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イノベーター理論とは?市場に普及させるマーケティング活用術

2025.6.11
読了まで約 7

イノベーター理論は、新しい商品やサービスが市場にどのように普及していくかを分析した重要なマーケティング理論です。この理論は、消費者を5つの層に分類し、イノベーションの普及プロセスを説明します。

イノベーター理論によると、新製品やサービスが市場に浸透するためには、全体の約16%を占める「イノベーター」と「アーリーアダプター」に受け入れられることが鍵となります。これらの早期採用者が新しい商品やサービスを受け入れ、その価値を認識することで、より大きな市場へと普及していくのです。

マーケティング戦略を立てる上で、イノベーター理論は非常に有用なツールとなります。特に新規事業や革新的な製品を展開する際には、イノベーターやアーリーアダプターをターゲットにしたコミュニケーション戦略が重要になってきます。

また、イノベーター理論は、製品ライフサイクルの各段階に応じたマーケティングアプローチを検討する際にも役立ちます。初期段階では革新性を強調し、普及が進むにつれて安全性や信頼性をアピールするなど、消費者層に合わせた戦略の立案が可能になります。

この記事では、イノベーター理論の概要と、それを補完する「キャズム理論」について解説します。マーケティング担当者や起業家にとって、これらの理論を理解し活用することは、市場での成功を目指す上で非常に重要です。

イノベーター理論とは?

イノベーター理論とは、消費者を5つの層に分類することにより、新しい商品やサービスがどのように市場に普及していくのかを分析した理論です。この理論は、イノベーションの普及プロセスを体系的に説明する重要な概念として広く認知されています。

分類 全体に占める割合
イノベーター(革新者) 2.5%
アーリーアダプター(初期採用者) 13.5%
アーリーマジョリティ(前期追随者) 34%
レイトマジョリティ(後期追随者) 34%
ラガード(遅滞者) 16%

イノベーター理論では、市場に普及するためには、全体の16%にあたる、新しいものを受け入れやすい人たちに浸透することがカギだとしています。この16%は、イノベーターとアーリーアダプターと呼ばれる層で構成されており、新製品や新サービスの初期採用者として重要な役割を果たします。

この理論は1962年にアメリカ・スタンフォード大学の教授エベレット・M・ロジャースが著書『イノベーションの普及』のなかで提唱しました。ロジャースは、イノベーションの普及過程を社会学的な観点から分析し、消費者の採用パターンを明らかにしました。

イノベーター理論によると、イノベーターは商品やサービスの「新しさ」を重視しますが、全体の2.5%と少人数です。一方、アーリーアダプターは13.5%を占め、イノベーターと比較すれば人数が多い上、商品やサービスの「ベネフィット(利益・恩恵・便宜)」に着目し、新しいベネフィットを他の消費者に伝える力を持ちます。

イノベーターに加えてアーリーアダプターまで普及させることができるかが、新しい商品やサービスが、次のアーリーマジョリティや、レイトマジョリティまで広がるかどうかの分岐点になるというのがイノベーター理論の核心です。この理論は、新製品やサービスの市場導入戦略を立てる際の重要な指針となっており、多くの企業のマーケティング戦略に影響を与えています。

イノベーター理論は、テクノロジーの進化や消費者行動の変化に伴い、現代のデジタルマーケティングにも応用されています。例えば、ソーシャルメディアを活用したインフルエンサーマーケティングは、アーリーアダプターの影響力を利用した戦略の一例と言えるでしょう。

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

イノベーター理論による消費者の5つの分類と図解

イノベーター理論は、新しい商品やサービスの市場普及プロセスを理解する上で重要な概念です。この理論では、消費者を5つの異なる層に分類し、各層がイノベーションの採用にどのように関わるかを説明しています。

イノベーター理論における5つの消費者層は、以下の通りです。
●イノベーター(革新者):2.5%
●アーリーアダプター(初期採用者):13.5%
●アーリーマジョリティ(前期追随者):34%
●レイトマジョリティ(後期追随者):34%
●ラガード(遅滞者):16%

これらの層は、新製品やサービスに対する態度や採用のタイミングによって特徴づけられます。イノベーター理論によれば、新しい商品やサービスが市場に浸透するためには、全体の16%を占めるイノベーターとアーリーアダプターに受け入れられることが鍵となります。

特に、アーリーアダプターは新しい商品やサービスのベネフィットを見極め、他の消費者に影響を与える重要な役割を果たします。彼らは「オピニオンリーダー」や「インフルエンサー」としても知られ、マーケティング戦略において重要なターゲットとなります。

イノベーター理論は、新製品の開発やマーケティング戦略の立案において広く活用されています。各層の特性を理解し、適切なアプローチを取ることで、新しい商品やサービスの市場普及を効果的に促進することができます。

なお、イノベーター理論は時に「イノベーション普及理論」や「イノベーション採用曲線」とも呼ばれ、様々な分野で応用されています。この理論を活用することで、企業は市場動向を予測し、効果的なマーケティング戦略を立てることが可能となります。

1.イノベーター(革新者)

イノベーター理論において、イノベーター(革新者)は、「新しさ」を重視する人たちで消費者全体の2.5%を占めるとされています。これらの人々は、イノベーションを積極的に受け入れ、革新的な商品やサービスを誰よりも早く購入することに喜びを感じます。イノベーターは、新しい技術やアイデアに対して高い関心を持ち、リスクを恐れずに採用する傾向があります。

ただし重視するのはあくまでも新しさそのものであるために、商品の良し悪しやベネフィットなどについてはそれほど問題にはしません。イノベーター理論の観点から見ると、これらの人々は新製品や新サービスの初期段階で重要な役割を果たします。彼らの早期採用が、その後のイノベーションの普及プロセスを促進する可能性があります。

イノベーターは、市場に新しい製品やサービスが登場した際、最初に試す消費者グループとして注目されます。彼らの行動や反応は、イノベーション普及の初期段階における重要な指標となり得ます。

2.アーリーアダプター(初期採用者)

アーリーアダプター(初期採用者)は、イノベーター理論において重要な役割を果たす消費者層です。彼らは流行に敏感で、積極的に情報収集を行い、自身の判断で新しい商品やサービスを購入する傾向があります。市場全体の13.5%を占めるとされ、イノベーションの普及において重要な位置を占めています。

アーリーアダプターの特徴は、単に新しさだけでなく、商品やサービスの「ベネフィット」に着目することです。彼らは新たなベネフィットがあるかどうかを購入判断の基準とし、イノベーションの価値を見極める能力に長けています。

さらに、アーリーアダプターは情報発信力が高く、アーリーマジョリティやレイトマジョリティに対して大きな影響力を持ちます。そのため、「オピニオンリーダー」や「インフルエンサー」と呼ばれることもあり、イノベーションの普及において重要な役割を果たします。

イノベーター理論では、アーリーアダプターに受け入れられるかどうかが、新しい商品やサービスが市場に浸透するかどうかの鍵となります。彼らの採用が、次のアーリーマジョリティへの普及の橋渡しとなるため、マーケティング戦略において重要なターゲットとなります。

アーリーアダプターの特性を理解し、彼らに訴求するマーケティング施策を展開することが、イノベーションの成功に不可欠です。彼らの支持を得ることで、製品やサービスの信頼性が高まり、より広範な消費者層への普及が促進されるのです。

3.アーリーマジョリティ(前期追随者)

アーリーマジョリティ(前期追随者)は、イノベーター理論において重要な役割を果たす消費者層です。新しい商品やサービスを購入することに比較的慎重な人たちで、全体の34%を占めるとされます。彼らは「流行に乗り遅れたくない」という意識を持ちつつも、イノベーターやアーリーアダプターほど冒険的ではありません。

アーリーマジョリティは、平均より早く新しいものを取り入れる傾向がありますが、その判断基準はイノベーター理論における前の2つの層とは異なります。彼らは、イノベーターやアーリーアダプターの反応を注意深く観察し、その商品やサービスが実際に有用であるかを見極めようとします。

イノベーター理論において、アーリーマジョリティはアーリーアダプターの影響を強く受ける傾向があることから、市場全体へ浸透する橋渡しとなる「ブリッジピープル」と呼ばれることもあります。この特性により、彼らは新しい商品やサービスが主流市場に浸透するための重要な役割を担っています。

アーリーマジョリティを獲得することは、イノベーター理論に基づくマーケティング戦略において非常に重要です。彼らを取り込むことで、市場の過半数を占めるマジョリティ層全体への普及が加速されるからです。そのため、企業はアーリーマジョリティの特性を理解し、彼らのニーズに合わせた商品開発やマーケティング施策を展開することが求められます。

4.レイトマジョリティ(後期追随者)

レイトマジョリティ(後期追随者)は、イノベーター理論において新しい商品やサービスに対して懐疑的な人たちで、全体の34%を占めるとされます。彼らは、イノベーションの普及過程において慎重な姿勢を示し、新しい技術や製品の採用に時間がかかります。

レイトマジョリティは、まわりの動向を注意深くうかがい、半数を超える人たちが受け入れたことを確認すると、ようやく自分も購入する傾向があります。彼らは、イノベーションが十分に確立され、その利点が明確になるまで待つ傾向があります。このグループは、新しい製品やサービスに対して経済的な懸念や不確実性を感じることが多く、採用の決定には社会的圧力や実用的な必要性が影響します。

イノベーター理論の観点から見ると、レイトマジョリティは市場普及の後半段階で重要な役割を果たします。彼らが製品を採用することで、イノベーションは主流となり、市場の大部分に浸透します。マーケティング戦略においては、レイトマジョリティに対して、製品の信頼性や実績、コストパフォーマンスを強調することが効果的です。

「フォロワーズ」と呼ばれることもあるレイトマジョリティは、イノベーションの普及において重要な層であり、彼らの採用が市場の成熟を示す指標となります。

5.ラガード(遅滞者)

ラガード(遅滞者)は、イノベーター理論において最も保守的な消費者層で、全体の16%を占めるとされます。この層は新しい商品やサービスに対して強い抵抗感を持ち、「新しいものは受け入れたくない」という傾向が顕著です。イノベーター理論では、ラガードは伝統を重んじる傾向が強く、新しい製品やサービスが市場に浸透し、「伝統」と呼べるほど定着するまで採用しない特徴があります。彼らは変化を好まず、既存の方法や製品に固執する傾向があるため、イノベーションの普及過程において最後に採用する層となります。マーケティング戦略を立てる際、ラガードへのアプローチは非常に困難であり、イノベーター理論を活用する上では、この層への対応を慎重に検討する必要があります。

下記の図解も参考にしてください。

画像:イノベーター理論の図解

<イノベーター理論の図解>

キャズム理論とは?

キャズム理論は、アメリカのマーケティング・コンサルタントであるジェフリー・A・ムーア氏が、1991年に著書『キャズム』のなかで提唱しました。この理論は、イノベーター理論を発展させ、新製品やサービスの市場普及における重要な課題を指摘しています。

イノベーター理論では、市場の16%にあたるイノベーターとアーリーアダプターに受け入れられることが、市場に浸透するカギだとします。しかし、キャズム理論はこの考えに新たな視点を加えました。

キャズム理論によると、アーリーアダプターとアーリーマジョリティのあいだには大きな溝「キャズム」が存在し、アーリーアダプターに受け入れられただけでは、市場の大多数である「マジョリティ」(アーリーマジョリティ+レイトマジョリティ)は必ずしも受け入れないことがあると提唱します。

イノベーターとアーリーアダプターが新しい商品やサービスを受け入れるのは「新しさ」が主な理由です。一方、マジョリティにとっては、「大勢の人が使っている安心感」が購入の決め手となります。キャズム理論は、たかだか16%の人たちが使っているだけでは、マジョリティにとって十分な安心材料にはならないと指摘しています。

この理論は、特にハイテク産業や革新的な製品・サービスの市場導入において重要な意味を持ちます。イノベーター理論に基づくマーケティング戦略だけでは、キャズムを越えてマジョリティ市場に浸透することが難しい場合があることを示しています。

BtoBビジネスにおいても、キャズム理論は適用されます。多くの企業はリスクより安定性を重視するため、新しい商品やサービスがマジョリティに受け入れられるためには、「新しさ」よりも、「使いやすさ」や「安心感」をアピールすることが重要になってきます。

キャズム理論は、イノベーター理論を補完し、市場普及のプロセスをより詳細に分析することで、効果的なマーケティング戦略の立案に貢献しています。新製品やサービスを成功させるためには、イノベーター理論とキャズム理論の両方を理解し、適切なマーケティングアプローチを選択することが求められます。

まとめ

イノベーター理論は、新しい商品やサービスの市場普及を分析する重要な概念です。この理論では、消費者を5つの層に分類し、各層の特徴を理解することで効果的なマーケティング戦略を立てることができます。

◆ イノベーター理論では消費者を5つの層(イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガード)に分類します。

◆ 市場に浸透するかどうかは、全体の16%を占めるイノベーターとアーリーアダプターに受け入れられることがカギとなります。これらの層は新しい商品やサービスに対して積極的な態度を示します。

◆ 一方、キャズム理論は、アーリーアダプターとマジョリティの間には「大きな溝(キャズム)」があることを提唱しています。この理論は、イノベーター理論を補完する重要な視点を提供しています。

◆ マジョリティに受け入れられるためには、「新しさ」よりも「使いやすさ」や「安心感」をアピールすることがポイントとなります。これは、イノベーター理論を実践する上で重要な戦略です。

◆ イノベーター理論を活用したマーケティングでは、各層の特性を理解し、適切なアプローチを行うことが成功の鍵となります。特に、アーリーアダプターの影響力を活用し、キャズムを乗り越えるための戦略が重要です。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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