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日本のDX推進は間違いだらけ?「変革」を無視したDXに未来はない

2024.1.16
読了まで約 8

新たなビジネスモデルの創出や業務効率化、生産性向上、競争力強化などを目的に、いま、企業や行政などでDX推進が最重要課題となっている。こうした企業のDX推進を強力に支援しているのがFabeee(ファビー)株式会社だ。

「世界の心拍数を1上げる」というミッションにもとづき、国内トップクラスの技術力と顧客理解を武器に、クライアントへの徹底した伴走を通じてDX推進を支援し、名だたる大手企業から厚い信頼を寄せられている。

今回は同社の代表取締役CEO 佐々木 淳氏に、企業におけるDX推進のポイントや陥りがちな失敗、DX化を成功に導くための組織づくり、正しい進め方などをテーマに、FabeeeのDX論を語ってもらった。

「変革のための手段」それがFabeeeの考える真のDX

——まずはFabeeeについて質問です。どういったミッションを抱いているのか、どんな会社なのかを教えてください。

佐々木 「世界の心拍数を1上げる」。それが当社のミッションです。なぜ「心拍数1」なのかというと、クライアントやその先にいるエンドユーザーに対し、驚きと発見につながる価値を提供していこうと思った場合に、「10」や「100」だと飛躍しすぎてしまうし、伝えたいことも伝わらない。しかし「1」だと目的を明確にイメージできるようなるし、話も伝わりやすい。確実にひとつずつ積み上げながら成功へとつなげていこう、という思いがこのミッションには込められています。

ビジネス面ですが、私たちはDX推進事業を主たるサービスとした会社です。その中で大切にしているのが「変革」というキーワードになります。DXはもちろん、BX(ビジネストランスフォーメーション)やCX(コーポレートトランスフォーメーション)といった変革のためのプロセスが世の中のトレンドですが、これらはいずれも「X」の前に「手段」を置いた言葉です。それに対し、私たちは「手段」の前に「変革」を置いた「XD」という考え方を大切にしています。

——すなわちFabeeeの考えるDXとは、「変革のための手段」だということですか?

佐々木 そうです。変革を巻き起こすためにデジタルを駆使する。それがFabeeeの社員全員が共有する価値観です。会社組織の変革のみにとどまらず、心拍数を上げていったその先には、社会の変革が待っている。そんな使命感を全員が抱いて仕事をしています。

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DXの落とし穴

画像:Fabeee株式会社 佐々木 淳氏

——先ほど「変革を目的としたDX」という話をされていましたが、佐々木さんが考えるDXとは「変えること」が一番の目的だということでしょうか。

佐々木 そう考えてもらって問題ありません。VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性の頭文字を取った造語)という言葉にも通ずる先行き不透明、未来予測が困難な時代の中、大切にすべきなのは社会にアジャストできる企業や組織、個人であり続けられることだと思っています。

つまり社内の機能だけをトランスフォームしてもダメなのです。なぜならば会社、組織、事業は人が作るものだからです。いくら生成AIやデータサイエンスといった新しい技術を使ったとしても、単に機能面だけをデジタル化するだけでは変革には結びついていきません。もっと人間臭い部分、つまりマインド面が大切なのです。

——それが世の中のDXの勘違いであり、落とし穴だということですね。

佐々木 多くの人はDXを魔法の杖だと思っており「DX化すればなんとかなる!」みたいな風潮が強いのも事実です。「我が社も乗り遅れるな!」というノリで、経営層がデジタル世代の若手にDX化を任せてしまう場面も多く見られます。

しかし、それだとまったく上手くいきません。なぜなら、課題を体感的に理解できていない方がDX推進を担当すると、手段と目的が入れ替わってしまいがちなのです。いざ任せてみたら「手段」の方だけを変革して、「目的」はどっかにいってしまった、ということが往々にして起こります。麓から一歩ずつ頂上を目指して登っていったのに、最後に頂上にたどり着いたら「あれ?登る山を間違えた!」という感覚です。そんな結果を招いてしまっている企業が多いように感じます。

関連リンク:VUCA時代とは?ビジネスで広がる共創の概念。なぜ必要とされているのか?

Fabeeeはいわば「変革請負人」

——佐々木さんは、間違ったDXを推進してしまった企業を救済したい、つまり「やり直し請負人」とでも言うべき存在なのでしょうか。

佐々木 確かにお客様からも「やり直したい」というご要望をいただくことが多いですね。

とある地方の大企業のDX案件を任せていただいたときの話なのですが、その企業には大手のベンダーがDX推進を請け負っていたにも関わらず、なかなか具体的な効果が現れませんでした。経営層からは当然「費用対効果が薄い上に遅々としてプロジェクトが進んでいかない」という不満が噴出する。そこで当社にお声がけをいただいたのです。

また、某大手医薬品・化粧品メーカー様のDX推進案件では、パートナーに選定したコンサルティング会社へ毎年莫大な費用を払っているにも関わらず費用対効果が薄く、やはり経営層から不満が続出したため、当社にお声がけいただいたこともあります。

そういった意味では、結果的に「やり直し請負人」になっている部分があるかもしれませんね。これをもっとスマートに表現するならば「変革請負人」ですかね。

——「変革請負人」ですか。言い得て妙ですね。

佐々木 DXは短期的な効果を求めるものではないので、長期的なスパンで確実に積み重ねていくことが重要です。それが「心拍数を1あげていく」という当社のミッションにもつながっていきます。

「人生はワンツーパンチ」という歌の歌詞のように、3歩進んで2歩下がっても確実に1歩ずつ、同時にスピード感も持って登っていくというのがFabeeeのポリシーです。そうした小さな成功体験の積み重ねが、企業の意思決定を行うような役割の人々に影響を与えていくと思っています。DXを推進していく上では、そうした考えを企業側の意思決定者に理解してもらうことも重要ですね。

上層部はもっと下を巻き込んでWHO、WHAT、HOWの議論を行うべき

画像:Fabeee株式会社 佐々木 淳氏

——佐々木さんのお話を聞いていると、クライアント企業と向き合うだけではなく、すでに入っている大手ベンダーやコンサルタントとも協業していかないといけない大変さがありますね。

佐々木 おっしゃる通りです。先ほどもお話しした地方にある大企業のDX推進案件では、ある部分において大手のベンダーに退いてもらうような交渉も行い、協業、協働を図っています。

その企業では年間数百ものプロジェクトが走っており、そのほぼすべてを大手ベンダーが取り仕切っていました。私たちはその中の一つを全面的に任せてもらっているかたちですが、クライアントにとって極めて重要なピースとなるプロジェクトということで、高いモチベーションを抱いて仕事にあたっています。

——経営層との折衝・調整なども頻繁に行なっているのですか?

佐々木 行なっています。経営層の方々と接するときに、私が口を酸っぱくして伝えているのが「WHO(誰に)、WHAT(なにを)、HOW(どうやって)の議論をもっと行うべき」ということです。

たとえばマーケティングの基本的なプロセスである「WHO、WHAT、HOW」という流れで何かを進めようと思ったら、上層部だけの判断では本当にやるべきことの妥当性を見失ってしまう可能性があります。なぜならばHOWは具体的な手段であることから、もっと会社のリソースやビジネスを含めたトータルな考え方をしていかないといけない。WHOとWHATが明瞭になった時点で、上層部はもっと下を巻き込んでHOWの議論を行うべきです。そこが明瞭になれば、やるべきことに対する妥当性が明確となり、プロジェクトの推進力も大きく増していくことになります。

原点を見つめ直すことが変革のはじまり

——変革のための取り組みを進めるには、決定権や決裁権を持つ経営層に直接掛け合うことが大切ということですね。

佐々木 そうですね。ゆえに私たちは「インタビュー」を大切にしています。顧客になりそうな課題を抱える企業の経営層や、現場責任者をはじめとしたキーパーソンへインタビューを行い、それをもとにレポートを作成して、クライアントに目を通してもらうのです。

レポートとしてさまざまなペインやボトルネックが可視化されているので、否が応にも納得してくれますし、抽象的な戦略では見えてこないような自社の価値やニーズといったものも浮き彫りにすることができます。結果として「これが貴社の本当の価値ですよ」というものを示すことができるようになります。

——まさにそこから変革がはじまっていくのですね。

佐々木 そうなると「これを元に、こんなこともできるのではないか」という建設的な雰囲気が生まれ、企業側の企画担当から「こんなことはできませんか?」というご相談をもらえるようになります。

ここからが私たちの真骨頂で、じゃあ、今度は”やるべきこと”をプロダクトに置き換えてみましょうと提案し、通常ならば数ヶ月を要するようなプロトタイプを2週間以内に作り上げ、それに付随するデータ分析なども翌週には可視化してデモンストレーションを行います。

そうなるとクライアントもどんどん心拍数が上がってきて「これは一つの部署だけで留めておくのはもったいない」となって全社を巻き込んだ取り組みへと発展していく。そんな行動変容にまで持っていけることが私たちの強みだと思っています。

——そうした企業のキーパーソンに提案を行ううえで、強調していることはなんですか?

佐々木 「自分たちの原点を見つめ直すことの大切さ」を強調しています。

少し前に、大手メーカーのDX推進部のリーダーの方とお話させていただいた際、僭越ながら「歴史の変遷に必ず改革につながるヒントがある」と進言したことがあります。規模に限らず、企業というものは常に新しいことにチャレンジし、新しいサービスや事業を生み出し続けているものです。しかしそれをやりすぎた結果、祖業にもとづく本来の強みや企業価値を見失って迷走してしまう企業をいくつも見てきました。

そこで「貴社の原点はなんですか?」「貴社の軸足はどこにあるのですか?」という原点をテーマとした問いかけを行い、あらためてクライアントに自分たちの強みや社会的意義といった原点を見つめ直してもらうような働きかけをしています。

仮に事業の多角化の一つが成功したとしても、祖業から遠ざかってしまうと成功体験はバラバラになってしまいます。長期的な視野で見れば、それは成功とは言えません。そうした企業本来の原点を明確にイメージしてもらうことが、DX推進の起点になっていくと思っています。

——つまり、ある部門だけでなく、会社全体で何ができるのか、何をやるべきなのかを論じ合うためには、自分たちの祖業や原点を見つめ直すことが大切だということですね。

部門間連携の鍵は「各部署のリーダー」と「全体を鼓舞するトップ」の存在

佐々木 そして次のステップ、すなわち具体的な施策への落とし込みへと進んで行くわけですが、ここで問題となるのが「部署間の連携」です。

大企業であればあるほどたくさんの部署があり、DX化を推進するためにはそれらを有機的に結びつけるためのデータ統合を行わないといけません。これは手段であり、Fabeeeにはそうしたノウハウが豊富にあるので技術的には難しくありません。しかし、私たちはあくまでも外部の人間なので、部署間の連携を高めるような働きかけを行っていくには限界があります。

その解決策として一番効果的なのは、各部署にDX化推進に対する意欲を強く抱いたリーダーを立てることと、全体を鼓舞しながら旗を振っていけるトップの存在だと思っています。

そんな「人への働きかけ」「人を動かす」ということを全力で行っていくことが、変革を目的とするDX推進ではとても大切なのです。

——本来のDX推進とは、とても泥臭く、人間臭い取り組みだと言えますね。

関連リンク:マーケティングの成果向上に重要なデータマネジメントの課題に、組織間の連携・専門人材(アンダーワークス調べ)

失敗できる組織を作れ!

画像:Fabeee株式会社 佐々木 淳氏

——国内の企業が変革をテーマとしたDX推進を実施するにあたり、佐々木さんが課題と感じる部分は他にもありますか?

佐々木 「失敗を恐れる古き慣例」ですね。

日本では、失敗が「是」ではなく「非」と捉えられてしまう文化が根強くあります。しかし、何か新しいものを生み出したり、変革を成し遂げたりするためには、失敗は避けられません。というか、失敗をし続けることが成功へのヒントを生み出します。よって、失敗できる組織づくりができれば、成功体験を作りやすい状況が生まれるわけです。

日本の組織においては、旧来からの評価制度に縛られ、プレーヤーたちは失敗したら等級が上がらない、という恐れを常に抱いている人が多い。ですから、失敗が是とされる価値観に変えていかないといけないと思っています。

——具体的には「失敗すべきチーム」とはどういった機能のチームだとお考えですか?

佐々木 新規事業チームや事業推進チームですね。

これらは新しいものを生み出し、それを軌道に乗せていくことをミッションとしたチームで、特にトライ&エラーが強く求められる傾向があります。まずは失敗覚悟で取り組み、なんらかの成果物を生み出してみることに心血を注いでみる。それをサイクルとして回していける組織を作ることができれば、新規事業でもDX推進でも、成功する確率は大きく高まると思います。

——つまり「変革する」というのは事業創出がドライバーになるということですね。

佐々木 そうです。既存事業のDX化、すなわち今ある事業をデジタル化するというのは冒頭に述べた「手段」が主語になってしまうパターンであって、無駄な施策に終わる可能性が高い。やはりDX推進を行うならば「変革」を主語に、新しく社会にアジャストするための事業を生み出し再構築していくことを目的にするべきです。

それがエンジンとなって新しいものを生み出していくような潮流が生まれ、既存事業もそこに引っ張られていくような構造も生まれていくと思っています。

——「DX」という言葉自体が間違いを生み出す可能性もあるということですね。

佐々木 DX化を通じて既存事業をデジタル化すれば、売上向上や効率化が実現できてバラ色の世界が開かれるみたいな幻想がありますが、それは考え方として間違っています。やはり変革するには、自分たちの祖業を源に新しい事業創出を図っていくべきであり、そこにデジタル技術を活用していくべきです。それが私たちの基本的な考え方です。

——まさに「変革請負人」ならではといえる考え方ですね。そんな変革をクライアントに伴走しながらリードしていくにあたり、一番大事なポイントはなんだと思いますか?

佐々木 WHY(なぜやるの?)、WHO(誰に)、WHAT(なにを)、HOW(どうやって)の4つを大切に考えています。

私たちはクライアントへのインタビューなどを通じて、プロセスの断片となるものをキャッチし、それを元に具体的な施策と実現するためのしくみを考え、クライアントに伴走しながらスピード感をもって求められたものを実現していく。これをサイクルとして、常に新しい材料をとなるものをキャッチしながらプランをアップデートし、施策へと落とし込んでいくことで、精度の高いDX推進が実現していきます。

あとはクライアントが「よしやるぞ!」と覚悟を決めてくれるか否か。もし、覚悟を決めてくれるなら、私たちは徹底して変革を通じた成功への伴走を努めていくつもりです。

――とても力強いメッセージですね。今回はありがとうございました。

画像:Fabeee株式会社 佐々木 淳氏

プロフィール

佐々木 淳(ささき じゅん)

Fabeee株式会社 代表取締役 CEO 大学卒業後、2005年にシーズクリエイト株式会社に入社。不動産会社の営業部門に配属されたことを機に、まずはトップセールスの道を切り開こうと決意し、営業活動に従事。
同年、新規開拓部門においてトップセールスになり、MVP賞を受賞。
2008年には営業経験を活かし、株式会社ウィルオブ・ワークにて最年少コンサルタントとしてのポジションを獲得し、数々のプロジェクトを企画・参画する。そこでは、多くの転職希望者支援する事業を展開し、同グループ内においてMVP受賞。
その後、WEB業界に特化した人材紹介の企画・立上げを行う事業を展開し、フォトメ(現Fabeee)の事業の礎を築く。
満を持して2010年に20代で株式会社フォトメを創業し、2019年にFabeee株式会社へ社名変更。同代表取締役に就任(現任)。

撮影場所:SPACES新宿

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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