購買行動モデルとは、消費者が商品やサービスを購入するまでの行動をモデル化したものです。
この記事では、マスメディア時代、インターネット時代、コンテンツマーケティング時代、およびBtoBの購買行動モデルを紹介します。
購買行動モデルとは?
購買行動モデルとは、消費者が商品やサービスを購入するまでの行動プロセスをモデル化したものです。
購買行動モデルにもとづいてマーケティング戦略を立案することにより、見込み客が求めるものを適切なタイミングで提供することが可能となります。
購買行動モデルは、時代とともに変化してきています。
時代を大きく分けると、
1.マスメディア時代
2.インターネット時代
3.コンテンツマーケティング時代
の3つとなります。
メディアが進化・発展することにより、消費者の購買パターンは変化せざるを得ないからです。
一般に「購買行動モデル」は、BtoCの消費者を対象としています。
個人ではなく、組織が顧客となるBtoBでは、BtoCのものとは異なった購買行動モデルを想定することが必要です。
購買行動モデルの時代による種類と特徴
購買行動モデルの時代による種類と特徴を見てみましょう。
●マスメディア時代の購買行動モデル『AIDA』『AIDMA』
マスメディア時代の購買行動モデルの代表的なものとして、『AIDA』と『AIDMA』があげられます。
▪AIDA
購買行動モデルの中でもっとも古いものは、アメリカの広告研究家セント・エルモ・ルイス氏が提唱した『AIDA』です。
アメリカの心理学者E・K・ストロング氏が1925年に発表した論文『Theories of Selling』で引用したことにより有名になりました。
AIDAは、
・Attention(認知)
・Interest(関心)
・Desire(欲求)
・Action(行動)
の4つのステップで、消費者の購買行動をモデル化します。
AIDAは、その後すべての購買行動モデルの基礎となりました。
購買行動モデルの中ではもっとも有名といえるものです。
▪AIDMA
AIDMAは、アメリカの広告実務についての著作者サミュエル・ローランド・ホール氏が、1920年代にAIDAをうけて提唱しました。
AIDAに加え、『Memory(記憶)』のステップを含めていることが特徴です。
●インターネット時代の購買行動モデル『AISAS』
インターネットが登場することにより、消費者の購買行動は大きく変化することになりました。
そこで登場したのが『AISAS』です。
AISASは、2005年に電通が提唱したものです。
インターネット検索時代における、代表的な購買行動モデルとして知られています。
AISASでは、
・Attention(認知)
・Interest(関心)
・Search(検索)
・Action(行動)
・Share(共有)
の5つのステップで消費者の購買行動をモデル化します。
●コンテンツマーケティング時代の最新の購買行動モデル『DECAX』
近年、コンテンツマーケティングに力を入れる企業が増えています。
コンテンツマーケティングでは、消費者は広告によって商品を認知するのではなく、自らインターネットを検索し、コンテンツをきっかけとして商品を「発見」します。
購買行動モデルも、
・Discovery(発見)
・Engage(関係構築)
・Check(確認)
・Action(行動)
・Experience(体験と共有)
の5ステップからなる『DECAX』が提唱されることとなりました。
DECAXは、電通デジタル・ホールディングスが2015年に提唱した最新の購買行動モデルです。
BtoBの購買行動モデル
以上の購買行動モデルは、いずれもBtoCについてのものです。
しかし顧客が個人ではなく、組織となるBtoBでは、購買行動もBtoCとは異なったものとなります。
そこでBtoBの購買行動モデルとして、『ASICA』が一般社団法人 日本BtoB広告協会アドバイザーである河内英司氏により提唱されました。
ASICAモデルは、
・Assignment(課題)
・Solution(解決)
・Inspection(検証)
・Consent(承認)
・Action(行動)
の5ステップにより、BtoBでの購買行動をモデル化したものです。
まとめ
◆ 購買行動モデルとは、消費者が商品やサービスを購入するまでの行動をモデル化したもの
◆ マーケティング戦略を立案するにあたり、消費者の行動を想定することは重要
◆ マスメディア、インターネット、およびコンテンツマーケティングのそれぞれの時代に応じて異なったモデルが提唱されている
◆ BtoBの購買行動モデルとして『ASICA』がある