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オウンドメディア活用~トリプルメディアの新基準「PESO」モデルとは?

2019.12.23
読了まで約 3

企業の宣伝媒体の分類基準として、日本において一般的に使われているのが、「ペイドメディア」「オウンドメディア」「アーンドメディア」のトリプルメディアですが、海外では「PESO」モデルがメインで使われています。

今回は「PESO」モデルに注目して、企業の宣伝媒体について再考してみましょう。

 

トリプルメディアとは

トリプルメディアとは、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会が、2010年に新たなマーケティング手法への転換を求めるWEB宣言として発信したのが始まりといわれています。

トリプルメディアが発信された2010年当時は、インターネットが普及し、SNSが広く使われるようになったことから、従来の広告媒体だけではなく多くのメディアからのアプローチが可能になっていました。

さらに、今では高い割合で企業が運営しているオウンドメディアが、浸透し始めたのも2010年当時に見られた兆候でした。

現在日常的に普通にオウンドメディアを活用して機能している、消費者と企業のコミュニケーションや商品やサービスの情報収集は、実店舗や電話を通したカスタマーセンターが担っていたのです。

公益社団法人日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会は、そうした時代背景を受け、企業サイトから見た宣伝媒体を次の3つの基準で分類しました。

・ペイドメディア(Paid Media)
“買う”メディアのこと。企業が広告費を払って広告を掲載する従来型のメディアを指す。

・オウンドメディア(Owned Media)
“所有”するメディアのこと。自社コーポレイトサイトやブランドサイトなど、企業が直接所有するメディアを指す。

・アーンドメディア(Earned Media)
“得る”メディアのこと。信用や評判を得るメディア、SNSやブログ、twitter等といったソーシャルサイト等を指す。

 

「PESO」モデルとは

PESOモデルは、海外で使われている宣伝媒体の分類基準で、2010年に米国の大手PR会社Ketchum社が発表したとされています。
PESOモデルには、「ペイドメディア」「オウンドメディア」「アーンドメディア」のトリプルメディアに「シェアードメディア」が加わっています。

 

PESOモデルにおけるシェアードメディアとアーンドメディアの違い

PESOモデルにある「シェアードメディア」とは、消費者が発信するTwitter、Facebook、InstagramなどのSNSを通しての口コミや拡散を指します。
ここで気になるのが、公益社団法人日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会がWEB宣言として発信した「アーンドメディア」との違いです。

「アーンドメディア」においてもTwitter、Facebook、InstagramなどのSNSをメディアとしてあげています。
PESOモデルにおけるシェアードメディアとアーンドメディアの違いは、同じTwitter、Facebook、Instagramなどの上にある情報でも、シェアードメディアは、消費者が発信したものであり、アーンドメディアは企業がSNSを活用して発信した宣伝情報である点です。

 

企業が注意したいステマとは

Twitter、Facebook、Instagramなどの上にある情報は、消費者から見ると企業が主体となった宣伝情報なのか、消費者が自ら発信した口コミや拡散なのかは曖昧でわかりにくくなっているのが現状です。

最近話題となっているステルスマーケティング(ステマ)は、シェアードメディアとアーンドメディアの違いを十分に理解していなかったためにおこる重大な事例でしょう。

企業がSNSを活用して発信した宣伝情報であるアーンドメディアは、「消費者に宣伝と気づかせないようにされる宣伝情報」とならないように十分注意する必要があります。

たとえばインフルエンサーに企業が報酬を支払ってSNSへの掲載を依頼するインフルエンサーリレーションなどはシェアードメディアではなく、アーンドメディアに該当しますので、企業が主体となった宣伝広告であることを表示しなければならないでしょう。

 

宣伝媒体をコントロールしている主体

PESOモデルを理解する上で重要なのは、宣伝媒体をコントロールしている主体です。
4つのメディアをコントロールしている主体は下記のようになるでしょう。

ペイドメディア:企業

オウンドメディア:企業

アーンドメディア:企業(消費者との相互理解が必要)

シェアードメディア:消費者

 

シェアードメディアの重要性

シェアードメディアは、近年の企業マーケッティング戦略において欠かすことのできないものになっています。
シェアードメディアが発信する消費者の口コミや拡散は、企業にとってプラス面でもマイナス面でも多大な影響を及ぼします。

最近では、Twitter、Facebook、Instagramなどの記事の情報が商品やサービスの売り上げを劇的に上昇させたり、逆に下降させたりする現象を日常的に見られるようになってきました。

さらにYoutubeやVineなどの動画共有メディアも、強いインパクトをもつシェアードメディアとして浸透しています。
企業にとっては今後ますます消費者とのコミュニケーションの取り方が重要度を増していくでしょう。

 

まとめ

◆ PESOモデルには、「ペイドメディア」「オウンドメディア」「アーンドメディア」のトリプルメディアに「シェアードメディア」が加わっている

◆ PESOモデルにおけるシェアードメディアとアーンドメディアの違いは、同じTwitter、Facebook、Instagramなどの上にある情報でも、シェアードメディアは、消費者が発信したものであり、アーンドメディアは企業がSNSを活用して発信した宣伝情報である点

◆ シェアードメディアが発信する消費者の口コミや拡散は、企業にとってプラス面でもマイナス面でも多大な影響を及ぼす

◆ 企業にとっては今後ますます消費者とのコミュニケーションの取り方が重要度を増していく

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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