚を含む感覚を刺激することにより、理工学的に生み出す体系や技術を体験することができるのです。簡単にいえば、VRを通して得られるリアルな体験が、あたかも現実で起こっているかのように感じられるということです。

関連記事:VRの基礎知識とビジネスシーンにおける活用事例のご紹介

メタバースはVR技術を最大限に活用して、今までのバーチャル空間では成しえなかった部分の領域を大幅に拡大しているのです。実際にメタバース内では3DCGで作り出された仮想空間で多くのユーザーが交流でき、コミュニケーションを図り、一つの空間をさまざまなコンテンツを利用し共有できる内容となっています。

関連記事:Web3(Web3.0)とは?特徴やメリットをわかりやすく解説

メタバースの特徴

ここからは、メタバースの特徴を簡単にご紹介していきます。

3次元空間・環境の整備

まず、メタバースならではの特徴として、3次元の環境を備えているといった特徴があります。3次元とは、その名の通り次元の数が3つの空間を意味します。メタバースには3次元環境が必ず整備されメタバースの仮想空間の土台部分を構築しているのです。

自己投影のためのアバターが存在する

メタバースには自己投影のためのアバターが存在するといった特徴があります。実際にこのアバターの利用を通して、メタバースが展開する仮想空間内でさまざまなユーザーとコミュニケーションをとり、多くのユーザーと交流することができるシステムとなります。アバターの利用により、他人との交流が苦手なユーザーもコミュニケーションへのハードルは低くなり、仮想空間内で活発的に活動することも可能となります。

多くのアバターが一つの空間を共有できる

メタバースが作り出す一つの仮想空間内で、多くのアバターがその空間を共有できるといった特徴があります。メタバースの仮想空間を楽しむユーザー(アバター)は決して「あなた一人」だけではありません。多くのユーザーがアバターを通して、メタバースの仮想空間内で交流し、コミュニケーションを取得し、さまざまな目的を持って同じ空間、時間を共有しています。仮想空間内では多くのユーザーと時間や場所を気にせずに、気軽に交流することが可能です。現実では気軽に会うことのできないような友人や、同じ興味関心を持ったユーザーとの交流も可能となる楽しさもあります。

仮想空間内にオブジェクトを創造することができる

メタバースの特徴として仮想空間内にオブジェクトを創造することができる点が挙げられます。仮想空間内であるにもかかわらず、芸術的なアートを描き、そのアートを共有することがメタバースでは可能となります。メタバースの特徴でもある3D空間を活用することで、立体的な被写体を生み出すことができ、平面図では伝わりにくかったアートに対して新たな命が吹き込み、今までの想像を超える立体的なオブジェクトが完成するのです。このような斬新的な発想もメタバースならではの特徴といえます。

「Facebook Meta(メタ)」とメタバースの関係性

昨今、世界的企業であるFacebookが2021年10月付で社名を「Facebook」から「Meta(メタ)」へ変更し、世界的に大きな注目を集めたことはご存知でしょうか?

ここでは、Facebookを簡単にご説明しながら、メタバースとの関係性をご紹介していきます。

関連記事:Facebookの基礎知識と新名称の「Meta」について解説します

Facebookは世界的に最も支持の高いSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を代表するひとつであり、提供するサービスを通して社会的繋がりを作っていくSNSです。もともとはコミュニティ内で友人同士を「繋ぐ」ために開発されました。実際に自身の近況を画像や動画を使用してリアルタイムで投稿が行え、気軽に友人の動向が確認できることや、投稿に対するコメント返信や、「いいね」といったリアクションが簡単に行える機能を兼ね備えています。Facebookは「人と人が繋がる」ことが醍醐味である画期的なツールであり、現在Facebookの月間アクティブユーザー数は29億人を誇り、世界的に巨大なプラットフォームまで成長を遂げています。

近年はFacebookをめぐり、元社員のフランシス・ハウガン氏が内部文書をメディアにリークする事態が発生し、世間的にFacebookにはネガティブなイメージを印象付ける事態に陥りました。このことから、社名変更の実施は企業イメージの刷新を図った狙いもあるともいわれています。そして、新たに変更が加えられた社名である「Meta(メタ)」とは、前述の通り仮想空間を意味する「メタバース」から由来しているのです。このことからFacebookも今後の活動拠点の注力していく部分として、仮想空間に特化したサービスやビジネスの転換が予想できます。実際にFacebookはバーチャル・リアリティに特化したサービスや、ビジネスの拡充を提言していることから、今後Facebookの仕掛けるプロダクトへの動向は世界的に見ても注目度はさらに高まることでしょう。

メタバースへ注目が高まる理由

ここ数年でメタバースへの注目度は一気に加速しました。その理由として挙げられる事例をご紹介していきます。

新たなコミュニケーションツールとしての進化

近年は世界的パンデミックの影響を受け、外出自粛、家族や友人との娯楽時間、ビジネスやサービスの活動範囲が大幅に制限されました。このことからメタバースをはじめ、非接触型のサービスへの需要が一気に高まりを見せ、新たなコミュニケーションツールとして活用の場が拡大しました。仮想空間は、実際のライブイベントや人と人の繋がりが必要とされる物販サービスに大きく貢献し、その便利さや新たな取り組みとして話題性を集めています。実際に会場に出向くことなく、現実と同じような体験を味わえる画期的な利便性を発見したため、今後もメタバースの活用範囲は大きく拡大していきことでしょう。

VR技術の進歩

メタバースが注目される理由として、「VR(バーチャル・リアリティ)」のクオリティが向上したことが挙げられます。近年では、VRの体験をより現実に近いものとするため、VRゴーグルをはじめとした、VRデバイスの急速なリリースが話題を呼んでいます。発表されるデバイスのクオリティは年々向上し、利用ユーザーのさまざまな趣味趣向の多角化に対応しています。また、VR技術を活用したコンテンツが世の中に多く浸透し始め、仮想空間に触れる機会が増加したことも注目を集める理由として挙げられます。映し出される映像の解像度はもちろんのこと、ゴーグルの軽量化やワイヤレス化など、日々進歩するVR技術はメタバースの需要拡大には欠かせない存在となっています。

メタバースとNFTの関係性

メタバースを語るうえで大切な存在となるのが「NFT」です。「NFT」は、近年注目が高まっているワードであり、実際に耳にしたことがある方も少なからず居るのではないでしょうか?「NFT」とは、「Non-Fungible Token」の頭文字を取った略語であり、「非代替性トークン」といった意味合いを持ちます。画像、動画、音声、物理的物体などのデジタルファイルは複製が可能ですが、NFTはこのような一つ一つのアイテムに対し、唯一の所有権を公的に証明する働きや、そのアイテムのライセンス付けをおこない資産価値を定める目的に活用されています。現在のデジタル市場ではNFTの売買が活発的に取引され、特にメタバースとNFTの組み合わせで注目を集めているのがNFTアートです。仮想空間であるメタバース内で描かれたデジタルアートは高額な値段で取引がおこなわれています。このような事例はメタバースの発展と共に生まれた新たなビジネスモデルといえるでしょう。今後もメタバースを活用した経済活動のさらなる活発化が予想されます。

メタバースの関連銘柄

ここからは、注目されるメタバースの関連銘柄をご紹介していきます。

「Meta(メタ)-FB」

社名変更において、メタバースを想起させる社名である「Meta(メタ)」を選んだ理由には、今後のプロダクトには必然的にメタバースが土台となり、企業として真っ先にメタバースへ注力することが伺えます。実際にMetaがサービスの展開をおこなうデジタル会議サービスである「Horizon Workrooms Meta」では、Meta独自の技術によりアバターの操作にはコントローラーが不要であるなど、最先端のメタバース事業が盛んにおこなわれています。Metaはメタバース市場をけん引する存在となり、今後も活動の場を大きく拡大して行くことが予想されます。

「Microsoft(マイクロソフト)-MSFT」

マイクロソフトはアメリカのソフトウェアの開発や、販売をおこなっている世界的にも影響力のある大手企業です。2021年11月に同社が提供するコラボレーションプラットフォーム内の「Teams」で3Dアバターを活用し実際の会議をおこなうことができる「Mesh for Microsoft Teams」の開発を発表しました。まずは、2022年の前半にプレビュー版のリリースに向け準備が着々と進められている状況のようです。世界的に影響力のあるマイクロソフトのメタバースへの参入は、今後のメタバース市場に大きな確変をもたらすことが予想されます。

「SONYグループ(ソニー)」

日本を代表する総合電気メーカーのソニーは、メタバース分野にも注力していることで注目されています。ソニーはPlayStation VRなどVRデバイスの開発を積極的におこなっており、ゲーム界をはじめ幅広い年齢層から国内外問わず高い支持を集めています。メタバースが得意とする音楽やゲーム分野との相性も良く、開発次第ではメタバース市場において日本を代表する企業に発展する可能性があるため今後の動向に注目しましょう。

 「GREE(グリー)」

グリーは2004年にソーシャル・ネットワーキング・サービスをスタートさせ、スマートフォンアプリゲームを中心に人気の集まるプラットフォームとして成長を遂げています。グリーは2021年にメタバースへの本格参入を提言し、今後はメタバースを活用したゲームアプリのリリースが期待できます。私たちの身近な存在であるスマートフォンからメタバースを気軽に利用できるようになれば、多くの利用ユーザーが一気に押し寄せ、さらに人気の高いプラットフォームとして君臨することが予想されます。

メタバース仮想通貨

メタバースでは前述のとおり、デジタルコンテンツの所有権を証明できるNFTを活用することでデジタルコンテンツの売買が可能となります。また、実際の取引には仮想通貨が使用されメタバース内で売買が実施されます。仮想通貨を活用することで、スピーディーに国境をまたいだ売買が可能となる特徴もあります。メタバース内で活用できる仮想通貨はさまざまな種類が用意されることから、利用ユーザーはメタバース内で利用したいサービスの仮想通貨を選定することが大切です。仮想通貨の保有目的であれば、細かく選定する必要もありませんが、実際にメタバース内で仮想通貨を使用し提供されるサービスや投資を最大限に楽しむのであれば、自身が利用する可能性の高いサービスの仮想通貨を選択すべきでしょう。

また、仮想通貨には株式市場と同様に時価総額が存在します。そのため、投資の判断材料には役立つ指標として活用できます。時価総額はリアルタイムで変動する特徴があり、時価総額が大きい仮想通貨であれば実際の取引が活発におこなわれている証となり、その人気の高さが伺えます。

まとめ

本記事では、「メタバースとは?」という基本部分から、その特徴や支持される理由についいてご紹介してきました。メタバースは3DCGにより仮想空間を作り上げ、現実世界と同様の活動が活発的におこなえることが分かりました。今後、さらに多くの企業がメタバース産業に参入し、現実世界で実施されている多くの分野が、仮想空間へ続々と移行されることが予想されます。無限の可能性を秘めるメタバースはこの先も、世界中から注目を集め続けるでしょう。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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