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Google広告新サービス、P-MAXキャンペーンの基礎情報

2021.12.28
読了まで約 7

近年は、インターネット環境の整備やスマートフォン、タブレット端末の需要増加によりオンライン環境を使用したサービスが続々と登場しています。その中でもWeb広告市場は日々さまざまなアップデートを繰り返し、目まぐるしい速度で成長を遂げている広告媒体であります。日本国内でもWeb広告市場の勢いは年々増加傾向であり、多くの企業やマーケターの間で活用の場が広がり、Web利用ユーザーとの重要な架け橋を担っています。

世界的に注目を集めるWeb広告市場ですが、Googleが提供を行う広告配信サービスにGoogle広告というものが存在します。昨今、Google広告は世界中で最も利用されている広告として多くのユーザーに評価され、その存在価値を確立しています。そんなGoogle広告から「P-MAXキャンペーン」という新たなプロダクトがリリースされました。この度、リリースされたP-MAXキャンペーンは、Google広告を利用するユーザーにとって、さまざまな面で利便性の向上が期待できる内容となっています。また、今まで実装されてこなかったような内容も盛り込まれ、機能面においても今後の広告市場に大きな影響をもたらすのではないかとも考えられます。

本記事では、リリースされて間もない「P-MAXキャンペーン」について、その機能性や特徴に触れながら詳しくご紹介していきます。また、P-MAXキャンペーンをご説明する上で、Google広告の基礎知識への理解がベースになってくるため、Google広告の基礎も本記事で合わせてご紹介致します。

Google広告とは

Google広告とは、世界最大級の検索エンジンサービスを展開する大手企業であるGoogleが提供するオンライン広告です。現在、日本国内でも検索エンジンとしてのGoogleのシェア率は75%を超えるとされ、老若男女問わず幅広い層に親しまれるプラットフォームへと成長を遂げています。

関連記事:検索エンジンとは。世の中にある検索エンジン10選も紹介

Google広告のサービス展開当初は、Google Adwordsという名でスタートし、2018年に名称変更が実施されました。Google広告には多種多様な画期的機能が搭載され、ビジネスやサービスを提供するさまざまなユーザーのニーズに合わせ活用の場が年々広がりを見せています。世界的に見てもGoogleを利用するユーザーは膨大な数を占めることで、リアルなアクティブユーザーのさまざまなシグナルや、膨大な情報がGoogleには蓄積されています。その情報を活用しGoogle広告の実装が可能となるため、より精度の高いターゲティングが可能となり、自身の展開するビジネスや提供するサービスを目的のユーザーへ最大限にアプローチすることが実現します。実際に目的を持って検索エンジンを利用したユーザーの検索キーワードに対して広告の表示が可能となるサービスなど、自身の提供するビジネスやサービスに対して、比較的感度の高いユーザーに向けアプローチを仕掛けることができ、ビジネスやサービスの拡大に対し大きな力を発揮します。

Google広告の種類にはさまざまなものが存在し、テキストを用いて広告の表示を行うリスティング広告(検索連動型広告)や、画像とテキスト、動画などを用いて広告の表示を行うディスプレイ広告、さらにYouTubeなど動画に特化した広告配信を行う動画広告などが挙げられます。ターゲットの多角化への対応はもちろんの事、展開するビジネスやサービス、広告の目的に合わせ出稿方法を選択でき柔軟な広告配信が可能となります。

関連記事:Google広告の基本を解説!特徴・設定・管理画面のログイン方法まで!

P-MAX キャンペーンとは

P-MAXキャンペーンの始まりは2021年5月であり、Googleから正式にP-MAXへのプロダクトについてその全貌が世の中に明かされました。その後、着々とプロダクトスタートへの準備が進められ、ベータ版での運用テストを実施しさまざまなアップデートを行い、2021年11月に正式にP-MAXキャンペーンが全世界で使用できるようにローンチされたのです。

P-MAXキャンペーンは「パフォーマンス最大化キャンペーン」とも呼ばれ、Google広告配信においてさまざまな機能がアップデートされ、広告配信主に対して利便性が向上する機能を兼ね備えます。

実際の機能面は、前述のとおりGoogle広告の配信種類における、「検索広告・ディスプレイ広告・YouTube広告」などのGoogleが用意する各広告配信枠を一つのキャンペーンの括りとして統括し、広告の配信が可能となる画期的なサービスです。また、検索広告・ディスプレイ広告・YouTube広告だけには留まらず、「Gmail・Discover・Googleマップ」にも広告を配信できる特徴もあります。

例えば、今まで「検索広告」と「YouTube広告」といったように広告配信枠が違えば、各広告配信枠に対してキャンペーンを作成するといった段取りが基本的な流れが主流となっていました。しかし、P-MAXキャンペーンの登場により、キャンペーンそのものを1つにまとめて管理することができ、広告配信枠すべてに対し一括して広告の配信をすることが実現したのです。キャンペーン作成時に必要とされる各キャンペーンに対する予算設定など複雑かつ、時間のかかる工程をスムーズに実施できるようになり、今までの費やしてきた労力やリソースにも多少なりとも余裕が生まれることに繋がるでしょう。

P-MAXキャンペーンで適用される広告配信枠

ここからは、実際にP-MAXキャンペーンで適用が可能となる広告配信枠を種類別に簡単にご紹介していきます。

Search-検索広告

Googleが提供する検索広告とは、通称「リスティング広告」とも呼ばれています。機能としてGoogleの検索エンジンを利用して、ユーザーが実際にキーワードを入力し検索行動を取った際に、キーワードに紐づく検索結果に対して広告を表示させることができるサービスです。実際に表示される広告は、テキストのみで表示されるテキスト広告となります。Googleの検索エンジンを利用し、検索行動をとるWeb利用ユーザーは、何かしらの目的を持って検索行動に推移していることが予想できます。また、検索行動を既にとっているということは、何かしらの目的に対して興味関心の度合いが高いことも予想できます。そのため、Googleの検索広告を活用することで、このようにニーズが顕在化している感度の高いユーザー層へのアプローチが期待できることで、自社やマーケターが提供するサービスやビジネスの拡大が可能となります。

関連記事:リスティング広告の広告文作成ポイント

Display-ディスプレイ広告

Googleディスプレイ広告とは、Googleが提供するオンライン広告の一種であり、「GDN(グーグルディスプレイネットワーク)」とも呼ばれています。Googleディスプレイ広告を使用すると、Googleが運営するGmailやYouTubeをはじめとする、65万以上のアプリや200万以上のWebサイト上に自身が展開するビジネスやサービスを多くのユーザーに広告を活用して配信することが可能となります。

Googleディスプレイ広告はあらかじめWebサイトやアプリに広告スペースとして設けられた場所に広告を表示できるサービスです。前述のようにGoogle広告の代表的な広告として、ユーザーが検索エンジンを利用し、検索されたキーワードに対して自身のビジネスやサービスに関する広告の表示が可能となる「リスティング広告」が存在します。リスティング広告は検索行動に対し、ユーザーが目的を持って検索を行うことから、顕在層へのアプローチ能力が高くマーケターが掲げるコンバージョンへ繋がりやすい傾向があります。

一方、Googleディスプレイ広告に関しては、動画や画像を使用できることで視覚的にも自身の展開するビジネスやサービスを表示することが可能となります。そのため、幅広いターゲットに向けてビジネスやサービスのアプローチができ、認知拡大やブランディングに適しているといえます。

関連記事:GDNとは?ディスプレイ広告とリスティング広告の違い、活用法を解説

YouTube-YouTube広告

YouTube広告は、人気動画サイトであるYouTubeへ動画を主体とした広告を表示することができるサービスです。YouTube広告はユーザーデータを基に興味関心や行動、地域など、詳細なデータを活用したターゲティングが可能であり、自身の展開するビジネスやサービスを目的のユーザーへ的確にアプローチすることができます。

現在、日本国内でも老若男女問わず、YouTubeの利用ユーザーは年々増加傾向であり、動画配信サイトにおいて爆発的な人気を誇ります。この膨大な数の利用者数を広告と紐づけることで圧倒的な広告表示機会がYouTube広告では発生するのです。また、動画を中心とした広告表示が主流のため、視認性が高く、幅広い年齢層に向け広告を表示できる特徴があります。

関連記事:YouTubeを効果的に使って幅広くユーザーにアプローチする方法

Discover-ファインド広告

Discoverファインド広告とは、「Discover・YouTube・Gmail」内で、画像とテキストを使用しフィードの間で広告を表示することができるサービスです。実際にフィードの間に広告が表示されるため、コンテンツの一部かのような比較的ネイティブな広告の種類といえます。ネイティブな広告表示手法であるため、ユーザーの目には自然と広告が入ってくるかのような感覚で広告を届けることが可能となる特徴があります。また、Googleのログインデータを基に、ユーザーターゲティングが行われるため、さまざまなシグナルを加味した詳細ターゲティングが可能となります。

Gmail-ファインド広告

Gmail広告とは、Googleが提供するサービスであるGmail内に広告を表示することができるサービスです。広告表示面は実際のメールのような見かけの仕様でありますが、「広告」と記載されている特徴があります。広告をタップすると、広告の遷移先であるランディングページへ移動し、目的のユーザーを誘導することができます。広告表示面は受信トレイ段階であればテキストのみで広告の表示が行われ、開封段階であれば画像とテキストを用いて広告が表示されるので覚えておきましょう。

Map-ローカル検索広告

Map広告とはGoogleが提供するGoogleマップを活用し、広告配信を可能にしたサービスです。Map広告は「ローカル検索広告」と呼ばれ、近年ではローカル検索広告を活用して自身のビジネス拠点を広告表示させ、目的のユーザーへアプローチを行う企業も多く見られます。例えば、Google検索エンジンやGoogle Mapを利用し、ユーザーが「近くのショップ」を調べるといった検索行動を取った際に、自身のビジネス拠点を広告の表示を通してアピールすることができます。このサービスを活用することで、ユーザーの来店喚起を促し、電話での問い合わせ件数の増加など、提供するビジネスやサービスの拡大が見込めます。

※上記でご説明させて頂きました広告配信枠が、実際にP-MAXキャンペーンで適用が可能となる広告配信枠であります。各広告配信枠の特徴を理解した上で、P-MAXキャンペーンの活用を行いましょう。

P-MAXキャンペーンを活用するメリット

P-MAXキャンペーン最大の特徴は前述のとおり、Google広告の配信種類における、「検索広告・ディスプレイ広告・YouTube広告」などのGoogleが用意する各広告配信枠を一つのキャンペーンの括りとして統括し、広告の配信が可能となる点が挙げられます。このことからP-MAXキャンペーンを活用するとさまざまなメリットが生まれます。

まず、一つ目のメリットとして、今までキャンペーンデータはキャンペーンごとに分散されていましたが、P-MAXキャンペーンの効果により、さらに多くのデータがひとつに集約されるようになりデータ活用の幅が広がります。

二つ目のメリットとして、キャンペーンデータが一括りになることで、複雑化されていたキャンペーンの管理や運用が行いやすくなる点が挙げられます。

三つ目のメリットとして、より多くのデータが一つのキャンペーンに蓄積されるようになるため、さまざまなシグナルに対しGoogle独自の機械学習が機能し今まで以上の最適化が実施されることでしょう。

次に四つ目のメリットとして、それぞれのキャンペーンに対して行っていた予算設定を一括りで管理や設定の実施が行えるため、今まで広告表示において機会損失していた部分を補うことができることが挙げられます。

最後に、五つ目のメリットとして、見つけることすらできなかった、コンバージョンを発見できる可能性が高まることが挙げられます。今までキャンペーン自体を作成していないがために、広告の配信が実施されずに機会損失が発生していたキャンペーンに対して予算分配が可能となり広告配信が実施できます。自身が提供するビジネスやサービスの新規開拓により、今まで接点の無かったユーザーとの繋がりを確保することができ、結果としてコンバージョンを獲得できる可能性を広げることが期待できます。

まとめ

本記事では、「P-MAXキャンペーン」について、その機能性や特徴に触れながら詳しくご紹介してきました。年々注目の高まりを見せるGoogle広告から新たにスタートしたP-MAXキャンペーン。まだまだ実用化がスタートしたばかりでありますが、Googleが用意する各広告配信枠を一つのキャンペーンの括りとして統括し、広告の配信が可能となる画期的なプロダクトであることがわかりました。

そんな画期的なP-MAXキャンペーンですが、すべての工程において、完璧に最適化される能力は現段階で確立されていないため、Googleからも提言があるように、現在使用中のキャンペーンと並走させる活用法が推奨できます。P-MAXキャンペーンのリリースはまだ始まりにすぎません。近いうちにアップデートが繰り返され、さらに注目を集めるプロダクトに成長することが予想されますので、現状のP-MAXキャンペーンを理解し、今後の動向にしっかりと目を向けることが大切となります。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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