近年、インフルエンサーマーケティングが注目を集めています。この手法は、従来の広告概念を大きく変革させつつあります。広範囲に施策を展開するマス・マーケティングから、顧客一人ひとりに合わせてコンテンツや様々な施策を展開するパーソナライズされたマーケティングへと、施策の手法そのものが変化しているのです。
時代の変化により、人々の商品の認知から検討、購入に至る基準も変化しています。例えば、「憧れの人が使っているから」「好きなインフルエンサーがおすすめしていた」といった理由が、購買決定の重要な要素になってきています。インフルエンサーの発信が、消費者の意思決定プロセスに大きな影響を与えるようになったのです。
このような状況下で、インフルエンサーマーケティングは企業にとって不可欠な戦略となりつつあります。インフルエンサーを広告の手段として効果的に活用することで、ブランドの認知度向上や商品の販売促進につながる可能性が高まります。
本記事では、このように重要性を増すインフルエンサーマーケティングについて、その概要や効果、導入方法などを詳しく解説していきます。企業のマーケティング戦略に新たな視点を提供し、効果的なインフルエンサーマーケティングの実践に役立つ情報をお届けします。
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目次
インフルエンサーマーケティングとは?
インフルエンサーマーケティングとは、特定のコミュニティにおいて強い影響力を持つ人物=インフルエンサーを企業が活用し、ソーシャルメディア等を通して企業の商品やサービスを紹介してもらい、消費者の購買行動に影響を与えるマーケティング手法です。
インフルエンサーの代表的な例としては、芸能人やファッションモデル、スポーツ選手、特定分野の専門家や政治家などが挙げられます。これらの影響力のある人物を活用することで、企業は効果的に商品やブランドの認知度を向上させ、購買意欲を高めることができます。
インフルエンサーマーケティングの特徴は、企業が直接消費者にメッセージを発信する従来型のマーケティングとは異なり、インフルエンサーの個人的な体験や意見を通じて商品やサービスの魅力を伝えることにあります。これにより、より自然で信頼性の高い形で情報を届けることが可能となります。
具体的には、インフルエンサーに企業の商品やコンテンツを実際に利用してもらい、SNSなどを使って宣伝してもらうのが一般的な方法です。この手法により、企業は幅広いターゲット層にリーチし、効果的なブランディングを行うことができます。
インフルエンサーマーケティングの利点として、特定のコミュニティに絞った効率的なマーケティングが可能であることや、インフルエンサーの個性を活かした共感性の高いコンテンツ制作ができることが挙げられます。さらに、質の良い「口コミ」がターゲット間でより拡散されやすくなるという効果も期待できます。
このように、インフルエンサーマーケティングは現代のデジタル社会において、企業と消費者を効果的につなぐ重要なマーケティング戦略の一つとして注目を集めています。
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普及には既存メディア離れの影響がある
インフルエンサーマーケティングが注目されている理由の一つとして、テレビ離れがあります。
昨今、インターネットとスマートフォンの普及に伴い、情報収集の仕方がテレビなどのマスメディアからスマートフォンなどへと移り変わっています。この変化は、インフルエンサーマーケティングの重要性を高める要因となっています。
事実、総務省の統計によれば、テレビ(リアルタイム)の視聴時間(平日)は2012年の平均184分から、2016年には平均168分まで落ち込んでいます。
一方、インターネットの利用時間(平日)を見ると、2012年の平均71分から、2016年には平均99分と右肩上がりに上昇。さらにSNS利用者率は2016年時点で79.3%となっており、もはや人々の生活に不可欠なものとなっています。SNSの普及により、インフルエンサーが情報発信しやすい環境が整ったと言えるでしょう。
こうした背景もあり、SNSは広告としての効果も大いに期待され、インフルエンサーを活用したマーケティング手法が昨今注目されているのです。特に若年層を中心に、テレビよりもSNSから情報を得る傾向が強まっており、インフルエンサーマーケティングの重要性はますます高まっています。
インフルエンサーマーケティングの歴史
インフルエンサーマーケティングの歴史は比較的浅く、2000年代に入ってから誕生したと言われています。この新しいマーケティング手法は、徐々に世の中に紹介され、マーケティング担当者の間で認知度を高めていきました。
インフルエンサーマーケティングの発展は、主に2つの大きなブームを経て現在に至っています。第一次ブームは2005年から2008年頃に起こり、第二次ブームは2010年以降に始まりました。これらのブームは、それぞれの時代におけるインターネットとソーシャルメディアの進化と密接に関連しています。
特筆すべきは、インフルエンサーマーケティングが従来の広告手法とは異なり、消費者との直接的なつながりを重視している点です。この特性により、ブランドや製品に対する信頼性と親近感を効果的に醸成することが可能となりました。
また、インフルエンサーマーケティングの発展は、デジタル技術の進歩とソーシャルメディアプラットフォームの多様化に伴って加速しました。これにより、企業はより精緻なターゲティングと、より効果的な消費者とのエンゲージメントを実現できるようになりました。
ブロガーから始まったインフルエンサーブーム
第一次インフルエンサーブームは2005年から2008年頃だと言われています。
当時のインフルエンサーとはブロガーでした。
インフルエンサーという言葉自体は2007年頃、ブログを利用する人が増加したことで一般に広まりました。当時はSNSという名称もなく、個人の情報発信は主にブログを通じて行われていました。
ブロガーを招待したイベントや商品サンプリングが流行しましたが、その拡散力や影響力はまだ限定的で、企業が確実な手応えや投資効果を得るにはもう一歩及ばない部分がありました。
そして、いわゆるステマ問題で芸能人のブログが炎上したことをきっかけに、「やらせ」などのネガティブイメージがついてしまい、インフルエンサーマーケティングは一時下火となります。この時期は、インフルエンサーマーケティングの黎明期であり、企業側もその活用方法を模索していた段階でした。
ソーシャルメディアの流行
その後、2010年以降にソーシャルメディア群とスマホの急速な普及を経て、再びYouTuberやインスタグラマーなど、多様化したインフルエンサーが活躍する時代、「第2次インフルエンサーブーム」が到来します。
インスタグラムは2010年からサービスがスタートしたため、他の有名なSNSと比べると後発のメディアですが、ユーザー数の爆発的な増加で注目が集まるとともに、インスタグラムを利用したマーケティングも注目を浴びるようになりました。
YouTubeでは2010年頃から企業側から著名なユーチューバーにアプローチし宣伝活動に活用しだしました。YouTubeが閲覧者の多いユーザーをパートナーとして認める、パートナープログラムを商業用ユーザーだけでなく一般ユーザーに開放したのが2011年です。
Instagramの流行や、YouTuberが人気を獲得したことにより、ネガティブなイメージが払しょくされ、再びインフルエンサーマーケティングが注目されるようになったというわけです。
また2013年頃からは、YouTuberをはじめとしたインフルエンサーを抱えるプロダクション会社も設立され始めました。最近では、大手芸能プロダクション、出版社なども参入し始め、日々市場が拡大しつつあります。さらに、TwitterやTikTokなどの新たなプラットフォームの台頭により、インフルエンサーマーケティングの手法も多様化し、より効果的な施策が可能になってきています。
インフルエンサーマーケティングのメリット
インフルエンサーマーケティングには、従来の広告手法と比較して様々な利点があります。まず、SNSを通じて情報が拡散されるため、ブランドや製品の認知度を効率的に高められます。また、インフルエンサーが実際に商品を使用する様子を見せることで、消費者は製品の使い方や効果を具体的にイメージしやすくなります。
さらに、SNSの特性を活かした迅速な情報拡散が可能で、短時間で多くの人々にリーチできます。ターゲティングの面でも、特定の関心を持つフォロワーに絞って情報を届けられるため、効果的なマーケティングが実現できます。
インフルエンサーの言葉は一般の消費者にとって身近で信頼性が高く、説得力があります。これは、フォロワーがインフルエンサーの価値観や世界観に共感しているためです。結果として、インフルエンサーマーケティングは通常の広告よりも高い信頼性と説得力を持つことができます。
加えて、SEO対策の観点からも有効です。インフルエンサーの投稿にURLを含めることで、外部リンクが増加し、検索エンジンでの順位向上につながる可能性があります。
このように、インフルエンサーマーケティングは多面的なメリットを持つマーケティング手法であり、現代のデジタル時代において効果的な戦略の一つとなっています。
ブランド・製品の普及性が高い
SNS上でインフルエンサーが発信・拡散することによって、そのブランドや製品の情報は、より多くの人に届きます。インフルエンサーマーケティングの特徴として、フォロワーとの強い信頼関係を活かした情報拡散が挙げられます。インフルエンサーの投稿は、フォロワーによって積極的にシェアされる傾向があるため、短期間で広範囲に情報が広がります。また、ハッシュタグなどを効果的に使用することで、フォロワー以外のユーザーにもリーチすることが可能です。このように、インフルエンサーマーケティングは従来の広告手法と比較して、より効率的かつ効果的にブランドや製品の認知度を高めることができるのです。
製品のイメージがしやすい
インフルエンサーマーケティングでは、インフルエンサーが実際に商品やサービスを使用している様子を見ることができるため、消費者にとって製品のイメージがつかみやすくなります。例えば、ファッションアイテムであれば、インフルエンサーが着用している姿を見ることで、自分が使用した際のイメージを容易に想像できます。また、美容製品の場合は、インフルエンサーが実際に使用している動画や ビフォーアフター画像を通じて、効果や使用感を視覚的に理解することができます。
このように、インフルエンサーの実体験を通じた紹介により、消費者は製品やサービスをより身近に感じ、購入の意思決定をしやすくなるのです。さらに、インフルエンサーの生活スタイルや価値観に共感している フォロワーにとっては、その製品が自分の生活にも馴染むものだと認識しやすくなり、より強い購買意欲につながる可能性があります。
情報拡散のスピードが著しい
インフルエンサーマーケティングの大きな特徴として、SNSを活用した情報拡散のスピードが挙げられます。特に、Instagram、Twitter、YouTubeなどの主要プラットフォームでは、フォロワーによるシェアやリツイート機能を通じて、一つの投稿が瞬く間に多くのユーザーに届きます。この高速な拡散力により、企業のメッセージや商品情報が従来の広告手法よりも迅速かつ広範囲に伝播することが可能となります。また、インフルエンサーの投稿に対するフォロワーの反応も即時的であり、リアルタイムでのエンゲージメント(いいね、コメント、シェアなど)を通じて、さらなる拡散効果が期待できます。このように、インフルエンサーマーケティングは、デジタル時代における効果的な情報伝達手段として注目を集めています。
ターゲットを絞れる
多くの人は自分の関心にあう投稿をするインフルエンサーをフォローしています。
つまり、同じ関心を持つ人たちに向けて、効率的に情報を発信していることになります。この特性を活かすことで、インフルエンサーマーケティングではターゲットを絞った効果的なアプローチが可能となります。例えば、美容に関心の高い20代女性をターゲットとしたい場合、その層に人気のインフルエンサーを起用することで、狙いたい層に的確にリーチできます。さらに、インフルエンサーの特性や発信内容に基づいて、より細分化されたニッチな層へのアプローチも可能です。このように、インフルエンサーマーケティングは、従来の広告手法と比べてより精緻なターゲティングを実現できる点が大きな強みとなっています。
身近な人の言葉で説得力がある
インフルエンサーマーケティングの大きな特徴は、インフルエンサーが同じ消費者の立場から意見を発信することです。この点が通常の広告と大きく異なり、フォロワーにとって高い説得力を持ちます。インフルエンサーの言葉は、企業が直接発信する情報よりも信頼性が高く、より身近に感じられるのです。
フォロワーは、自分と価値観や興味関心が近いインフルエンサーを選んでフォローしています。そのため、インフルエンサーが発信する情報は、フォロワーにとって共感しやすく、受け入れやすいものとなります。これは、インフルエンサーマーケティングの強みの一つと言えるでしょう。
また、マスメディアによる広告は企業側に有利な情報として捉えられがちですが、インフルエンサーの投稿は個人的な体験や正直な感想として受け取られやすいという利点があります。この「等身大の意見」が、商品やサービスに対する信頼性を高め、購買意欲を刺激する効果があるのです。
SEOの強化ができる
インフルエンサーマーケティングを活用することで、SEOの強化につながる可能性があります。インフルエンサーの投稿にURLをつけることによって、外部リンクが増え、検索エンジンでの評価が向上する可能性があります。また、インフルエンサーの発信力を活かすことで、ブランドや製品に関連するキーワードの検索順位を上げる効果も期待できます。さらに、インフルエンサーの投稿がSNS上で拡散されることで、より多くのユーザーの目に触れる機会が増え、間接的にSEO効果を高めることができるでしょう。このように、インフルエンサーマーケティングはSEO戦略の一環として活用することで、オンライン上での露出を向上させる有効な手段となり得ます。
インフルエンサーマーケティングの弱み
インフルエンサーマーケティングには多くのメリットがある一方で、いくつかの弱点も存在します。主な弱みとしては、ステルスマーケティングとの誤解や情報の一人歩きによる炎上リスクが挙げられます。これらのリスクは、インフルエンサーマーケティングの効果を大きく損なう可能性があるため、十分な注意が必要です。
例えば、インフルエンサーの投稿が企業からの依頼であることを明記していても、一部のユーザーがステルスマーケティングと勘違いしてしまうケースがあります。このような誤解は、ブランドイメージを損なう可能性があるため、より明確な説明や透明性の確保が求められます。
また、SNSの特性上、情報が短くまとめられることが多いインフルエンサーマーケティングでは、文脈が省略されたり誤解を招きやすい表現が使われたりすることで、意図しない形で情報が拡散されるリスクがあります。これは、ブランドの評判を急速に悪化させる可能性があるため、慎重な対応が必要です。
さらに、インフルエンサーの個性や表現の自由度を尊重しつつ、企業側の意図を正確に伝えるバランスを取ることも課題の一つです。このバランスを適切に保つことで、インフルエンサーマーケティングの効果を最大化しつつ、リスクを最小限に抑えることができます。
ステルスマーケティングと勘違いされる可能性がある
インフルエンサーマーケティングによるPRは、企業からの依頼であることを明記しておこなうためステルスマーケティングとは明確に異なります。
しかし、企業からの依頼ということを明記しているにも関わらず、そのPRをステルスマーケティングと勘違いしてしまうユーザーが一定数おり、ステルスマーケティングを嫌うネット界隈においてはマイナスイメージになってしまうことが度々あります。
(※ステルスマーケティングは景品表示法の優良誤認表示・有利誤認表示によって禁止されています)
このような誤解を防ぐためには、インフルエンサーマーケティングを実施する際に、より明確な形で広告であることを示す工夫が必要です。例えば、投稿の冒頭に「PR」や「広告」といった表記を大きく表示したり、キャプションで詳細な説明を加えたりするなどの対策が効果的です。また、インフルエンサー自身が誠実に商品やサービスについて語り、自身の正直な意見を述べることで、フォロワーとの信頼関係を維持しつつ、効果的なマーケティングを実現することができるでしょう。
情報の一人歩き・炎上のリスク
インフルエンサーマーケティングでは、情報を短くわかりやすくまとめて投稿することが多いため、その情報が一人歩きしてしまい、炎上するリスクがあります。特にSNSでは、長文よりも簡潔な投稿の方がエンゲージメントを得やすいという特性があります。
しかし、販売元・サービス元である企業ではなく、インフルエンサーに情報発信を依頼するインフルエンサーマーケティングでは、細かな配慮が行き届いていない内容になってしまうことがあります。そのため、思わぬユーザーの反応を引き起こし、ブランドイメージを損なう可能性があります。
また、インフルエンサーの個人的な意見や解釈が加わることで、本来の商品やサービスの特徴とは異なる情報が広まってしまうこともあります。こうした事態を防ぐためには、インフルエンサーとの綿密なコミュニケーションや、投稿内容の事前確認が重要となります。
インフルエンサーマーケティングを実施する際は、これらのリスクを十分に認識し、適切な対策を講じることが求められます。
インフルエンサーマーケティングの導入方法
インフルエンサーマーケティングを効果的に導入するためには、適切なパートナーを選ぶことが重要です。主に3つのタイプの会社がインフルエンサーマーケティングのサービスを提供しています。
それぞれ①インフルエンサープロダクション、②インフルエンサーキャスティング会社、③インフルエンサーマーケティング会社です。これらの会社は、それぞれ異なる特徴と強みを持っており、企業のニーズや目的に応じて最適なパートナーを選択することが成功への鍵となります。
インフルエンサープロダクション
InstagramやTwitterなどのSNSで活動するインフルエンサーのマネジメントやプロデュース、活動内容のサポートを行います。インフルエンサーマーケティングの基盤となる重要な役割を担っており、インフルエンサーの発掘や育成、企業とのマッチングなども行います。多くの場合、所属インフルエンサーの SNS アカウント運用やコンテンツ制作のサポート、さらには契約交渉や報酬管理なども担当します。インフルエンサーが自身の強みを活かしつつ、効果的なマーケティング活動を展開できるよう、総合的なバックアップ体制を整えています。
インフルエンサーキャスティング会社
インフルエンサーキャスティング会社は、インフルエンサープロダクションの業務に加え、企業や団体の希望するマーケティングに適したインフルエンサーを選定し、起用するサービスを提供します。インフルエンサーマーケティングの効果を最大化するために、キャンペーンの目的や商品特性、ターゲット層に合わせて最適なインフルエンサーを見つけ出し、マッチングを行います。また、インフルエンサーとのコンタクトや契約交渉、スケジュール調整なども担当し、クライアント企業の負担を軽減します。さらに、キャンペーン後の効果測定やレポーティングを行い、インフルエンサーマーケティングの成果を可視化することで、次回の施策改善にも貢献します。
インフルエンサーマーケティング会社
インフルエンサーマーケティング会社は、最適なインフルエンサーの選択と訴求力の高い起用法の提案、効果的なブランド設計、さまざまな角度からの効果測定など、実効性の高いインフルエンサーマーケティングの実現に必要なすべてのサービスを提供します。これらの企業は、クライアントの目標に合わせて包括的なインフルエンサーマーケティング戦略を立案し、実行をサポートします。また、インフルエンサーとの関係構築から、キャンペーンの企画・運営、結果分析まで一貫して管理することで、より効率的かつ効果的なマーケティング活動を実現します。インフルエンサーマーケティングの専門知識と経験を活かし、クライアントのブランド価値向上と販売促進に貢献します。
発信するメディアを適切に選定する
インフルエンサーマーケティングを効果的に展開するには、商品やサービスの魅力が最も伝わりやすいメディアを選択することが重要です。各SNSプラットフォームには特徴があり、それぞれの長所を活かした戦略が求められます。ここからは、インフルエンサーマーケティングで主に選ばれているメディアの特徴についてご紹介します。
Instagram(インスタグラム)では画像(動画)+テキストという形でサービスを紹介します。インスタ映えという言葉もあるように、写真映えする画像にテキストをつけて紹介するのが基本の形となります。視覚的な訴求力が高いため、インフルエンサーマーケティングにおいて非常に効果的なプラットフォームです。
また、Instagramで商品やサービスなどを検索するユーザーが増えているため、タグを有効活用することでフォロワー以外のユーザー、および投稿後にも商品やサービスをリーチすることが可能になります。さらに、Instagram独自の機能である「ストーリーズ」や「リール」を活用することで、より多様な形式でインフルエンサーの影響力を発揮することができます。
YouTube
YouTube(ユーチューブ)は動画サイトなので、画像やテキストを紹介するInstagramやTwitterよりも具体的にわかりやすく商品やサービスの使用感やレビューを紹介することができます。インフルエンサーマーケティングにおいて、YouTubeは非常に効果的なプラットフォームとなっています。
しかし、YouTubeで活躍しているYouTuberに依頼すると、撮影から編集、投稿まで全てを依頼することになりますので、他のSNSと比較してコストが高くなる傾向があります。また、動画の長さや内容によっては、視聴者の興味を維持することが難しい場合もあります。そのため、商品やサービスの特性に合わせて、適切な動画の長さや内容を検討することが重要です。
140文字までという短いテキスト・画像・動画を投稿してユーザー行動・認知を狙うのがTwitterでのインフルエンサーマーケティングです。
Twitterのみで人気になったインフルエンサーであればテキスト(+画像)、YouTuberのTwitterであれば短いテキスト+動画が効果的です。
人気のインフルエンサーであれば、内容にかかわらず一定数の拡散(リツイート)が望めるので多くのエンゲージメントを獲得できます。
SNSの中で拡散力がもっとも強い反面、炎上しやすいというデメリットもあります。
インフルエンサーマーケティングの具体例
アパレル業界
スペイン発の某ファッションブランドは「積極的にマーケティングを行うよりも、顧客にそのままインフルエンサーになってもらい、その拡散力や口コミ効果によって売上をさらに伸ばす」という手法を取り入れています。
これにより単にオンラインの売上だけでなく、顧客が実店舗に来店する頻度も通常のブランド店より2~3倍高くなりました。結果としてブランド自体のFacebookのフォロワー数は2,500万人以上、Instagramは1,600万人以上となっており、自社発信の情報の拡散力も非常に大きくなっています。
日本でも、大手アパレルECサイトがインフルエンサーマーケティングを取り入れています。例えば、そのサイトでは若手人気女優さんをインフルエンサーとして起用。その方のInstagramのフォロワー数は130万を超えており、広範囲の拡散が期待できます。
また、著名人だけでなく、WEBスタッフや店舗スタッフもインフルエンサーとして活動しています。スタッフ自らが自社商品を着てSNSを使って発信することでフォロワーや閲覧者との距離感を縮め、その身近さを作り出すことでさらなる売上アップを狙うという手法です。
スイーツ業界
スイーツの分野でも、インフルエンサーマーケティングで成功した事例があります。
それは某製菓会社が行なったバレンタインキャンペーンです。
同社はバレンタインデーに向けてチョコやココアパウダーなどの売上促進を目的とし『友チョコ方程式ダンス』という短い歌を作り、友だちにも手作りチョコを渡してもらうというインフルエンサーマーケティングを実施。
このキャンペーンを知ったTwitterフォロワー数32万人を超えるモデルがダンス動画をYouTubeに投稿。その結果、4万件以上のいいね!数を獲得しました。
従来のような男女間ではなく、友達同士でチョコを渡す「友チョコ」というワードも注目され、結果として動画の再生回数は10万回以上となりました。さらに「友チョコ方程式」という単語もTwitterで約4,300ツイート、約530万インプレッションを記録する成功を収めました。
インフルエンサーマーケティングにおけるキャスティングのポイント
インフルエンサーマーケティングを成功させるためには、インフルエンサーのキャスティングが重要なポイントとなります。
オファーする際は、次の要素に注目すると良いでしょう。
エンゲージメント率
多くの企業が陥りがちな間違いが、「フォロワー数の多い人=より影響力のあるインフルエンサー」と判断してしまうことです。しかし重視すべきはフォロワー数だけでなく、SNSにおいてユーザーがいかに“積極的な反応”を示したかです。この割合を表す数値をエンゲージメント率と言います。
例えばInstagramであれば、投稿への「いいね!」や、寄せられたコメントが多ければ多いほどエンゲージメント率は高くなります。
商材との親和性
また、親和性も重視しなければいけません。インフルエンサーマーケティングの大きな魅力は、一般的な広告よりもリアリティーがあることです。ユーザーにいかにリアリティーを感じさせられるかで、効果が変わってくるといっても過言ではありません。
そのリアリティーを追求するためにも、インフルエンサーの個性や世界観が商材と一致しているかをしっかり見極めましょう。
近年は大勢のインフルエンサーを抱えるプロダクションも設立されているため、インフルエンサーの発掘に苦戦しそうな場合は、そういったプロダクションにオファーするという方法もあります。
まとめ
発展の著しいインフルエンサーマーケティングですが、PRしたい企業、新しいインフルエンサー、マーケティング支援サービスなどのプレーヤーは増え続けており、今後ますます市場が拡大するマーケティング手法になると考えられます。しっかりと動向を見極め、皆様もインフルエンサーマーケティングの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

