現在、スマートフォンやＰＣをはじめ、インターネット環境を利用する際に必要となる機器は、暮らしの中には必要不可欠といって良いほどの存在となりました。このような便利さや、活用範囲の拡大にはスマートフォンやＰＣ内で活用できるアプリケーションの充実化が影響しているとも考えられます。アプリケーションへの需要の高まりから、アプリケーション利用ユーザーと接触機会を生み出そうとする企業やマーケターが存在し、ビジネスへの新たな取り組みとして活動範囲を広げています。その方法に、アプリケーションのインストールを促進させる目的で広告を表示させるサービスに、「Apple Search Ads（アップル サーチ アズ）」が存在します。
Apple Search Adsを活用すると、ユーザーが何かしらの目的を持ってアプリケーションを探しているといった検索行動を取った際に、企業やマーケターが提供するアプリケーションそのものが、発見されやすくなり、検索ユーザーに最も適したアプリケーションが広告の表示を通して提供される仕組みとなります。
本記事では、「Apple Search Ads（アップル サーチ アズ）」とは？という部分から、その特徴や実際の運用方法などを詳しくご紹介していきます。
目次
Apple Search Adsとは
世界的に見ても認知度の高さが伺えるAppleでありますが、そのAppleが提供を行うサービスのApple Store内に、広告の表示が可能となる画期的な機能のApple Search Adsが存在します。主に広告の表示を通して、アプリケーションのインストールを促進させる目的で、活用の場が用意されています。Apple Search Adsの歴史はまだ浅く、2018年に日本国内でのローンチが開始された比較的新しい広告サービスです。
Apple Search Adsの特徴として、アップルが提供するデバイスである、iPhone、iPad、MacといわれるiOS端末に対応することが挙げられます。アップルが提供するさまざまなデバイスを通して、Apple Store内にアプリインストールを促進させる広告を、効率よく表示することが可能となります。また、ユーザーは目的を持ってApple Store内で検索行動をとり、その検索結果に連動する形でアプリケーションの広告が表示されるため「検索連動型広告」の部類に該当します。
インターネット広告の中でも検索連動型広告は、最もポピュラーな広告手法として認知されていますが、GoogleやYahoo!が提供をおこなう検索連動型広告とは少し異なり、Apple Search Adsはアプリケーションのインストールを目的とし、最大限に効果を発揮する限定的な広告です。
実際に、広告表示が可能なデバイスは、iOS端末に限られてしまうことから「広告効果はあまり期待できないのではないか？」と思われた方もいるかと思われます。しかし、現在は国内の半数程度のユーザーがiOS端末を利用しているというデータもあり、まとまった母体数が確保されていることが把握できます。そのため、アプリケーションのインストールに重きを置き、広告の表示を考えた際にApple Search Adsを活用することにより、より多くのユーザーとの接触機会を設けることができるといった強みがあるのです。そんなApple Search Adsはアプリケーションを探す側と、届ける側の双方において大きな効果を発揮するのです。
Apple Search Ads運用における広告表示場所
Apple Search Adsを活用した際に、広告が表示される場所に関しては、Apple Store内の検索結果画面上に実際の広告が表示されます。この場所には他の広告媒体から流入する広告の掲載ができないシステムとなっているため、Apple Search Adsの限定的な広告枠として採用されています。
また、リスティング広告と同様に、広告枠以外にも自然検索枠が設けられているため、検索結果画面上には広告と自然検索でヒットしたアプリケーションの検索結果が、同一ページ上に表示されるといった特徴があります。
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表示された広告と自然検索が検索結果画面上に混在するため、「広告の存在価値が薄れてしまうのではないか？」と思われがちですが、広告表示枠は検索結果の画面上で最も目立つ位置である、最上部に表示枠が設けられています。そして、自然検索でヒットした検索結果よりも上に広告の表示が実施されることから、検索ユーザーへ確実にアプローチをおこなうことが可能となります。
Apple Search Adsが用意するプラン
Apple Search Adsには２つのプランが用意されています。自身のビジネスモデルにマッチしたプランを選択することにより、広告効果を最大限に高めることが可能となります。
ここからは、Apple Search Adsの2つのプランについてご紹介していきます。
Search Ads Basic
Search Ads Basicプランの利用には難しい設定は必要ありません。広告配信地域、インストール単価、予算の3つの設定を完了させましょう。その他は自動化により最適化がおこなわれ運用が開始できます。広告運用の知識が無くても、自動化のサポートにより安心して広告の運用を実施することが可能であります。また、Search Ads Basicプランの活用は、広告運用における複雑な設定を苦手とする方にもおすすめでき、工数や時間や労力の削減に効果を発揮します。
Search Ads Advanced
Search Ads Basicプランでは広告配信におけるさまざまな設定が簡易的におこなえ、システムの自動化が特徴として挙げられました。一方、Search Ads Advancedプランでは、広告配信における詳細な設定をマーケター自身で実施できる特徴があります。ピンポイントで目的のユーザーに広告の表示が可能となり、広告効果を最大限に高める特徴を兼ね備えます。
広告表示には複雑な設定が発生する場合が多いですが、マーケター自身で内容を理解し、運用実施にさまざまなギミックを組み合わせることで、広告表示対象とするユーザーへ的確にアプローチすることが可能となり、広告効果を最大限に引き出すことが可能となります。
Apple Search Adで採用される課金方式
前述の通り、Apple Search Adsには、2つのプランが用意されていることをご説明しました。
では、実際にApple Search Adsで採用されている課金方式についてご紹介していきます。
Apple Search Adsの選択するプランによって、課金方式に違いがあるためプラン別にみていきましょう。
Search Ads Basicプランで採用されている課金方式
広告表示における工程で必要とされる各種設定を、比較的簡単におこなえ、扱いやすいとされるSearch Ads Basicプランでは、インストール課金方式といわれるシステムが採用されています。このインストール課金方式は、「cost per install」といわれ、その頭文字をとりCPIとも略されて広告市場では浸透しています。
インストール課金とは、Web利用ユーザーが広告を経由してアプリケーションをインストールした際に、広告費用が発生する仕組みです。実際に、広告が表示されただけでは広告費用が発生することがなく、アプリケーションのインストール時に、はじめて費用が発生するといった大きな特徴があります。インストール課金方式は、アプリケーションのインストールといったように目的が明確化されているため、無駄な広告費の出費を防ぎ費用対効果を高めます。初めてApple Search Adsを利用する方や、広告運用に不安があるといった方にも安心して広告運用が可能となる課金方法でしょう。
Search Ads Advancedで採用されている課金方式
広告配信における詳細な設定をマーケター自身で実施できるといった特徴があるSearch Ads Advancedでは、タップ課金方式といわれるシステムが採用されています。
タップ課金方式は、「cost per tap」といわれ、その頭文字をとりCPTとも略されています。
タップ課金方式である「CPT」とは、Apple Search Adsで活用される指標であり、主に広告市場ではクリック課金であるCost Per Click「CPC」として浸透しています。
タップ課金方式はインストール課金方式と同様に、広告が表示されただけでは費用が発生しません。タップ課金方式は、Apple Search Adsに広告が表示され、Web利用ユーザーが表示された広告をタップした際にはじめて広告費用が発生する特徴があります。
実際に、広告が何回も表示されたとしても、Web利用ユーザーが広告をタップしない限り費用は発生しないといった利点があります。
ただし、Apple Search Adsの広告掲載場所は、各検索結果画面上に1か所しか用意されていません。そのため市場の変化や競合他社の動き次第では、タップ単価は変動し高騰する可能性もあるので運用には注意が必要です。
Apple Search Adsの始め方
Apple Search Adsの始め方について簡単にご説明していきます。
事前に準備する項目
まず、Apple Search Adsを始めるにあたり、「Apple ID」の取得と「App Storeでアプリケーションを登録」を実施しておきましょう。この2点をあらかじめ準備しておくことで、ス
ムーズにApple Search Adsを始めることが可能となります。
「App Store（アップストア）」は、Apple製品に向けアプリケーションのダウンロードを提供するサービスです。実際に作成したアプリケーションのアップロードが可能である事や、アプリケーションの管理におけるさまざまなデータの確認や分析を一貫して行うことができるので覚えておきましょう。
アカウント作成
次に、Apple Search Ads のアカウントを作成します。ここで事前に取得したApple IDの使用が必要になります。アカウント作成時には、前述でご説明しましたSearch Ads Basicまたは、Search Ads Advancedのプラン選択が可能であります。また、アカウント名、国や地域、使用する通貨といったさまざまな項目をアカウント作成時に設定が必要となります。
キャンペーングループとキャンペーンの作成
アカウントの作成が完了しましたら、キャンペーングループとキャンペーンの作成を行いましょう。ここでは、実際に広告を出稿したいアプリケーションの選択が可能となります。
広告グループの作成とキーワードの設定
広告グループの作成では、広告表示対象とするユーザーのターゲティング設定を広告グループ作成に合わせて行います。ターゲティングには配信対象とするデバイス、ターゲット層、場所、顧客タイプなどさまざまなユーザーシグナルを加味したターゲティングが可能となります。また、キーワードの設定には、実際に検索ユーザーが使用する可能性の高い検索キーワードを設定することができます。広告を実施するアプリケーションに関連高いキーワードを設定することにより、検索ユーザーの検索に対し広告表示機会が増加する可能性が高まります。
まとめ
本記事では、「Apple Search Ads（アップル サーチ アズ）」とは？という部分から、その特徴や実際の運用方法などをご紹介してきました。Apple Search Adsは広告市場で最もポピュラーな検索連動型広告手法が活用されていますが、そもそも広告表示目的がアプリケーションのインストールに特化させた独特な特徴がありました。
現在は、スマートフォンの普及に伴い、膨大な数のアプリケーションが市場には存在し、アプリケーション利用ユーザーは自身の意思決定により、好みのアプリケーションを選択して、自由に活用できる世の中であります。Apple Search Adsはアプリケーションを必要とするユーザーと、アプリケーションを届けたい企業やマーケターの重要な架け橋を担いその存在価値を確立しています。
しかし、Apple Search Adsは広告市場では、まだまだ発展途上に過ぎません。
今後、アプリケーションの開発と共にApple Search Adsは更なる成長が予想でき、今より多くの企業やマーケターが参入する可能性が十分にあります。注目が高まるApple Search Adsを現段階でしっかりと理解し、ビジネスやサービスの更なる成長に活用してみてはいかがでしょうか。
