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エイチームのSEO戦略~データ分析と基盤作りについて~ |エイチーム連載第3回

2024.3.21
読了まで約 7

ライフスタイルサポート事業(比較・情報サイト)、エンターテインメント事業(スマホゲーム)、EC事業の3本柱で事業を展開する株式会社エイチームは、ブランド力のさらなる向上と事業の拡大を目指し、来期の2025年7月期前半までにターゲット規模がEV(事業価値)最大50億円程度までのM&Aを目指している。

この連載では、同社のマーケティング戦略を担う社員が登場し、自社の強みや、独自のマーケティング戦略について語ってもらう。第3回目は、エイチームライフデザイン プロモーションマーケティング本部 コンテンツマーケティング部の大島氏が、エイチームのSEO戦略とデータ分析について解説する。

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はじめに

SEO歴5年以上、エイチームライフデザインのコンテンツマーケティング部に所属している大島です。本記事では、エイチームのSEO担当として、集客力を上げるためのデータ分析とその基盤作りについて解説します。

SEOは検索順位を上げることだと思われがちですが、ただ順位だけを追っていても、本来得たい結果を得られません。

本当に得たいユーザーを集客できているのかという点を念頭におき、エイチームで実践しているデータ分析と基盤作りを解説しています。

ぜひ参考にしてください。

◆執筆者:株式会社エイチームライフデザイン コンテンツマーケティング部 大島 愼悟
◆主担当:暮らしの「まよい」を解決する情報メディア|イーデス

SEOとは何か

SEO(Search Engine Optimization)は、ウェブサイトやコンテンツが検索エンジンの検索結果で上位に表示されるように最適化するための手法のことをいいます。

リスティング広告との関連性

リスティング広告は、主に広告に焦点を当てたマーケティング手法ですが、SEOとも関連があります。

リスティング広告は、広告主が検索エンジンや他のウェブサイトに広告を出稿し、ユーザーに表示されることで、ビジネスの視認性や売上を向上させる広告手法のこと。

SEOと同じように、検索エンジンを利用したマーケティングなので、広告を出稿する際にキーワードやコンテンツの最適化が重要となります。また、SEOによってウェブサイトの品質や信頼性が向上すると、広告のクオリティスコアが向上し、広告の掲載順位やコストに影響を与えることもあります。

そのため、エイチームではマーケティング戦略の一環として、SEO、リスティング広告ともに注力し、相乗効果を生み出しています。

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SEO戦略におけるデータ分析

エイチームのSEO担当者が行っている基本的なデータ分析関連の動きは以下の4つ。

● Google Analytics 4(GA4)とGoogle Search Consoleで検索行動をチェックする
● GRCで順位状況をチェック
● コンバージョンと紐づけて、最大パフォーマンスを探る
● 他ジャンルの施策や動向をキャッチアップ

日々、マクロからミクロまでデータを見られるように分析環境を作り、最新のSEOの状況をキャッチアップしていきます。

1.Google Analytics 4(GA4)とGoogle Search Console

Google Analytics 4(GA4)とGoogle Search Consoleは、SEO対策において欠かすことのできないツール。一例として、下記の項目を月・週・日別でチェックしていきます。

<見るべきポイント>
● Google Analytics 4(GA4)
○ トラフィックの増減
○ 流入経路
○ ユーザー行動(滞在時間・エンゲージメント率)
● Google Search Console
○ インプレッション(全体・クエリ別・ページ別)
○ CTR・平均順位(全体・クエリ別・ページ別)
○ ページエクスペリエンス・インデックス

<こんな分析をしておきたい>
● 著しく流入に増減があったページ・クエリはないか
● ユーザー行動に変化はあったか
● 平均順位の割にCTRが低くなっていないか
● …

SEO対策は日々コンテンツの改善を行うため、マクロからミクロの視点で常に状況を把握しておくことが大切です。

記事投下や施策による効果があったのかなかったのかを把握するために、Google Analytics 4(GA4)とGoogle Search Consoleのデータを可視化しておきましょう。

画像:データをグラフで見やすくする

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2.GRCで順位をチェック

トラフィックを増やすために、順位を向上させることはSEO対策で重要なポイントです。
エイチームでは、GRCやahrefsを使って、登録したクエリの順位状況を常に追っています。

順位に関しても、マクロからミクロでみていきます。
また、順位データを分類しておくことで順位変動のトレンドやパターンが明確になり、仮説を立てやすくなります。

※任意のクエリで順位が見られればGRCやahrefsのツールでなくても問題はありません

画像:GRCでの順位チェックイメージ

クエリ・ページ・分類を一元管理しておく

画像:クエリとURLをカテゴリやジャンルでグルーピング

自社サイトで公開したクエリと分類して、一元管理しておくことで、データを見やすく整形することができます。

事前にこのような準備をしておくことで、PDCAを回しやすくなり、おすすめです。

デイリーで順位チェック

画像:クエリと順位を日別で集計

日々の順位変動にフレキシブルに対応できるように毎日データを取得しています。
GRCは自動で順位データを保存する機能があるので、なるべく工数をかけずに更新することができます。

ファインダビリティスコアの考え方で、「領域・ジャンル・分類」などに、幅広い観点で順位をチェック

画像:ファインダビリティスコアの考え方で順位を把握

順位変動やSEO獲得率を数値で把握するために、ファインダビリティスコアの考え方でデータを管理しています。

「カテゴリ・ジャンル・難易度・クエリタイプ・市場」など、クエリを分類して、カタマリとして順位を見ることで、順位変動のトレンドやパターンを掴みます。

このようなデータの見方をすることで、仮説・実行・検証・改善のPDCAが早くなります。

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3.コンバージョンと紐づけて、最大パフォーマンスを探る

自社サイト別で問い合わせ・申込など、様々なコンバージョンが存在します。

それらコンバージョンをページごとの検索パフォーマンスや順位動向と紐づけて、最大パフォーマンスが出る戦略を組み立てます。

画像:コンバージョン(目標)とデータを紐付けて表示させる

上記のようにページやクエリごとのパフォーマンスを計測し、注力クエリと非注力クエリを選別し、優先度を決めていきます。

ページ数の多い大規模メディアになればなるほど、この優先度が肝になっていきます。

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4.他ジャンルの施策や動向をキャッチアップ

エイチームでは、引越し、金融、通信、転職、結婚など、幅広いジャンルのメディアが存在します。

SEOの動向は常にGoogleによって変化するので、それぞれのメディアの担当者ごとに施策共有会を実施し、日々コミュニケーションをとっています。

画像:他ジャンルの動向や施策のキャッチアップ

<主に共有する内容>
● GOOD・BAD
○ 実施した施策で良い事例があったか
● TRY
○ 新しく打とうとしている施策
● 課題・相談
○ 順位が上がらない
○ 数値に迷いがある
○ など、幅広い悩みから課題

このようなテンプレで定期的にコミュニケーションをとることで、SEOメディアのグロースから保守の生産性を上げています。

未来を見据えたデータ分析基盤

ChatGPTをはじめとして、BardやBingなど、様々な場所でAIの利用が活発化されていくことを予測して、データの取り方を統一していく動きを進めています。

AIの登場により、よりパーソナライズ化されたコンテンツであったり、分析の手法もグレードアップしていかなければなりません。

様々な状況に対応できるように以下の分析基盤を整えています。

1.データの取得項目・形式を揃えておく

エイチームでは様々なメディアを扱っていますが、メディアごとに取得するデータの項目や形式が違ったりしています。

この状態だと、クロスマーケティングやデータ学習に使う際に非常に扱いづらいです。

後々扱いやすいようにデータ設計を整えておくことで、次のアクションを早めます。

<例>
・年齢:30代・35歳・29〜35歳など…

2.BigQueryのデータをBIツールで可視化

Google Analytics 4(GA4)やGoogle Search Console、コンバージョンデータをBigQueryに入れ込みBIツールで可視化します。

BigQueryはエイチームで利用しているスプレッドシートなどGoogle系のサービスやBIツールとの相性が良いです。

GA4をはじめとして、様々なデータ(アクセス履歴・CVデータ…)をBigQueryで管理することで、必要な時に必要なデータを取得し分析できます。

TablauLookerStudioなど、データを可視化できるBIツールと組み合わせて、より高度な分析ができる基盤を整えています。

画像:BigQueryのデータをBIツールで可視化参考:https://www.data-be.at/magazine/google-dataportal-template/

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コンテンツマーケティングの生産性をあげる

ここまで解説した中でも非常に多くの分析を行っていることがわかったと思います。
しかし、これらをすべて行っていくにはかなりの労力がかかってしまいます。

昨今のGoogleの状況を見ると、コンテンツの品質を問われるシーンも多いため、コンテンツの磨き込みに労力を寄せるために、生産性を上げることは大きな課題です。

画像:オペレーションを整えて生産性を上げる

そのため、具体的には以下の動きも並行して行います。

● 分析基盤の統一
● オペレーション改善
● 外部リソースの活用

生産性を上げるために、SEOメディア分析に必要なデータソースを統一し、オペレーションを効率化していきます。

多くのメディアを保有していることと人材の流動性を加味すると、オペレーションや分析基盤を統一しておくことで、教育コストも下がるため、品質を維持しやすくなります。

また足りないリソースに関しては、外部リソースをどんどん活用することで、1人あたりの生産性を上げることを目指します。

このようにメディア自体の品質向上を実現するために、生産性を上げていきます。

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エイチームが目指すSEOメディアの姿

エイチームでは、メディアを見るユーザーに寄り添ったコンテンツ制作を目指します。
エイチームのメディアを見れば、「知りたいことがわかった」「悩みがなくなった」そんな状態を目指して、日々コンテンツ制作を行っています。

ユーザーファーストのコンテンツを制作するためには、データを用いて定量的に分析することは必須です。

様々なツールを使い、工夫することでコンテンツの品質を上げ、高品質コンテンツをユーザーに提供できるようにチーム一丸となって尽力しています。

画像:暮らしに役立つ情報が満載参考:https://www.a-tm.co.jp/top

補足:おすすめの分析・計測ツール

Googleスプレッドシート

BigQueryやGoogleのサービスとの相性がよく、日々の分析に便利。

● おすすめ分析アドオン
○ GA4 Magic Report(GA4のデータを取得)
○ Search Analytics for Sheets(サーチコンソールのデータを取得)

Looker Studio

データを視覚的に分析し、ダッシュボードやレポートを作成するための無料のビジュアライゼーションツールです。データスタジオを使用することで、さまざまなデータソースからの情報を統合し、見やすいグラフやチャート、テーブルなどのビジュアルコンポーネントを使ってデータを表示できます。

Microsoft Clarity

Microsoft Clarityは、ウェブサイトのユーザー行動を追跡し、データを視覚化して分析するためのツール。ヒートマップ(クリック、スクロール、マウスムーブメントなど)、セッションレコーディング(ユーザーがウェブサイト上で行ったアクションのビデオ録画)を用いて、ユーザーデータを観察してコンテンツ改善に活用できます。

tami-co

tamicoはSEOに最適なコンテンツを作るためのサポートが充実したツール。記事コンテンツを分析し改善するのに必要な情報がひとまとめになっているので、有料ツールですが、使う価値のあるツールです。

執筆者

大島 愼悟(おおしま しんご)

株式会社エイチームライフデザイン プロモーションマーケティング本部

フリーランス、メディア会社を経て、2020年にエイチームフィナジーへ中途入社。入社後は、前会社で担当していた転職メディアの運営を担当し、現在は暮らしの「まよい」を解決する情報メディア|イーデスを担当。転職領域のSEOを担当しながら、メディア開発のための、エンジニア、デザイナーとの連携窓口も務める。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

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