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【コラム】コストリーダーシップ戦略とは?その意味と企業の具体的な成功事例

ビジネスの戦略の一つとして「コストリーダーシップ」というものがあります。
どのような考え方なのか?ほかのビジネス戦略とどのように異なるのか?具体的な事例も交えて解説します。

 

コストリーダーシップ戦略とは?

コストリーダーシップとはハーバード大学教授で世界的に有名な経済学者であるマイケル・ポーター氏が提唱したビジネス戦略の一つです。

●コストリーダーシップ戦略の意味
コストリーダーシップ戦略は競合他社と比較して安い価格帯で商品やサービスを提供する、あるいは原価を抑えて利益率を増大させることで競争における優位性を確立する戦略です。

「大量生産して単価を安くする(ボリュームディスカウント)」「生産工程の効率化」「材料原価の低減」「直接仕入れ」「人件費や固定費の削減」といった様々なコスト削減を行うことで、他社と同じようなクオリティの商品あるいはサービスを安価で提供できるようになります。

仮に価格を下げなくても、原価を下げることで利益率がアップします。

●安売りとの違い
コストリーダーシップ戦略と「安売り」は似ているようで異なるものです。
安売りとはあくまで「売価を下げる」のみ。
在庫を処分するためにセールを行って一時的に価格を下げる、オープン記念や閉店セールなど一時的な集客のために利益度外視で価格を下げるといった施策は安売りといえます。

コストリーダーシップは原価を抑える仕組みを構築した上で価格を下げる、利益率をアップさせるという戦略です。

●コストリーダーシップと他の戦略の違い
マイケル氏は「コストリーダーシップ戦略」以外にも、「差別化戦略」「集中戦略」という戦略を提唱しています。
この3つの戦略のいずれかを選択することで、企業は他社に対して優位性を確立できるとされています。

差別化戦略はコストリーダーシップ戦略とは真逆といえる戦略です。
高価格で質が高い、希少性が高い商品やサービスを提供します。
高級ブランドや高級レストランなどは差別化戦略をとっています。

集中戦略とは小さい市場をターゲットにして集中的に商品やサービスを投下する戦略です。
万人受けするものを提供するのではなく、ニッチな需要を満たすものを提供することで、独自の市場を確保します。

  基本的な考え方 市場規模 原価 販売価格
コストリーダーシップ戦略 競合他社よりも低価格で商品・サービスを提供する
差別化戦略 高価格で付加価値が高い商品・サービスを提供する
集中戦略 ニッチな需要を満たす商品・サービスを提供する 低~高 低~高

企業の基本的な戦略は、「コストリーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」の3つ。
そして、コストリーダーシップ戦略は原価を下げて低価格で商品やサービスを提供する戦略であることを念頭に置いておきましょう。

 

コストリーダーシップ戦略のメリットとリスク

次に、コストリーダーシップ戦略を採用するメリットと、リスクについて考えてみましょう。

●コストリーダーシップ戦略のメリット
「安い」というのは顧客にとっては大きな魅力となります。「良い商品を安く購入したい」というのは誰もが考えることであり、価格は大きな判断材料となります。
コストリーダーシップ戦略をとって販売価格が競合他社よりも抑えられたら、集客アップが見込めます。

また、利益率の向上も期待できます。
原価80円のものを100円で売っていた場合、利益率は20%です。
これをたとえば安い材料に変えて原価70円に抑えられれば、利益を10%増大させることができます。

●コストリーダーシップ戦略のリスク
コストリーダーシップ戦略にはリスクもあります。
価格を下げることで、競合他社が追随して値下げをし、価格競争に発展してしまうケースも少なくありません。
価格を下げすぎたあまり、利益が出せず、値上げもできないという状況に陥ることも考えられます。

また、コストリーダーシップ戦略を過剰に進め、価格を極端に抑えたり、品質が悪くなってしまったりすることで、「安っぽい」「安いけど品質もそれなり」という企業イメージが定着してしまうリスクも考えられます。

行き過ぎたコストリーダーシップ戦略は自分の首を絞めることにもなりかねません。

 

コストリーダーシップ戦略の成功事例

コストリーダーシップ戦略をうまく取り入れて経営に成功している事例をいくつか見ていきましょう。

●マクドナルド
世界的にも有名なハンバーガーチェーン。
コストリーダーシップ戦略に成功している代表的な企業といえます。
物流システムや徹底したマニュアル化によってモスバーガーやバーガーキングといった競合他社と比較して圧倒的な低価格を実現しています。

ただ、過去にはコストリーダーシップ戦略が行き過ぎたあまり、過当な価格競争に陥って業績が悪化したこともありました。

現在ではコストリーダーシップ戦略をとりつつ、魅力的な商品の開発やサービスなどの付加価値もアップさせ、コストと質のバランスが良い展開をしています。

●サイゼリヤ
サイゼリヤもコストリーダーシップ戦略によって成功をおさめている外食チェーンです。
徹底した管理や流通、オペレーションの効率化によってコストダウンを実現しています。

敷居が高かったイタリアンを圧倒的な安さで提供。
「サイゼリヤ=安い」というイメージが定着し、学生を含めた若年層の取り込みに成功しています。

●すき家
すき家は同じ外食チェーンでもマクドナルドやサイゼリヤとは別の角度でコストリーダーシップ戦略を実践している企業です。

食材の大量仕入れや店舗の少人数オペレーション、多店舗化によって原価を抑えることで低価格な牛丼を提供してきました。

ただし、一時期ワンオペによる強盗被害、低賃金・過労といった労働環境の悪化によるバイト離れが問題となりました。

そこで、すき家でもコストリーダーシップ戦略を維持しつつ、品質を向上して値上げをする差別化戦略にも舵を切りつつあります。

●ユニクロ
ユニクロの魅力はお手軽な価格で品質が高い衣服が買えること。
高いコストパフォーマンスを実現している秘訣はSPA(製造小売業)という仕組みにあります。

ユニクロでは商品の開発、製造、販売までを一貫して自社で行っています。
卸売などの中間業者が存在しないことで、マージンなどが発生せず、効率的な物流を実現。
浮いたコストを販売価格として還元しています。
 
●ニトリ
ユニクロと同様、SPAによるコストリーダーシップ戦略を採用。
家具業界においてはいち早くSPA方式を導入し、パイオニア的な存在といえます。

「お、ねだん以上。」というキャッチコピーを前面に打ち出し、コストパフォーマンスの良さをアピール。集客にも成功しています。

 

まとめ

◆「コストリーダーシップ戦略」「差別化戦略」「集中戦略」のいずれかを採用することで、競合他社との優位性を確立できる

◆コストリーダーシップ戦略は競合他社と比較して安い価格で商品・サービスを提供する、あるいは利益率をアップさせる戦略

◆コストリーダーシップ戦略では原価を抑える仕組みを構築することが重要

◆行き過ぎたコストリーダーシップ戦略は価格競争や商品・サービスの質の低下、企業イメージの悪化を招くリスクも伴う

 

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