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自社のサービスに競合他社のリスティング広告が出たときの対処法

2021.3.10
読了まで約 4

GoogleやYahoo!の検索窓から自社の社名やサービス名を検索したときに、競合他社の広告が出ていることを見かけたことがあるマーケターは沢山いるでしょう。競合他社ゆえに、その企業が自社のサービスを検討しているユーザーを意図的に取り込もうとしているのではと懸念を抱くのも無理はありません。リスティング広告を運用する中で意図的に表示させている企業も中にはありますが、意図せず広告表示がされている場合がほとんどです。

今回は、リスティング広告で自社の社名・サービス名に他社の広告が出てしまう理由と、対処法をご紹介します。

自社のサービスに他社の広告が出てしまう理由

自社のサービスを検索したときに、他社の広告が出てしまう理由としては2つ考えられます。意図的に広告を出しているケースと、多くの関連ワードをキーワードに設定しているがために表示されてしまっているケースがあります。

① 意図的に広告を出している
企業のサービス名で検索するユーザーは、課題がすでに顕在化しており、その課題を解決するためにそのサービスを知って検索をします。そのため、競合他社にとっては魅力的なターゲットであり、リスティング広告で新たな顧客を取り込めることができる絶好の機会です。

他社のサービス名に意図的に広告を出している企業には、そのサービスを検討しているユーザーを自社の顧客に取り込むという明確な戦略があるため、遷移先のLPでそのサービスとの比較を打ち出し、いかに自社のサービスが魅力的か伝え、問い合わせへ誘導しているケースもあります。

しかし、広告を出されている企業からすれば、自社のサービスを検索したユーザーが他社の広告を見て混乱を招くリスクもあり、決して看過できることではないため、トラブルになりやすいのが現状です。そのため、意図的に他社のサービスに広告を出すことを避ける企業がほとんどと言えるでしょう。

② 関連ワードの設定が多く、表示されてしまう
GoogleやYahoo!などのリスティング広告の精度は年々に向上しています。クリック、コンバージョンなど企業が求める効果を最大化するために日々学習をし、より効果的なキーワードに広告を表示させるようにしています。

広告表示をさせるキーワードに関連ワード(厳密には、部分一致でのキーワード設定)を多く設定してしまうと、リスティング広告の学習によって、他社のサービス名が効果のあるキーワードと認識され広告表示してしまうことがあります。

一方で、競合他社のサービス名であると学習することは難しいため、運用側でそれを管理する必要があります。そのため、特に管理されていない場合には、効果のあるキーワードと認識され続け、広告表示されてしまいます。

このようにして意図しない形で他社のサービス名に自社の広告が表示され、他社から申し出がない限り、気づかないケースも往々にしてあります。

商標権の侵害にはならないのか?

サービス名を商標登録している企業のマーケターであれば、商標登録されているサービス名に他社が広告を出すことは商標権の侵害になるのではないかと考えるかもしれません。

結論から申し上げると、商標の使用制限の対象にはなっていません。これは、GoogleやYahoo!でも各サイトで明記されています。

【Google 広告】
キーワードとしての商標の使用 キーワードとしての商標の使用については、Google の調査や制限の対象となりません。 https://support.google.com/adspolicy/answer/6118?hl=ja

【Yahoo!広告】
検索広告における商標使用制限について キーワードは本申請による制限の対象外です。商標である「キーワード」で検索された場合の広告表示を制限するものではありません。
https://ads-help.yahoo.co.jp/yahooads/ss/articledetail?lan=ja&aid=36704

GoogleやYahoo!は商標に対して他社の使用を黙認しているわけではなく、広告文に自社のサービス名が使用されている場合、GoogleやYahoo!へ申し立てを行うことができます。この申し立てが認められれば、広告主に対して使用制限を行います。

【Google広告】
商標権所有者様向けヘルプ

【Yahoo!広告】
商標権者による商標の使用制限の申請について

関連記事:商標登録を徹底解説します!円滑に進めるためのやり方とは?

リスティング広告で他社の広告を見つけた時の対処法

GoogleやYahoo!で制限できないとなれば、どのようにしたらよいのでしょうか。まずその広告主に広告掲載をしないように申入れをします。この時に広告主が意図的に広告表示をしていると決めつけないで、あくまで丁寧に低姿勢で進めていくことが重要です。

また、自社名・サービス名に広告掲載をしないよう一方的に申し入れるのではなく、お互いの企業名・サービス名に表示しないように協力しあうという姿勢で臨むことがポイントです。

① 広告主へ連絡をする
広告主の企業とつながりがあれば、まずはその担当者に連絡をしますが、つながりがなければ企業のホームページから問合せをします。その際に使用できるテキストをテンプレートで用意しましたので、是非ご活用してください。


Title: リスティング広告に関するご相談

Text: 株式会社◇◆◇◆ リスティング広告ご担当者様

いつも大変お世話になっております。 △▲△▲株式会社のマーケティング担当の×××と申します。

突然のご連絡にて失礼いたします。 表題の件に関し、ご相談がありご連絡いたしました。

現在、弊社のサービス名「〇●〇●」で検索すると、 貴社のサービスが広告表示がされているようです。

貴社が運用されているリスティング広告のなかで、 関連ワードをキーワードに多く設定されている場合、 意図せず広告表示されてしまうことがあるようです。

上記について、リスティング広告の運用設定で、 広告表示されないように設定することが可能でございます。

もしよろしければ、お互いの企業・サービス名に広告表示がされないよう、 リスティング広告ご担当者様とご相談の機会を頂戴できますと幸いです。

突然のご連絡にも関わらず、 このような申し出となり大変恐縮でございますが、

何卒ご検討のほどよろしくお願いいたします。


 

② 詳細な設定について認識を揃える
広告主のリスティング広告担当者とつながり、申し入れに対して承諾を得ることができたら、具体的な設定方法について認識を揃えます。除外キーワードに設定するキーワードには、企業名・サービス名はもちろん、英語・カタカナ・ひらがな表記も対象とします。

また、「サービス 料金」のような関連ワードでも表示されないよう、除外キーワードは「部分一致」で設定できると企業名・サービス名に関連した検索キーワードに対して表示されないようにすることができます。

除外キーワード 企業名・サービス名の漢字、英語、カタカナ、ひらがな表記
詳細な設定方法 部分一致*
「サービス名 料金」の組合せ(並びが逆の場合も)を含む、 対象キーワードに関する検索ワードはすべて除外

③ 設定が終わったらお互いに報告をする

詳細な設定について認識を揃えたら、時を置かずに自社のリスティング広告に広告主が要望した除外キーワードの設定を行い、完了の報告を広告主に連絡しましょう。広告主からも完了の連絡が来たら終わりです。

互いの完了後しばらくは除外キーワードに設定したキーワードの検索結果に広告表示がされないか確認をしていきます。

そのほかの対策方法

万が一、広告主が対応をしない、または、対策を十分に行いたい場合には2つ方法があります。

①「公式」表記を広告文に入れる
公式サイトであると表記させることで他広告への流出を抑制することができます。

② 入札単価を上げて、インプレッションシェアを獲得する
これはリスティング広告の専門的な方法になりますが、入札単価を上げて自社の広告を表示させる機会を強化することで、他社よりも上位に広告表示されるようにします。

入札単価を上げることは投下する広告予算も増える形になるので、結果的には獲得単価が高騰してしまうリスクがあります。

まとめ

● 自社サービスの検索に他社の広告が出てしまう理由に、意図的に広告を出しているケースと、多くの関連ワードをキーワードに設定しているがために表示されてしまっているケースの2つがある

● サービス名を商標登録している場合でも、キーワードは商標使用制限の対象にはなっておらず、GoogleやYahoo!は各サイトでその旨を明記している

● 広告主に広告掲載をしないよう申し入れを行うときには、お互いの企業名・サービス名に表示しないように協力しあうという姿勢で臨むことがポイント

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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